スカイラジオメーターによる東京及び小笠原に おける対流圏エアロゾルの光学的特性 に関する研究 スカイラジオメーターによる東京及び小笠原に おける対流圏エアロゾルの光学的特性 に関する研究 東京商船大学 商船学研究科 交通電子機械工学専攻 齋藤 泰治
発表内容 1. 研究の背景及び目的 2. 観測装置及び観測原理 ・skyradiometerの観測動作 ・観測場所 ・観測から得られる 1. 研究の背景及び目的 2. 観測装置及び観測原理 ・skyradiometerの観測動作 ・観測場所 ・観測から得られる 各種パラメーター ・観測原理 3. 解析結果及び考察 ・光学的厚さの波長依存性についての考察 ・本学上空における観測 ・父島上空における観測 ・2003年3,4月の黄砂と5月のシベリア森林火災による影響 4. まとめ
研究の背景及び目的 ・地球環境、大気環境への関心が高まり、人間活動による排出物や、気候変動による砂塵嵐、森林火災の多発、拡大化によって、大気中を浮遊する微小粒子(エアロゾル)による影響が懸念されている。 ・エアロゾルの光学的な特性や粒径分布などの特徴、季節変化、経年変化を知ることで、その気象、気候に与える影響を知る基礎となる。 ・本研究では、東京海洋大学、越中島キャンパス(以下、本学)及び、小笠原諸島、父島での大気エアロゾルの観測から、その光学的特性、粒径分布などの解析を行った
・本学は、東京都心に位置し、ここでのエアロゾルの光学的特 性やその挙動を知ることは、大都市域においてエアロゾルが 気象、気候に与える影響を知る基礎となる。 ・父島における観測は、国立極地研究所によって行われ、 平成16年度、共同一般研究 「スカイラジオメーターによる極域及び中低緯度域における エアロゾルの光学特性に関する研究」 の一環として、観測データの提供をいただき、解析を行った。
・父島は、東京から南方約1000kmに浮かぶ亜熱帯性気候の 島で、中緯度偏西風帯と貿易風帯の境に位置するため、アジ ア起源の気団と太平洋中心部の清浄な気団に、季節によって交代で支配される。 ・そのため、大陸性(黄砂や人為汚染)のエアロゾルや、海洋 性バッククグラウンドの特徴を捉えることが期待される。 ・2ヶ所で、同時期に観測、解析を行うことで、観測点間のエア ロゾルの光学的特性や、挙動の差異を比較することができる。 ・また、エアロゾルの広域における影響や輸送過程に伴うエアロゾルの量的、光学的特性の変化なども捉えると期待される。
2.観測装置及び観測原理 ・スカイラジオメーターは、太陽直達光と、角度別散乱光の放射輝度を測定する、分光放射計である。 ・設定エアマス(0.25)毎もしくは設定時間(10分)毎に自動測定を行う。 ・散乱角度毎の全天放射輝度分布の測定から、エアロゾルの散乱の寄与、粒径分布など多くの情報を得ることができる。 今回、観測に用いた、スカイラジオメーターである。 スカイラジオメーターは、太陽直達光及び天空散乱光を測定する、分光放射計である。 左が、本学での観測、左が、父島での観測風景である。 本学におけるSkyradiometer観測風景
観測装置仕様 (株)プリード社製 Skyradiometer POM-01 視野半角 0.5° 視野半角 0.5° 測定散乱角度 3,4,5,6,7,10,15,20,25,30,40,50,60,70,80,90,100, 110,120,130,140,150,160° 観測波長 315,400,500,670,870,940,1040 [nm] (本学) 315,400,500,675,870,940,1020 [nm] (父島) 波長選択 フィルターホイール方式 光検出器 シリコンフォトダイオード 駆動方式 パルスモーター駆動方式 動作角度 350°(方位角) 150°(天頂角) 角度分解能 0.0036° サンセンサー 4 素子シリコンセンサー 装置の使用はこのようになっている。 観測波長に関して、315nmはオゾン吸収帯、940nmは水蒸気の観測帯で、それぞれの測定に用いる。 また、本学では、670,1040nm、父島では675,1020nmを用いている。
Skyradiometer 構成概念図 光学系(分光干渉フィルター、検出器) 鏡筒 駆動系(太陽追尾装置) 降雨センサー サンセンサー PC(制御及びデータ蓄積用) 制御ユニット 光学系(分光干渉フィルター、検出器) Skyradiometer本体
Skyradiometer の観測動作 天頂角q > 15° エアマスm < 3.0 散乱角Q 180°まで f =180 f =0 q0 f Almucantar plane (水平スキャン) Q Skyradiometer の観測動作
Skyradiometer の観測動作 Principal plane 天頂角q < 15° (垂直スキャン) 散乱角Q 150°まで
観測場所 ・東京海洋大学、越中島キャンパスでの観測 観測場所 : 東京海洋大学 越中島キャンパス内 二号館屋上(海抜約35m) 観測場所 : 東京海洋大学 越中島キャンパス内 二号館屋上(海抜約35m) ( 北緯35.664°東経139.796°) 気圧計測 同内 第三実験棟屋上 (緯度、経度、高度情報は、輝度観測点と同 一とする) 観測期間(解析対象期間) : 2002年 8月~2004年12月
・小笠原諸島、父島での観測 観測場所 : 東京都小笠原村父島字桑ノ木山 JAXA 小笠原追跡所 管制棟 (海抜約220m) ( 北緯27.067°東経142.217°) 気圧計測 東京都小笠原村父島西町 気象庁 父島気象観測所 (海抜3m) ( 北緯27.001°東経142.183°) *(財)気象業務支援センターにより一般に提供 観測期間(解析対象期間) : 2003年 2月~2004年11月 父島の観測に関して、 ・気圧データは、気象庁の各気象台、観測所による観測データが、(財)気象業務支援センターにより、一般に提供されている。 ・輝度観測点と気圧観測点の高度さが大きいため、地上(0m) 気圧から、輝度観測点高度(220m)に高度補正した値を用いた。
観測地点の位置関係 JAXA 小笠原追跡所 気象庁 父島気象観測所
観測から得られる各種パラメーター ・複素屈折率 物質の屈折率で、nreが散乱成分、nimは吸収成分を表す。 ・光学的厚さ t ・複素屈折率 物質の屈折率で、nreが散乱成分、nimは吸収成分を表す。 ・光学的厚さ t 光が密度r の物質中を距離dz 通過する際の消散の割合。 地上0mから高度z までの大気の光学的厚さは次式で定義される。 (2.1)
・体積粒径分布 v(r) 単位面積における大気気柱中のエアロゾルの内、ある粒径範囲dlnrの範疇にあるエアロゾルの体積量 ・単一散乱アルベド w (l) エアロゾルによる、太陽光の消散の内、散乱による割合。 消散は波長と物質により決まる定数 → 消散係数 kext 散乱部分 → 散乱係数 kscat 、 吸収部分 → 吸収係数 kabs (2.2)
・Ångstrom指数 エアロゾルの光学的厚さは、波長に依存し、Ångstrom(1961,1964)の経験式 で示される。ここで、aを波長指数( Ångstrom指数)、bを混濁係数という。 Ångstrom指数は、エアロゾルの粒径分布と関係付けられ、 一般に微小粒子が多いと大きく、粗大粒子が多いと小さくなる。 (2.3) (2.4)
観測原理 各散乱角Qにおける放射強度 E(Q) と直達太陽放射強度 F から DW ; 装置の視野立体角 (2.5) m ; 大気路程(エアマス)、1/cosq0で近似できる。 と規格化された相対的強度が定義できる(Nakajima et al, 1994)。 (2.5)
一次散乱寄与であるb は また、光学的厚さは粒径分布 n(r) を持つエアロゾル粒子の消散の効果の和として、 (K は散乱光の振幅、位相等を決定する関数、Qextはその 粒子による散乱の効率を示す散乱効率因子である。厳密 な計算はMie散乱理論に基づき求められる。) (2.6) (2.7)
Skyrad.pack コード(Nakajima et al,1994) における解析フローチャート b (n) ⇒ v(n)(r) v(n)(r) ⇒ t(n)(l) , R(n)(l,Q) e < 0.1% or n > 20 Up date b Input data DW ; solid view angle A ; ground albedo ; complex refractive function rmin,rMAX ; Radius interval yes no Output v(r) ; volume size distribution t(l) ; Optical thickness P(l,Q) ; single scattering phase function w (l) ; single scattering albedo 以上のようなインバージョンを用いて、スカイラジオメーターのデータ解析を行うプログラムパッケージが、東京大学気候研究センターの中島らによって提供されている。 ここに、その簡単な解析フローチャートを示す。 測定値から計算されたRからbを決める。 そこから粒径分布を求め、さらにその粒径分布かr光学的厚さと、Rを決定し、測定値から求めたRと、計算によって求めたRとの差が、規定値より小さければ、終了、大きければ、そこからbを更新して、多重散乱寄与を見積もり、より正確な一次散乱寄与が得られるので、これを繰り返す。 Skyrad.pack コード(Nakajima et al,1994) における解析フローチャート
3.結果及び考察 光学的厚さの波長依存性に関する考察 3.結果及び考察 光学的厚さの波長依存性に関する考察 ・観測結果の議論の前に、 Ångstrom指数に関して考察した。 微小粒子や粗大粒子が顕著に卓越する場合、Ångstromの経験式(1次式)からの逸脱が大きくなり、十分に近似が成されない(Eck at el, 1999)。そこで、 と表される2次曲線による近似を考えることとする。 本研究では、エアロゾルの光学的特性を示す、一般的な指標に加え、よく用いられる、オングストローム指数に関して、2次式への拡張を試み、この結果を考察にも用いた。 今、… …この性質を用いて、オングストローム指数は、支配的なエアロゾルの粒径を示す指標として用いられる。 (3.1)
微小粒子の卓越時(森林火災;’03.05.21) 粗大粒子の卓越時(黄砂 ; ‘04.04.17) の体積粒径分布 (日平均) の体積粒径分布 (日平均) 実際、今回の観測期間中に観測された、微小粒子の卓越時と、粗大粒子の卓越しに関して、このような体積粒径分布を示したときの、波長依存性を次に示す。
微小粒子および、 粗大粒子の卓越時 での光学的厚さの波長依存性 ln(t) vs ln(l)上で、 微小粒子が多いと近似曲線は、凸 粗大粒子が多いと近似曲線は、凹 となる傾向を示す。 微小粒子、粗大粒子が顕著に卓越すると、一次近似直線からの逸脱が大きくなる。 微小粒子が多いと上に凸 粗大粒子が多いと凹を示す。 グラフからも、2次曲線による近似が妥当であるとわかる。
ln(t) vs ln(l) における波長依存性の振る舞いにおいて、 微小粒子が多いと近似曲線は、凸 粗大粒子が多いと近似曲線は、凹 ここで、式(3.1)において a* = -a1 , g = -a2 を定義する(Schmid at el,2003)。g は一次曲線からの逸脱を示し、g = 0 ならば、式(2.4)=式(3.1)(1次式)である。 ln(t) vs ln(l) における波長依存性の振る舞いにおいて、 微小粒子が多いと近似曲線は、凸 粗大粒子が多いと近似曲線は、凹 であったから、g は 微小粒子が多いと大きい 粗大粒子が多いと小さい 従って、gの大小は、エアロゾルの粒径分布に関係している。
2003年に観測された微小粒子の卓越時と粗大粒子の卓越時における、a* とg の相関 微小粒子が多い → a* 、g 大 粗大粒子が多い → a* 、g 小 実際に、観測された微小、粗大粒子の卓越時において、a*とgの相関はこのようになり、 おおよそ 微小粒子が多いとg,a*は大 粗大粒子が多いと小 の傾向を示す。
a*、g の導入により、 ・光学的厚さ(絶対量)に左右されず、粒径分布のみを議論す ることができる。 ・ Ångstromの経験式からの逸脱が大きい場合においても、 十分に波長依存性を議論できる。 ・これまでと同様の簡便さで、 Ångstrom指数a より多くの情 報を得ることができると考えられる。 従って、本研究において、これまでのÅngstrom指数a に加え、 a*、g も用いて議論した。 a*、g により推定される結果は、粒径分布やÅngstrom指数a における解析結果とも矛盾が無かった。
本学上空における観測 2002年8月から2004年12月におけるt,a,w の時系列変化 春から夏にかけて光学的厚さが高くなり、秋から冬には小さくなるという季節変化が捉えられた。 オングストローム指数は、春光学的厚さの増加と共に減少し、冬は高い。 単一散乱アルベドは夏に大きく、冬に小さい。
2003年及び2004年におけるa とt の相関の季節変化 aとtの相関。 左回りのサイクルが見える。特に春、夏は逆相関、冬には正相関である。
2003年及び2004年におけるa*とg の相関の季節変化 2003年は春、秋に粗大粒子、冬に微小粒子側への偏りが見られる。 2003年は2004年に比べ、a*,gが大きく、微小粒子の卓越が見られる。 後にケーススタディとして紹介するシベリア森林火災の影響を反映していると考えられる。 2004年は2003年ほど季節による違いは見られないが、やはり春に粗大粒子、冬に微小粒子側へ偏っている。
父島における観測 2003年3月から2004年11月におけるt,a,w の時系列変化 父島における、t、a、wの時系列変化を示す。 2003年12月から2004年3月は、観測装置の光学系調整のため欠測。 2004年6月から9月は装置故障のため欠測である。 父島では、春、秋にややtが大きく、夏は小さい。 春にtが高くなるとaは下がる傾向がある。2003年夏の、tが小さな期間にaが大きなばらつきを見せているのは、元々エアロゾルの絶対量が少ないところに、観測中にランダムに捉えられる粗大粒子の影響を大きく受けているものと考えられる。
2003年及び2004年におけるa とt の相関の季節変化 aとtの相関。 tのほとんどが0.5以下と小さいのに対して、aは幅広い値を取る。
2003年及び2004年におけるa*とg の相関の季節変化 年間を通じて粗大粒子の卓越が大きく、2003年を見ると、粒径分布における季節的変化はほとんどないと考えられる。 2004年秋は、春のような大きなばらつきはなく、 期間を通じて同じような粒径分布を示していたと考えられる。
2003年3,4月の黄砂と5月のシベリア森林火災による影響 本学及び父島における2003年春季のtの時系列変化 2003年春の本学と、父島の光学的厚さ。 同じような傾向で、父島のほうが数日づつ遅れている。 本学(東京)で、光学的厚さの変化をもたらした空気塊が、2~3日かけて父島まで輸送されていると考えられる。
NOAA HYSPLIT MODELによる後方粒跡線解析 黄砂飛来時(2003年3月26日及び4月20日)における NOAA HYSPLIT MODELによる後方粒跡線解析 父島からのNOAAによる後方粒跡線解析。 高度500、1000、1500mから、昼12時から120時間(5日)前まで。 中国内陸部から、日本本州上空を通過し、父島まで到達している。
日本に飛来する黄砂 2003年4月16日 (JAXA;EORC)
本学及び父島における2003年3月の黄砂飛来時の体積粒径分布 1ミクロン前後の粒子が増え、微小粒子,粗大粒子のはっきりしたふた山がなくなり、緩やかな増加を見せ手射る。
シベリア森林火災による、煙粒子飛来時(2003年5月22日及26日)におけるNOAA HYSPLIT MODELによる後方粒跡線解析 黄砂時より、より高緯度や、北海道,北陸地方の東方沖からの輸送が窺える。 次の衛星写真に示すように、北海道,北陸地方上空を通過した煙粒子が、父島まで到達していることが期待される。
2003/05/19 at 03 :45 UTC, Fires and smoke in Russia and China Courtesy of MODIS Rapid Response Project at NASA/GSFC
日本に飛来する煙粒子 2003年10月17日 (JAXA:EORC)
本学及び父島における2003年5月(本学は及び6月)のシベリア森林火災による煙粒子飛来時の体積粒径分布 0.5ミクロン以下の微小粒子に目立った卓越が見られる。 父島ではそれほど大きな卓越ではないが、微小側(0.02ミクロン付近)から0.5ミクロン程度の粒子が急激に増加し、1.5ミクロン程度の粒子量まで横ばいとなっている。
本学及び父島における、黄砂時と森林火災時のa*とg の相関 東京では森林火災時と黄砂時で、エアロゾルの粒径分布が大きく異なっていると考えられる。 一方、父島ではそれほど大きな違いはなく、森林火災時に微小粒子がわずかに増加する程度だと思われる。 次に、実際の体積粒径分布を示す。
本学及び父島における、黄砂時と森林火災時の体積粒径分布の比較 東京では森林火災時には0.5ミクロン以下の微小粒子、黄砂時には1ミクロン程度の粗大粒子の卓越が見られたが、 父島では微小粒子がそれほど卓越していない。これは、元々海塩粒子などの粗大粒子が多いことと、遠距離からのエアロゾルは輸送過程で失われ、その密度が薄まっていると考えられる。
まとめ 今回の解析で、以下のことが認められた。 ・本学(東京)では、春から夏にかけて光学的厚さが高くなり、 Ångstrom指数は比較的低く、逆相関を示す。一方、秋から冬 にかけては、光学的厚さは小さくなり、 Ångstrom指数は高い。 特に冬において、光学的厚さとÅngstrom指数は正相関を示す。 ・単一散乱アルベドは、夏に大きく、冬に小さい。 ・父島においては、春と秋に光学的厚さが高くなり、 夏は小さい。 ・これらの変化は、東アジア・西部太平洋域の気候的季節変化に対応しており、 特に、春と秋には黄砂などの自然起源エアロゾルに加え、中国 大陸からの汚染大気の流入も認められた。
・2003年春に発生した、黄砂及び森林火災に関して、本学及び 父島の両観測点で捉えられ、その広範囲にわたる影響と輸送 が認められた。 ・スカイラジオメーターの観測から、日本本州上空を通過した後、 2~3日後に父島に達したことが窺え、後方粒跡線解析の結果 からも、これが認められた。 ・シベリア森林火災に関して、父島では本学ほど微小粒子の卓 越が認められず、輸送過程におけるエアロゾルの拡散、沈着 や海塩粒子との凝集による粒子の成長も予想される。 ・ Ångstromの経験式の2次式拡張に関して、a*、g はa 同様にエ アロゾルの粒径分布に関して十分に議論でき、より多くの情報 を与えうることが解析により示唆できた。
今後の課題 ・本研究によって、グローバルな季節的気圧配置、気流の変化に 対応した、エアロゾルの光学的特性や体積粒径分布の変化は 捕らえられたものの、その中において、観測点近傍からの局所 的な原因によるものとの判断は困難であった。地表から大気上 端までの気柱積算量だけではなく、水平、鉛直方向に対する情 報など、より厳密な観測、解析が必要である。 ・ Ångstromの経験式の2次式拡張に関して、 a*、g の粒径分布 における意味は、その定義と解析によって示唆されたが、数値 的、物理的な裏づけと、厳密な議論に関して、Mie散乱理論に 基づく数値シミュレーションによる検証を行う。