神岡宇宙素粒子研究施設の将来 Future of the Kamioka Observatory

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X線で宇宙を見る ようこそ 講演会に 京大の研究
東海-神岡ニュートリノ実験 T2K 2010年8月5日 小林 隆.
「地底で解明する宇宙の謎 -ダークマターを探せ-」
重力波でみる 7億光年先の宇宙 地下大型重力波検出器LCGT計画の始動 東京大学宇宙線研究所 宮川 治
ガンマ線バースト将来計画に向けたワークショップ @京大 平成22年8月27日 川村静児(国立天文台)
J-PARCでのニュートリノ実験 “T2K” (東海to神岡) 長基線ニュートリノ振動実験
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 II
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(1)
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南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
名大STE/KMI 伊藤好孝 第4回CRC将来計画タウンミーティング (2012年7月22日 東工大)
謎の惑星スーパーアースを探れ! 国立天文台・成田憲保.
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
LCGT Collaboration Meeting (2010年2月15日)
宇宙での重力波観測 (1) 宇宙での重力波観測 宇宙で観測するメリット : 他にはないサイエンスがある
超伝導磁気浮上を用いた 低周波重力波検出器の開発
再建作業終了後、給水中のスーパーカミオカンデ
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
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スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
低周波重力波探査のための ねじれ振り子型重力波検出器
宇宙重力波検出器用大型複合鏡における熱雑音の研究
SEDA-APのデータ解析 ~Albedo中性子の検出~
LCGT詳細設計とR&D 大橋 正健 東大宇宙線研.
新学術「宇宙の歴史をつむぐ地下素粒子原子核研究」 2015年度領域研究会@神戸大学 2015年5月16日 岸本康宏
標準模型のその先へ ゲテモノ探し セッションⅤ:ナビゲーショントーク     名古屋大学 中 竜大.
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ダークマター検出器の低圧ガスにおける 角度分解能の評価
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星の進化と元素の起源 -我々はどこからきたのか-
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小型衛星パスファインダーによる総合的試験
京都大学理学研究科 中村卓史 2006年2月24日 国立天文台
最高エネルギー太陽宇宙線の観測 甲南大学 村木 綏
京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。
宇宙線研究室 X線グループ 今こそ、宇宙線研究室へ! NeXT
Dark Matter Search with μTPC(powerd by μPIC)
産総研・計測標準 寺田聡一 東大地震研 新谷昌人、高森昭光
最近の宇宙マイクロ波背景輻射の観測 銀河の回転曲線 回転曲線の測定値 NASAが打ち上げたWMAP衛星が観測
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ストレンジネスで探る原子核 -ハイパー核の世界-
第17回DECIGOワークショップ 2018.11.1 川村静児(名古屋大学)
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増倍管実装密度の観測量への影響について.
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Telescope Array ~Searching for the origin of the highest energy cosmic ray 私たちの研究の目的 宇宙線って何? 最高エネルギー宇宙線の数が、 理論による予想を大きく上回っていた! 現代物理学の主要な謎の1つ 宇宙空間を光に近い速度で飛び回っている非常に小さな粒子のことです。
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梶田隆章 & Arthur B. McDonald
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スーパーカミオカンデ、ニュートリノ、 そして宇宙 (一研究者の軌跡)
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小型衛星パスファインダーによる総合的試験
望遠鏡技術検討会 (2013/2/9) 京大3.8m望遠鏡用 面分光装置開発 松林 和也 (京都大学)
教育学部 自然環境教育課程 天文ゼミ 菊池かおり
Report about JPS in Okayama-University
荷電粒子の物質中でのエネルギー損失と飛程
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Presentation transcript:

神岡宇宙素粒子研究施設の将来 Future of the Kamioka Observatory ~3km 研究棟 計算機棟 1.7km Y. Suzuki Kamioka Observatory, ICRR, The University of Tokyo @10th anniversary and the commencement of SK-III May-14th, 2006 N S

現在の神岡地下で行われている実験 XMASS (試験機) KamLAND Super-Kamiokande (東北大学の施設) 暗黒物質探索 (東大物理他) Super-Kamiokande XMASS (試験機) 暗黒物質探索(宇宙線研他)

暗黒物質(Dark Matter)探索実験 ダークマターの分布 宇宙のエネルギー総和 通常の物質 (~4%) 暗黒物質 (~23%) 銀河中心からの距離 回転速度(km/s) 観測データ 見える物質だけ からの期待値 ダークエネルギー (Dark Energy) (~73%)

XMASS実験 800kg detector 直径80cm 暗黒物質が液体キセノンと反応したときに 発する光を検出する 暗黒物質 キセノン原子が 跳ね飛ばされる 直径80cm 現在は、 小型の試験機で 開発研究中

現在の神岡地下で行われている実験 XMASS (試験機) KamLAND Super-Kamiokande (東北大学の施設) 暗黒物質探索 (東大物理他) Super-Kamiokande XMASS (試験機) 暗黒物質探索(宇宙線研他) 重力波望遠鏡(試験機:CLIO) 基線長:100m(宇宙線研究所他) レーザー地殻歪計 (東大地震研、京大防災研他)

重力波望遠鏡 Gravitational Wave Antenna (LCGT) 2006年4月20日(木) 朝日新聞、夕刊

NASAのHome Pageから

大型重力波望遠鏡 LCGT(Large Scale Cryogenic Gravitational Wave Telescope) 巨大な Michelson干渉計 LCGTの特徴 3kmの基線長 低温鏡の導入により雑音を低減 神岡地下の静寂な環境に設置し安定な動作を保障する 連星中性子星 からの重力波 空中に 吊した 空間の歪   腕の長さの変化 腕の長さ3km 重力波の通過  干渉縞が変化する

日本における 実証プロトタイプ 現存する 検出器の 到達点 LCGTの 到達点 予想される 観測数の範囲 米国の計画 議会で予算 審議中 ~2012年頃   完成予定 一年間で検出できる連星中性子星合体事象数(期待値)

重力波望遠鏡試験機(CLIO)と レーザー地殻歪計の真空パイプ

併設するレーザー地殻歪計(地震研と連携) 100m プロトタイプ地殻歪計 重力波の観測  鏡を空中に吊す 地殻歪の観測  鏡を地面に固定 紀伊半島南東沖地震 歪ステップ(永久歪)の観測 歪ステップを明瞭に観測 スマトラ地震でぎりぎり 3km  全地球的観測

神岡でのニュートリノおよび関連研究の展開 どうして宇宙には、 反物質が存在しないか の宇宙の謎に挑戦 宇宙暗黒物質探索 ニュートリノ の絶対質量の観測 次世代ニュートリノ 陽子崩壊測定装置 重力波望遠鏡 (LCGT) 開発研究 T2K 開発研究 第3の(最後の)ニュートリノ 振動の発見を目指す 開発研究 J-PARC 大強度n 地球物理学実験 (東大地震研等) スーパーカミオカンデ による研究 地下利用の拡大 K2K 大気n 振動の確認 ニュートリノに質量のある ことの発見 大気ニュートリノ(nmnt) 太陽ニュートリノ(nenm,t) (ニュートリノ振動) KEK-PS 人工n 超新星ニュートリノ 陽子崩壊 カミオカンデ   新しい宇宙を見る目:ニュートリノ 太陽、超新星ニュートリノ観測 ニュートリノ天文学の創始

実験室の拡幅(‘将来’への第一歩) 新実験室 Super-Kamiokande

重力波望遠鏡(LCGT) 研究棟 計算機棟 N S

次世代の陽子崩壊・ニュートリノ検出器 大きいことは良いことだ 海底に作ったらどうか 20年後は、地下施設  海底施設?? Hyper-K 540kton 大きいことは良いことだ 0.5メガトン (SKの24倍) 陽子崩壊探索には不足?  もっと大きく?(地下では限界?) 拡張可能に? 海底に作ったらどうか 1ユニット2.2メガトン SKの100倍 2ユニットつくれば SKの200倍 20年後は、地下施設  海底施設?? 105m (H) x 170m x 170m