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GLOBAL INITIATIVE FOR CHRONIC OBSTRUCTIVE LUNG DISEASE (GOLD) ティーチング・スライド・セット 2011年12月 このスライドセットは、学術・教育目的に限り使用できます。 スライドセットまたは個々のスライドを 商業目的やプロモーション目的で使用する場合には、 GOLDの許可が必要です。 © Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease

© Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease G O L D lobal Initiative for Chronic bstructive ung isease © Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease

GOLD Board of Directors GOLD Structure GOLD Board of Directors Roberto Rodriguez-Roisin, MD – Chair Science Committee Jørgen Vestbo, MD - Chair Dissemination/Implementation Committee Jean Bourbeau, MD - Chair

GOLD Board of Directors: 2011 R. Rodriguez-Roisin, Chair, Spain A. Anzueto, U.S. [ATS] J. Bourbeau, Canada T. DeGuia, Philippines D. Hui, Hong Kong PRC F. Martinez, U.S. M. Mishima, Japan [APSR] D. Nugmanova, Kazakhstan [WONCA] Ramirez, Mexico [ALAT] R. Stockley, U.K. J. Vestbo, Denmark, U.K. Observer: J. Wedzica, UK [ERS]

GOLD Science Committee - 2011 Fernando Martinez, MD Masaharu Nishimura, MD Roberto Rodriguez-Roisin, MD Don Sin, MD Robert Stockley, MD Claus Vogelmeier, MD Jørgen Vestbo, MD, Chair Alvar Agusti, MD Antonio Anzueto, MD Peter Barnes, MD Leonardo Fabbri, MD Paul Jones, MD

エビデンスレベルの記載について エビデンス 分類 利用できるエビデンス A B C D 症例数の多い無作為化比較試験(RCTs). エビデンス 分類 利用できるエビデンス A 症例数の多い無作為化比較試験(RCTs). B 症例数の少ない無作為化比較試験(RCTs). C 非無作為化試験 観察研究 D 専門医の判断

GOLD Board of Directors GOLD Structure GOLD Board of Directors Roberto Rodriguez-Roisin, MD – Chair Science Committee Jørgen Vestbo, MD - Chair Dissemination/Implementation Task Group Jean Bourbeau, MD - Chair GOLD National Leaders - GNL

China GOLD National Leaders Israel Slovenia Germany Brazil Ireland Bangladesh Saudi Arabia Slovenia Germany Brazil Ireland Yugoslavia Croatia United States Australia Canada Austria Taiwan ROC Mongolia Portugal Philippines Yeman Thailand Norway Malta Moldova Greece China South Africa Kazakhstan United Kingdom Syria Hong Kong ROC Italy New Zealand Nepal Chile Israel Argentina Mexico Pakistan Russia United Arab Emirates Japan Peru GOLD National Leaders Poland Korea Netherlands Egypt Switzerland India Venezuela Georgia France Macedonia Iceland Czech Republic Denmark Turkey Slovakia Belgium Singapore Spain Romania Columbia Ukraine Uruguay Kyrgyzstan Sweden Albania Vietnam

GOLD Website Address http://www.goldcopd.org

© Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease G O L D lobal Initiative for Chronic bstructive ung isease © Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease

GOLD の目的 医療従事者、健康政策当局、一般市民の間でCOPDの認知率を高める。 COPDの診断、管理、予防をよりよいものにする。

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪および併存症が、個々の患者の全般的な 重症度に影響を及ぼす。

気流制限 COPDでみられる気流制限のメカニズム 末梢気道病変 肺胞の破壊 気道炎症 気道の線維化:内腔の閉栓 気道抵抗の増加 肺胞付着部の消失 肺弾性収縮力の低下 気流制限

COPDの負荷 COPDは世界的に罹患率と死亡率が高い疾患 である。

COPDの危険因子 遺伝 肺の成長と発達 粒子への曝露 性別 喫煙 年齢 粉塵、有機・無機物質への職業的な曝露 呼吸器感染症 社会経済的状態 換気不十分な住居でのバイオマス燃料を使用した暖房や調理による室内空気の汚染 屋外大気汚染 肺の成長と発達 性別 年齢 呼吸器感染症 社会経済的状態 喘息/気道過敏症 慢性気管支炎

高齢者 COPDの危険因子 遺伝 感染症 社会経済的状態 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 喫煙 喫煙     職業上の粉塵・化学物質曝露 受動喫煙        屋内外の空気汚染 

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 診断および評価: キーポイント 息切れ、慢性的な咳や喀痰、COPD危険因子へ の曝露歴のある患者に対して、COPDの臨床診断 を考慮すべきである。 COPDの診断にはスパイロメトリーが必要である。 気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV1/FVC)が70 %未満の場合、持続的な気流制限があるとみなさ れ、COPDと診断される。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 診断および評価: キーポイント COPD評価の目的は、気流制限の重症度、患者の健 康状態への影響、将来発生しうるイベント(増悪、入院 、死亡など)のリスクを含めて、疾患の重症度を決定す ることである。 COPDでは併存症が高頻度でみられる。積極的に検査 を行い、必要に応じて適切な治療を行うべきである。

COPDの診断 → 危険因子への曝露 症状 息切れ 喫煙 職業上の曝露 慢性的な咳、痰 屋内外の空気汚染 スパイロメトリー: 診断のために必要な検査

気流制限の評価:スパイロメトリー スパイロメトリーは、変動を最小化するために、適切な用量の短時間作用性気管支拡張薬を吸入した後に行う。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 気流制限の評価:スパイロメトリー スパイロメトリーは、変動を最小化するために、適切な用量の短時間作用性気管支拡張薬を吸入した後に行う。 気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV1/FVC)が70%未満の場合、気流制限の存在が確認できる。 高齢者のオーバーダイアグノシスを防ぐために、可能な場合には同年齢の正常値との比較を行う。

スパイロメトリー: 正常例 FVC FEV1 = 4L FVC = 5L FEV1/FVC = 0.8 1 2 3 4 5 6 時間(秒) スパイロメトリー: 正常例 1 2 3 4 5 6 時間(秒) FVC FEV1 = 4L FVC = 5L FEV1/FVC = 0.8 (L) 呼気量

スパイロメトリー: 閉塞性疾患の例 閉塞性疾患 正常 5 4 呼気量 3 FEV1 = 1.8L (L) FVC = 3.2L スパイロメトリー: 閉塞性疾患の例 (L) 時間(秒) 5 4 3 2 1 6 FEV1 = 1.8L FVC = 3.2L FEV1/FVC = 0.56 正常 閉塞性疾患 呼気量

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 適切な治療の指針とするため、疾患の重症度と患 者の健康状態への影響および将来起こりうるイベ ント(増悪など)のリスクを判定する。以下の観点 について、個々に考慮する必要がある。 現時点で患者が呈している症状のレベル スパイロメトリー測定値の異常の程度 増悪の頻度 併存症の存在

症状の評価 スパイロメトリーによる気流制限 の評価 増悪リスクの評価 併存症の評価 COPDの評価 スパイロメトリーによる気流制限 の評価 増悪リスクの評価 併存症の評価

COPDの症状 COPDの特徴的な症状は、慢性で進行性の息切れと咳、喀 痰である。 息切れ: 進行性かつ持続性で、 運動時に悪化するのが特 徴的である。 慢性の咳: 間欠的な場合もあり、痰を伴わないこともある。 慢性の喀痰: COPD患者は、よく痰を喀出する。

COPDアセスメントテスト(CAT) または 修正MRC息切れスケール 症状の評価ツール COPDアセスメントテスト(CAT) または 修正MRC息切れスケール

症状の評価 COPDアセスメントテスト (CAT): COPD患者の健康状態の障害度を測定する8項目の評価票 (http://catestonline.org)。 修正MRC(英国医学研究評議会)息切れ質問票: 他の健康状態評価法とよく相関し、将来の死亡リスクを予測する。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 修正MRC (mMRC)質問票

COPDの評価 症状の評価 気流制限の程度の評価 スパイロメトリーを使って、 予測値の80%、50% and 30% を 境目にした4段階で 気流制限の重症度を評価する。

COPD患者の気流制限の重症度分類* FEV1/FVC < 0.70の患者で GOLD 1: 軽症 FEV1 > 80%予測値

COPDの評価 症状の評価 スパイロメトリーによる気流制限の程度の評価 増悪の評価 過去の増悪頻度とスパイロメトリーにより 増悪リスクを評価する。 過去1年間に2回以上の増悪を経験したか、 1秒量が予測値の50%未満の場合は 増悪のリスクが高いと考えられる。

過去の増悪頻度とスパイロメトリーに より増悪リスクを評価する COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪リスクの評価 過去の増悪頻度とスパイロメトリーに より増悪リスクを評価する 過去1年間に2回以上の増悪を経験 したか、1秒量が予測値の50%未満 の場合は増悪のリスクが高いと考え られる。

COPD患者の管理をよりよいものとするため これらの評価を組み合わせることが重要 症状の評価 スパイロメトリーによる気流制限の程度の 評価 増悪リスクの評価 COPD患者の管理をよりよいものとするため     これらの評価を組み合わせることが重要

COPDの総合的評価 (C) (D) (B) (A) リスク 症状 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー > 2 1 (C) (D) (A) (B) 修正MRC 0-1 CAT < 10 4 3 2 修正MRC > 2 CAT > 10 症状 (修正MRCまたはCAT score) (GOLD分類による気流制限の重症度)            リスク (過去の増悪頻度) リスク

COPDの総合的評価 (C) (D) (A) (B) まずは症状評価を行う 症状レベルは低い (A or C) 修正MRC 0-1 CAT < 10 修正MRC > 2 CAT > 10 Symptoms (修正MRCまたはCAT score) 修正MRC 0-1またはCAT < 10のとき 症状レベルは低い (A or C) 修正MRC > 2またはCAT > 10のとき 症状レベルは高い (B or D) まずは症状評価を行う

COPDの総合的評価 (C) (D) (A) (B) 次に増悪のリスクを評価する リスク Symptoms リスクは低い (A or B) > 2 1 (C) (D) (A) (B) 4 3 2 気流制限がGOLD 1または 2で 増悪頻度が0-1回/年の場合 リスクは低い (A or B) 気流制限がGOLD 3または4、 あるいは増悪頻度が2回以上/年の場合 リスクは高い (C or D) 次に増悪のリスクを評価する 修正MRC 0-1 CAT < 10 修正MRC > 2 CAT > 10 Symptoms (修正MRCまたはCAT score) (GOLD分類による気流制限の重症度)            リスク (過去の増悪頻度) リスク

COPDの総合的評価 (C) (D) (A) (B) 総合的な評価を行う リスク Symptoms > 2 1 (C) (D) (A) (B) 4 3 2 患者は次の4分類のどれか A: 症状レベル低、増悪リスク低 B: 症状レベル高、増悪リスク低 C: 症状レベル低、増悪リスク高 D: 症状レベル高、増悪リスク高 総合的な評価を行う 修正MRC 0-1 CAT < 10 修正MRC > 2 CAT > 10 Symptoms (修正MRCまたはCAT score) (GOLD分類による気流制限の重症度)            リスク (過去の増悪頻度) リスク

COPDの総合的評価 (C) (D) (B) (A) リスク 症状 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー > 2 1 (C) (D) (A) (B) 4 3 2 修正MRC 0-1 CAT < 10 修正MRC > 2 CAT > 10 症状 (修正MRCまたはCAT score) (GOLD分類による気流制限の重症度)            リスク (過去の増悪頻度) リスク

COPDの総合的評価 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー リスク評価にあたっては、GOLDグレードと過去の増悪頻度のうちリスクの高い方に基づいて判定する 患者 特徴 スパイロ メトリー分類 過去1年間の 増悪頻度 修正MRC CAT A リスク低 症状レベル低 GOLD 1-2 ≤ 1 0-1 < 10 B 症状レベル高 > 2 ≥ 10 C リスク高 GOLD 3-4 D

これらの併存疾患はCOPD患者の死亡や入院に影響する。定期的な検査と適切な治療が必要である。 冠動脈疾患 骨粗鬆症 呼吸器感染症 不安および抑鬱症 糖尿病 肺がん これらの併存疾患はCOPD患者の死亡や入院に影響する。定期的な検査と適切な治療が必要である。

COPDと喘息の鑑別診断 喘息 COPD 若年発症(しばしば小児期) 中年以降に発症 症状は日によって異なる 症状は徐々に進行 長年の喫煙習慣 喘息 若年発症(しばしば小児期) 症状は日によって異なる 症状は夜間、早朝に悪化する アレルギー、鼻炎、皮膚炎を併発 喘息の家族歴

追加検査 胸部X線: 他疾患の除外および重大な併存疾患の診断に有用。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 追加検査 胸部X線: 他疾患の除外および重大な併存疾患の診断に有用。  肺容量と拡散能: 重症度の確認に役立つが、患者の管理には必須 ではない。  酸素飽和度および動脈血ガス測定: パルスオキシメトリーにより、 患者の酸素飽和濃度を測定し、酸素療法の必要性を検討すること ができる。 α-1アンチトリプシン欠損症のスクリーニング: 白人の子孫で45歳未 満でCOPDを発症した場合もしくはCOPDの家族歴が顕著な場合 に実施する。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 追加検査 運動負荷試験: 自己ペースでの歩行距離の減少(6分間歩行試 験など)や検査室で行う漸増運動負荷試験など、客観性のある 方法で測定した運動能の障害は、健康状態の障害程度をよく反 映する指標であり、進行の予測因子でもある。 複合スコア: FEV1歩行距離または最大酸素摂取量で評価した 運動耐容能、体重減少、動脈血酸素分圧の低下などの複数の 項目を組み合わせて、死亡リスクの高い患者を特定する。

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: キーポイント 禁煙はCOPDの自然経過に対し、もっとも大きな影響 をもつ。医療関係者は、喫煙しているすべての患者が タバコをやめるよう指導すべきである。 薬物療法とニコチン代替療法は、ともに長期間の禁煙 率を高める信頼できる方法である。 すべてのCOPD患者にとって、定期的な身体活動は 有益であり、活動的な生活を続けるよう繰り返し指導 を行うべきである。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: キーポイント 適切な薬物療法は、COPDの症状を軽減し、増悪の頻 度と重症度を減らし、健康状態と運動耐容能の障害を改 善する。 現在のCOPD治療薬の中で、長期間にわたる肺機能の 低下に、決定的な影響を示したものはない。 インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を、地域のガ イドラインに従って実施すべきである。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: 禁煙 医師または医療関係者によるカウンセリングは、患者が 独自に行った場合に比べて禁煙率を有意に高める。短時 間(3分間)の禁煙を促すカウンセリングであっても、5- 10%の禁煙率が得られる。 ニコチン代替療法(ニコチンガム、吸入、鼻腔内スプレー、 経皮パッチ、舌下錠またはトローチ)は、バレニクリン、ブ プロフェン、ノルトリプチリンによる薬物療法と同様に、長 期間の禁煙率を確実に増加させ、プラセボに比べて有意 に効果が高い。

禁煙をめざす患者を支援する 簡潔な戦略 ASK 受診ごとに、すべての喫煙者を (質問) 系統的に把握する。  (質問) 系統的に把握する。 ADVISE    すべての喫煙者に強く禁煙を勧める。      (アドバイス) ASSESS   禁煙に取り組む意思の強さを把握する。      (評価) ASSIST     禁煙を助ける。  (支援) ARRANGE  フォローアップの予定を組む。  (調整)

治療オプション: リスクの低減 包括的なタバコ規制政策を、明確で一貫性があり、繰り返し発信さ れる禁煙メッセージによって進めていく。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: リスクの低減 包括的なタバコ規制政策を、明確で一貫性があり、繰り返し発信さ れる禁煙メッセージによって進めていく。 職場での曝露の排除または低減によって最も効果的に達成できる 一次予防に力を入れる。サーベイランスと早期診断による二次予 防もまた重要である。 換気の悪い状態で調理や暖房のために燃やすバイオマス燃料に 由来する屋内空気汚染を減らす、または回避する。 患者に、公的機関が発表する空気汚染情報をモニターするよう伝 え、重症度に応じて屋外での活発な運動を避けたり、汚染のみら れる時間には室内にいたりするようアドバイスする。

治療オプション: COPD治療薬 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー β2刺激薬 短時間作用性β2刺激薬 長時間作用性β2刺激薬 抗コリン薬 短時間作用性抗コリン薬 長時間作用性抗コリン薬 短時間作用性β2刺激薬 + 抗コリン薬の配合剤(単一吸入器) ※ メチルキサンチン類 吸入コルチコステロイド 長時間作用性β2刺激薬 + 吸入コルチコステロイドの配合剤(単一吸入器) 全身性コルチコステロイド ホスホジエステラーゼ4阻害薬※ ※日本では未承認

治療オプション: 気管支拡張薬 気管支拡張薬による治療は、COPDの症状管理の中心である。 気管支拡張薬は、頓用、あるいは症状を予防、減少させるための定時吸入用として処方される。 治療に使われる主な気管支拡張薬は、β2刺激薬、抗コリン薬、テオフィリンまたはこれらの組み合わせである。 治療薬の選択は、薬剤の利用可能性と、症状改善と副作用の両面からみた個々の患者の反応性に基づいて行う。

治療オプション: 気管支拡張薬 長時間作用性吸入気管支拡張薬は利便性が高く、短時間作用性気管支拡張薬に比べて症状改善効果が高い。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: 気管支拡張薬 長時間作用性吸入気管支拡張薬は利便性が高く、短時間作用性気管支拡張薬に比べて症状改善効果が高い。 長時間作用性吸入気管支拡張薬は、増悪および増悪による入院を減少させ、症状と健康状態を改善する。 クラスの異なる気管支拡張薬の併用は、単一の気管支拡張薬を増量するよりも有効性が高く、副作用のリスクが低い。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: 吸入コルチコステロイド FEV1 が予測値の60%未満の患者では、吸入コルチコ ステロイド(ICS)の定期的な吸入により症状、呼吸機能、 QOLが改善し、増悪頻度が減少する。 吸入コルチコステロイド療法により肺炎リスクの上昇が みられる。 吸入コルチコステロイドを中止することにより、一部の 患者で増悪が生じる可能性がある。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: 併用療法 吸入コルチコステロイドと長時間作用性β2刺激薬の併用 は、中等症から最重症のCOPD患者で、呼吸機能と健 康状態を改善し、増悪を減少させる効果が個々の薬剤 に比べて高い。 併用療法により肺炎リスクの上昇がみられる。 抗コリン薬(チオトロピウム)に長時間作用性β2刺激薬/ 吸入コルチコステロイドの配合剤を追加することで、新た なベネフィットが得られることがわかりつつある。

治療オプション: 全身性コルチコステロイド COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: 全身性コルチコステロイド リスク-ベネフィット比が好ましくないことから、全身性コルチコステロイドによる長期間の治療は避けるべきである。

治療オプション: ホスホジエステラーゼ4阻害薬 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: ホスホジエステラーゼ4阻害薬 繰り返す増悪と慢性気管支炎の既往のある重症および最重症のCOPD患者 (GOLD 3 and 4) で、ホスホジエステラーゼ4(PDE-4)阻害薬ロフルミラストは、経口グルココルチコステロイドとの併用により増悪を減少させる。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: テオフィリン テオフィリンは長時間作用性吸入気管支拡張薬に比べ て有効性と忍容性が低いため、長時間作用性気管支 拡張薬が使用可能な場合には推奨されない。 安定期COPD患者で、プラセボと比較して弱い気管支 拡張効果と全身性のベネフィットが認められている。テ オフィリンをサルメテロールに追加すると、サルメテ ロール単独に比べて大きなFEV1の増加と息切れの改 善が得られる。 低用量テオフィリンは増悪を減少させるが、気管支拡 張薬吸入後の呼吸機能は改善しない。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: その他の薬物治療 インフルエンザワクチンは重症化を防ぐ。肺炎球菌ワク チンは65歳以上のCOPD患者および65歳未満でFEV1 が予測値の40%未満の患者に推奨される。 抗生物質の使用は、感染が引き金となったCOPD増悪 および細菌感染症の治療を除いて、COPDに用いない。

治療オプション: その他の薬物治療 α-1 アンチトリプシン増強療法: α-1アンチトリプシン欠損症 以外のCOPD患者には推奨されない。 喀痰調整薬: 痰の粘調度が高い患者には喀痰調整薬が有用である。総合的なベネフィットは非常に小さい。 鎮咳薬: 推奨されない。 血管拡張薬: 一酸化窒素は安定期COPDに対して禁忌で ある。COPDに関連した肺高血圧症治療に、内皮機能調 整薬を使うことは推奨されない。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: リハビリテーション すべてのCOPD患者には運動療法プログラムが有用 で、運動耐容能および息切れや疲労感の症状改善が 得られる。 呼吸リハビリテーションの効果的なプログラムは6週間 であるが、より長期間プログラムを継続することで、よ り有効な結果が得られる。 自宅での運動トレーニングを継続すると、患者の健康 状態はリハビリ前のレベルより高く維持される。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: その他の治療 酸素療法: 慢性の呼吸不全患者に対する長時間の酸素 吸入(1日15時間を超える)を行うことで、重度の安静時 低酸素血症を呈する患者の生存率が高まることが示され ている。 換気サポート: 非侵襲的換気療法(NIV)と長時間酸素療 法の併用は、日中に著しい高炭酸ガス血症を呈する一部 の患者に対して有用と考えられる。

治療オプション: 外科療法 肺容量減少手術 (LVRS) 主に肺上葉に肺気腫があり、 運動能力が低い患者では、薬物療法よりも効果的であ る。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 治療オプション: 外科療法 肺容量減少手術 (LVRS) 主に肺上葉に肺気腫があり、 運動能力が低い患者では、薬物療法よりも効果的であ る。 LVRSは手術を含まない治療プログラムに比べて、相 対的にコストが高い。 適切に選択された最重症COPD患者に対し、肺移植は QOLの改善と機能の改善をもたらしてきた。

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

安定期COPDの管理: キーポイント 危険因子の特定と曝露を減らすことは、COPD予防 と治療の重要なステップである。 個々の患者に対する症状、気流制限、将来の増悪リ スクの評価を、管理戦略に取り入れる必要がある。 すべてのCOPD患者に、リハビリテーションと身体活 動の維持が有用である。 症状の減少、増悪頻度と重症度の減少、健康状態と 運動耐容能の改善を目的として薬物療法が行われ る。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー β2刺激薬と抗コリン薬の長時間作用性製剤は、短時 間作用性の製剤より有用性が高い。有効性と副作用 の面から、吸入気管支拡張薬は経口気管支拡張薬よ り好ましい。 増悪リスクが高い患者に対しては、長時間作用性気管 支拡張薬に吸入コルチコステロイドを追加した長期間 の併用療法が推奨される。

安定期COPDの管理: キーポイント 長期間にわたり経口または吸入コルチコステロイド 単剤で治療を行うことは、COPDでは推奨されない。 ホスホジエステラーゼ-4阻害薬であるロフルミラスト は、FEV1 が予測値の50%未満で、慢性気管支炎が あり、頻繁に増悪を起こす患者で、増悪を減らすのに 有用と考えられる。

安定期COPDの管理: 治療目標 症状の軽減 運動耐容能の改善 健康状態の改善 病気の進行予防 増悪の予防と治療 死亡の減少 症状を 減らす リスクを

危険因子の回避 - 禁煙 インフルエンザワクチン接種 - 屋内空気汚染の減少 - 職業的曝露の減少 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 安定期COPDの管理: すべてのCOPD患者 危険因子の回避  - 禁煙    - 屋内空気汚染の減少  - 職業的曝露の減少 インフルエンザワクチン接種

安定期COPDの管理: 非薬物療法 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 患者 グループ 必須 推奨 地域のガイドラインに 応じて実施 A 禁煙 (薬物治療を含む) 身体活動 インフルエンザワクチン 肺炎球菌ワクチン B, C, D 呼吸リハビリテーション

ICS+LABA とホスホジエステラーゼ4阻害薬または COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 安定期COPDの管理: 薬物療法 (各カテゴリーの薬剤名はアルファベット順であり、推奨順ではない) 患者 グループ 第一選択 第二選択 代替の選択肢 A SAMA頓用 または SABA頓用 LAMA LABA SAMAとSABA テオフィリン B LAMAとLABA SAMA and/or SABA C ICS+LABA ホスホジエステラーゼ-4阻害薬 D ICSとLAMA または ICS+LAMAとLABAまたは ICS+LABA とホスホジエステラーゼ4阻害薬または LAMA とLABA または LAMA と ホスホジエステラーゼ4阻害薬 カルボシステイン

安定期COPDの管理: 薬物療法 第一選択 GOLD 4 GOLD 3 GOLD 2 GOLD 1 A B D C 年間増悪回数 > 2 1 修正MRC 0-1 CAT < 10 GOLD 4 修正MRC > 2 CAT > 10 GOLD 3 GOLD 2 GOLD 1 SAMA 頓用 or SABA 頓用 LABA LAMA ICS + LABA A B D C SAMA: 短時間作用性抗コリン薬    SABA: 短時間作用性β2刺激薬 LAMA: 長時間作用性抗コリン薬    LABA: 長時間作用性β2刺激薬 ICS: 吸入コルチコステロイド 年間増悪回数

ICS + LABA and PDE4-inh or COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 第二選択 安定期COPDの管理: 薬物療法 > 2 1 修正MRC 0-1 CAT < 10 GOLD 4 修正MRC > 2 CAT > 10 GOLD 3 GOLD 2 GOLD 1 LAMA or LABA or SABA and SAMA LAMA and LABA ICS and LAMA or ICS + LABA and LAMA or ICS + LABA and PDE4-inh or LAMA and LABA or LAMA and PDE4-inh. A D C B 年間増悪回数 SAMA: 短時間作用性抗コリン薬    SABA: 短時間作用性β2刺激薬 LAMA: 長時間作用性抗コリン薬    LABA: 長時間作用性β2刺激薬 ICS: 吸入コルチコステロイド PDE4-inh: ホスホジエステラーゼ4阻害薬

安定期COPDの管理: 薬物療法 代替の選択肢 D C GOLD 4 年間増悪回数 GOLD 3 GOLD 2 A B GOLD 1 > 2 1 修正MRC 0-1 CAT < 10 GOLD 4 修正MRC > 2 CAT > 10 GOLD 3 GOLD 2 GOLD 1 テオフィリン PDE4-inh. SABA and/or SAMA カルボシステイン A D C B SAMA: 短時間作用性抗コリン薬    SABA: 短時間作用性β2刺激薬 LAMA: 長時間作用性抗コリン薬    LABA: 長時間作用性β2刺激薬 ICS: 吸入コルチコステロイド PDE4-inh: ホスホジエステラーゼ4阻害薬 年間増悪回数

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

“急性の事象であり、薬剤の変更につな がるほどの、日常の変動を超えた呼吸 器症状の悪化を特徴とする” COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪の管理 COPDの増悪とは “急性の事象であり、薬剤の変更につな がるほどの、日常の変動を超えた呼吸 器症状の悪化を特徴とする”

増悪の管理:キーポイント COPD増悪の原因でもっとも多いのは、ウイルス 性の上気道感染および気管より末梢の下気道の 感染である。 増悪の診断は、日常の変動を超える急激な症状 の変化を訴える患者の臨床所見にのみ基づいて 行う。 増悪の治療目標は、現在の増悪の影響を最小限 にすること、およびその後の増悪の再発を防ぐこと である。

増悪の管理:キーポイント 増悪治療に望ましい気管支拡張薬は、短時間作 用性吸入β2刺激薬単剤または短時間作用性抗コ リン薬との併用である。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪の管理:キーポイント 増悪治療に望ましい気管支拡張薬は、短時間作 用性吸入β2刺激薬単剤または短時間作用性抗コ リン薬との併用である。 全身性コルチコステロイドと抗生物質は、回復まで の期間を短くし、呼吸機能(FEV1)と動脈血低酸素 血症(PaO2)を改善し、早期再発リスクと治療失敗 の頻度および入院期間を減少させる。 COPDの増悪は、予防できることが多い。

COPD増悪に続発して起こる影響 COPD増悪 症状および QOLの低下 呼吸機能の悪化 肺機能低下 治療コストの 速度が速まる 増大 死亡率の 上昇 COPD増悪

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪の管理:評価 動脈血ガス分析 (院内): 室内空気呼吸時の低酸素分圧(PaO2 < 8.0 kPa)は、高二酸化炭素分圧(PaCO2 > 6.7 kPa)の有無 に関わらず、呼吸不全の兆候 胸部レントゲン写真: 鑑別診断に有用 心電図: 併存する心疾患の評価 血球計数検査: 多血症、貧血、出血の特定 増悪期間中にみられる粘性の痰: 抗生物質治療適用の指標 生化学検査: 電解質異常、糖尿病、低栄養状態の把握 スパイロ検査: 増悪期間中には行わない

増悪の管理:治療オプション 酸素療法: 患者の低酸素血症が、酸素飽和度88-92%に改善されるように酸素量を調節する。 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪の管理:治療オプション 酸素療法: 患者の低酸素血症が、酸素飽和度88-92%に改善されるように酸素量を調節する。   気管支拡張薬: 短時間作用性吸入β2刺激薬を単独または短時間作用性抗コリン薬と併用で用いることが好ましい。 全身性コルチコステロイド: 回復期間の短縮、呼吸機能(FEV1)と動脈血低酸素血症(PaO2)の改善、早期再発リスクの低減、治療失敗頻度の低減、入院期間の短縮が示されている。1日あたり30-40mgのプレドニゾロンを10-14日間投与する。

増悪の管理:治療オプション 抗生物質 は次の患者に処方すべきである 3つの主要症状を呈する: 息切れの増加、 喀痰量の増加、痰の粘性増加 COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪の管理:治療オプション 抗生物質 は次の患者に処方すべきである 3つの主要症状を呈する: 息切れの増加、 喀痰量の増加、痰の粘性増加 人工呼吸を必要とする患者

増悪の管理:治療オプション 非侵襲的換気法 (NIV) COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 増悪の管理:治療オプション 非侵襲的換気法 (NIV) 呼吸アシドーシスの改善、呼吸数の減少、息 切れの重症度軽減、合併症の減少、入院期 間の短縮が得られる。 死亡率と挿管率が低下する。

増悪の管理:入院の基準 症状が著しく増強しているとき 重症COPD患者が増悪を起こしたとき 新たな身体徴候がみられるとき 増悪の初期治療がうまくいかなかったとき 重大な併存疾患がある患者 頻繁に増悪を起こす患者 年齢の高い患者 家庭内でのサポートが十分でない場合

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー COPDはしばしば他の疾患(併存症)とともにみられ、併存症がCOPDの予後に大きな影響を与えることがある。一般に、併存症があってもCOPDの治療を変更する必要はなく、併存症の治療も、COPDがないときと同様に行うべきである。

COPDの診断、管理、予防のためのグローバルストラテジー 心血管系疾患 (虚血性心疾患、心不全、心房細動、高血圧を含む)はCOPDの主要な併存症の一つで、最も頻度が高く、最も重要な併存疾患と考えられる。心臓に選択性の高いβブロッカーは、COPD患者にとって禁忌ではない。

COPDと併存症 骨粗鬆症 と 不安/抑鬱症: しばしば見逃されがちで、健康 状態の悪化やCOPDの進行と関係している。 重症感染症: 特に呼吸器感染症の頻度が高い。 メタボリックシンドローム と顕性糖尿病: COPDで頻度が 高く、後者(顕性糖尿病)はCOPDの予後に影響を及ぼす と思われる。  

定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 構成 REVISED 2011 定義および概要 診断および評価 治療オプション 安定期COPDの管理 増悪の管理 COPDと併存症

COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 要約 COPDの予防はかなりな範囲で可能であり、高い優 先順位で取り組むべきである。 COPDの診断にはスパイロメトリーが必要である。 気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV1/FVC)が70% 未満の場合、持続的な気流制限があるとみなされ、 COPDと診断される。 呼吸リハビテーションと身体活動の有益な効果はど れほど強調しても誇張することにはならない。

COPDの評価には、症状評価、気流制限の程 度の評価、増悪リスクの評価、併存症の評価 が必要である。 グローバルストラテジー 2011: 要約 COPDの評価には、症状評価、気流制限の程 度の評価、増悪リスクの評価、併存症の評価 が必要である。 症状と増悪リスクの評価を総合して、薬物治 療および非薬物治療を含むCOPDの管理方 針を決定する。

増悪の治療は、増悪の影響を最小限にすると ともに、その後の再発を予防するために行う。 COPD診断、管理、予防のための グローバルストラテジー 2011: 要約 増悪の治療は、増悪の影響を最小限にすると ともに、その後の再発を予防するために行う。 併存症に注意を払うこと。もし併存症がある 場合には、COPDを発症していない場合と同 じように併存症の治療を行う。

世界COPDデー 2012年11月14日 世界中でCOPDの認知率を高めるために

China GOLD National Leaders Israel United States United Kingdom Argentina Australia Brazil Austria Canada Chile Belgium China Denmark Columbia Croatia Egypt Germany Greece Ireland Italy Syria Hong Kong ROC Japan Iceland India Korea Kyrgyzstan Uruguay Moldova Nepal Macedonia Malta Netherlands New Zealand Poland Norway Portugal Georgia Romania Russia Singapore Slovakia Slovenia Saudi Arabia South Africa Spain Sweden Thailand Switzerland Ukraine United Arab Emirates Taiwan ROC Venezuela Vietnam Peru Yugoslavia Albania Bangladesh France Mexico Turkey Czech Republic Pakistan Israel GOLD National Leaders Philippines Yeman Kazakhstan Mongolia

GOLD Website Address http://www.goldcopd.org

ADDITIONAL SLIDES PREPARED BY PROFESSOR PETER J. BARNES, MD NATIONAL HEART AND LUNG INSTITUTE LONDON, ENGLAND

COPDの病理      末梢肺 正常 細気管支 肺胞壁 肺胞付着部の消失 線維化と炎症 肺気腫 慢性閉塞性気管支炎

喘息とCOPDの病理      喘息死 重症COPD 炎症 肺胞壁 の破壊 ASM: 気道平滑筋 BM: 基底膜 線維化

喘息とCOPD 炎症 喘息 COPD 細胞 肥満細胞 好酸球 CD4陽性Tリンパ球 マクロファージ + 好中球 CD8陽性Tリンパ球 マクロファージ +++ メディエーター LTD4、ヒスタミン IL-4、IL-5 活性酸素種 + LTB4 IL-8、TNF-α 活性酸素種 +++ 作用 すべての気道 線維化はほとんどみられない 上皮細胞の脱落 末梢気道 肺の破壊 線維化 + 扁平上皮化生 ステロイドへの反応性 +++ ー

COPDのエアトラッピング 正常 吸気時 末梢 気道 気道の肥厚 肺胞壁接着 呼気時 気道の閉塞 肺胞付着部の消失 弾性の消失(気腫化) 炎症  肺胞付着部の消失 弾性の消失(気腫化) 気道の閉塞

COPDでみられる炎症の増幅 好中球 マクロファージ サイトカイン メディエーター プロテアーゼ 非喫煙者 喫煙者 軽症 COPD 重症 増悪

COPDの細胞学的メカニズム タバコ喫煙 (およびその他の刺激物質) 上皮細胞 マクロファージ 好酸球 線維芽細胞 単球 好中球 好中球エラスターゼ MMP-9 好酸球 線維芽細胞 線維化 (末梢気道) 肺胞壁破壊 (気腫化) 粘液過剰分泌 プロテアーゼ

COPD発症と好中球の役割 好中球 エラスターゼ 走化 遊走 活性酸素種 炎症 酸化ストレス 気腫化 粘液分泌

COPD発症とNF-κBの役割 タバコ喫煙 刺激 炎症 酸化ストレス

COPDと酸化ストレス プラズマ漏出 好中球 動員 ステロイド抵抗性 ↑高齢化 粘液分泌

MMP-9の作用 活性化TGF-β 弾性線維分解 肺気腫 潜在型TGF-β複合体 末梢気道線維化 (慢性閉塞性気管支炎) 化学走化性 好中球 マクロファージ 好中球 エラスターゼ 化学走化性 ペプチド 弾性線維分解 肺気腫 末梢気道線維化 (慢性閉塞性気管支炎) 潜在型TGF-β複合体 活性化TGF-β MMP-9前駆体

肺胞壁マクロファージの役割 数の増加 分泌増加 ステロイド抵抗性 タバコ煙 木材煙 ステロイド 反応性 貪食作用 弾性線維分解 肺気腫 単球 好中球 貪食作用 数の増加 分泌増加 ステロイド抵抗性 ステロイド 反応性

CD8陽性Tリンパ球の役割 気管支上皮細胞 マクロファージ 細胞傷害性T細胞 肺気腫 (Ⅰ型肺胞細胞の アポトーシス)

COPDでみられる炎症の進行 マクロファージ 好中球       樹状細胞 T細胞 B細胞 自然免疫 獲得 免疫

 Th17細胞 上皮細胞 好中球 急性期タンパク質

Nrf2とアンチオキシダント遺伝子の制御 BZip 転写因子 No ↑ COPDで酸化ストレス存在化でNrf2のアセチル化に依存して上昇 喫煙マウスの肺気腫           で活性上昇 肺のNrf2活性 正常喫煙者で上昇 COPD患者で低下 No ↑ COPDで酸化ストレス存在化でNrf2のアセチル化に依存して上昇 (HDAC2とSIRT1の減少と連動) アンチオキシダント遺伝子 (GPX、HO-1、カタラーゼなど) 細胞核 アンチオキシダント 酸化ストレス

COPDの増悪 上皮細胞 マクロファージ 好中球 酸化ストレス 細菌 ウイルス 非感染性 このスライドの内容はGOLD Workshop Report 2011に基づくものです。 (監修:順天堂大学 客員教授 福地 義之助)