太陽ニュートリノのための スーパーカミオカンデIII 低エネルギーバックグランド低減の研究

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太陽ニュートリノのための スーパーカミオカンデIII 低エネルギーバックグランド低減の研究 日本物理学会2007年春季大会 2007年3月26日 首都大 関谷洋之 Super-Kamiokande Collaboration 東京大学宇宙線研究所

SK-III の目標 SKIII10年間での予想 低エネルギーBackgroundをSKIの30%に低減させる エネルギー閾値4.0MeVまでさげる。 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 0.6 0.55 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 MeV Data/SSMBP2004 SKIII10年間での予想 8BのスペクトルのUp-turnが確認できるか?

前回の復習 SK-III data after 1st reduction Z Y Run # 031052 (23 Aug 2006) SLE 212mV trigger Full Vol. X - Th 15Bq/kg×7.4kg/PMT= 110Bq/PMT - U 10Bq/kg×7.4kg/PMT= 70Bq/PMT - K 16Bq/kg×7.4kg/PMT= 120Bq/PMT 防爆のために導入したFRP 11129本 に放射性不純物が多く含まれていた。

前回の復習 ランタンマントルによる FRPの影響の確認 60kBqの2.6MeV ガンマ線源 (FRP500本分に相当)をタンク上部に設置 Source-BG のvertex分布 2.6MeVのガンマ線 由来のBGイベントが Fiducial Volume 内へ 染み込んでしまうのが 問題。 2m fiducial volume cut 後のvertex分布

Typical BG event pattern SKIII  Fiducail Volume に残った Typical BG event pattern Multi cluster 壁際で高レートで光るため、イベントがコインシデンスして Fiducial Volumeにreconstructされてしまう

いかにこのようなイベントを落とすか 注目のパラメータ Vertex fittingのgoodness (goodness) Fit されたCherenkov ringのパターンのgoodness (dirks) φ dirks 大 Clusterがあるとある一定のΦにところにHitが集中する

goodness v.s. dirks (goodness2 – dirks2) plane上に3つのcluster ほとんどがBad eventとしてreject できる。 Template DT generator(N βdecay) Run# 030778 > 5.5 MeV data BG run 5m cut fiducial Run #31624 Bad Good

How about SK-I & SK-II ? SK-1 SK-2 SK-Iの時はなかった。 SK-IIの時より分離がよくなっている。

LM-BG data に適用すると Fiducial Volume への染み込みが消えている。 2m cut fid. After 1st reduction Before ending of my presen ,let me remind you of the 2m cut fid. After goodness and gamma cut

それでもなお Goodness-dirks CUT後のイベントを見てみると1~2割程度はまだclusterイベントが残っている。 今後tuneすることでさらに改善の可能性 Multi cluster G^2-D^2 = 0.25 Cluster + several hits G^2-D^2 = 0.35

Low Energy BG の時間変化 1月20日にSLE Trigger (IT) でデータ取得を開始 取得したデータに前述のgoodness-dirks CUT をかけて   低エネルギー(4.5-5.5MeV)BGレートの時間変化を見た。(w/o Spallation Event Cut)                  Fiducial volume内をZ方向で                  8領域にわけて時間変化を見た。 8 7 次のページで このように表示 6 2m Cut 4 8 Z 5 5m Cut 3 7 4 SK-Iレベル 2 6 3 目標値 1 5 2 1

4.5-5.5MeV

Low Energy BG時間変化のZ-依存性 タンク上部、中部は1月末から徐々に改善、場所によっては   SK-IのBGレベルまで下がっている。 水はタンク上部から取水され、タンク下部より給水されており、汚い部分が徐々に押し上げられているように見える。 水の循環レートは 35t/h = 4m/week! しかしタンク下部は徐々にBGが上昇している。BG供給源? 1月末         2月末

タンク底部(給水)の温度と対流 タンク底部に温度の高い水が入ると、タンク底から中部にかけて対流がおきて、底部のBGの高い水を巻き上げてしまう。 対流抑制するための冷凍機導入を検討 温度のZ分布 タンク底部の温度の時間変化

まとめ FRP起源のFiducial VolumeへのBG染み込みはgoodness-dirksカットによりrejectできる。 ソフトウエアでのrejectionはまだ完全ではなく、今後のtune で改善が見込める。 SK-IIIの水質は徐々に改善し、部分的にはSK-1レベルを達成した。しかし、まだBGレートは高い。 タンク下部のBGの高い原因を探るため水を止めてラドンかどうか判断(半減期3.8日で減るかどうか)する予定。 対流がおきると巻き上げる。対流を抑えるための冷凍機導入を検討。 引き続き低エネルギー太陽ニュートリノ検出にむけ戦う。