Constraint Networks 2.2~2.3 5月7日 上田研究室 M2 西村 光弘.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
北海道大学 Hokkaido University 1 情報理論 講義資料 2016/06/22 情報エレクトロニクス学科共通科目・2年次・第 1 学期〔必修 科目〕 講義「情報理論」第 5 回 第 3 章 情報源のモデル [ 後半 ] 3.5 情報源のエントロピー.
Advertisements

プログラミング言語論 第3回 BNF 記法について(演習付き) 篠埜 功. 構文の記述 プログラミング言語の構文はどのように定式化できるか? 例1 : for ループの中に for ループが書ける。 for (i=0; i
一階述語論理 (first-order predicate logic) 一階述語論理入門 構文論(論理式の文 法) 意味論(論理式の解 釈) 認知システム論 知識と推論(4) 知識と論理でを組み合わせて問題を解決する.
木探索によるCSPの解法 (Tree search algorithms for solving CSPs) 認知システム論 制約充足( 2 ) 制約をみたす組合せを探すエージェント バックトラック法 フォワードチェック 動的変数順序.
プログラミング言語論 第10回(演習) 情報工学科 木村昌臣   篠埜 功.
第6回条件による分岐.
ネットワーク理論講義補助資料 Text. 組合せ最適化とアルゴリズム 4.5 節 主・双対法 pp
コンパイラ 2011年10月17日
プログラミング言語としてのR 情報知能学科 白井 英俊.
「Postの対応問題」 の決定不能性の証明
卒論キックオフ 2005/7/27 1G02P058-6 塚谷 修平.
充足不能性と導出原理 充足不能性の証明 スコーレム標準形 エルブラン解釈 導出原理 基礎節に対する導出 導出原理の完全性と健全性.
計算の理論 II NP完全 月曜4校時 大月美佳.
Extremal Combinatrics Chapter 4
論理式の表現を数学的に取り扱いやすくするために代数学の助けを借りる.
人工知能特論2011 資料No.6 東京工科大学大学院 担当教員 亀田弘之.
香川大学工学部 富永浩之 情報数学1 第5-2章 命題論理式の 同値変形とカルノー表 香川大学工学部 富永浩之
Natural Semantics 実行過程の、最初と最後の状態(state)の関係を考える。
条件式 (Conditional Expressions)
9.NP完全問題とNP困難問題.
Probabilistic Method 6-3,4
線形計画法 スケールフリーネットワーク 須藤 孝秀.
コンパイラ 2012年10月15日
エージェントアプローチ 人工知能 7章・8章 B4 片渕 08/07/18.
5.5 The Linear Arboricity of Graphs (グラフの線形樹化数)
充足可能性問題SAT (Satisfiability Problem)
プログラミング 平成24年10月30日 森田 彦.
計算量理論輪講 岩間研究室 照山順一.
シミュレーション演習 G. 総合演習 (Mathematica演習) システム創成情報工学科
情報学研究科 通信情報システム専攻 小野寺研究室 M1 奥村 佳弘
プログラミング 平成25年11月5日 森田 彦.
不完全な知識 不完全な知識に基づく問題解決 フレーム問題 制約条件記述問題 非単調推論 極小限定 常識の定式化 並列極小限定.
シャノンのスイッチングゲームにおけるペアリング戦略について
シャノンのスイッチングゲームにおけるペアリング戦略の複雑さについて
第4章 組合せ論理回路 (4) Quine McCluskeyの方法.
2. 論理ゲート と ブール代数 五島 正裕.
プログラミング言語論 第3回 BNF記法について(演習付き)
計算の理論 II NP完全 月曜5校時 大月美佳 平成17年1月17日 佐賀大学理工学部知能情報システム学科.
第25章 単一始点最短路 3節 Bellman-Fordのアルゴリズム
ネットワーク上での社会的効用と個人的効用の対立問題に対するアルゴリズム的研究
ディジタル回路 2. ブール代数 と 論理ゲート 五島 正裕.
AMPLについて 2011年12月2日(金) 経営システム工学科 森戸 晋.
7.4 Two General Settings D3 杉原堅也.
関係 (relation) 集合Aの要素aとBの要素bとが、ある条件Rを満たすとき「Rの関係にある」といい、aRb と書く。
Where is Wumpus Propositional logic (cont…) Reasoning where is wumpus
 型推論1(単相型) 2007.
Selfish Routing and the Price of Anarchy 4.3
2. 関係 五島 正裕.
計算量理論輪講 chap5-3 M1 高井唯史.
論理と推論 命題論理 推論 命題論理体系の健全性と完全性 構文と意味 → 同値関係と標準形(節形式) 決定問題と意味木 推論規則
計算機構成 第3回 データパス:計算をするところ テキスト14‐19、29‐35
連続領域におけるファジィ制約充足問題の 反復改善アルゴリズムによる解法 Solving by heuristic repair Algorithm of the Fuzzy Constraint Satisfaction Problems with Continuous Domains 北海道大学.
ファジィ制約充足問題への 連続領域の導入 Introducing continuous domains to
任意数の制約階層化 2007/10/31 上田研究室 M2 西村 光弘.
情報処理Ⅱ 第2回:2003年10月14日(火).
制御文の役割と種類 IF文 論理式と関係演算子 GO TO文
プログラミング言語論 第9回 情報工学科 木村昌臣 篠埜 功.
14. The Basic Method M1 太田圭亮 14.3 Spaces of polynomials
融合原理 (resolution) 人工知能 論理と推論(2) 論理的帰結 節形式 融合原理 知識を組み合わせて知識を生み出す
第3章 線形回帰モデル 修士1年 山田 孝太郎.
Max Cut and the Smallest Eigenvalue 論文紹介
第7回  命題論理.
ガウス分布における ベーテ近似の理論解析 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
矛盾した知識 デフォルト推論 仮説を用いた推論 準無矛盾推論 デフォルト規則 デフォルト理論の拡張 → デフォルト証明 シナリオ
4.プッシュダウンオートマトンと 文脈自由文法の等価性
香川大学工学部 富永浩之 情報数学1 第5-2章 命題論理式の 同値変形とカルノー表 香川大学工学部 富永浩之
オブジェクト指向言語論 第二回 知能情報学部 新田直也.
PROGRAMMING IN HASKELL
練習問題.
Time Reversal E-Text: pp.80-83(PDF: pp.49-50) FM08002 太神 諭
Presentation transcript:

Constraint Networks 2.2~2.3 5月7日 上田研究室 M2 西村 光弘

2.2 Numeric and Boolean Constraints 2.1.2(P27)で取り扱った関係の記述を、より簡潔 で扱いやすいように記述する          ↓  算術制約やブーリアン制約を用いる 算術制約:より簡潔な表現 ブーリアン制約:禁止されるタプルを表現

2.2.1 Numeric Constraint 算術式で制約を簡潔に表現する 例:4-queens problem ∀i,jに対し、 横列が同じでない → xi≠xj 斜めの場所にない → lxi – xjl≠li - jl Rij = {(xi, xj) l xi ∈ Di, xj ∈ Dj, xi≠xj and lxi – xjl≠li - jl}

Numeric Constraint もう一つの例 + α 変数領域を整数の有限部分集合にする 2つの変数の間の2項制約を線形不等式の結合で表す   (3xi + 2xj < 3 )∧(-4xi + 5xj < 1) Crypto-arithmetic Puzzles 上記の線形制約を用いて 簡単に定式化できる “integer liner program” 上のような線形制約はnumeric constraintの特別なもので、スケジューリングや一時的空間的推論に適用される http://bach.istc.kobe-u.ac.jp/puzzle/ パズルのページ  9567  1085 10652 SEND 同じ文字は同じ数字が 隠されている 数字は0~9 +MORE MONEY

2.2.2 Boolean Constraints 制約問題の変数が2値である場合、関係を記述するのによくBoolean制約を使う 例:Alex, Bill, Chrisをpartyに招待する場合 A=命題“Alexはpartyに来る”(B,Cも同様)とする わかっていること ・Alexが来るならBillも来る ・Chrisが来るならAlexも来る →  (A → B) ∧ (C → A) ↓同じ意味 (¬A∨B) ∧ (¬C∨A)

例:Alex, Bill, Chrisをpartyに招待するChrisが来るとしたらBillは来る? 命題論理 命題理論φ = C ∧ (A→B) ∧ (C→A) Chrisが来るとしたら、Billが来るかどうか →Billが来ないと仮定して矛盾が生じるかどうかを見る つまり、φ∧¬Bを解いて満たされるかをチェック             ↓ この場合は矛盾が示されるので、“Billは来る”

CNF (conjunction normal form) 命題変数・・・P,Q,Rで表す。 取りうる値は{true, false}or{1, 0} Clause(節)・・・命題変数と選言記号(disjunction)を用いてα、βなどで表す α=(P∨Q∨R)  (P∨Q∨R∨T)→(α∨T)と略記 (α∨Q)∨(β∨¬Q)→(α∨β) CNF・・・clauseの集合をφで表す φ={α1,・・・,αt }

CNFとSAT (propositional satisfiability problem) CNFは、変数が命題(true or false)であるような制約ネットワークでよく見られる 補足説明 CNF theory φ=(A∨B)∧(C∨¬B)→変数3つ、制約(clause)2つ 制約A∨Bは関係RAB=[(1,0),(0,1),(1,1)]を表す SATは命題充足可能性問題 CNF理論がmodelを持つかどうかを決定すること model=どのclauseの規則も破らないように、変数に真値を割り当てたもの 関連する制約問題で矛盾しないかどうかを決定すること どのclauseも偽にはならないように、変数に値を割り当てたモデル

Primal constraint graph 命題理論φの構造をinteraction graphで描画・・・G(φ) 無向グラフ ノードは各命題変数 エッジは同clauseにある変数の各ペア B C A D Figure2.8 E G(φ)={(¬C),(A∨B∨C),(¬A∨B∨E),(¬B∨C∨D)}

2.2.3 Combinatorial Circuits Diagnosis Boolean命題言語は回路を表すのによく使われる 回路の診断作業は制約充足問題として定式化されうる 定式化の方法 変数と各ゲート(AND、OR、XOR)を関連づける Boolean制約によって、各ゲートのinputとoutputの関係を記述する 観測されるoutputから、回路の振る舞いが適切か間違いかを確認する

2.3 Properties of Binary Constraint Networks 今まで出てきた制約を処理する概念はBinary Networkのために紹介された   Binary Networkは役に立つ         ↓なぜかというと・・・ 後の章にでてくる制約の一般的理論を理解するの に役に立つから この2.3節ではbinary constraint networkの特徴について書いてある

2.3.1 Equivalence and Deduction with Constraints 制約を計算する主な概念はconstraint deduction ↓ 初期の制約集合から、新しい制約集合を 推論すること 例:幾何制約x>yとy>zからx>zを推論する 推論された新しい制約を加えた集合は、初期の 集合と同等のconstraint networkを生み出す

例:graph-coloring problem 図の説明 各ノードは変数x1、x2、x3 それぞれ同じdomain{red, blue} Not-equal制約 R21=R32={(blue, red),(red, blue)} エッジのないx1とx3の関係はuniversal relation R13={(red, blue),(blue, red),(red, red),(blue, blue)} 制約からの解は2つでρ123={(red, blue, red)(blue, red, blue)} そこから推論されるx1とx3の関係は、新しい制約R’13={(red, red)(blue, blue)}を作る(deduction) 元の制約集合をR、R’13を加えた制約集合をR’とすると、このRとR’は同値であると言える(equivalence) redundant

図:graph-coloring x2 x2 red blue red blue R= R’= ≠ ≠ ≠ ≠ red blue red = (a) (b) Figure2.10

RedundancyとEquivalenceを 一般的に言うと 制約ネットワークからある制約を取り除いても解の全ての集合が変わらない時の、そのある制約のこと Equivalence 2つの制約ネットワークにおいて 同じ変数の集合の上で制約ネットワークが定義されている 同じ解の集合を表現できる

定義2.2 Composition 制約推論はCompositionを通して達成される Rxy,Ryz(binary or unary constraint)があるとして、composition Rxy・Ryzから2項関係Rxzを作る   Rxz={(a,b)la∈Dx, b∈Dz ∃c∈Dy              such that (a,c)∈Rxy and (c,b)∈Ryz} compositionの計算の定義をjoinとprojectionを使って定式化   Rxz = Rxy・Ryz = π{x,z}(Rxy  Ryz) 例:R’ = π{x1,x3}(R12  R23) = {(red,red),(blue,blue)} projection join

図:join and projection R12 R23 x1 x2 x2 x3 blue red blue red red blue R13 = π{x1,x3}(R12  R23) ↓join R12  R23 x1 x3   → projection x1 x2 x3 blue blue blue red blue red red red blue red

例2.2 composition 0-1matrix 2項関係を0-1matrixで表現すると、compositionはBoolean matrixの掛け算になる red blue red blue R12 = red blue 0 1 R23 = red blue 0 1 1 0 1 0 red blue 0 1 0 1 1 0 R12・R23 = R13 = × = = red blue 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1

2.3.2 The Minimal and the Projection Networks 問題提起 どんな関係もbinary constraint networkとして 表現されるか? ↓答え 多くの場合は表現できない(特別なケースだけ表現できる)                 ↓なぜなら 異なる関係の数 > 異なるbinary constraint networkの数                 ↓どうするか Binary projection networkによって関係を近似する

定義 2.3 projection network 初期の関係 ρ ↓変数の各ペアーでρをprojectionする P(ρ)はnetwork P = (X, D, P)で定義される D={Di}, Di=πi(ρ), P={Pij},Pij=πxi,xj(ρ)

例2.3 projection network ρ123={(1,1,2),(1,2,2),(1,2,1)} Projection network P(ρ) P12={(1,1),(1,2)}, P13={(1,2),(1,1)} P23={(1,2),(2,2),(2,1)} P(ρ)からの全ての解はsol(P(ρ)) sol (P(ρ))={(1,1,2),(1,2,2),(1,2,1)} 一般的には このように うまく戻らない 例2.4へ

例2.4 定理2.1ρ⊆sol(P(ρ)) 初期の関係ρ sol(P(ρ)) Projection network P(ρ) x1 x2 x3 1 1 2 1 2 2 sol(P(ρ)) 2 1 3 x1 x2 x3 2 2 2 1 1 2 1 2 2 2 1 2 2 1 3 余分な解が増えた 2 2 2

定理2.2 ¬∃R’, ρ⊆sol(R’)⊂sol(P(ρ)) Projection network P(ρ)はρを表現するのに、最も厳しい上限のbinary networkである 説明は前頁(P21)の図を参照 問題提起 P(ρ)はsol(ρ)を表現するのに最も厳しい 関係記述かどうか?

定義2.4 “tighter than” network relationship 同じ変数の集合を持つ、2つのbinary network をRとR’として、 R’がRと比べ少なくても同じtightさである ⇔全てのi,jに対し、R’ij⊆Rij 例:資料P14のgraph-coloring図2.10の(a)と(b)が上のRとR’に相当する 説明:意味論的に同等で同じ解が得られるのに、 RよりR’   のほうが条件が厳しい

定義2.5 intersection on networks 2つのnetwork RとR’のintersection(R∩R’)はbinary networkである。(明らか) 命題2.1 2つの同等なnetwork RとR’があるなら、 R∩R’はそれらと同等なnetworkである R∩R’は両方より少なくともtightである

例2.5  命題2.1の例題説明 資料P14のgraph-coloring図の関係で、(b)のR23の≠制約を取り除いたRとR’のintersectionを考える R : R12=R23={(blue, red),(red, blue)} R13={(red, blue),(blue, red),(red, red),(blue, blue)} R’ : R12={(blue, red),(red, blue)} R13={(blue, blue),(red, red)} R23={(red, blue),(blue, red),(red, red),(blue, blue)} R∩R’ (minimal network) R12= R23= {(blue, red),(red, blue)}

定義2.6 minimal network R 0のminimal networkは M(R 0)=M(ρ)=∩ R iと定義される R 0と同等の全てのnetworkの集合を{R 1,…, R l } ρ=sol(R 0) R 0のminimal networkは M(R 0)=M(ρ)=∩ R iと定義される 定理2.3 全てのbinary network R に対し、 ρ= sol(R), M(ρ) = P(ρ)が成り立つ 命題2.2 If (a,b)∈Mij then ∃t∈sol(M) such that t[i]=a, t[j]=b l i=1 定理2.3 証明はexercise 説明書きは、P43定義2.6の下2行  minimal networkは、そのminimal networkの解集合をもつprojection networkと同じものとみなせる 命題2.2は定理2.3から自明 P43下2行  minimal networkによって認められる変数のペアがあったとしたら、少なくとも1解は存在することを保証する

2.3.3 Binary-Decomposable Network 例2.6 ρはbinary constraint networkで表現可能 projectedな関係であるπxyzρはbinary networkで表現不可能 なぜならπxyzρ⊂sol(P(πxyzρ)) 定義2.7 関係がbinary-decomposableであるとは、その関係が binary constraintsで表現可能であるということ x y z t x y z a a a a a a a ρ = πxyzρ= a b b b a b b b b a c b b a

図2.11 M13={(2,1),(3,4)} R12={(1,3),(1,4),(2,4),(3,1),(4,1),(4,2)} R13={(1,2),(1,4),(2,1),(2,3),(3,1),(3,4),(4,1),(4,3)} R14={(1,2),(1,3),(2,1),(2,3),(2,4),(3,1),(3,2),(3,4),(4,2),(4,3)} R23={(1,3),(1,4),(2,4),(3,1),(4,1),(4,2)} R34={(1,3),(1,4),(2,4),(3,1),(4,1),(4,2)} x1 x2 x3 x4 ↓ 1 R13={(1,2),(1,4),(2,1),(2,3),(3,1),(3,4),(4,1),(4,3)} 2 R13’={(1,2),(2,1),(3,4),(4,2),(4,3)} 3 R13’’={(1,4),(2,3),(2,1),(3,4),(4,1)} R13’’’={(1,4),(2,1),(3,4),(4,3)} 4 R13’’’’={(2,1),(4,1),(3,2),(2,3),(3,4),(1,4)} ↓ M13 = R13∩R13’∩R13’’∩R13’’’∩R13’’’’ = {(2,1),(3,4)}