-----------共同研究者------------- -----------開発資金補助---------- 第10回受信機ワークショップ 2010/3/6 (国立天文台) GM冷凍機の温度振動逓減 高知大理 西岡 孝 -----------共同研究者------------- 高知大 角田泰啓,沖殿圭祐 国立天文台 松尾宏 大阪府大 小川英夫 名古屋大 前澤裕之 -----------開発資金補助---------- 国立天文台共同開発研究 JSTシーズ発掘試験
目次 序論 本論 まとめと今後の開発 重い電子系 高知大学方式3He GM冷凍機 国立天文台との共同開発とその影響 GM冷凍機の温度振動 冷却能力と温度振動 冷却能力の維持 温度振動の逓減 まとめと今後の開発
重い電子系の研究 希土類のCe, YbやアクチナイドのUを含む化合物 極低温(1K以下) 超高圧(1万気圧以上)
極低温環境(名古屋大学 vs 高知大学) 名古屋大学 (~H16.3) 高知大学 (H16.4~) 液体窒素 ~70 円/L 液体ヘリウム ~350 円/L(大口) ~650 円/L(小口) ~3000 円/L (大口) 予算 ~100 万円/年 ~10 万円/年 実験可能日数 100 日以上/年 ~2 日/年 山頂の環境?
GM 冷凍機 長所 短所 目的:1 K以下の極低温環境の実現 比較的安価 簡単に低温(4 K程度)を実現 液体ヘリウム不要 冷却ヘッドの温度振動が大きい 目的:1 K以下の極低温環境の実現 GM冷凍機本体
高知大学方式3He GM冷凍機システム 4 K pot 1 K pot 3He pot 日本物理学会2007年秋
高知大学方式3He冷凍機の発明以降の開発 2007.3 高知大学方式3He GM冷凍機特許出願 2007.7 名古屋大学技術部小林さん,河合さん 2008.1 名古屋大学STE研前澤さん 2008.1.24 第8回受信機ワークショップ 「4KGM冷凍機を用いた1K以下の実現」 2008.1.30 国立天文台共同開発研究書類提出 小川先生,松尾さん 2008.4 採択通知(角田君の修士論文のテーマ) 2008.7.28 共同研究締結 2008.12 冷凍機入荷 2009.3 共同開発研究終了 2008.4 ~2010.3 角田君の修士論文のテーマとして冷凍機開発
高知大学に与えられた課題 間欠運転による完全無振動運転(前沢さん) 30分程度の維持は可能であるが、再び低温を得るのに1時間程度要する 連続運転による温度振動の逓減(小川先生) 冷却能力を損ねずに温度振動はどのくらい逓減できるか? 4Heのみで1 K以下(1mW@1K)(松尾さん) 3Heは高価であり、取り扱い面倒 テラヘルツカメラへの応用など
国立天文台との共同開発の影響 JSTからの支援 大学内での影響 2008.11.7 技術シーズ発表会 2009.4.3 JST新技術発表会 2008.11.7 技術シーズ発表会 2009.4.3 JST新技術発表会 2010.1.19 地域発技術シーズ発表会inおおさか 2009.6 シーズ発掘試験採択 大学内での影響 全学金工室の整備(学長裁量経費) 補正予算の順位の繰上げ(~5000万円のマグネット)
高知大学のインフラ整備 全学金工室 2009.4~ 物理金工室 昭和37年般若鉄工所 ~2009.3
GM冷凍機の温度振動 最低温度付近で ~ 200 mKの温度振動 2nd Stage
3He冷凍機の温度のゆらぎ 温度のゆらぎは 1 mK 以下 短時間では 0.2 mK 程度 物質の比熱
冷却能力と温度振動 熱伝導(K)を良くし,さらに熱容量(C)を大きくすることによって,冷却能力を維持しつつ温度振動の逓減が可能 2nd Stage 2nd Stageへの熱流: ・・・K:熱伝導 ① 定常状態(dθ/dt=0) では, 温度差:Δθ∝1/K また,温度振動(時間当たりの温度変化)は 温度振動:dθ/dt∝K/C Test pot 熱伝導(K)を良くし,さらに熱容量(C)を大きくすることによって,冷却能力を維持しつつ温度振動の逓減が可能
冷却能力の維持 2nd Stage Test pot 接触面にInを挟む Test potを銅で造る
熱容量の増加 実験方法 銅製 Test pot使用 4Heガスなどをコンデンス He Gas等 振動逓減の様子を見る Test pot
ヘリウムガスによる温度振動逓減 4Heガスの液化量によって振動が逓減 一定量以上の液化しても温度振動は変化しない 4 K pot:1/10以下 3He pot:1/100
その他,温度振動の逓減 H2は測定温度領域によっては適切か。
まとめ 今後の開発 温度振動の逓減 4Heのみを用いた1K以下の冷却システム ミリ波・サブミリ波・テラヘルツ波へ 冷却能力をある程度犠牲にしていい場合(~1/100) 熱的に切り離したポットにヘリウムを液化 冷却能力を維持する場合 (~1/10) 銅製の容器の中に熱容量の大きな材料を入れる 例)ヘリウム(4K以下),水素(20K以下),鉛(10K以上) 今後の開発 4Heのみを用いた1K以下の冷却システム 3Heの価格が高騰(1年で20倍以上) ミリ波・サブミリ波・テラヘルツ波へ 物性測定システムの開発(ヘリウム液化機からの開放)