X線による超新星残骸の観測の現状 平賀純子(ISAS) SN1006 CasA Tycho RXJ1713 子Vela Vela SNR.

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X線による超新星残骸の観測の現状 平賀純子(ISAS) SN1006 CasA Tycho RXJ1713 子Vela Vela SNR

超新星残骸(SNR)からのX線放射 超新星爆発で莫大な運動エネルギーの解放 ~1051 erg ガスが星間物質中(1H/cm^3)を超音速 (~5000km/s)で膨張 衝撃波の形成 星間物質・イジェクタを加熱 熱的X線放射(光学的に薄い高温プラズマの存在)  Cas A (Chandra image) kTe ~5keV Flux ~2x10-9 erg/s/cm^2 (0.5-10keV) 式なし。 シンプルに Integrated spectrum by ASCA 2.5’ Red:0.6-1.65keV Green:1.65-2.25keV Blue:2.25-7.50 keV

銀河系内宇宙線はSNR起源? 衝撃波面におけるFermi統計加速 非熱的X線放射(multi-TeV 電子の存在) Nonthermal component Γ ~3 Flux ~2x10-11 erg/s/cm2 (2-10keV) thermal component kTe  ~0.3keV Flux ~2x10-11 erg/s/cm2 (0.5-10keV) 式なし。 シンプルに 30’ 銀河系内の超新星残骸;231個 (Green et al. 2001) 超新星爆発で銀河系に供給されるエネルギー; ~1041 erg/s 宇宙線生成率;~1040 erg/s (5-10% injection) どのSNRからもnonthermal emission?

SN 1006 Non-thermal shell = filaments + plateau Filament (5-20”) Γ = 2.2-2.5 Filamentはハードな スペクトルを示す Plateau (flux 70%) Γ = 2.4-3.0 Uchiyama phD thesis 2003 Plateau 構造を説明するのは簡単ではない 電子加速と伝播などに進んだ理解が必要 Chandra ACIS-S   1-2 keV

ASCAが捕らえたSNR宇宙線加速現場 ~RX J1713.7-3946(G347.5-0.5)の場合~ ASCA Image 30’ 全X線放射がベキ関数型 (殻型SNRで最強) 光子指数 Γ=2.1-2.4 multi-TeV電子によるシンクロトロン放射 (Koyama 1997; Slane 1999) 1-3keV, 空間分解能 3’ CANGAROO による TeV 光子の検出 (Muraishi 2000; Enomoto 2003) 距離 ~1kpc NANTENによる分子雲の発見(Fukui et al. 2003) 30’

Chandra によるシェル内部構造の発見 ASCA Image Chandra Image もっとも明るいNW-Rim の観測 顕著な内部構造の発見 filament/void構造 スペクトルは輝度によらず一様 Γ~2.3 (Uchiyama et al. 2003) 1-3keV, 空間分解能 3’ 1-3keV, 空間分解能 0.5” Chandra FOV ここの構造に対するコメントなし 距離の定義 なんてnも

XMM-Newton で見えてくる詳細な全体像 ASCA Image XMM-Newton Image 0.7-2keV, 空間分解能 15” 1-3keV, 空間分解能 3’ XMM FOV Chandra FOV -39d30 Chandra image XMM FOV を書く 見えてくる 変更 ここでいうべきは、チャンドラからの差分をメインにする。 -40d00 Rim全体に顕著な内部構造。 2本のアーク状シェル。 SNR RX J1713.7-3946 17h14m 17h10m

~RX J0852-4622(G266.1-1.2)の場合~ ~1deg 全X線放射がベキ関数型 光子指数 Γ~ 2.6 Nonthermal flux ~4.2x10^-11 erg/sec/cm^2 (Slane et al. 2001) 44Ti detection (Iyudin et al. 1998) Ca line detection (Tsunemi et al. 2000) SNRシェルからの非熱的X線の検出例が少ない。 ~1deg

Tycho (Chandra image) Thermal component kTe ~3keV Flux ~2x10-9 erg/s/cm^2 (0.5-10keV) nonthermal component Γ Flux ~6x10-10 erg/s/cm^2 (0.5-10keV) (U.Wang et al. 2003) 8’ 明るい熱的放射SNRから非熱的放射が検出されている。 熱的放射を押さえた上で、硬X線における非熱的放射を調べることが重要 wide band imaging & spectroscopy Kepler (XMM image) 3’ (G.C-Chenai et al. 2003)

Nonthermal emission のまとめ Ridge SN1006 filament Tycho/CasA 5x5 arcmin 連続成分感度 1° RXJ0852-4622 Diffusive source RXJ0852-4622 RXJ1713.7-3946 Tycho kepler CasA SN1006 RXJ1713-3946