絶滅危惧植物シラタマホシクサの 保全に関する研究 岩井貴彦 システムマネジメント工学科 UCコース

Slides:



Advertisements
Similar presentations
日本近海におけるホシササノハベラの 遺伝的分化の解析 保全生態学研究室 川瀬 渡 2006 年 2 月 21 日 -日本沿岸域の環境保全のために-
Advertisements

水と命のゆりかごづくり ~十勝川中流部における湿地造成実験 ~ 水と命のゆりかごづくり ~十勝川中流部における湿地造成実験 ~ 発表番号: B- 19 北海道帯広農業高等学校 農業土木工学科3年 林 凌太.
情 足立侑耶. 外来種とは? 人間の活動に伴って、意図する、し ないに関わらずそれまでその生き物 が生息していなかった場所に持ち込 まれた動植物のことです。
自然再生事業の展望と課題 アサザプロジェクトから見る生物多様性の 意義 足立ゼミ B 班. はじめに 今日、失われた生態系の健全性と生物多様性を 取り戻すことは、人類の最重要課題の1つとな りつつある。 今後より良い安全で健全な社会を築くためには、 生物多様性を盛り込んだ持続可能な経営手法へ の移行が急速にもとめられているのである。
配偶者選択による グッピー (Poecilia reticulata) の カラーパターンの進化 :野外集団を用いた研究 生物多様性進化分野 A1BM3035 吉田 卓司.
7班 松本蛍都 村辻千絵美 山下裕大 山田怜史 山中望
ハルリンドウにおける 繁殖ファクターの個体間変異の解析  野口 智 未.
背景と目的 結論と展望 材料と方法 結果と考察
配偶者選択による グッピー(Poecilia reticulata)の カラーパターンの進化 :野外集団を用いた研究
ビオトープ造成事業後の 環境評価に関する研究 〜地表性昆虫の多様性を用いて〜
外来種問題の真実 新潟53PickUP実行委員会.
嫌気性生物ろ床における排水からの窒素除去機構
外来植物の侵入・拡大モデル 都市社会工学科 保全生態学研究室  秋江 佳弘.
分布の非正規性を利用した行動遺伝モデル開発
外来生物が在来生物へ及ぼす影響 中内健伍.
生物統計学・第3回 全体を眺める(2) 主成分分析
平成19年度 岐阜大学応用生物科学部 生産環境科学課程 環境生態科学コース 水利環境学研究室 下出 大介
イシガイ類幼生の魚類への寄生状況 魚類を介した移動に関する研究
リスト作成による効果を得るため付加・整理
1990年代、人為的な持ち込みにより宇土半島西部に外来種クリハラリスが定着
遺伝アルゴリズムによる NQueen解法 ~遺伝補修飾を用いた解探索の性能評価~
No. 1 外来生物の影響と対策 熊本野生生物研究会・熊本市立千原台高校 坂田拓司.
照葉樹林から地球環境を見る その1 2011年4月27日 「環境と社会」第4回 3.1 照葉樹林生態系 3.2 地球の植生分布と生物生産量
土木って何? コンクリート工学研究室 岩城 一郎
Forest tree genomics: growing resources and applications
人工ゼオライトによる 作物の生育効果に関する研究
地表性昆虫を用いた都市緑化地域の評価 18214020 菱田 啓.
徳山ダム建設が タコノアシ個体群に及ぼす影響
Let‘s Study Biodiversity 生物多様性保全 従業員教育エッセンス版
社会システム論 第5回 生態系(エコシステム).
絶滅危惧植物シラタマホシクサの 種子生産に関する環境評価
クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金
静岡大学システム工学科 前田研究室4年 50113006 阿部 茂晴
1.田んぼ(棚田)の多面的な役割り 「生態系サービス」
(株)ウエスコ 環境計画事業部 自然環境課 森定 伸
絶滅危惧種サギソウの遺伝的分化 保全生態学研究室   鈴木雅之.
DANDELIONS Ren Soma Shinchiro Habaguchi Yusuke yamada
色彩土のうによる発芽促進の相違, 及び植生土のう,普通土のうを用いた 緑化の長期経過報告 UC  15119630  宮嶋拓哉.
図3 地球環境変動の中核的課題と動向 自然圏(Natursphäre) 人類圏(Anthropophäre) 生物圏 大気圏 水文圏 土壌圏
意外と知らない植物の違い 後期 月曜3コース 2班 和泉健太 井野崎恵理      植田小晴 上西塔子.
受粉 風媒(wind-pollination) 少数の種が均質な大群落を形成するような場合に有利。 イネ科草原,マツ林,スギ林など
日本の帰化生物の課題 湖南市立日枝中学校        元   義隆.
GISを用いた 『日向』『日影』地名の 立地の解析
リモートセンシングデータによる佐鳴湖汚濁状況の把握
地球温暖化防止に必要なものは何か E 石井 啓貴.
シラタマホシクサの地域文化の検証とフェノロジーの年変動
配偶者選択による グッピー(Poecilia reticulata)の カラーパターンの進化 :野外集団を用いた研究
新聞発表 /7/16 大和田・菅原・鈴木・山中.
Environment Risk Analysis
~平成30年環境調査~ 集計結果報告.
魚を湖に入れてみた 3年8組11班 .
日本のゴルフ場の環境破壊 中神 徹.
生物多様性保全推進支援事業 1.地域における生物多様性の保全再生に資する活動への支援
豊富な投影法 座標系をまず設定する必要があります。地球面から平面への投影法,縮尺などをまず選びます。
森林破壊と地球温暖化.
環境省中部地方環境事務所の平成25年度の重点取組事項(その1)
BASUMO大作戦 D班:斎藤、下村、御簾納、山崎.
遺伝アルゴリズムによる NQueen解法 ~問題特性に着目した突然変異方法の改善~
村石悠介・橋口岳史 農学部資源生物科学科1回生
2 生態系の危機への対応 エコロジカル・フットプリント ミレニアム生態系評価 生物多様性条約 国内対策.
配偶者選択による グッピー(Poecilia reticulata)の カラーパターンの進化 :野外集団を用いた研究
環境配慮型水田におけるイシガイ類の生息域及び 水管理による成長量の違い
継続的利益創出に向けた 【現場力の向上】 問題・課題を見つけて改善できる人財の育成
湖岸湿地における生物多様性と人間活動 東京大学保全生態学研究室 西廣淳 2011年10月12日
私の研究姿勢(1) 具体的な解を求める 研究とは,科学者の立場から,社会に明確な判断材料を与えることです.
GISを用いた環境影響評価 システムの構築に関する研究
生物多様性保全推進支援事業 1.地域における生物多様性の保全再生に資する活動への支援
生物多様性保全推進支援事業 1.地域における生物多様性の保全再生に資する活動への支援
沿道植物中のEROD活性による 大気汚染のバイオモニタリング ー研究の概略ー.
中山間地の環境保全と集約型農業の促進を目的とした
Presentation transcript:

絶滅危惧植物シラタマホシクサの 保全に関する研究 岩井貴彦 システムマネジメント工学科 UCコース 14119607 「絶滅危惧植物シラタマホシクサの保全に関する研究」について いわいたかひこが発表させていただきます。

目次 目的 方法 結果 展望 シラタマホシクサの保全に関する研究

破壊が進行. シラタマホシクサを研究. 目的 方法 結果 展望 自然林,二次林,湿地の 周伊勢湾地域の湿地に固有な 現在,東海地方では… 周伊勢湾地域の湿地の例 周伊勢湾地域の湿地に固有な シラタマホシクサを研究. 本研究では… 現在地球規模での環境破壊が進んでいます。 環境破壊の波による生態系への影響は世界の例外ではなく、 日本在来の日本在来の哺乳類は3種に1種,鳥類は5種に1種, 両生類は4種に1種,植物は6種に1種が絶滅の危機に さらされています . 東海地方においては昭和30年代まではこの地域の7割近くを覆っていた自然林や里山として人々に親しまれてきた 二次林、それに付随する湿地は 当時のわずか1/3以下に減少してしているのが現状です。 東海地方の湿地は水質、成り立ちなどが根本的に他の地方と異なり、独自の環境を築いています。 その環境に生育する生態系も固有であるため湿地全体があらゆる面において学術的価値に価値があります。 しかし、人間活動によりこれらの貴重な湿地環境は破壊されています。 わずかひとつの湿地の変化が東海地方の生態系へ 重大なインパクトを与える可能性が今叫ばれています. シラタマホシクサの保全に関する研究

シラタマホシクサ(Eriocaulon nudicuspe Maxim. ) 目的 方法 結果 展望 シラタマホシクサ(Eriocaulon nudicuspe Maxim. )  絶滅危惧植物 Ⅱ類(VU)に分類.  近年急激に個体数が減少している. 周伊勢湾地域に固有.  東海丘陵要素.    高さ30cm.  一年生草本. 湧水があり,日当たりがよく,  開けた湿地に生育. シラタマホシクサは高さ30cmほどの一年生草本で 貧栄養で,低温,かつ日当たりのよい開けた湿地に生育しています. 東海丘陵要素を代表する植物であるシラタマホシクサは, 近年湿地の破壊などの原因で急激に個体数が減少しているため, 絶滅危惧植物Ⅱ類(VU)Ⅱ分類されています. そのため,保全の危急性が叫ばれており,環境影響評価の指標になっています. シラタマホシクサの保全に関する研究

目的 方法 結果 展望 保全の要素 生態系レベル 種レベル 遺伝子レベル 遺伝的多様性 の維持が重要. 集団遺伝学的要素の調査を目的.

目的 方法 結果 展望 採集場所 シラタマホシクサの保全に関する研究 国土地理院75万分の1図より作成 調査地は地図上の五箇所です. 黒丸は現在把握できている生育地で ばつは標本などが存在し,現状が確認されていない生育地です. シラタマホシクサの保全に関する研究

目的 方法 結果 展望 実験方法 電気泳導法. 酵素多型を分析. 集団遺伝学的統計処理. 30個体の葉を採取. 酵素抽出 ゲル染色 電気泳動 シラタマホシクサの保全に関する研究

目的 方法 結果 展望 結果の内容 遺伝的多様度 集団分化 繁殖システム 評価基準

多様度大 多様度小 遺伝的多様度(他の絶滅危惧植物, 外来種との比較) 目的 方法 結果 展望 A 大 適応力 大 他の絶滅危惧種より             外来種との比較)   A      大 適応力     大 他の絶滅危惧種より 多様度大 外来種より 多様度小 シラタマホシクサの保全に関する研究

目的 方法 結果 展望 集団分化 集団分化が起こっている シラタマホシクサの保全に関する研究

繁殖システム(FIS について) 目的 方法 結果 展望 0 1 0に近い値 任意交配の可能性大 本研究 任意交配 自家交配 0             1 任意交配        自家交配 繁殖システム(FIS について) 0に近い値 任意交配の可能性大 本研究 シラタマホシクサの保全に関する研究

湿地の開発には慎重になる必要性あり. まとめ どの自生地も保全. 遺伝的多様性は大きい 集団分化が起こっている. 目的 方法 結果 展望  遺伝的多様性は大きい 保全を行えば守れる. 遺伝的多様性の維持のためには どの自生地も保全.  集団分化が起こっている. 湿地の開発には慎重になる必要性あり. シラタマホシクサの保全に関する研究

変移に富んだ地形を保全すべき まとめ 繁殖システムは他家繁殖. 目的 方法 結果 展望 ポリネーター (花粉媒介者)の維持  繁殖システムは他家繁殖. ポリネーター (花粉媒介者)の維持 変移に富んだ地形を保全すべき シラタマホシクサの保全に関する研究

理想的な保全 自家不和合性の有無の調査. 近交弱勢の調査. 各自生地の開花時期の調査. 花粉や種子に伴う遺伝子流動の調査. 目的 方法 結果 展望 今後の展開  できるだけ多くの自生地の遺伝的多様性の調査.  自家不和合性の有無の調査.  近交弱勢の調査.  各自生地の開花時期の調査.  花粉や種子に伴う遺伝子流動の調査. 理想的な保全 シラタマホシクサの保全に関する研究

ご静聴ありがとうございました. シラタマホシクサの保全に関する研究