ベクトル中間子で探る 強い相互作用のもたらす質量の謎 -失われた対称性を追ってー 延與秀人 理化学研究所

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ベクトル中間子で探る 強い相互作用のもたらす質量の謎 -失われた対称性を追ってー 延與秀人 理化学研究所 ベクトル中間子で探る 強い相互作用のもたらす質量の謎 -失われた対称性を追ってー 延與秀人 理化学研究所 はじめに (物理の説明) 実験の概要 実験結果 f →K+K- & w/r →e+e- まとめと議論 also for RSC ? 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Tantalizing hints New State of Matter for CERN Press Release Feb. 2000 これは1例、他に7つほど 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

理論屋の見解(闇雲に信じると痛い目に?) クォーク質量はもともとほとんどゼロ。強い相互作用での 対称性の自発的破れでのため有効質量を持つ      quark condensate : クォーク凝縮 カイラル対象性の破れの指標 観測量ではない (残念!) → Vector Meson, r w f, の質量 Mv = 2 x Mqeff + small interaction term 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

思考実験1)原子核に束縛された核子やメソン 神岡の水タンクのなかで酸素原子核のなかの中性子(または陽子がGUT崩壊したことを想定してみる。崩壊粒子は完全測定し、不変質量を求めると…    n → π+ + e- Mn2 → ( Eπ + Ee)2 -(Pπ + Pe)2 Mn = 939.6 MeV , Mn = 938.3MeV ????? 正確に言うと 16O → π+ + e- + 15O* (Mn +M15O ) 2 → (E15O + Eπ + Ee )2 - (P15o + Pπ + Pe )2 E2=M2+P2 16O のレベルを 見ることになる 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

思考実験2)媒質中を走るメソン E2=M2+P2 be small 媒質中の中間子の質量分布(スペクル関数) Outside Inside 娘粒子から構成する「不変質量」はローレンツ不変ではない (分散関係) 共鳴エネルギー位置(質量)のシフト 共鳴巾の増大、縮小も起こり得る 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Present & future experiments CLUES Experiment Measurements Interests CERES/HELIOS-3 r modification Temp. dep. ρis modified in Hot Matter KEK-TANASHI ES r modification Density dep. ρis modified in He GSI p modification Density dep. πis modified in Pb Present & future experiments . RHIC(running)/LHC(2006) KEK-PS: p+A→f+X(f→K+K-/e+e-) (Running) SPring-8: g + →f+A*(f→ K+K-)      (Ready to run ) GSI: d +A→3He+A* (hw bound states) (Ready to run ) GSI-HADES: p +A→ w+A* (w→e+e-) (Preparation, 2001?) 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

KEK-PS E325 原子核媒質中で起こるρωφ の崩壊の測定 KK Threshold in Free Space f modification ? K modification ? 質量分布の変化の測定 ω/ρ/φ → e+e- f(G=4.4MeV) DQ=38MeV φ →K+K- /φ → e+e- 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Some Tips of E325 109/sec の一次ビーム(12GeV)を薄い原子核標的(散乱長 0.1%)に照射(γコンバージョンを抑える)。 狙いはゆっくり動くメソン f,w,r , p =1~2GeV/c(lab). 約 10% の作られた f‘sは確率的に原子核内で崩壊(巾が広がらなかった場合)。 予想される質量変化はφで 20~40 MeV、ρやωで~140MeV (初田-Lee). セカンド・ピークの相対量はメソンの速度で変わる可能性がある。 崩壊比 (f→K+K-)/(f→e+e-) はφとK の質量変化に敏感な量である。 f, w の自然巾は狭いが (4.4, 8.4MeV),核内巾は広がる可能性あり。   見積もりは Gf = sfN bfr0 Gf <20MeV s{fN} < $10mb, total cross section (from g+A→f )  bf=0.7,r0 =0.16/fm3 f →K+*K-*(K-N→SX)  Klingle and Weise Gf ~44MeV (at rest) 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Brief Mile Stones and Status 1994 3月. KEK-PS PAC 留保 1995 3月. KEK-PS PAC 採択 1996 7月. 建設開始 1996 11月. Engineering Run (40.5shift of beam test) 1997 6月, 最初の物理ラン(K+K-). 17days 50 shifts Data accumulation mainly with K+K- channel trigger Beam Intensity 1~2 x108$ protons/spill on 0.6% interaction targets (106 interaction/spill) 1998 3月. スペクトロメーター完成, 1998 4-5月. 物理ラン days 74shifts. Parallel Trigger. K+K-/ e+e- Beam Intensity 1~2 x 109 protons/spill on 0.1% interaction target (106$ interaction/spill) 1999 6月 物理ラン 57 shifts Beam Intensity 1~2 x 109 protons/spill on 0.2% interaction target (106$ interaction/spill) 2000 6月, 35shifts 2000 12月. 35shifts 2001 12月. ~100 shifts Analysis KK ee 1996 40.5S beam line test 1997 5-6月 95S(10^8 tuning) 3月 38S(10^9tuning) PHYSICS 50S from 5-6月 1998 74S 1999 57 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

E325 collaboration Kyoto University ICEPP, U-Tokyo H.Funahashi,, M.Kitaguchi, M.Miyabe, T.Murakami, R.Muto, M.Naruki, F.Sakuma, H.D. Sato, S.Yamada CNS, University of Tokyo H.Hamagaki, K.Ozawa Tohoku University H. Kanda KEK J.Chiba, M.Ieiri, O.Sasaki, M.Sekimoto, K.Tanaka Osaka University M.Nomachi RIKEN S.Yokkaichi, T.Tabaru, H. Enyo ICEPP, U-Tokyo S.Mihara M.Ishino Companies T.Miyashita Y.Yoshimura K.Hamada 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

E325 SETUP 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

ターゲット周り 3枚の串刺し標的 C/CH2/Cu Vertex chamber 2000年から 109/s protons, 106/s interactions Vertex chamber   2000年から 1.75mm drift length 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Spectrometer Performance (Invariant Mass Spectrum) L→pp- K0→p-p+ ML= 1115.4-5MeV/c2 (PDG 1115.7MeV/c2) dML = 1.8-2.4MeV/c2 (Sim 1.9MeV) φ→KK 2.4MeV φ→ee 9MeV  MK= 494.8MeV/c2 (PDG 497.7MeV/c2) dMk = 6.1MeV/c2 (Sim 6.3MeV ) 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

‘98 data (Electron Channel) PRL, the issue of 28 May, page 5019 w  e+e- ω→e+e-  Significant Difference between C and Cu The first observation of in-medium decay of vector mesons. 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Combinatorial background 電子の主なバックグラウンドは   π0→γγ  (γ→ee) π0→ eeγ  ππ相関は? (左の絵) Spectrum of p pair 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

‘99 data (KK mode) to be published 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

JAM (Y.Nara, RBRC) Intra Nuclear Cascade Code Pt βγ Resonance Production ( Low Energy) String Excitation (Mid Energy) Parton-parton (High Energy) K+K- Sources φ a0/f0 Non resonant (not large) PID back ground C,CH2 data (χ2 = 34.5/37) a0/f0 to φ  37.7±10 % Gd,Cu data (χ2 = 38.8/37) a0/f0 to φ  27.2±10.1% JAM All come from string decays Y-Pt Y Experiment Kinematical Distributions are well Described by JAM 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Target Mass Dependence of sf→K+K- (’97+’99 Data) a=1.010.09 EXP a=1.080.01 JAM a is surprisingly large but  explained by JAM. For Carbon Ωσ= 0.19 0.030.09 μb EXP Ωσ= 0.31 0.03 μb    JAM σ= 15.5 Aαμb  JAM 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Target Mass Dependence of s(φ,ω)→e+e- (’99 Data) a=  0.63 ± 0.07 for ωpeak a=  1.03 ± 0.15 for φpeak C/CH2 ω→e+e- φ→e+e- 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

何を学んだのか ? Toy Model 計算 ベクターメソンの質量スペクトラムの変化をはじめて電子対モードで観測。 QCD カイラル対称性が部分的回復した現象か? ちと早計 (世の中それほど単純ではない)       ?無責任?な過程 初田氏の予想に従った質量シフト 媒質中での崩壊巾は自由空間の   3倍 ( D. Cabera et al.) ρ・ω 生成は核表面で起こる(A 2/3) 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

なにが足りないのか ? 理論的には 実験的には 媒質中の崩壊巾のひろがりは? 仕事はいろいろ出ているが共通見解はない。 不変質量分布 崩壊頻度 仕事はいろいろ出ているが共通見解はない。 他のトリビアルな原因? Collisional broadening Phase space (E325では効かない) 実験的には まずは統計精度の向上 正確な質量分布の形を与えること 分散関係(形の運動量依存性) φ→e+e- 理論的な不定性はかなり消える。 By Akaishi, Yamazaki 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

Summary and Outlook The ’97+’99 f→K+K- のデータは解析終了。 結果は 質量スペクトラムに有為な変化は見出せない( a0/f0 は問題 ) 生成の原子核質量依存性は大 (a =1.01 +- 0.09 ) カスケード・コード JAMは結果をよく再現している. ‘98 ω→e+e- の質量スペクトラムにはρ/ω の核内崩壊に起因すると考えられる変化が観測された。 核物質中で崩壊したメソンの初めての測定。. この現象を支配する物理は未だ明確ではないが、実験データとしては重要なステップである。 ‘99 e+e- のデータは解析中。 φ →e+e-の美しいピークが見えている。 ω とφの生成の原子核質量依存性はそれぞれ ~2/3 と ~3/3。 最終的な統計は5-10倍程度になり、φ→e+e- の質量分布とその分散関係(運動量依存性)が議論可能になる。 有限密度下でのカイラル対称性の実態に迫る初めての実験となることが目標。 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

EM cal Energy.vs.Momentum Electron efficiency and pion contamination We evaluated the electron efficiency and pion contamination in the momentum range greater than 400 MeV/c. EM cal Energy.vs.Momentum The remaining ep pair background was estimated to be about 13% in the final e+e- pair sample. The contaminations like pp pair to be negligibly small. 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

The kinematical coverage of the present data is shown. Kinematical distribution of electron pair The kinematical coverage of the present data is shown. The combinatorial background is subtracted. Opening angle Opening angle bglab bglab Transverse Momentum Rapidity Transverse Momentum Rapidity Light Target Heavy Target 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所

450GeV p+Be→ee Helios/Na34 2001年5月 東工大セミナー 延與秀人 理化学研究所