データの見方、考え方 血液ガス 佐賀大学病院検査部 池田弘典.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ゲームプログラミング講習 第2章 関数の使い方
Advertisements

サービス管理責任者等研修テキスト 分野別講義    「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者> 平成27年10月1日.
ヒトの思考プロセスの解明を目的とするワーキングメモリの研究
第27講 オームの法則 電気抵抗の役割について知る オームの法則を使えるようにする 抵抗の温度変化を理解する 教科書P.223~226
コラッツ予想の変形について 東邦大学 理学部 情報科 白柳研究室 山中 陽子.
コンパイラ 第3回 字句解析 ― 決定性有限オートマトンの導出 ―
第5章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー.
公共財 公共経済論 II no.3 麻生良文.
VTX alignment D2 浅野秀光 2011年12月15日  放射線研ミーティング.
冷却フランシウム原子を用いた 電子の永久電気双極子能率探索のための ルビジウム磁力計の研究
生命情報学 (8) スケールフリーネットワーク
前半戦 「史上最強」風 札上げクイズ.

認知症を理解し 環境の重要性について考える
フッ化ナトリウムによる洗口 2010・9・13 宮崎市郡東諸県郡薬剤師会 学校薬剤師  日高 華代子.
食品の安全性に関わる社会システム:総括 健康弱者 ハイリスク集団 HACCP (食肉処理場・食品工場) 農場でのQAP 一般的衛生管理
規制改革とは? ○規制改革の目的は、経済の活性化と雇用の創出によって、   活力ある経済社会の実現を図ることにあります。
地域保健対策検討会 に関する私見(保健所のあり方)
公共政策大学院 鈴木一人 第8回 専門化する政治 公共政策大学院 鈴木一人
医薬品ネット販売規制について 2012年5月31日 ケンコーコム株式会社.
平成26年8月27日(水) 大阪府 健康医療部 薬務課 医療機器グループ
平成26年度 呼吸器学会からの提案結果 (オレンジ色の部分が承認された提案) 新規提案 既収載の変更 免疫組織化学染色、免疫細胞化学染色
エナジードリンクの危険性 2015年6月23日 経営学部市場戦略学科MR3195稲沢珠依.
自動吸引は 在宅を変えるか 大分協和病院 院長         山本 真.
毎月レポート ビジネスの情報 (2016年7月号).
医療の歴史と将来 医療と医薬品産業 個人的経験 3. 「これからの医療を考える」 (1)医薬品の研究開発 -タクロリムスの歴史-
社会福祉調査論 第4講 2.社会調査の概要 11月2日.
2015年12月28日-2016年3月28日 掲載分.
2010度 民事訴訟法講義 補論 関西大学法学部教授 栗田 隆.
腫瘍学概論 埼玉医科大学国際医療センター 包括的がんセンター 緩和医療科/緩和ケアチーム 奈良林 至
“企業リスクへの考え方に変化を求められています。 トータルなリスクマネジメント・サービスをプロデュースします。“
情報漏えい 経済情報学科 E  西村 諭 E  釣 洋平.
金融班(ミクロ).
第11回 2009年12月16日 今日の資料=A4・4枚+解答用紙 期末試験:2月3日(水)N2教室
【ABL用語集】(あいうえお順) No 用語 解説 12 公正市場価格 13 債権 14 指名債権 15 事業収益資産 16 集合動産 17
基礎理論(3) 情報の非対称性と逆選択 公共政策論II No.3 麻生良文.
浜中 健児 昭和42年3月27日生まれ 東京都在住 株式会社ピー・アール・エフ 代表取締役 (学歴) 高 校:千葉県立東葛飾高校 卒業
COPYRIGHT(C) 2011 KYUSHU UNIVERSITY. ALL RIGHTS RESERVED
Blosxom による CMS 構築と SEO テクニック
記入例 JAWS DAYS 2015 – JOB BOARD 会社名 採用職種 営業職/技術職/その他( ) 仕事内容 待遇 募集数
ネットビジネスの 企業と特性 MR1127 まさ.
Future Technology活用による業務改革
ネットビジネス論(杉浦) 第8回 ネットビジネスと情報技術.
g741001 長谷川 嵩 g740796 迫村 光秋 g741000 西田 健太郎 g741147 小井出 真聡
自然独占 公共経済論 II no.5 麻生良文.
Autonomic Resource Provisioning for Cloud-Based Software
Webショップにおける webデザイン 12/6 08A1022 甲斐 広大.
物理的な位置情報を活用した仮想クラウドの構築
ハイブリッドクラウドを実現させるポイントと SCSKのOSSへの取組み
寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部 第12回 情報デザイン(4) 情報の構造化と表現 寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部
【1−1.開発計画 – 設計・開発計画】 システム開発計画にはシステム開発を効率的、効果的に実行する根拠(人員と経験、開発手順、開発・導入するシステム・アプリケーション・サービス等)を記述すること。 システム開発の開始から終了までの全体スケジュールを記載すること。 アプリケーション機能配置、ソフトウェア、インフラ構成、ネットワーク構成について概要を示すこと。
6 日本のコーポレート・ガバナンス 2008年度「企業論」 川端 望.
急成長する中国ソフトウェア産業 中国ソフトウェアと情報サービス産業の規模 総売上高は5年間で約5.3倍の成長
米国ユタ州LDS病院胸部心臓外科フェローの経験
公益社団法人日本青年会議所 関東地区埼玉ブロック協議会 JCの情熱(おもい)育成委員会 2011年度第1回全体委員会
次世代大学教育研究会のこれまでの活動 2005年度次世代大学教育研究大会 明治大学駿河台校舎リバティタワー9階1096教室
子どもの本の情報 大阪府内の協力書店の情報 こちらをクリック 大阪府内の公立図書館・図書室の情報
第2回産業調査 小島浩道.
〈起点〉を示す格助詞「を」と「から」の選択について
広東省民弁本科高校日語専業骨幹教師研修会 ①日本語の格助詞の使い分け ②動詞の自他受身の選択について   -日本語教育と中日カルチャーショックの観点から- 名古屋大学 杉村 泰.
■5Ahバッテリー使用報告 事例紹介/東【その1】 ■iphon4S(晴れの昼間/AM8-PM3) ◆約1時間で68%⇒100%
『ワタシが!!』『地域の仲間で!!』 市民が始める自然エネルギー!!
ポイントカードの未来形を形にした「MUJI Passport」
SAP NetWeaver を支える Microsoft テクノロジーの全貌 (Appendix)
ガイダンス(内業) 測量学実習 第1回.
Python超入門 久保 幹雄 東京海洋大学.
熱力学の基礎 丸山 茂夫 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻
京都民医連中央病院 CHDF学習推進委員会
資料2-④ ④下水道.
Accessによる SQLの操作 ~実際にテーブルを操作してみよう!~.
Presentation transcript:

データの見方、考え方 血液ガス 佐賀大学病院検査部 池田弘典

基準範囲の考え方 pH 7.35~7.45 pCO2 mmHg 35~45 pO2 85~105 60>呼吸不全 HCO3 mmol/L 21~28 BE -2~+3 sO2(%) 95~99% COHb 0.0~1.5 (喫煙6.0%) 150mmHg 静脈 pCO2=45mmHg pO2=40mmHg 動脈 pCO2=40mmHg pO2=100mmHg

CO2をまず最初に見ろ 基準範囲:約40mmHg 肺胞肝機能の指標⇒肺機能⇒呼吸 つまり患者は呼吸をしていたか? pCO2が大幅増加⇒しばらく呼吸停止 pCO2とBEが異常⇒かなり呼吸が停止 pCO2が低下したら⇒過換気状態 pCO2=0.863+ 𝐶𝑂2産生量 肺胞喚起能 役割:pH調整 pH=6.1+ log⁡[𝐻𝐶𝑂3] 0.03×𝑝𝐶𝑂2 腎機能 肺機能

その次にO2をみろ 肺での酸素摂取状態を反映するが、組織での酸素不足(乳酸増加)の原因を切り分けて推測せよ A-aDO2 肺胞気と動脈血の酸素分圧差 酸素の不均一、シャント、肺気腫、COPDの判定 酸素取り込み状態を反映 pO2 呼吸不全(pO2<60)の有無を判定 酸素の運搬能力 sO2,O2Hb、COHb 酸素運搬に必要な血圧、Hb濃度、酸素親和性 組織での酸素の需要・供給バランス  Lac 運動、炎症、発熱、肺血症で組織は酸欠

呼吸不全(pO2<60)をA-aDO2で切り分ける Ⅰ型呼吸不全 (酸素化障害) pCO2<45 AaDO2拡大 シャント 酸素不均一 Ⅱ型呼吸不全 (換気障害) pCO2>45 AaDO2変化なし 胸郭以上 中枢機能低下 AaDO2拡大 肺気腫、COPD AaDO2とは 肺胞気と動脈血の酸度分圧差 =肺胞酸素濃度-動脈血酸素濃度 =肺に酸素が充分にいきわたっているか? =吸入気O2-ガス交換O2-動脈O2 =150- 𝑝𝐶𝑂2 0.8 -pO2=10mmHg未満 大きい場合は、肺気腫、肺繊維、シャント

ついでにBEとCOHbを忘れずにみろ BE(ベースエクセス):-3~+3mmol/l HCO3もBEも代謝性の異常を見る指標であ るが、HCO3は呼吸性でも代謝性でも代償 性でも変化する。しかし、BEの変化は代謝 性変化と判断できるので便利 pCO2とBEが両方異常ならば代償性の変化 COHb(平均1%、喫煙者6%、重度喫煙15%) COHbはCO中毒で発生し、酸素より200倍 の親和性がある。そのため酸素とHbの結 合を妨げる。

最後にpHをみて考えろ 基準値:7.35~7.45 酸とアルカリのバランスの評価 このバランスが崩れると生命が危ない 調節因子 pH=6.1+ log⁡[𝐻𝐶𝑂3] 0.03×𝑝𝐶𝑂2 腎機能 肺機能 pCO2による調節 10mmHg上昇でpH0.08低下

代謝性異常はアニオンギャップで切り分けろ AG=Na+-Cl--HCO3-=12±2 アルコール ケトン体(糖尿病性ケトアシドーシス) リン酸(腎不全、尿毒症) 乳酸(乳酸アシドーシス) サリチル酸(アスピリン中毒) Naを含む抗生剤の大量投与 高Na血症 AG正常,代謝性アシドーシス AG正常,代謝性アルカローシス 下痢(HCO3の喪失)をClが増えて補う 嘔吐によるCl喪失をHCO3が補うためアルカローシス AG低下 低アルブミン、多発性骨髄腫(IgG)

酸塩基平衡の考え方 pHの確認 アシドーシスかアルカローシス? pH変化の理由は? 急性か慢性か代償性なのか? 【呼吸性の場合】 pCO2の異常なら呼吸性、CO2は酸性だから   呼吸性アルカローシス<38~正常~42<呼吸性アシドーシス HCO3、BEの異常なら代謝性 代謝性アシドーシス<-3~正常~+3<代謝性アルカローシス 急性か慢性か代償性なのか? 【呼吸性の場合】 pCO2 10mmHg上昇でpH 0.08下がる(酸性に移行)ただし数日後、腎臓による代償作用でpHが反対に動く 【代謝性の場合】 anion gapの有無を確認 AG>12mEq/l でanion gapアシドーシス 【代償性の場合】 pCO2<35でBE>+3もしくはpCO2>45でBE<-3であれば代償性変化

症例① 75歳、男性、10年前より肺気腫を指摘、5年前から労咳・喀痰・呼吸困難を訴え始め、最近呼吸困難と下肢浮腫により緊急入院 ①pHの確認 ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? ③結論 アシドーシス 呼吸性 pCO2の差異は40-89.2=49.2 理論pH=7.4- 49.2 10 ×0.08 =7.4-0.39=7.01と推測 代償作用(慢性的)あり Ⅱ型呼吸不全(AaDO2正常) 慢性呼吸性アシドーシス pH 7.332 pCO2 89.2mmHg pO2 52.0mmHg HCO3 41.0mmol/L sO2 89.2%

症例② ①pHの確認 ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? ③結論 アシドーシス 呼吸性 pCO2の差異は40-56.6=16.6 術前検査では呼吸器系に異常がなかった。オペ中に血液ガスを測定したところ以下の結果が得られた。患者の状態は? 症例② pH 7.256 pCO2 56.6 mmHg pO2 270 mmHg HCO3 24.3 mmol/L ABE -2.9 SBE -1.9 Na 136 mmol/L K 4.0 mmol/L Cl 100 mmol/L AG 15.7 mmol/L ①pHの確認 ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? ③結論 アシドーシス 呼吸性 pCO2の差異は40-56.6=16.6 理論pH=7.4- 16.6 10 ×0.08 =7.4-0.13=7.27と推測 代償作用(慢性的)少ない 不十分な人工換気による急性呼吸性アシドーシス

症例③ アシドーシス ①pHの確認 代謝性 ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? pCO2の差異は40-43=3.0 術前検査では呼吸器系に異常がなかった。オペ中に血液ガスを測定したところ以下の結果が得られた。患者の状態は? 症例③ pH 7.262 pCO2 43.0 mmHg pO2 302.6 mmHg HCO3 18.7 mmol/L ABE -7.3 SBE -7.1 Na 133 mmol/L K 2.7 mmol/L Cl 100 mmol/L AG 14.3 mmol/L アシドーシス 代謝性 pCO2の差異は40-43=3.0 理論pH=7.4- 3.0 10 ×0.08 =7.4-0.02=7.38と推測 代償作用(慢性的)あり AG=133-100-18.7=14.3>12 慢性代謝性アシドーシス (原因は腎不全) ①pHの確認 ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? ③結論

症例④ ①pH確認 正常 ②呼吸性か代謝性 呼吸性 ③問題点 AaDO2=150-48-73=29(増加) ただし、年齢とpCO2の関係 80歳、男性、肺気腫を患って治療中。急性増悪にて緊急入院。肺活量は正常、フローボリュームは軽度閉塞パターン。患者の状態は? 症例④ pH 7.39 pCO2 38.6 mmHg pO2 73.0 mmHg HCO3 22.6 mmol/L SBE -1.4 sO2 94.6% ctO2 15.6 ml/dL ctHb 12.1 g/dl ①pH確認 ②呼吸性か代謝性 ③問題点 結論 正常 呼吸性 AaDO2=150-48-73=29(増加) ただし、年齢とpCO2の関係 pCO2(基準範囲)は加齢で低下 =100-(0.3×年齢)=100-24=76 pO2は、年齢からくる低下 軽度閉塞性肺疾患(COPD)

症例⑤ アルカローシス ①pHの確認 代謝性(混合性) ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? pCO2の差異は40-31.3=8.7 術前検査では呼吸器系に異常がなかった。十二指腸狭窄により長期頻回の嘔吐が続いていた。オペ中に以下の結果が得られた。患者の状態は? 症例⑤ pH 7.617 pCO2 31.3 mmHg pO2 309 mmHg HCO3 32.2 mmol/L ABE 10.2 SBE 9.7 Na 139 mmol/L K 3.6 mmol/L Cl 95 mmol/L AG 11.8 mmol/L アルカローシス 代謝性(混合性) pCO2の差異は40-31.3=8.7 理論pH=7.4+ 8.7 10 ×0.08 =7.4+0.07=7.47と推測 代償作用(慢性的)あり AG=139-95-32.2=11.8(正常)   嘔吐による胃液喪失による   慢性代謝性アルカローシス ①pHの確認 ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? ③結論

症例⑥ 23歳、女性、両肩関節痛、皮膚の硬化、呼吸困難。X線で肺の透過度低下、斑状陰影あり。患者の状態は? 正常 ①pH確認 7.422 pCO2 32.1 mmHg pO2 57 mmHg HCO3 20.2 mmol/L ABE -2.5 sO2 90.7% ctO2 16.47 ml/dL ①pH確認 ②呼吸性か代謝性 ③問題点 ④結論 正常 どちらかといえば呼吸性 pO2が低く呼吸不全 AaDO2=150- 32.1 0.8 −57 =52.9>10 Ⅰ型呼吸不全(酸素化障害) 肺の線維化でガス交換機能低下(Ⅱ型からⅠ型への進行?)

症例⑦ 18歳、女性。自殺目的で都市ガス吸入。患者の状態は? ①pH確認 ②呼吸性か代謝性 ③問題点 ④結論 アルカローシス 急性呼吸性    COHbが多く、CO中毒だが    見かけの酸素飽和度97%?  適正なHb飽和度= 12.1−7.1 12.1 =41% Hbの59%はCOと結合、そのための過換気症による呼吸性アルカローシス(袋をつけると逆効果) pH 7.52 pCO2 24.2 mmHg pO2 83.6 mmHg HCO3 19.1 mmol/L ABE -1.2 sO2 97.5 ctHb 12.1 g/dl COHb 7.1 g/dl

症例⑧ 9歳、女児。抗GAD抗体陽性。患者の状態は? アシドーシス ①pHの確認 代謝性(混合性) ②呼吸性か代謝性? ③急性、慢性、代償性? ③結論 アシドーシス 代謝性(混合性) pCO2の差異は40-10.6=29.4 理論pH=7.4+ 29.4 10 ×0.08 =7.4+0.24=7.64と推測 代償作用(慢性的)が大きい AG=117-78-4.5=34.5(増加) 体内に陽イオンが増加 糖尿病による代謝性ケトアシドーシス pH 7.252 pCO2 10.6 mmHg pO2 121 mmHg HCO3 4.5 mmol/L BE -21.8 Na 117 K 5.1 mmol/L Cl 78 mmol/L GLU 1146 mg/dl AG 34.5 mmol/L

呼吸系アシドーシス 代謝系アシドーシス 呼吸系アルカローシス 代謝系アルカローシス 酸喪失やHCO3の蓄積 呼吸不全によるCO2蓄積 原因 呼吸不全によるCO2蓄積 不揮発性酸の産生やHCO3の喪失 切り分け Ⅰ型呼吸不全(酸素化障害) pCO2<45,O2<60,AaDO2↑        シャント、酸素不均一 Ⅱ型呼吸不全(換気障害)                               pCO2>45,O2<60 AaDO2変化なし・・・呼吸中枢機能低下 AaDO2拡大・・・肺気腫,COPD 腎による代償作用でHCO3上昇でpH↑ 腎機能低下を伴うと重症化 AG正常、高Cl型:下痢(HCO3の喪失) AG上昇:アルコール ケトン体(糖尿病性ケトアシドーシス) リン酸(腎不全、尿毒症) 乳酸(乳酸アシドーシス) サリチル酸(アスピリン中毒) AG低下:低ALBやIgG骨髄腫や高Ca血症 その他:細胞障害や腎機能低下で高K血症に、CO中毒でも代謝性アシドーシス 呼吸系アルカローシス 代謝系アルカローシス 激しい呼吸のためにおこる 酸喪失やHCO3の蓄積 過換気や代謝系アシドーシスの代償、発熱亢進、CO中毒による過換気で呼吸性アルカローシス AG正常:嘔吐によるCl喪失をHCO3が補うためアルカローシス AG上昇:Naを含む抗生剤の大量投与、高Na血症 その他:アルドステロン症、利尿薬、脱水