平成25年11月27日 金城学院大学 担当:林 和宏(名古屋工業大学附属図書館) JAIRO Cloud 説明会 コンテンツ収集について 平成25年11月27日 金城学院大学 担当:林 和宏(名古屋工業大学附属図書館) ※この資料は、平成24年度DRF新任リポジトリ担当者研修での講義資料 「広報・コンテンツ収集」 を基に加筆・修正されたものです。
広報活動は必要か? ちょっと、待って! ‐広報・営業は余力のあるところがやるもの。 ‐登録だけで精一杯。 ‐なんでしなくちゃいけないの…? ‐知ってもらわないと、始まらない。 ‐自然に集まれば、苦労も減るはず。 ‐教員・他部署の協力がなければ、リポジトリは持続しない。
広報営業活動のポイント Connect 人とサービスをつなげる。 Contents 集める→集まる。 Customer 顧客を作る営業力。 というわけで 広報営業活動のポイント Connect 人とサービスをつなげる。 Contents 集める→集まる。 Customer 顧客を作る営業力。
Connect 人とサービスをつなげる。 4
Connect : リポジトリを伝える 「リポジトリ」を知ってもらわないと 始まらない。 ■構築前 リポジトリの必要性を伝える ■構築後 リポジトリの必要性を伝える ■構築後 リポジトリの意義や魅力を伝える
広報媒体のいろいろ -オフライン -ノベルティ・グッズ -ちらし、ポスター、POP -広報誌、ニュースレター -オンライン -メール -オフライン -ノベルティ・グッズ -ちらし、ポスター、POP -広報誌、ニュースレター -オンライン -メール -ホームページ、ウィキ、ブログ -Facebook、Twitter、Youtube
ノベルティ・グッズ -まずは、アイコンの決定 (マスコットキャラクター、ロゴマーク) -グッズの選定 (誰に配りたいか、何を宣伝したいか) -グッズ例 クリアファイル、付箋、携帯ストラップ、メモ 帳、しおり、エコバック、タンブラー、うちわ、 シャーペン、消しゴム、ポケットティッシュ、 マウスパッド、缶バッジ、傘、ポストカード etc
イベントのいろいろ -説明会 -図書館運営委員会の余白に。 -カフェ形式で気軽に。 -LCでワークショップ的に。 -図書館運営委員会の余白に。 -カフェ形式で気軽に。 -LCでワークショップ的に。 -OAW(オープンアクセスウィーク) -2013.10.21~27
他部署との連携 -教員が研究業績を登録するときに本文ももらっちゃおう -業績データベース(研究系・人事系)との連携 -博士学位論文は学位規則改正により、義務化となる -教務系との連携・調整が必要 -申請時から布石をうつ。科研費等外部資金による研究成果 -研究系・総務系との連携 -メディアを賑わす論文にもアンテナを -広報系との連携-大学のHPにリンク
名古屋工業大学の例 14件(42件中) 48件(56件中) 52件(56件中) 博士論文の登録同意率 学務課と連携して、学位授与申請者は、博士論文を提出する際、併せて 「リポジトリ博士論文登録同意確認書」を提出しなければならないというながれを作った。 (同意する・しないは、任意) 学位授与者に図書館から、登録申請書を配布して、登録の呼びかけをしていた。 平成19年度 平成20年度 平成24年度 14件(42件中) 同意率25% 48件(56件中) 同意率86% 52件(56件中) 同意率92% ※平成20年度以降は、ほぼ90%前後で推移 ※同意には、エンバーゴ付公開も含む
Contents 集める → 集まる。 11
IRDBコンテンツ分析 http://irdb.nii.ac.jp/analysis/index.php
コンテンツの2タイプ 代表的なコンテンツの例 学術雑誌論文、 学会発表資料…. 研究紀要 科研報告書…. 性格 所属研究者の研究成果 機関としての活動成果 出自 外で刊行 大学が刊行 対象物 そもそも把握しづらい 把握しやすい アタック先 個々の教員 編集委、教授会など 収録範囲 教員の手元にしかない。過去のものはあまり残っていないので、目標をカレント分に絞らざるを得ない 初号から最新分まで組織的に。バックナンバーは刊行元か、あるいは書庫所蔵分のスキャン。 あとはアイディア次第 コストと効率 主として人的コスト がんばってがんばってがんばってやっと少し集まる →理解が得られればスムーズ 主としてスキャン経費。 電子化の主体的意思をうまく喚起して事業と接続し、作業ベースに落とす IRの持続性への意義 教員ひとりひとりのIRへの理解と支持は事業継続の土台 いったん開拓できれば安定的なコンテンツ流入ルートに いずれも コンテンツ持ち主との対話、プロモーションが全て
学術雑誌論文 過去分 新規分 ■過去分も新規分も →著者に直接照会 「何でもください」より「これをください」 「何でもください」より「これをください」 ・文献DB、研究業績DB、研究室HP等で論文を探す (検索アラートなども活用し、更新情報を定期チェック) ・著作権関連の事前調査 ・登録可能な論文のみ提供依頼 ・教員の手間は、共著者の了解と論文を図書館に送る ことだけにする
名古屋工業大学の例 雑誌掲載論文等の原則リポジトリ登録 教員は、評価のため、研究者データベースに論文情報を入力する必要があり、登録された論文については、著作権等の問題がなければ、原則リポジトリへ登録する制度。 ⇒ とは、言っても… 最終的に、下記の事項について、協力をしてもらうために、リポジトリ公開の意義を知ってもらう活動は必要 ・論文の電子データ提出 ・共著者への確認
紀要論文 バックナンバー 新規分 ■著作権=編集委員会 の場合 ・編集委員会の許諾が得られ ればバックナンバーを一括 登録 ればバックナンバーを一括 登録 ■著作権=著者 の場合 ・著者ひとりひとりに許諾確 認 ・オプトアウト式一括許諾事 例(異議があったら申し出 てね) ■交渉先:編集委員会 ・投稿規定の改訂を依頼 ーリポジトリでの公開を 明記 ・印刷仕様書の改訂を依頼 ー印刷業者からPDF納品 ・紀要の電子ジャーナル化
著作権委譲の一括許諾例 17
投稿既定の改訂例 (投稿原稿の電子化) 第7条 投稿者は掲載論文が冊子体による出版のほか、電 第7条 投稿者は掲載論文が冊子体による出版のほか、電 子的に蓄積し、大学ホームページおよび別に定める機関で 公開することに許諾を与えるものとする。 2 電子化と公開を許諾しない場合もしくは制限する場合、投 稿者は投稿に際しその旨を委員会に申し出るものとする。 3 電子化と公開についての詳細は、「聖学院大学論叢掲載 論文の電子化と提供について」に従うものとする。 『聖学院大学論叢』投稿に関する内規
学位論文 過去分 新規分 ■著作権者に許諾照会 ・同窓会名簿等を元に 照会 ・照会作業を業務委託 ■国会図書館による大規模 デジタル化事業 ・同窓会名簿等を元に 照会 ・照会作業を業務委託 ■国会図書館による大規模 デジタル化事業 ・国会図書館との共通許諾 による著作権処理 ・1991~2000年度送付分 学位規則改正(平成25年4月1日)により、これ以降に博士学位を授与された場合、博士論文は、原則、1年以内にインターネット公表することが義務化
学位規則改正のおさらい 論文要旨の公表 大学は、授与日から3か月以内に論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨をインターネットの利用により公表する。 博士論文の公表 博士の学位授与者は,授与日から1年以内に,当該博士論文の全文を公表する。 やむを得ない事由がある場合には,大学等の承認を受けて,当該博士論文の全文に代えてその内容を要約したものを公表する。 これらの公表は,大学等の協力を得て,インターネットの利用により行う。 留意事項 公表の方法については、学位を授与した大学等の機関リポジトリを原則とする。 <参考> 学位規則の一部を改正する省令の施行等について(通知) 24文科高第937号 平成25年3月11日 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigakuin/detail/1331796.htm
新規分博士論文収集のための準備1 担当部署(教務系)との調整 学内規則等の変更 現状の業務フローを把握 教務・図書館の業務分担を確認 本文データ、要旨、博士論文一覧等について取得のながれを確認 “やむを得ない事由”への対応方法 学内規則等の変更 学内学位規則及び関連規則の改正を確認 図書館リポジトリ関連規程の変更
新規分博士論文収集のための準備2 関連書類の用意 データ入力方法の決定 “やむを得ない事由”の申請書類 チェックリスト様式で作成することも チェックリスト様式で作成することも データ入力方法の決定 本文・要旨の登録方法決定 JuNii2 ver 3.0 対応 本文にかえて、要約を登録する場合 データフォーマット PDF/A形式を推奨
公表できる学位論文のために 学生(指導教員)への周知 説明会等の開催 文書・HP等での広報 インターネット公表について、著者である学生が知っておかなければならない注意点 “やむを得ない事由”の適用条件 博士論文が雑誌掲載論文を含む場合の著作権処理は? → 詳細は次の著作権で! <参考> DRF「平成25年学位規則改正についての情報まとめ」 http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?ETD2013
Customer 顧客を作る営業力。 24
Customer:顧客が居てこそ -誰のためのリポジトリか? 顧客の利点を訴える! OA=研究成果を研究者の手に。 顧客の利点を訴える! OA=研究成果を研究者の手に。 灰色文献(報告書など)へのアクセス向上 保存=研究成果を失わないために。 公開=研究成果をより多くの人へ。 (視認性の向上) 機関としての情報公開。
営業活動のいろいろ -研究者インタビュー -研究室訪問(御用聞き) -ニュースレター -ランキング、利用状況のお知らせ (フィードバック)
研究者インタビュー -リポジトリに登録経験のある教員に、そのメ リットやその研究内容をインタビューし、その リットやその研究内容をインタビューし、その 内容をニュースレターやホームページで紹介す る一連の取り組み -事前準備が必要! -執筆論⽂の情報、投稿誌の著作権の許諾状況 は調べておこう -できれば、先⽣のホームページや論⽂にも目 を通すと話が弾む
研究者インタビュー用のブログ(熊本大学)
研究室訪問 -口よりも、足と耳をはたらかせることが大切! 話題は何でもOK:研究のこと、投稿雑誌のこと、 -きっかけは何でも 図書館のこと、OAのこと、日常の愚痴 → 図書館活動にとって有益 -きっかけは何でも ・質問が来たら会いに行く ・ファイルが送れない「USBメモリ持って今から伺います」 ・先生が読んでいる雑誌や投稿する雑誌について教えてほしい
研究室訪問 御用聞き(聖学院大学)
フィードバック 登録が増える コンテンツがある 利用されているという実感 利用統計 実績報告 利用が増える
著者単位の統計メール配信機能(兵庫教育大学) フィードバック 著者単位の統計メール配信機能(兵庫教育大学)
広報の魅力 「図書館」では開かなかった扉が、「リポジトリ」なら開く…かも?! 「リポジトリ」からはじめる 図書館広報! 図書館広報! ・図書館活動の広がりを、多くの人へ伝える。 ・いままで会話をしなかった先生と会話する。 ・他部署と連携する。
おわりに 自然と集まるコンテンツ → コンテンツ収集のライン化と 教員への絶えざる意識喚起活動 継続できる学内体制、学内理解の構築 → コンテンツ収集のライン化と 教員への絶えざる意識喚起活動 継続できる学内体制、学内理解の構築 →「大学の活動」としての位置づけを ついでに…図書館活動の広がり →「商機」は図書館の外に