テフロンGEM 宇野 彰二 KEK 2015.12.05 MPGD研究会.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
宮崎大学でのほぼ完全自作の Micromegas 製作の試み - 失敗作の話 - 宮崎大学工学部材料物理工学科 松田達郎、池本尚之、末武智希 1.過去にうまく動作した Micromegas について 2.ちょっと新しい Micromegas のアイディアとそ の動機 3.その結果と教訓 4.さらに悪あがき.
Advertisements

ガス検出器: 散乱体 反跳電子の飛跡と Energy シンチレーションカメラ : 吸収体 散乱γ線の吸収点と Energy μ-PIC+GEM.
CsIシンチレータと マルチアノードPMTを用いた 硬X線撮像装置の性能測定
GEM検出器による CF4混合ガス中の電子増幅 仁藤研究室.
インストールジグ 撓み(たわみ)測定器・矯正ジグの試作と課題
LHC-ALICE実験MPGDを用いたTPC 検出器開発の現状
較正用軟X線発生装置のX線強度変化とスペクトル変化
磁気トルカ較正試験結果 宇宙機ダイナミクス研究室 D2 宮田 喜久子.
近傍磁界を用いた廉価なモーションキャプチャ装置の試作評価
BL45XU実験報告 京都大学 服部香里.
素粒子実験に用いるガス検出器の原理と動作
GEMを使ったTPCの開発 新井聡,池松克昌,宇野彰二,加藤幸弘,木島智広,   黒岩洋敏,小林誠,佐貫智行,杉山晃,高橋徹,土井昌宏,中村圭一,仁藤修,藤井恵介,松田武,宮崎敦宏,    山口敦史,山口満弘、山村大樹、渡部隆史,マーカス、ロン,ジュン、ローズ 佐賀大、KEK、筑波大、農工大、工学院、東大、近畿大、
GEMを使った検出器  高エネルギー研究室  山本 たくや  2006年2月21日(火)晴れ .
Double Beta Decay 木河達也、福田泰嵩.
ILC実験のための TPCプロトタイプの研究Ⅱ
固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
理研における ガス電子増幅フォイル(GEM)の開発と その応用
DECIGO pathfinderの 試験マスモジュール制御実験
MPGD GEM特性 測定結果 2005年10月 4日 内田 智久.
microTPC を用いたガンマ線 イメージング検出器の開発V
ガス増幅検出器読み出し用フロントエンド ASIC
MPPCのlinearity測定 2015/02/04  栁田沙緒里.
DECIGO pathfinder のための 静電センサーの開発
報告 東京大学 ICEPP 森研 M2 金子大輔.
目次 多重薄板型X線望遠鏡 レプリカ法とは 反射鏡の評価 現状と課題
μPIC の高ゲイン化 ー高エネルギー実験への応用ー
Micro Pixel Chamberにおける 電子ドリフトおよびガス増幅の シミュレーション
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 2011/01/08 於: 国立天文台岡山天体物理観測所会議室
村上武、仲吉一男、関本美智子、田中真伸、
理研におけるレーザーを用いた ガス電子増幅(GEM)フォイルの開発
T2Kmeeting 2015/02/24 栁田 沙緒里.
J-PARC E15実験における バーテックス検出器(TGEM-TPC) に用いるTGEMの開発
新型光検出器MPPCと その読み出しエレクトロニクスの開発
測定結果(9月) 2005年10月7日.
メッシュ付きm-PICの安定動作と 最適化に向けた研究
マイクロMEGASを用いた X線検出器の開発
研究背景 電荷移行反応とは・・・ 核融合(重水素 + 三重水素→ヘリウム原子核+中性子) ・・・しかし、
KEK 武藤 俊哉 設計指針 セラミックの設計 POISSONによる電界計算 GPTによる粒子トラッキング まとめ
R&D of MPPC-1 (The Basic Performance of Multi-Pixel Photon Counters)
高速ピクセル検出器用超高速信号処理システム (FPIX)
高分解能ビーム軌道傾きモニターの設計開発
MPGDの開発    宇野彰二 平成17年5月25日.
M.Taguchi(kyoto) 5/17 KEK測定器開発室ミーティング
2008年2月Spring-8実験報告+α 2008/2/8-9 服部香里.
X線CCD検出器 ーCCD‐CREST(deep2)ー の性能評価と性能向上 (京阪修論発表会)
メッシュ付きμ-PICの メッシュ構造の最適化のシミュレーション Maxwell3DとGarfield
Dark Matter Search with μTPC(powerd by μPIC)
J-PARC E16実験のためのGEM Tracker開発
アトラスシリコン半導体飛跡検出器:ATLAS Silicon-strip Tracking Detector
遮熱性塗料の断熱性能評価実験  柏原 雅史.
SMILE-2用simulation 上野一樹.
ガス電子増幅器を用いた タイムプロジェクションチェンバー(GEM-TPC)の研究開発
大型GEMフォイルを用いたGEMトラッカー開発
報告080710 東大 ICEPP 森研 M2 金子大輔.
放射光(X線構造解析) 現在、CCDを利用している。 X線を1点1点独立に測定することのメリットがなさそう。 X線を受けるところで
ガス電子増幅器を読み出しに用いた タイムプロジェクションチェンバー (GEM-TPC)の開発
HLab meeting 4/22/08 K. Shirotori.
MPGDの開発 (Micro Pattern Gas Detector)
ガスの低圧化による ダークマター検出器の高感度化
AVFサイクロトロン高度化 デフレクター:新規交換作業(2003年春期停止時に実施)、 Dee:放電防止作業(2003年夏期停止時に実施)
メッシュ付きμ-PICの動作検証 2006年度卒業研究 s 道前 武.
ガスセンサーの製作 [応用物理研究室] [藤井新太郎]
中性子(構造解析) 1点1点の位置情報に加えて時間情報が必要 時間  中性子のエネルギー X線との違い。単なる画素ではダメ。 GEM向き.
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 2/13 @(株)ナガセ インテグレックス
ガス電子増幅器を読み出しに用いた タイムプロジェクションチェンバー (GEM-TPC)の開発
ASTRO-E2搭載CCDカメラ(XIS)校正システムの改良及び性能評価
低速小型多価イオンビーム装置の開発 ~イオンビーム偏向器、及びビームプロファイルモニター~
K0ミーティング (重水素標的関連) 神田 浩樹 (川崎君の代理).
X線望遠鏡用反射鏡の 表面形状向上の研究 宇宙物理実験研究室 大熊 隼人.
Status Report of Thick GEM Development
Presentation transcript:

テフロンGEM 宇野 彰二 KEK 2015.12.05 MPGD研究会

壊れないGEM GEMには、放電により両面間で導通してしまって、使えなくなる という問題がある。 解決策 小さな放電がきっかけとなり、大きな放電が起こり、破壊につながる。 解決策 動作電圧を下げて、安全なところで使用する。 電圧を印加する領域を分割して、大きな電流が流れないようにする。 高抵抗素材を利用して、小さな放電が大きな放電に至らないようにする。 計数率に制限が出る。 新しい絶縁素材を利用したGEM ガラスGEM テフロンGEM それ以外 -> 小宮さんの講演

小宮一毅

小宮一毅

小宮一毅

テフロンGEM KEK-サイエナジー テフロン基板の再調査 GEMの製作へ 水素がない。 中性子散乱が小さい。 数年前にトライ 水素がない。 中性子散乱が小さい。 数年前にトライ 銅箔とテフロンとの密着性が低い → 断念 テフロン基板の再調査 現在は、よいものがある。 密着性がよくなっている。 ガラスクロスが入って、強度が増している。 GEMの製作へ

市販テフロン基板 厚み >~100mm

テフロンGEMの製作 10cm×10cm

試験 まだ放電は多いが、確かに損傷に至ることはない。 Gain測定

別の素材 ガラスクロスに代わるものを使った新しいテフロン基板 の調査 フィラーといわれるものを混ぜたテフロン基板が米国に見つ かった。

Gain R-PTFEはN-PTFEよりも絶縁層が厚いため、より高い電圧を印 加しなければ同程度のGainは得られない 孔径 ピッチ 電極の厚み 絶縁層の厚み 強度補強材 N-PTFE 70 140 10 80 ガラスクロス R-PTFE 7 〜100 フィラー Ar-CO2(70/30) これ以上は放電が多くなる。 2層にしても、全体にGainは 上がらない。 1000倍であることを言う

テフロンGEM (50um厚) 薄いもの 50um厚のものの製作 50um厚のGEMの製作 局所的に高い電場ができるのをさける。 1枚で高い増幅度がでることにこだわらない。 市販品の材料はなさそう。 テフロンに銅を付けるところから依頼  ー>市販品有 50um厚のGEMの製作 レーザーで穴加工 サイエナジー 越牟田さん 薄くなってもやはり難しい 何とか製作 最初のトライ 2枚のみ納品

穴の出来具合 テフロンGEM LCP-GEM 穴内がきれいでない 完全にテフロンが取り切れていない

テフロンGEM 2枚構成 DRIFT(1.6kV/cm) TRANSFER (2.0kV/cm) INDUCTION(4.0kV/cm) 6 mm 2 mm 55Fe (5.9 keV X-ray) DRIFT(1.6kV/cm) TRANSFER (2.0kV/cm) INDUCTION(4.0kV/cm) パッド Ar-CO2(70/30) オシロ AMP

Fe-55の信号 Double GEM structure 放電多数 ー>放置 ー>放電少 ー> 電圧上げ の繰り返し (1週間) 最終的に ΔVGEM = 430V Gain ~ 2000 もっと時間をかければ、 さらに、上げられる? いくら放電させても 今のところ壊れない。

まとめ 絶縁素材にテフロンを使用したGEMを製作して、試験 を行っている。 放電により壊れないことは確かでありそう。 100um厚 (当初) 50um厚 (昨年度~今年度) 放電により壊れないことは確かでありそう。 穴の加工をきれいにする努力をしている(サイエナ ジー) 今後、新しいものが入手できれば、3枚構成をテストす る予定。