最低限 BIOS 理学院 宇宙理学専攻 修士2年 高橋 康人.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 PC の情報を得る - 「システム情報」 ①「スタート」 → 「すべてのプログラム」 → 「アクセサリ」 → 「システム ツール」 → 「システム情報」とクリックする。 ②左欄の項目を選択すると、右欄に情報が表示される。
Advertisements

最低限 BIOS 理学院 宇宙理学専攻 修士 2 年 高橋 康人. 目次 BIOS とは何か BIOS の役割 BIOS の操作 おまけ ( ハードウェアリソース, デバイスドライ バ )
Linuxを組み込んだマイコンによる 遠隔監視システムの開発
理学院 宇宙理学専攻 惑星物理学研究室 修士 2 年 徳永 義哉
情報検索概説II 第8回 パソコン組み立てと記憶装置 1999/11/25.
入 出 力 管 理 オペレーティングシステム 6/26/09.
Linux インストール      のための基礎知識 物理実験 I 情報実験第9回 2003/12/12 中神 雄一.
物理実験 I 情報実験第9回 2004/12/10 小西 丈予 2003/12/12 中神 雄一
物理実験 I 情報実験第9回 Modified 2005/12/2 徳永 義哉Original 2003/12/12 中神 雄一
1.コンピュータと情報処理 p.20 第1章第1節 3.ソフトウェア ソフトウェア 基本ソフトウェア
Linux のインストール ~パーティション管理とマルチブート~
クラウドにおける ネストした仮想化を用いた 安全な帯域外リモート管理
Android と iPhone (仮題) 情報社会とコンピュータ 第13回
北海道大学 理学院 宇宙理学専攻 惑星物理学研究室 M 2 齊藤 大晶
最低限 BIOS 理学院 宇宙理学専攻 博士1年 高橋 康人.
第1章 第1節 データを保存するときに(p.14-15) ・p.14 は,データ保存についての基本的な知識と保存場所について,実際の活用場面を想定して説明している。 ・p.15 は,ファイルの整理方法としてフォルダの活用と注意事項を紹介している。 1.
PCの情報を得る - 「システム情報」 ①「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「システム ツール」→「システム情報」とクリックする。 ②左欄の項目を選択すると、右欄に情報が表示される。
中神 雄一 (北大・理) 最低限BIOS 中神 雄一 (北大・理)
USB2.0対応PICマイコンによる データ取得システムの開発
最低限BIOS 物理実験1 情報実験第八回 2005/11/25
情報実習 情報実験第8回 最低限 BIOS 北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻 博士課程二年 岩堀智子 37.
情報実験第 7 回(2014/05/30) 最低限UEFI Ⅱ ~OS インストール, 起動~
はじめての BIOS 物理実験I - 情報実験 第8回 森川 靖大 (北大・理)
Linux のインストール ~パーティション管理とマルチブート~
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
Debian GNU/Linux ー Linuxインストールに必要な基礎知識 ー 三上 彩 鈴木 倫太郎
(original Takagi & Saito, 2007)
HTTPプロトコルとJSP (1) データベース論 第3回.
USB2.0対応PICを用いたデータロガーの製作
第3回 CPUの管理と例外処理 OSによるハードウェアの管理 CPUの構成、動作 CPUの管理 例外処理、割り込み処理 コンテキストスイッチ
オペレーティングシステム (割り込み処理)
第5回 CPUの役割と仕組み3 割り込み、パイプライン、並列処理
ネストした仮想化を用いた VMの安全な帯域外リモート管理
情報実験第 6 回(2013/05/31) 最低限 BIOS & UEFI
情報実習 情報実験第8回 最低限 BIOS 北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻 修士二年 近藤奨.
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
人間とコンピュータの違い コンピュータ 人間
専門演習Ⅰ 国際経済学部 国際産業情報学科 2年 石川 愛
情報コミュニケーション入門b 第6回 Part1 オペレーティングシステム入門
情報コミュニケーション入門e 第11回 Part1 オペレーティングシステム入門
All IP Computer Architecture
第8回 入出力装置1 インターフェース、ヒューマンデバイス
UEFI (1) POSTとハードウェア管理 情報実験第 6 回(2015/05/29)
前坂 たけし (北大院・理) 其の壱 はじめての BIOS 前坂 たけし (北大院・理)
Cisco Router GUI設定 CCPE3.2 紹介 本資料に記載の各社社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
序章 第2節 教育機器とコンピュータ 1 パーソナルコンピュータ
1.コンピュータと情報処理 p.18 第1章第1節 2.コンピュータの動作のしくみ CPUと論理回路
前坂 たけし (北大院・理) 其の壱 はじめての BIOS 前坂 たけし (北大院・理)
OSの仕組みとその機能 1E16M001-1 秋田 梨紗 1E16M010-2 梅山 桃香 1E16M013-3 大津 智紗子
リモートホストの異常を検知するための GPUとの直接通信機構
実行時情報に基づく OSカーネルのコンフィグ最小化
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
第7回 授業計画の修正 中間テストの解説・復習 前回の補足(クロックアルゴリズム・PFF) 仮想記憶方式のまとめ 特別課題について
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
コンピュータの基本構成について 1E16M001-1 秋田梨紗 1E16M010-2 梅山桃香 1E16M013-3 大津智紗子
コンピュータ概論B ー ソフトウェアを中心に ー #02 システムソフトウェアと アプリケーションソフトウェア
情報コミュニケーション入門b 第6回 Part1 オペレーティングシステム入門
情報コミュニケーション入門e 第11回 Part1 オペレーティングシステム入門
スイッチを入れる前に… 講習を受けていない人は、まだスイッチを入れないこと。 まず講習を受けてセットアップを行ってください 注意.
情報処理 タイマの基礎 R8C タイマの基礎.
情報実験第 7 回(2016/06/17) OS インストール・起動
オペレーティングシステムJ/K 2004年11月15日2時限目
Presented by なんでも作るつたい(隊)
最低限インターネット ネットワークにつなぎましょ!
コンピュータの仕組み 〜ハードウェア〜 1E15M009-3 伊藤佳樹 1E15M035-2 柴田将馬 1E15M061-1 花岡沙紀
OSが管理している、デフォルトの入出力装置 入力:stdin キーボード 出力:stdout モニタ(コマンドプロンプトの画面)
Cell/B.E.のSPE Isolationモードを用いた監視システム
第5回 メモリ管理(2) オーバレイ方式 論理アドレスとプログラムの再配置 静的再配置と動的再配置 仮想記憶とメモリ階層 セグメンテーション
明星大学 情報学科 2012年度前期     情報技術Ⅰ   第1回
明星大学 情報学科 2014年度前期     情報技術Ⅰ   第1回
Presentation transcript:

最低限 BIOS 理学院 宇宙理学専攻 修士2年 高橋 康人

目次 BIOS とは何か BIOS の役割 BIOS の操作 おまけ(ハードウェアリソース, デバイスドライバ)

目次 BIOS とは何か BIOS の役割 BIOS の操作 おまけ(ハードウェアリソース, デバイスドライバ)

BIOS とは Basic Input/Output System 電源投入~ OS 起動までを受け持つソフトウェア 「BIOS」は PC/AT 互換機特有のもの PC/AT 互換機以外(Mac等)にも相当するソフトウェアはある

BIOS とは! 電源投入直後~OS 起動 この期間では OS は起動しておらず BIOS による処理が行われている

計算機起動のイメージ 主電源投入 BIOS OS 一般的にはここまでが「起動」と呼ばれる段階 各種ソフトウェア・パッケージ ・・・・・・・・・・

BIOS のインストール先 ファームウェアとしてマザーボード上に組み込まれている ファームウェア・・・ハードウェアを動作させるために必要なソフトウェア。あらかじめ ROM に書き込まれハードウェアに組み込まれている。

BIOS のある場所 PC の電源を切っても情報が消えないよう、フラッシュメモリーに記録されている

代表的な BIOS 大手 BIOS メーカー 近年はマザーボードメーカーや製品毎にアレンジ 情報実験機の場合 AMI Award 特色のある機能を持ったものも(後述) 情報実験機の場合 AMI ベースの ASUS オリジナル

最低限 BIOS では・・・ BIOS の動作を学ぶ BIOS の操作を学ぶ おまけ 「起動時に勝手に動作して勝手に終わるよくわからないもの」という段階から一歩先へ BIOS の操作を学ぶ ハードウェアの基本的な設定を BIOS レベルで操作できるようになる おまけ CPU の動作を知る (ハードウェアリソース) ハードウェアとソフトウェアを仲介するソフトウェアを知る(デバイスドライバ)

目次 BIOS とは何か BIOS の役割 BIOS の操作 おまけ(ハードウェアリソース, デバイスドライバ)

BIOS の役割 POST シークエンス ハードウェアの認識 ハードウェアのチェック ハードウェアの初期化 OS の起動プログラムの呼び出し

POST シークエンス 電源投入直後(CPU リセット時)に行われる POST(Power On Self Test) ハードウェアの認識 何が接続されているかを認識する ここで認識できなければこれ以降「無い」ものとして扱う ハードウェアのチェック 認識されたハードウェアが正常かをチェックする 異常がある場合は警告表示・警告音 ハードウェアの初期化 BIOS セットアップでの設定内容に応じたハードウェアの初期化を実行する 場合によってはハードウェア専用 BIOS に処理させる ここまでの作業が完了してから OS に引き継ぐ

POST リードアウトの例 CPU : Intel(R) Core(TM) 2 Quad CPU Q9550 @ 2.83GHz Speed : 2.83 GHz Count : 4 Entering SETUP ... Press F8 for BBS POPUP Press ALT+F2 to execute ASUS EZ Flash 2 Memory: DDR2 800 in Dual-Channel Interleaved Mode Initializing USB Controllers .. Done 4096MB OK USB Device(s) : 1 Mouse Auto-Detecting Sata 1 ... IDE Hard Disk Sata 1 : Hitachi HDP725050GLA360 GM40A5CA Ultra DMA Mode-5, S.M.A.R.T. Capable and Statas OK Auto-detecting USB Mass Storage Devices .. 00 USB mass storage devices found and configured.

BIOS の役割 POST シークエンス ハードウェアの認識 ハードウェアのチェック ハードウェアの初期化 OS の起動プログラムの呼び出し

OS の起動プログラムの呼び出し BIOS CPU 電源投入 メインメモリ ハードディスク ここまでが CPUがBIOSを読み込む BIOSがPOSTを行うよう命令 BIOSがハードディスクの先頭にあるブートローダを読みに行くよう命令 CPUはブートローダからハードディスク中のOSの位置を教わる CPUはカーネルローダにOSのカーネルをメインメモリに転送するよう命令 CPUがメインメモリ上のOSにアクセスして起動 1 CPU BIOS 2, 3 6 メインメモリ 4 5 ハードディスク 5 ブート ローダ カーネル パーティション1 パーティション2

なぜ直接 OS を起動できないのか わざわざ BIOS を使うのはなぜか? BIOS は MB 上、OS は任意の外部記憶装置にインストールされている どの外部記憶装置かは不明 CPU が最初に読み込む情報を BIOS にまとめておく方が効率が良い BIOS はマザーボードに固定なので CPU が迷わない 読み込む情報は BIOS セットアップで設定できる

目次 BIOS とは何か BIOS の役割 BIOS の操作 おまけ(ハードウェアリソース, デバイスドライバ)

BIOS セットアップ BIOS の設定は任意に変更できる 操作時には十分注意する ブート順位の変更 ハードウェアの初期化設定 BIOS レベルでの起動ロック etc… 操作時には十分注意する ハードウェア起動の根幹にかかわる設定を操作するため、不適切に設定すると起動できなくなったり破損したりすることもある。

セットアップ画面への入り方 @情報実験機 簡易 OS 画面で BIOS Setup を選択 BIOS ロゴ画面で指定のキーを押す デフォルトでは 10sec で OS ブートが始まるのでそれまでに押す 計算機管理者の設定次第ではこの画面を省略していることもある BIOS ロゴ画面で指定のキーを押す この方法自体はどこのメーカーも一緒だが、使うキーはまちまち 入力受付は数sec しかないため、タイミングを逃した場合は再起動する

BIOS セットアップメニュー こんな感じの画面になれば無事成功

ブート順位の変更 ブートローダを読みに行くハードウェアの順番を設定する BIOS はこの設定をもとに CPU に指示を出す 本日の実習でも設定する 起動ドライブの優先順位を設定する  FDD, HDD, CD-ROM ?

その他の項目 ハードウェアの物理的状況監視 電源管理設定 オーバークロック設定 近年はメーカーや製品毎に様々な機能がある CPU 温度, ファン回転速度などをリアルタイムに取得。回転速度を指定できるものもある。 電源管理設定 主電源ボタンの動作やネットワークブートの設定 ネットワークブート・・・ネットワーク越しに計算機の起動をおこなう。 オーバークロック設定 オーバークロック・・・CPU に定格以上の電圧をかけて公称値以上のクロック数を引き出すこと。破損の可能性もあるので自己責任。 近年はメーカーや製品毎に様々な機能がある

CMOS 初期化 CMOS メモリ CMOS クリア BIOS セットアップの内容が記憶されたフラッシュメモリ 揮発性メモリのため常時通電されている 電源はMB上の電池 = PC 電源とは独立 電池の寿命は基本的には必要十分 まれに動作不良の原因になるため注意 CMOS クリア BIOS の設定を初期化する方法の一つ 電池を外してしばし待つ CMOS 内の情報が「揮発」するのを待つ 電池を再度取り付ける

BIOS アップデート BIOS を新しいものに更新すること ただし無保証, 非推奨 通常は不要だが、最新のパーツを使おうとすると必要になる場合もある ただし無保証, 非推奨 失敗すると起動が出来なくなるため、どうしても必要な場合以外は避ける

目次 BIOS とは何か BIOS の役割 BIOS の操作 おまけ(ハードウェアリソース, デバイスドライバ)

ハードウェアリソース 全ての作業を実行するのは CPU ハードウェアリソースの割り当て BIOS でも OS でも変わらない 各ハードウェアが無秩序に通信すると混乱 ハードウェアリソースの割り当て ハードウェアごとに CPU とのやり取りのための整理番号を与える IRQ 番号, I/O ポート, DMA チャンネル(省略) 割り当て・管理は BIOS, OS の仕事

IRQとは IRQ(Interrupt ReQuest) 利点 割り込み要求 CPU は様々な作業を擬似的に同時並行でこなすことができる ハードウェアからの作業完了報告など 利点 CPU は様々な作業を擬似的に同時並行でこなすことができる いちいちハードウェアを確認しなくても必要に応じてハードウェア側から要求が来る

IRQ番号 IRQ 番号 基本的には 0-15 の16個(の IRQ 端子) 情報実験機では /proc/interrupts に記載 CPU がどのハードウェアによる割り込みかを区別するために各ハードウェアに割り当てられる番号 割り当ては BIOS がおこない、 OS 起動後は OS が管理する 基本的には 0-15 の16個(の IRQ 端子) 特定のハードウェアで大半が予約済み 1:キーボード, 12: マウス, 14: ハードディスク等 近年は 番号の拡張や共有で不足分に対処 情報実験機では /proc/interrupts に記載

I/O ポート CPU とハードウェア間の入出力通信経路 2種類に分かれる IRQ がハードウェア⇒CPU なのに対して、I/O ポートは CPU ⇒ ハードウェア 2種類に分かれる メモリマップトI/O メインメモリ内に I/O ポートを構築 あまり使われない ポートマップトI/O 独立な I/O 空間を持ち、そこにI/Oポートを構築 I/O空間におけるアドレスを I/O ポートアドレスとよぶ インテル系 CPU ではこの方法を用いている I/O ポートの初期割り当ては BIOS , OS起動後はOS側が割り当て

デバイスドライバ ハードウェアとアプリケーション(正確にはAPI)の仲介を担当するソフトウェア アプリケーションの要請をハードウェアが解釈できる形に直す ハードウェアの応答をアプリケーションで扱う形に戻す ハードウェア固有の処理システムとOS側の標準インターフェースをつなぐ役目 かつては BIOS の仕事 現在は OS 側がデバイスドライバをもちいて行う

まとめ BIOS ハードウェアリソース デバイスドライバ OS 起動の下準備 BIOSセットアップ CPU とハードウェア間の通信 POST 起動プログラム呼び出し BIOSセットアップ ハードウェアの初期設定 ハードウェアリソース CPU とハードウェア間の通信 IRQ, I/O ポート デバイスドライバ ハードウェアとソフトウェアの仲介