TRIAMデータ処理系でのJavaScope利用の取組み

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 プリミティブ Web サービスの 入出力データに関する一考察 2005 年 3 月 21 日 松江工業高等専門学校 情報工学科 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 越田高志 電子情報通信学会 2005年総合 大会.
Advertisements

Word で XML マニュアルを編集 し、 XML を自動組版する 1. XML の自動組版概要 2. Word での原稿入力 アンテナハウス株式会社 2004/09/03.
Web アプリケーション開発 ~図書館管理システム~ 北海道情報大学 情報メディア学 部 情報メディア学科 新井山ゼミ 高橋 隼.
Web アプリをユーザー毎に カスタマイズ可能にする AOP フレームワーク
Curlの特徴.
IIS 4.0で開発をするコツ Webアプリケーション構築.
Global Ring Technologies
情報基礎A 情報科学研究科 徳山 豪.
Webサービスに関する基本用語 Masatoshi Ohishi / NAOJ & Sokendai
ネットワークを利用した 環境情報データ自動収集 サーバシステムの開発
第3回参考文献発表 PHP言語 岩永逸平.
JPAを利用した RESTful Webサービスの開発
Flashプレイヤーを使った動画配信 情報工学科 宮本 崇也.
1.コンピュータと情報処理 p.20 第1章第1節 3.ソフトウェア ソフトウェア 基本ソフトウェア
全日本ST計画での計測データ処理・遠隔実験環境
Android と iPhone (仮題) 情報社会とコンピュータ 第13回
Ad / Press Release Plan (Draft)
join NASS ~つながりあうネットワーク監視システム~
第2章 ネットサービスとその仕組み(前編) [近代科学社刊]
名古屋大学大学院人間情報学研究科 物質生命情報学専攻 情報処理論講座 原 崇
JavaによるCAI学習ソフトウェアの開発
「絵葉書を通じてのハルビンの 街の印象調査」システムUIの iPadアプリ化 谷研究室  飯 祐貴.
貿易情報の調査 理工学部 情報学科 3年           吉田 克己.
Microsoft Office InfoPath 2003 概要
早稲田大学大学院理工学研究科 情報科学専攻修士2年 後藤滋樹研究室 坂本義裕
ケータイキット for Smarty のご紹介
Microsoft Office 2010 クイックガイド ~ファイルの互換性編~
既存のBPOS のお客様のBPOS から Office 365 への切替
会社名: 氏名: 日付:.
XMLについて 蔡柏東.
Webサイト運営 09fi118 橋倉伶奈 09fi131 本間昂 09fi137 三上早紀.
第一回 Java言語 04A2029           古賀慎也.
モバイルエージェントの応用 概要 モーバイルエージェントの応用分野 AgentSpaceシステム エージェント移動 応用:ソフトウェアの配信
Webを利用した授業支援システムの開発 北海道工業大学 電気電子工学科 H 渋谷 俊彦.
携帯端末による 海洋情報グラフ表示システム
Curlの仕組み.
①データ構造 ②アルゴリズム ③プログラム言語 ④マークアップ言語
LabVIEWによる 地上気象観測データ 収集システムの開発
XSL-FO + MathML MathML表示、PDF生成、SVG生成
Talkie e-Learning System トーキーシステムLLP.
1 2 ワークスタイルを変えるOffice変革 クラウド導入をサポートする Microsoft CSPプログラムのご案内
空間情報サーバ (株)パスコ.
2004年度 サマースクール in 稚内 JavaによるWebアプリケーション入門
概要 Boxed Economy Simulation Platform(BESP)とその基本構造 BESPの設計・実装におけるポイント!
SOAP/UDDI/WSDLによるB2Bシステムの開発
SOAP/UDDI/WSDLによるB2Bシステム構築の一事例
「OSで儲けない」 Microsoftの新戦略
.NET Framework 3.0 概要 (旧称 : WinFX)
実行時情報に基づく OSカーネルのコンフィグ最小化
インターネット利用法実習 経営工学基礎演習a(第3週).
Internet広域分散協調サーチロボット の研究開発
パソコンのしくみ ハードウェア OS(Operating System) アプリケーション NEC DOS
JAVAについて 高橋 雅哉.
オープンソース開発支援のための ソースコード及びメールの履歴対応表示システム
Web - 01 IIS を インストールしよう.
端末およびサービス透過的な 情報閲覧支援システムの構築
コンピュータ プレゼンテーション.
サーバ・クライアントシステム ( X Window System) 2006/01/20 伊藤 和也 original: 前坂たけし
ネットワークプログラミング 05A1302 円田 優輝.
第二回 Javaの開発環境 04A2029           古賀慎也.
インターネットに接続できない環境下にあるLAN DISKも LAN内で状態管理可能に! 新登場!
コンピュータ リテラシー 担当教官  河中.
福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 種田研究室 于 聡
@MD-NET Web-EDI導入について ~ 説明会資料 ~
プログラミング基礎a 第9回 Java言語による図形処理入門(1) Javaアプレット入門
Microsoft Office 2010 クイックガイド ~ファイルの互換性編~
第2回 Webサーバ.
ネットワークプログラミング 05A1302 円田 優輝.
Javaとは Javaとはオブジェクト指向言語でJava VM(Java仮想マシン)と呼ばれるプログラム上で動作します。
P2P & JXTA Memo For Beginners
Presentation transcript:

TRIAMデータ処理系でのJavaScope利用の取組み 長谷川真 & TRIAM Group

はじめに 現在のTRIAMにおけるデータ収集から閲覧までのシステムの構築において、その構築の経緯と現在のシステムの特徴を紹介することを目的とする。 内容 経緯:システムの構築にJava言語を採用した理由 採用理由その1~その4 特徴:システムの構築に際してのJavaの導入事例の紹介 導入事例その1~その4

データ収集から閲覧までの 手続きに対する要求事項 簡便に閲覧できる。 データの閲覧をするためのPCのセットアップは最小限に抑えること。セットアップをしないで閲覧できるなら尚良い。 オンデマンドのデータ閲覧ができる。 いつでもどこででもデータにアクセスして閲覧することができ、データファイル自体も取得することができること。 プラットフォームに依存しないデータ閲覧を提供する。 Mac, Linux, Windowsなどの区別がなくデータの閲覧ができること。 Java言語によるデータ収集・閲覧システムの構築

Java言語 Sun Microsystems社が1995年に開発したオブジェクト指向言語。 もともとインターネット環境や、PDA、Fax、携帯電話などコンピュータ以外の情報機器で利用することを目的として開発されている。 Javaの最大の特徴はプラットフォームに依存しない動作が保証されている点。Javaアプリケーションは、Mac OS Runtime for Java(MRJ)などJavaVirtual Machine(Java VM)と呼ばれる動作環境をもつコンピュータなら、ハードウェアやOSの相違を超えて、全く変更なしに動作させることができる。 Microsoft Internet Explorer 3.0以降等のWEBブラウザでは、Javaで書かれた小さなアプリケーション(Javaアプレット)をWebサーバーから自動的にダウンロードして実行する機能をもつ。 アスキーデジタル用語辞典(http://yougo.ascii24.com/)より抜粋

Java言語の採用理由 プラットフォームを選ばない。 導入コストがかからない。 オブジェクト指向言語でありコードのメンテナンス性が高く、ポピュラーな言語である。 GUIを比較的簡単に作成できる。 ネットワークに対応した言語である。(XML, TCP/IP, ソケット, CORBA, JMS)

Java言語の採用理由その1 プラットフォームを選ばない。 プラットフォームごとにソースコードを書いたり、コンパイルする必要がなく、Java言語で作成したアプリケーションをWeb上に配置しておけば、各ユーザーは任意のプラットホームにてそのアプリケーションをダウンロードして実行できる。 一度コードを作成すれば使い回しができるので、データ収集システムの変更や拡張に柔軟に対応できる。 外部からの共同研究者は、データを閲覧し、データの取得、解析をするに際して、自分の使い慣れたノートPC等を用いることができる。

Java言語の採用理由その2 導入コストがかからない。 コンパイラはSun Microsystems (http://java.sun.com/)から無料でダウンロードできる。 統合開発環境も無料でダウンロードして構築できる。 Eclipse(http://www.eclipse.org/) NetBeans IDE(http://java.sun.com/) メンテナンス性が高いオブジェクト指向言語で、ポピュラーな言語であるため、色々なところでサポートが受けられる。

Java言語の採用理由その3 統合開発環境NetBeansのスナップショット コード作成からデバッグまでGUIで操作可能。

Java言語の採用理由その4 ネットワークに対応した言語である。 TCP/IP, ソケット, CORBA XML技術対応 ネットワーク上(WEBサーバ、FTPサーバ、ウィンドウズ共有等)でのデータの受渡しが行いやすい。 XML技術対応 文書のデータ化が行いやすい。 ネットワークによる負荷分散 クライアントのWEBブラウザ上で実行できるJavaアプレットと、サーバー上で実行できるサーバサイドJavaの両方を使うことができる。

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 導入事例その1:データ解析と閲覧 - JavaアプリケーションとMathematicaを用いて - 内容 Javaのネットワーク機能にてサーバーから測定データを取得し、Mathematicaの数学関数にてデータ解析を行う。アプリケーションのGUIはJavaにて提供する。 Webサーバー上にJavaアプリケーションを配置しておき、各ユーザーは、それをダウンロードして各自のコンピュータにセットアップする。 特徴 プラットホームに依存しないので、Webサーバー上に一つだけ配置しておけばよい。 Mathematicaの数学関数が使えるのでプログラミングが容易 改善すべき点 Mathematicaを使う時点で、プラットホームに制限が生じる。 Mathematicaがなければ数学関数が使えない。 Javaアプリケーションに柔軟性を持たせすぎた。

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 実験予定閲覧画面のスナップショット

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 導入事例その2:実験予定と実験ログの管理 -XMLとサーバサイドJavaを用いて- 内容 実験予定および実験ログをXMLで記述して、文書のデータ化を行う。そのデータの閲覧・記入機能をサーバサイドJavaにより提供してWebブラウザによる実験予定と実験ログの閲覧・記入を実現する。 特徴 管理者(実験計画調整者)側の利点 実験予定と実験ログの管理の簡易化 XMLにより様々な角度からのデータの抽出が容易に行える。 ユーザー側 LANにつながるPCがあれば、いつでもどこからでも実験予定と実験ログの閲覧・記入ができる。 実験予定から、実験ログ、実験データへとリンクをたどる事で所望のデータにすぐにたどり着ける。

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム データサーバ 各クライアントPC Webブラウザ Apache+Tomcat 入力した文章の保存要求 一覧表の表示要求 一覧表の表示 XMLデータとして保存 XMLデータ 保存用タスク 文章のデータを XML形式に変換 読込み用タスク XMLデータの読込み 要求されている データの抽出 表の作成

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 実験予定閲覧画面のスナップショット

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 実験ログ閲覧画面のスナップショット 閲覧したいショットの指定

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 導入事例その3:Webブラウザによる実験データのグラフ閲覧 - サーバサイドJavaとJavaアプレットを用いて - 内容 サーバサイドJavaを用いてユーザーの希望する実験データの情報(Shot No, 測定物理量)を取得し、Javaアプレットを用いてWebブラウザ上にその実験データのグラフを表示する。 特徴 Webブラウザによるデータの閲覧 チャート描画のサブルーチンは製品(グレープシティー株式会社製JClass Chart)を購入 ユーザーはJavaアプレットを実行できるWebブラウザを用意するだけでよい。 希望のデータにすぐにアクセスできる。

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム データサーバ 各クライアントPC Webブラウザ Apache+Tomcat 入力フォームの表示 要求するデータの情報入力 データの要求 グラフ描画 Web上でのグラフ表示 入力フォームの送信 データの準備 グラフ描画アプリと データの送信 定期タスク 各計測器のデータ監視 グラフ表示用データの生成 測定データ グラフ描画用タスク

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム データ閲覧画面のスナップショット ショット番号の指定 表示するグラフのタイプの指定 表示するグラフの時間帯の指定 データディレクトリの参照 (データのダウンロード)

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム 導入事例その4:プラズマ制御用システムのGUI化 - JavaアプレットとサーバサイドJavaを用いて - 内容 サーバサイドJavaによりプラズマ制御用WSにアクセスして制御用ファイルの編集を行う。Webブラウザ上のGUIはJavaアプレットとサーバサイドJavaにより行う。 特徴 Webブラウザによるプラズマ制御用GUIの提供 実験者はWebブラウザを用意するだけでよい。 実験者は、どのプラットホームからでも制御が可能であり、どの端末からでも制御が可能。 原理的に外部からの実験参加で制御も可能だが危険性も含む

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム プラズマ制御用WS データサーバ 各クライアントPC Apache+Tomcat Webブラウザ FTP Server 制御ファイル編集用タスク 制御ファイルの ダウンロード 制御ファイルの ダウンロード要求 制御ファイル グラフ描画アプリと 制御ファイルの送信 制御ファイルの グラフ描画 編集操作の妥当性検証 編集操作 プラズマ制御用タスク 制御ファイルの アップロード 制御ファイルの アップロード要求 プラズマ制御

TRIAMにおけるデータ収集・閲覧システム プラズマ制御用画面のスナップショット 数値データの編集 編集操作の妥当性検証、 及びアップロード要求

まとめと今後の課題 まとめ Webブラウザによるグラフ閲覧や、制御用GUIの提供などにより、プラットフォームを選ばない、PCのセットアップをする必要がないなど、ユーザーに負担の少ないデータ収集・閲覧システムにしている。 Java言語の特徴を生かし、実験ログなどの文書データや、測定の数値データをネットワーク上に配置し、互いにそれらのデータを統合的に結び付ける(Webによるリンクなど)ようにしている。 今後の課題 データ収集・閲覧システムの公開方法について セキュリティーの確保 超長時間放電時のリアルタイムデータ収集と閲覧方法について 速いサンプリング周波数でデータ収集した際の閲覧方法など 大容量化するデータの取り扱い方法について 保存方法(保存メディア、データ圧縮と展開方法)

XML言語に対応するJava eXtensible Markup Language  HTMLのようなシンプルなフォーマットで文書構造を記述でき、独自にタグを定義できることが特徴のマークアップ言語。1998年にW3C(World Wide Web Consortium:WWWで使われる技術を標準化する団体)により標準化勧告され、現在はインターネットのさまざまな分野での応用が進められている。  独自にタグを定義できるという特徴は、単なる文書を「データ」として処理することを可能にするものである。言いかえれば、XMLで記述した文書は、たとえば「<価格>」というように人間が理解しやすい構造で内容を記述できるうえに、「スキーマ」を使うことで<価格>タグに書かれた「数字」を、あるアプリケーションの「価格を表わす数値データ」として利用することができる。スキーマとはXML文書内のデータを定義する情報のことで、XML Schemaなどが有名。  XMLの普及がもっとも見込まれているのは、企業間(B to B)の電子商取引においてである。これまで企業は、オンライン(主に専用線)で物品の調達や流通を行なえる仕組みを作ってきたが、電子的な取引情報の交換(EDI:Electronic Data Interchange)には専用のシステムが必要である。このEDIシステムをXMLで構築すれば、インターネットを利用し、Webブラウザベースで電子商取引を行なうことが可能になる。これは、システムの大幅なコスト削減につながるだけでなく、共通のフォーマットを利用することで取引に参加できる企業を拡大することができる。なお、XMLによる企業間EDIを実現するには共通のスキーマを用いる必要があるが、XSLT(eXtensible Stylesheet Language Transformations)というコンバータを使って変換する仕組みも用意されている。  現在は、IBMやオラクル、マイクロソフトといった多くのソフトウェアベンダーが自社製品をXMLに対応させているだけでなく、インフォテリアの製品群のようにXML関連のツールも充実してきた。特にマイクロソフトは.NET戦略の中心にXMLを据え、XMLをベースにして同社の各種機能を統合しようとしている。その中核になる製品は「BizTalk Server 2000」で、企業内や企業間のデータ通信を行なうXMLのフレームワークと、開発環境を提供する予定だ。