2015年春学期         「経営学入門」          第7回 企業の情報化 樋口徹.

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                2015年春学期         「経営学入門」          第7回 企業の情報化 樋口徹

IT革命の経営的意義 ①企業と顧客、および企業間の情報共有 ②スピード経営の重視 ・CRM(Customer Relationship  Management ):顧客と良好 な関係を構築し、「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」 を実施することが可能になった。 ・SCM(Supply Chain Management):ERP(Enterprise Resource Plannning; 統合基幹業務 システム)などに よって、企業の枠を超えて、必要な情報を共有する こと可能となり、サプライチェーン全体の効率化が 推進された。 ②スピード経営の重視 ・市場動向に 迅速 に対応が可能な生産・販売体制が構築さ れた。        ※情報システムと 物流 システムの連動が強化さ れ、さらに代金回収も配達時に行えるようになるな ど、より効果的に行えるようになった。

情報システム導入の背景 ①経済の成熟化(ある程度成長したが、成長は止まったあるいは 鈍化した状態)  ・経済成長(生産能力と所得水準の上昇)により購買力が増加  ↓  ・多様な ライフスタイル (都市化、女性の社会進出、高齢化)   (成熟市場では細分化が進む;安くて頑丈な製品だけでは売れな い)  ・製品の ライフサイクル の短縮化(成長鈍化により競争激化)   (企業は続々新商品やサービスを投入) ※多様な顧客ニーズを迅速かつ正確に把握し、 多品種少量 の生産・販売を効率的に行う必要性が高まった。

②ビジネス・プラットフォームとしてのインターネット インターネットがビジネスの 基盤 となる ・企業内部(情報システムはインターネット経由で従業員を結 びつけている。以前は、口頭、伝言、文書などで伝え なければいけなかった) ・対顧客(品揃えの確認、受発注、代金決済などがネット上で 広く行われている。以前は、電話や店舗で確認し、店 頭での買い付け、FAXや文書での注文を行わざるを得 なかった。) ・対協力企業(情報システム上で、在庫確認や注文の受発注 が可能になっている。以前は、電話、文書やFAXで注 文・確認していた。) ※ビジネスの様々な側面がネット上で行われるようになった。

③グローバル化 ・企業活動のグローバル化;企業の生産、調達、販売、開発活動 が地球規模で行われるようになっている。 ・ サイバー ・スペース;ネット上のスペースでは、時間と空間 を超えて活動が可能となっている。例えば、 以前は設計図を国際郵便で郵送していたが、 電子メールで瞬時に送付することが可能に なっている。) ・ ロジスティクス ・システムの高度化;ネットで注文したもの を即座に効率的に届ける仕組みへのニーズ が高まり、それを遂行する体制が整った。 ・国際情勢の安定化;東西冷戦が終わり、政治が安定し、経済的 な結びつきが強くなっている。 ※地球規模で迅速かつ効率的に活動することが求められる時代 になっている。

④タイムベースの競争(迅速な方が得) ・生産(注文後に、迅速に作れれば、余計な 製品在庫 を削 減できる) ※すぐ生産できれば倉庫での保管量を減らせる ・製品開発( 顧客ニーズ は日々変化:開発速度が遅いと 間に合わない) ※新製品を販売すると、とりあえず試しに買う人もいる ので、新製品を続々と投入する必要がある。 ・顧客への迅速な レスポンス (注文から提供するまでに要 する時間が短い企業は強い) ※顧客へのレスポンスを素早くするための仕組み作り が求められる。 ※競合他者より迅速に対応するための仕組みが必要となる。

企業における情報化 協力 企業との情報共有体制を整備しなければ、ビジネスを 円滑に行うことは困難になっている。 企業や組織は人の 集合体 であるので、コミュニケーション (情報の伝達や意思疎通)が重要な役割を果たす。 企業は外部から 収入 を得なければならないので、広告・ 宣伝活動や問い合わせへの対応が必要となる。 材料や人材など必要な資源を外部から 調達 しなければな らない時がある。 協力 企業との情報共有体制を整備しなければ、ビジネスを 円滑に行うことは困難になっている。 業績の向上に向けて、情報の入手・ 分析 が有効な手段と なる。 関係者に向けて適切に 情報公開 しなければ、社会の一 員として認めてもらえない(企業市民としての説明責任)。

近年の通信技術の進歩に伴うビジネス環境の変化  ブロードバンド (高速・大容量ネットワーク)化により、音声・ 画像・動画などが送れるようになった。 ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入 者専用線;電話用の銅製の回線を利用し、下りの通信速度を速 めたもの)、CATV(ケーブルテレビ回線を活用)、FTTH(Fiber to the home;光ファイバー)など家庭までブロードバンド化が進展し た。 インターネット技術+モバイル(機器)技術 ⇒ ユビキタス ・ ネットワーキング(あまねく利用可能)  クラウド コンピューティング(アプリはサーバーのものを利用 し、データはサーバーに保存する)  ビッグデータ (大量のデータを入手・分析し、貴重な情報を 発見する)