永久磁石を用いた 残留ガスモニターの製作 環境計測 西村荒雄
残留ガスモニターとは 残留ガスの組成と分圧を分析。 必要性 ー真空槽内の物理現象の理解 ーその結果に応じた対処 ⇒ベーキングの必要性 ー真空槽内の物理現象の理解 ーその結果に応じた対処 ⇒ベーキングの必要性 ⇒リークの可能性 ー実験への影響の見積もり ⇒イオンビームの減少の見積もり
残留ガスモニターの種類 飛行時間型 四重極型 + 磁場偏向型 + 本研究では これを用いた
残留ガスモニターの種類 磁場偏向型 イオンを磁場中へ入射 ローレンツ力により飛行経路を変える + 原理と構造が単純 ヘリウムリークディテクター にも利用
ヘリウムリークディテクターとは 真空槽 Heリークディテクター 真空槽に流入するヘリウム(以下、He)の量を見て漏れ調べ。 クターを改造して残留 ガスモニターを製作。 真空槽 Heリークディテクター
Heリークディテクターの原理 60°永久磁石 で質量分析 イオンを電極で受け止めて電流計で計測 Heをイオン化して加速 ° 永 久 磁 石 フ ィ ラ メ ン ト イ オ 化 室 引 き 出 し 板 ス リ ッ 加 速 電 源 ( 固 定 ) 極 フィラメントで熱電子を発生させ加速 イオンを電極で受け止めて電流計で計測 Heをイオン化して加速
残留ガスモニターへ転用 するに当たっての問題点 HeリークディテクターはHeに特化 加速電圧と 磁場が共に固定 He+のピークの周辺 に他のピーク無し 分解能より感度を優先
改良点 1 mmスリット φ2スリット セラトロン 二次電子を加速して増倍。 入射イオンを1個ずつ測定可能。
性能評価実験 問題点 計算ではHe+のピークは60 V。測定では227 V。 星印(☆)のようなピークが出現。 質量分解能m/Δm≠const フィラメント電流 2.7 A
問題点 1 ピークの位置 SIMION7.0でのシミレーション。 フリンジング磁場の影響 60°永久磁石 イオン源 φ2スリット 問題点 1 ピークの位置 フリンジング磁場の影響 60°永久磁石 SIMION7.0でのシミレーション。 イオン源 φ2スリット フリンジング磁場 加速電圧60 V 1 mmスリット 長時間ローレンツ力 を受ける 高い加速が必要 加速電圧227 V
問題点 2 星印(☆)のピーク 小 加速電圧 大 He以外でも現れる 加速電圧が 高い側に出現 + 小 加速電圧 大
より大きな 加速が必要 φ2スリットでエネル ギーを失った散乱 エネルギーの低い He+が磁石に入射 φ2スリット セラトロン 1 mmスリット 加速電圧 (可変) エネルギーの低い He+が磁石に入射 より大きな 加速が必要 φ2スリットでエネル ギーを失った散乱
問題点3 No.1 m/Δm Δm 半値幅をΔm。 m/Δm ≧m:分解可能。 それぞれのm/Δm He+:17.5,H2O+:8.9,N2+:5.2,CO2+:5.8。 H2O+以上の質量のイオンは分離不可能。 mに比例してm/Δmが減少する傾向。
問題点3 No.2 m/Δm 平行ビーム 平行ビーム m/Δm、一定 ビームの発散が原因 発散有り m/Δm、一定でない 発散ビーム
質量分解能向上 φ2スリット狭める Δmと発散項が共に減少 H2O+以上の質量の イオン分離見込める
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分解能向上の見積り 質量分解能 S1:イオン源側スリット S2 :検出器側スリット δS1 :誤差 r :曲率半径 φ2⇒φ1にするとm/Δm、約2倍
四重極型&飛行時間型 四重極型 飛行時間型 4本の電極に直流と高周波電圧を印加 電圧に対応した質量のイオンのみを通す パルスビームを加速 + 4本の電極に直流と高周波電圧を印加 電圧に対応した質量のイオンのみを通す 飛行時間型 パルスビームを加速 検出器に到達する時間差を測定