IUGG2003力学関係の報告 廣岡俊彦(九大・理) オゾン研究連絡会 14 Oct 2003

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IUGG2003力学関係の報告 廣岡俊彦(九大・理) オゾン研究連絡会 14 Oct 2003 内容 ・ICMA Business Meeting (IUGG) 次回のICMAシンポジウム ・力学関係の全般的印象 ・2002年南半球突然昇温について

ICSU (International Council of Scientific Unions) 組織図 IAG IUGG IAMAS ICMA ICSU IAPSO IO3C IAGA IAHS IAVCEI IASPEI ※ICMA(International Comission on Middle Atmosphere)

ICMAメンバー(4年ごと半数改選) K.Hamilton(Preg), Albert Hertzog(Secretary) M. Baldwin W. Ward G. Beig C. Warner T. Hirooka U. Hoppe B. Lawrence C. Meyer A. Ravishankara K. Sato (1999年選出) G. Bodeker A. Robock P. Canziani S. Yoden V. Fomichev J. Hecht A. Krivolutsky U. Langematz C. McLandress D. Marsh (2003年選出)

ICMA’05はToulouse(仏)でIAGAと合同開催 (IAMAS’05は北京にて開催)

ICMA Symposia at Toulouse ・Middle Atmosphere Science (MAS) Symposium (5days) - MC05のような感じ ・Layered Phenomena Near the Mesopause (1day) ・Solar Variability Effects on the Middle Atmosphere and Troposphere (1day) ・Short-term Variability in the Middle Atmosphere (1day) *Long Term Trends in the Upper Atmosphere *Coupling of the Middle and Upper Atmosphere ・はICMAが主催、*はIAGAが主催 成層圏-対流圏結合関係はIAMAS(北京で開催)?

力学関係の全般的な感想 ・新しいパラダイムを示した研究はなかった(と思う) ・ERA(ECMWF ReAnalysis)-40の出現  新しい再解析データ・・・最も高い信頼度 ⇔極めて高価だが使わざるを得ない 1年分のZ、T、U、V (2.5度格子、一日4回)で約30万円 多様な要素(同化オゾン混合比も) ただしあくまでもモデルを反映した同化データ ・並行した類似のセッションが多かった 中層大気、太陽活動、環状モード

2002年南半球突然昇温について ・Hirooka et al.の発表 (Baldwin et al.(SPARC News Letter)含む) ・Krueger et al.(BFU)の投稿論文 ・Newman et al.(NASA)の投稿論文 に従い特徴をまとめる

Total ozone vs 10 hPa height field (1) The polar vortex was elongated to split into two after the amplification of WN1. (Hirooka et al.)

Total ozone vs 10 hPa height field (2) The weaker vortex disappeared after the split. (Hirooka et al.)

南極域3地点の気温変化(Krueger et al.) 数日で50℃以上も昇温 →北半球の突然昇温と同規模

SH 2002 vs NH 1989 (Krueger et al.) パターンは似ているが時間経過のスケールが全く異なっている

SH 2002 vs NH 1989 (Krueger et al.) 南半球2002年9月の突然昇温: 波数2型ではなく1-3全てが寄与 波数2東進波と波数1準定常波の非線形相互作用→波数1増幅?

顕著なバシレーション Zonal mean U(60S) Jul-Oct (Baldwin et al.) red:E’ly,blue:W’ly 顕著なバシレーション 2002 2001

E-P fluxes and Wave driving (60S) (Jul -Oct 2002) (Baldwin et al.) Major warming WN1 WN2 SP

E-P fluxes and Wave driving (60S) (Jul -Oct 2001)(Baldwin et al.) WN1 DF>0 DF<0 WN2 SP

Interannual change of Fz of s=1 + 2 for 50-70S in Aug and Sept 300hPa 50hPa 100hPa 20hPa 2002年は対流圏では卓越的でないが成層圏では卓越的 (Hirooka et al.)

流線関数場波数1(5-9月)の振幅 (Newman et al.) 2002年は対流圏でもそれなりに振幅は大だが卓越的ではない

波の熱輸送(100hPa)とQy(400-100hPa)の相関 (Newman et al.)

Zonal mean U and T (Jul) 2002 vs 2001 極寄りで強化された極夜ジェット (Hirooka et al.)

UとT(2002年7月)の気候値からの差 (Newman et al.) 極よりの極夜ジェットの軸と60S付近の高温化

Refractive index Q2 distribution 2002 2001 Jul Aug Sep (Hirooka et al.)

2002年南半球突然昇温のまとめ ・大規模で極渦分裂型であるが典型的な波数2型ではない ・波数2東進波と波数1準定常波の非線形相互作用→波数1増幅?→preconditioning ・波数1と2の鉛直伝播を上部対流圏-下部成層圏の屈折率が支配?→preconditioning ・波数2の卓越理由は不明 ・大規模昇温をもたらしたプラネタリー波増幅はpreconditioning時と質的に異なる?