7 戦後日本の政治システム ①戦後政治の歴史区分 ⅰ戦後政治体制の形成期( ) 戦後憲法体制の意味

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7 戦後日本の政治システム ①戦後政治の歴史区分 ⅰ戦後政治体制の形成期(1945-1960) 戦後憲法体制の意味 7 戦後日本の政治システム ①戦後政治の歴史区分 ⅰ戦後政治体制の形成期(1945-1960) 戦後憲法体制の意味   普遍性:民主主義の世界標準   特殊性:軍国主義との決別

保守と革新の構図 保守  旧体制への郷愁       =戦争の正当化       資本主義:親米+反共 革新  戦後体制の受益者       =反戦、平和       社会主義の強い影響

保守、革新における欠落 戦後的価値 革新勢力 保守内リベラル 社会民主勢力 社会的 市場的 保守多数派 戦前的価値

第1期における憲法政治 護憲―改憲の対立  冷戦構造に組み込まれる中での独立回復  護憲の革新-改憲の保守   再軍備、米軍基地という争点

60年安保闘争or騒動

岸信介という象徴

60年安保の帰結 岸の勝利と挫折   新安保条約の成立   退陣と改憲の断念 市民の勝利と挫折   安保条約の成立   岸の追放と憲法の定着

ⅱ経済成長の時代(1960-1990) 自民党の新しいパラダイム   内における経済成長と再分配   外における対米追従と軽武装   保守本流

池田隼人によるモデルチェンジ

経済成長の恩恵

利益配分政治のパラダイム 民間部門  企業の成長          労使協調と終身雇用 公共部門  裁量的政策          再配分保守政治       成功した社会主義

三池闘争

春闘

陳情政治

日本におけるリスク処理の仕組み リスクの社会化 ④moral hazard ①自民党・官僚 ③民主党「生活第一」 裁量的 ルール志向           リスクの社会化     ④moral hazard     ①自民党・官僚   ③民主党「生活第一」  裁量的                  ルール志向 パターナリズム              市民社会     ②小泉改革       純粋市場            リスクの個人化 15

戦後日本の社会経済システム 均質化と平準化 国土の均衡ある発展の付随的効果 雇用を軸とした社会統合 長期安定雇用の社会的意味   国土の均衡ある発展の付随的効果 雇用を軸とした社会統合   長期安定雇用の社会的意味 性別分業と日本型家族という神話   男性稼ぎ主+専業主婦 小さな政府と擬似的福祉社会   狭い公共領域と会社による福祉

小さな政府日本 国民経済に対する社会保障、医療費の割合 日本 米 英 独 仏 スウェーデン              日本 米  英  独  仏  スウェーデン 社会保障給付費 23.9 20.5 26.7 36.8 39.8 44.1 公的医療費   6.5 6.8 6.7 8.5 8.1 7.8 私的医療費   1.5 8.4 1.2 2.4 2.3 1.4 注 社会保障給付費は、対GDP比  医療費は、対国民所得比のパーセント

土建国家日本

ⅲ 戦後政治システムの崩壊(1990~) 大きな環境変化 冷戦の終わり バブルの崩壊 構造的政治腐敗

冷戦終焉の意味

グローバル資本主義 国境のない資本の移動 競争原理の国内への浸透 経済規制に関する国際的標準化 =規制緩和、競争入札、民営化・・・

右肩上がりの終焉

人口構成の変化

政治腐敗

改革を求める世論 様々な改革 政治改革=選挙制度と政党再編 行政改革=霞が関の再編          +地方分権 構造改革=経済構造の転換

② 政治・行政改革の意義と限界 ⅰ 政治改革の文脈 入力システムの問題 国民の政治参加のための仕組み 選挙と代表制―――中選挙区制の是非 ② 政治・行政改革の意義と限界 ⅰ 政治改革の文脈 入力システムの問題      国民の政治参加のための仕組み   選挙と代表制―――中選挙区制の是非   直接民主制の必要性   争点表出の効率化

政治システムのモデル 変換 出力 社会 市民 入力

変換システムの問題 予定調和の破綻と総括的意思決定の必要性 誰が政策決定を方向付けるか 政官関係の浮上 猫に鈴をつけるのは誰か

出力システムの問題 裁量行政の腐敗と非効率 集権体制における実施システムの問題 政策における需要供給のミスマッチ

ⅱ選挙制度改革をめぐる政治過程 89年からの政治腐敗 構造的腐敗と国民の不満 冷戦終焉と体制選択論の無意味化 89年からの政治腐敗   構造的腐敗と国民の不満 冷戦終焉と体制選択論の無意味化 自民党政権の存在意義に関する疑問

選挙制度改革論の系譜 第8次選挙制度審議会 小選挙区+比例代表並立制という結論 自民党政治改革本部 後藤田正晴、武村正義のとりまとめ    小選挙区+比例代表並立制という結論 自民党政治改革本部    後藤田正晴、武村正義のとりまとめ 小選挙区比例代表並立制という落としどころ    中選挙区制の廃止それ自体が目的

ⅲ政権交代への希求 イタリアとの類似性 一党優位の崩壊 改革をめぐる守旧派と推進派 政界浄化論 政治再編論(政権交代追求論) イタリアとの類似性  一党優位の崩壊 改革をめぐる守旧派と推進派       政界浄化論     政治再編論(政権交代追求論) 93年政変と政治改革、政党再編    まず社会党の解体から始まった

ⅳ選挙制度改革と政党再編 小選挙区制度がもたらした変化 野党の淘汰と集約 民主党の成長 1998年以来の議席増加 野党民主党の成功    野党の淘汰と集約 民主党の成長    1998年以来の議席増加 野党民主党の成功    非自民政治家の居場所

政権交代への道 民主党の自分探し 小沢一郎と社会民主主義路線 戦後60年企画 小沢一郎前副代表×山口二郎北海道大学教授 「戦後政治の到達点と課題」 http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/appear/2005/ar20060108144356.html 自民党の自壊と棚ボタ政権交代

② 行政改革をめぐって ⅰ 行政改革の文脈 官僚支配の病理 日本官僚制における失敗のパターン =自己修正能力の欠如 主観と客観の融合 ② 行政改革をめぐって ⅰ 行政改革の文脈 官僚支配の病理    日本官僚制における失敗のパターン =自己修正能力の欠如   主観と客観の融合 ミクロコスモスとしての官僚組織 官の無謬性神話 官と公共の癒着

市場からの行革論 官から民へというスローガン 民は民間という意味 市場原理の導入と効率化 消費者主権という魅力的理念    民は民間という意味 市場原理の導入と効率化 消費者主権という魅力的理念    主権者=投票者=消費者という図式

市民からの行革論 民主主義の活性化という理念 =官治国家から市民主権へ 分権、参加と連動した行政改革 =by the people によるfor the peopleの発見 公共性の発見

ⅱ大きな政府という虚構 政府規模をめぐる国際比較 相対的に小さな日本の政府 なぜ大きな政府という不満が強いのか 政府規模をめぐる国際比較    相対的に小さな日本の政府 なぜ大きな政府という不満が強いのか    重たい政府=規制と裁量の官僚支配    大きな公共事業    需要供給のミスマッチ

先進国の社会保障 日 米 英 独 仏 Swe 社会保障給付 23.9 20.5 26.7 36.8 39.8 44.1           日  米   英  独   仏   Swe 社会保障給付 23.9 20.5 26.7 36.8 39.8 44.1 公的医療費 6.5 6.8 6.7 8.5 8.1 7.8 私的医療費 1.5 8.4 1.2 2.4 2.3 1.4 医師数      2.1  2.4 2.4 3.5 3.4 n.a 公的教育費 3.3 5.0 5.2 4.1 5.6 6.2

国民負担の実態

所得減税と税収減

景気対策の歴史

改革の課題は何か 減量という処方箋の有効性 自己修正機能をいかに取り入れるか メガ政策、メタ制度の必要性      政治の役割

ⅲ政治主導という課題の発見と 内閣、国会改革 政党-官僚関係をめぐる議論    古典的官僚優位論    辻清明『日本官僚制の研究』 経済官僚論   チャーマーズ・ジョンソン 通産官僚 政党、政治家優位論   村松岐夫 自民党再評価

議院内閣制度

日本的内閣制度の特徴 内閣における政治の不在 伝統的憲法学説の罪 国会の最高機関性を空文化 与党と行政のインフォーマルな結合       伝統的憲法学説の罪       国会の最高機関性を空文化  与党と行政のインフォーマルな結合 与党における分担管理と予定調和  =政党なのに統治意志が不在

90年代の現実 野党になって現れた自民党の地力 舵取り不在の政府 政治的リーダーシップをめぐる欲求不満 =官僚が反対、抵抗する政策課題の重大化

政治主導を求めて 内閣における政治の確立   内閣官房の強化 首相のリーダーシップ強化 政治における権力核の形成 政治任用の拡大

政権交代と政治主導 形式だけの政治主導:目的語のない主導 内閣の空洞:自民党の轍を踏む 政府与党の二元体制

③ 地方分権改革の意義と限界 ⅰ地方分権の始まり 地方分権論の文脈 一極集中現象 地方政治の新たなリーダーの登場 ③ 地方分権改革の意義と限界 ⅰ地方分権の始まり 地方分権論の文脈    一極集中現象 地方政治の新たなリーダーの登場 ポスト産業社会における地方の意義

分権論の類型 国土論的分権論 国土の均衡 地域格差の是正 行政改革としての分権論 国-都道府県-市町村の関係 国制論としての分権論    国土の均衡 地域格差の是正 行政改革としての分権論    国-都道府県-市町村の関係 国制論としての分権論    道州制 連邦制        それらがはらむ矛盾

ⅱ地方分権をめぐる政治過程 村山政権という好機 地方分権という政策の窓 政治改革と地方分権 地方分権推進委員会の役割 村山政権という好機  地方分権という政策の窓                 政治改革と地方分権 地方分権推進委員会の役割       地方分権の問題設定=実現可能性の追求     規制緩和と関与の縮小     対等な中央地方関係 分権一括法の成果   機関委任事務の廃止                 必置規制の緩和

分権の第2段階 小泉政権と三位一体改革 税源移譲 補助金の削減 地方交付税交付金の大幅削減 市町村合併という大リストラ    税源移譲    補助金の削減    地方交付税交付金の大幅削減 市町村合併という大リストラ      地方自治体に対する自己責任の押しつけ

地方交付税の推移

政権交代と地域主権 義務付け・枠付けの見直し ひも付き補助金の一括交付金化 国と地方の協議の場の法制化

ローカルポピュリズムと地方分権 地方政治の新たな展開   名古屋-減税新党   大阪-維新の会   石原都政 首長のリーダーシップによる新たな政策展開

地域政党の意図 三大都市圏発の政治運動 国土の全体像に関するビジョンの欠如 大都市のエゴイズムという可能性

大都市集中の実態

地方分権と財源 地域自立の意味    自給自足かナショナルミニマムか 税源における地域間格差をどうとらえるか 交付税廃止は地方分権か?

④ 地方政治の構造変動 ⅰ地方政治の歴史的展開 1960-1980 革新自治体の時代 国と自治体の政策競争 新たな政策争点の発見 1980-1990 相乗り首長 官僚出身者による堅実な行政

ⅱローカルデモクラシーの活性化 地方政治の構造変化 官僚の失敗と政策課題の変化 「中央とのパイプ」の終わり 開発主義の終わり

改革派首長の政治的基盤 地域における政治再編成 望ましい首長像の変化 情報公開と住民参加

ⅲ いくつもの民主主義 なぜ住民投票か 代表民主主義の限界 直接民主主義の意義と限界 直接民主主義と代表民主主義のあるべき関係 ⅲ いくつもの民主主義 なぜ住民投票か    代表民主主義の限界 直接民主主義の意義と限界 直接民主主義と代表民主主義のあるべき関係 民主主義の学校としての地方自治

⑤地方政治の未来 ⅰ 311の教訓:地域振興とは何だったのか 地域振興のパターン 大きな負荷を伴う国策を地方に押し付ける 基地 原発・・・ ⅰ 311の教訓:地域振興とは何だったのか 地域振興のパターン 大きな負荷を伴う国策を地方に押し付ける    基地 原発・・・ その見返りに補助金を注ぎ込む    濡れ手で粟の利権 地域社会を補助金依存症に追い込む    雇用維持という大義名分

佐藤栄佐久氏の告発 原子力政策における民主主義の不在 経産官僚の「経路依存症」=一度決めた路線をひたすら走り続ける 地方における「構造化されたパターナリズム」 『福島原発の真実』(平凡社新書)

原発立地自治体の現状

ⅱ効率化の手段としての分権 行政改革と官僚バッシングという文脈 小さな政府と地方分権の同調と矛盾 大阪型分権の狙いは何か?   =規制緩和とコストカットを実現するための手段としての「分権」というスローガン

橋下改革の限界 パンとサーカスにおける「分権」というシンボル 「民間原理」導入がもたらす公共サービスの解体 擬似革命劇の自転車操業体制

JR北海道が暗示する分権の末路 北海道における民営化の失敗 利益追求というインセンティブの限界 地域社会や安全のコストをどう負担するか 悪者捜しと精神論の愚かさ

ⅲ 地方における民主主義の可能性 A 建設的なシナリオ 住民投票再考 東京都小平市の例 住民とリーダーの関係 扇動政治と積み上げ政治 ⅲ 地方における民主主義の可能性 A 建設的なシナリオ 住民投票再考  東京都小平市の例 住民とリーダーの関係  扇動政治と積み上げ政治 議会の奮起  基本条例の動き

B 破滅的なシナリオ 市民の怒りと改革の欲求 素朴な怒りの重要性 税金で養われている専門家が自分の利益を追求している! 議会が市民を代表していない、仕事をしていない!

民意の現状 松谷満 「誰が橋下を支持しているか」 (『世界』2012年7月)より 上層、中の上に多い支持 リーダーシップに対する期待 松谷満 「誰が橋下を支持しているか」 (『世界』2012年7月)より 上層、中の上に多い支持 リーダーシップに対する期待 ナショナリズム+小さな政府志向の結合 =民主主義の建前への飽き

既得権攻撃という武器の有効性 流動化がもたらす安定の希少価値化 今まで当たり前だったことが今や一部の人々の既得権    今まで当たり前だったことが今や一部の人々の既得権 制度化された利益に対する攻撃

談合体制(コーポラティズム) への挑戦 政治における大勢力のもたれあい 福祉国家における利益配分 危機における緊縮:ギリシャ    福祉国家における利益配分    危機における緊縮:ギリシャ 政治における闘技の不可欠性    既成勢力の否定とエッジの創出        人種主義 労組など弱い環へ向かう 

閉塞社会と感情統治 「橋下という政治家は、人々の感情の鉱脈のありかを察知し、言葉で探り当てることに長けている」 「彼が「民主主義」という言葉よりも「民意」という言葉を愛用するのは、前者が政治制度をクールに描写する言葉であるのに対して、後者が有権者の感情に直結していることばだから」 想田和弘「言葉が支配するもの」(世界2012年7月号)

感情と権力 「こういう技術論を国民コンセンサスに高めるには膨大な政治エネルギーが必要。それをやらずに論を言うのは言うだけの世界。民主主義は感情統治」(橋下ツイート2012.5.10) 感情による統治と 感情を統治することのつながり

「危険」をめぐって 民主主義を破壊する危険性 =多数意思による立憲主義の否定 生活そのものの危険化 =プレカリアート 原発・・・  =多数意思による立憲主義の否定 生活そのものの危険化  =プレカリアート 原発・・・ 危険という攻撃の無力さ  =「希望は戦争」(赤木智弘)との類似