計測 と 見積り ~ ソフトウェア開発のよりよい見積りのために ~ biac

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アジャイル開発プロセス 森口朋広.
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計測 と 見積り ~ ソフトウェア開発のよりよい見積りのために ~ biac 2008/09/20 計測 と 見積り ~ ソフトウェア開発のよりよい見積りのために ~ biac わんくま同盟 名古屋勉強会#07 2009/04/11‏

「見積り」 とは 過去の経験に基づいて、未来を予測する技術 ※ 工数・工期の見積りまでは技術。 見積書に記載する金 額は「政治」 2008/09/20 過去の経験に基づいて、未来を予測する技術 ※ 工数・工期の見積りまでは技術。 見積書に記載する金 額は「政治」 すなわち、過去のデータを未来にあてはめるこ と 計測 見積り

見積りの基本 = サイズ ÷ 速度 例) 遠足 注意 出発地点から目的地までの距離 (サイズ) : 8km 2008/09/20 例) 遠足 出発地点から目的地までの距離 (サイズ) : 8km 歩く速さ (速度) : 4km/h 必要な時間は? ⇒ 8 ÷ 4 = 2時間 注意 ここでは、サイズは正確な値。 ぶれる事はない。 速度 (4km/h) は、経験値。 実際にやってみると 、たぶん違う値になる。

見積りの基本 = サイズ ÷ 速度 例) 遠足2 … サイズも推定値 2008/09/20 例) 遠足2 … サイズも推定値 出発地点から目的地までの直線距離 : 8km 実距離の推定 : 折れ曲がり係数(仮称) = 1.5 ⇒ 実距離(推定) = 8 × 1.5 = 12 歩く速さ (速度) : 4km/h 必要な時間は? ⇒ 12 ÷ 4 = 3時間

見積りの精度 ~ サイズ と 速度 ソフトウェア開発の見積り精度を良くするには × 見積り結果だけを精度アップさせよう 2008/09/20 ソフトウェア開発の見積り精度を良くするには プロジェクトのサイズをより精確に見積もること チームの速度 (生産性) をより精確に見積もること × 見積り結果だけを精度アップさせよう 生産性の向上分が計測できない ⇒ 開発者のスキルアップを評価しない サイズの見積り外れ(仕様膨張)を見ない ⇒ 遅延の原因はすべて開発者の責任にされる

閑話休題 (1) : 遅れを取り戻せ! 予定工期の半分で 遅延が発覚 2008/09/20 予定工期の半分で 遅延が発覚 トータル 8km、 1時間で 3km だった ⇒ (4km(見積り) - 3km(実績)) ÷ 4km = 25% (遅れ) 残り 1時間で 5km だから、後半のスピードを… ⇒ 5km/h(目標) ÷ 4km/h(見積り) = 125% … 25% アップすればよい (?)‏ これは実績ベースで考えないといけない ! ⇒ 5km/h ÷ 3km/h(実績) = 167% !!

ソフトウェアのサイズ (1)‏ コード行数 同一言語、同一ライブラリ 同一の品質 一定の条件を満たせば、サイズを測るのに使える。 2008/09/20 コード行数 一定の条件を満たせば、サイズを測るのに使える。 同一言語、同一ライブラリ 同一の品質 コード品質計測ツール リファクタリングに主眼を置いたコードインスペク ションの実施

ソフトウェアのサイズ(2)‏ 画面数と帳票数 日本の業務アプリでは、けっこう使える ※ ( 人月 = 画面数 x 1.55 )‏ 2008/09/20 画面数と帳票数 日本の業務アプリでは、けっこう使える ※ ( 人月 = 画面数 x 1.55 )‏

ソフトウェアのサイズ (3)‏ ファンクションポイント (FP)‏ 現在、世界的に一番権威がある 2008/09/20 ファンクションポイント (FP)‏ 現在、世界的に一番権威がある FP算出法にも何通りかあるので、どの手法で計測 したか明らかにすること NESMA, NESMA簡易法, 画面要素法 (日本)‏

ソフトウェアのサイズ (4)‏ その他 計測手法の選定には オブジェクトポイント法、ユースケースポイント法 など 2008/09/20 その他 オブジェクトポイント法、ユースケースポイント法 など 粒度を一定にするのが難しそう 計測手法の選定には 安定して計測できること 他と (時間軸, 空間軸) 比較可能なこと

成果物の見積り 2008/09/20 生産性を、個々の成果物 (work) の量に対し て計測/見積りしている場合は、ソフトウェア のサイズから成果物の量を見積もる 設計書のページ数 コードの行数 テスト報告書のページ数 マニュアルのページ数

生産性 (1)‏ ※ 生産性を見積もる ← 生産性を計測すること 作業を、少なくとも 3つに分けて計測する 2008/09/20 ※ 生産性を見積もる ← 生産性を計測すること 作業を、少なくとも 3つに分けて計測する 要件開発 (なにを作るか) … いわゆる要件定義から 外部設計まで コンストラクション (どう作るか) … いわゆる内部 設計から実装完了まで 検証 (どこか間違っていないか) … いわゆる結合テ スト以降

生産性 (2)‏ 2008/09/20 細かく見る場合には、前述の成果物 (work) 単位にまで分けて計測することも。 ※ 米国産の見積り支援ソフトには、そこまで入っている。 中間成果物まで細かく規定されている「重たい」開発プロセ スなら、可能。

FP - 成果物量 - 生産性 の例 2008/09/20 (米国のデータ例 )‏

生産性データの適用範囲 ソフトウェア開発の生産性はバラつきが大きい 条件が変わったら、適用できない ! 人 (属人的なスキル)‏ 2008/09/20 ソフトウェア開発の生産性はバラつきが大きい 人 (属人的なスキル)‏ チーム (属人的、組織的なスキル)‏ 開発プロセス ※ 求められる品質と生産性の関係は、おそらく定量化可能 条件が変わったら、適用できない ! 推定 + 不確実性を大きく見る必要がある

閑話休題 (2) : テストの工数 「テスト工程」の工数はバラつく テストケース開発 ~ テスト実施 ← サイズに比例 2008/09/20 「テスト工程」の工数はバラつく テストケース開発 ~ テスト実施 ← サイズに比例 バグ票の起票 ~ トリアージ ~ 不具合修正 ~ 再テ スト ← バグ数に比例 起票以降の工数は、バグを作りこんだ工程 (設計/ 製造) に振替えるべきかも。 ※ そうすれば、設計/製造での品質向上へのインセ ンティブになる。

不確実性は非対称 ~ β分布 2008/09/20 短縮は限度があるけど、遅延はどこまでも 確率分布が最大の点より、期待値は右側

3点見積り ~ β分布の近似 2008/09/20 最良と最悪も加えた 3点から算出する

閑話休題 (3) : レビューの工数 文書のバグ出しレビュー = インスペクション 2008/09/20 文書のバグ出しレビュー = インスペクション レビュアーによる査読 : 0.x~0.xH/ページ ×3人 レビューミーティング : 0.x~0.xH/ページ ×5人 文書修正 : 0.x~0.xH/ページ ×1人 レポート・フォロー・進行 : 0.x~0.xH/ページ x1人 合計 : 0.x~0.x人・H/ページ

プロジェクトとの関わり 2008/09/20

まとめ (1) : 計測なくして 見積りなし 精確な計測から、精確な見積りが生まれる 精確な見積りができると… 2008/09/20 精確な計測から、精確な見積りが生まれる 精確な見積りができると… 赤字プロジェクト・デスマーチが減らせる 生産性の向上が計れるようになる ※ 見積り精度が±10%で、実績が20%良かったら 、 10%位は生産性が上がったと言える。 ⇒ 開発プロセスの改善が進む

まとめ (2) : 工数見積りは技術 サイズ・工数を見積もるところまでは、技術 過去の計測値から未来を予測する 見積りは確率 2008/09/20 サイズ・工数を見積もるところまでは、技術 「政治」嫌いの開発者も知ってほしい 過去の計測値から未来を予測する 計測していなければ、良い見積りは出せない 見積りは確率 未来予測に 100% 正確はありえない 幅のある未来予測から決断するのは経営責任

参考書 2008/09/20