企業再生支援機構 2010年6月18日 08BC101Z 高橋幸弓
企業再生機関
2009年10月16日から業務を開始 企業再生支援機構とは 有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている事業者の再生支援を通じて、地域における総合的な経済力の向上と地域経済の再建を図り、合わせて地域の信用秩序の基盤強化を図るため、「株式会社企業再生支援機構法」に基づく組織として2009年10月14日に設立。 資本金:201億円 (政府:100億円、 金融機関等:101億円) 政府保証:2010年度が3兆円 (2009年度は1兆6000億円) 2009年10月16日から業務を開始
機構の概要 ⑥中小企業再生支援センター 有用な経営資源を有する全国各地域の中小企業の再生支援ニーズの掘り起こしなど、中小企業案件に対する取り組みの強化を図る。2009年11月に設立。 ①民間活力の活用、他施策との役割分担・連携を図る ②地域金融機関、地方公共団体、 地域産業界、国等との連携を確保 ③独立性・中立性が高い組織とする ④全国で1つのみ ⑦設立から5年で業務完了 地域経済の立て直しに向けて5年間に限り集中的に事業を実施し、原則2年までに支援決定、3年以内に支援完了することとしている。 ⑤企業再生支援委員会 業務執行の公正・中立性及び適正性を担保するため、再生支援の実務を行う者らとは別の専門家などによって構成される。再生支援の決定は支援基準に従って、企業再生支援委員会が行うこととなっている。
機構の支援 ○支援基準 ・有用な経営資源を有していること ・過大な債務を負っていること ・3年以内に事業再生が見込まれるものであること ・当該事業者が再生計画をもって再生支援を申し込む ・労働組合等と話合いを行うこと ○支援対象企業 第3セクター(国・地方公共団体が25%以上出資し ているもの等)や地方公社は除かれるが、それ以外 に特に制限はない。
事業再生業務の流れ 3年間 機構は主要な取引金融機関等以外の非メインの金融機関等に対して、 ・債権を機構に対して売却するか ①事前相談 ②デュー・ディリジェンス ③事業再生計画の検討 ④再生支援の申込み ⑤支援決定 ⑥調整 ⑦買取り等決定 ⑧出資決定 ⑨モニタリング ⑩債権等の譲渡等 3年間 機構は主要な取引金融機関等以外の非メインの金融機関等に対して、 ・債権を機構に対して売却するか ・事業再生計画に同意して債権放棄等を行い、債権を引続き保有するか いずれかの選択を求める旨を通知
支援機能
メリット 金融機関と対象企業との利害調整の円滑化 金融機関にとっては、債権放棄による損失の損金算入や債務者区分上のランクアップ 対象企業については、同機構が関与して策定された事業再生計画により債権放棄が行われた場合には、債務免除益の範囲内での過去の欠損金の損金算入や評価損の損金算入が認められる 金融機関やファンド、スポンサー等と連携して、資金面での支援が行われるほか、地方の枠を超えた全国レベルでの経営人材の確保や最適なスポンサーの発掘が可能になる。
支援事例 (株)日本航空:2010年1月19日支援決定 ・会社更生手続との併用により再生支援。 ・人員削減15700人 ・48路線廃止・縮小 ・機構が政策投資銀行と協調してつなぎ融資(3550億円)を実施 ・金融機関、社債権者などが債権放棄(7300億円)を実施予定 ・会社更生計画認可決定後に機構が出資(3000億円)実施予定
(株)ウィルコム:2010年3月12日支援決定 ・会社更生手続との併用により再生支援。 ・金融機関(メガなど)、社債権者、京セラが債権放棄(1145億円)を実施予定。 ・会社更生計画認可決定後にスポンサー候補(AP・ソフトバンク)が出資を実施予定。 ・機構は関係者間調整を行うとともに、必要に応じて金融機関とともに融資を実施予定(最大1200億円)。
○セノー(株):2010年3月26日支援決定 ・機構は新会社に対する ①債権の買取(またはリファイナンス)、 ②経営人材の派遣 ③出資(4億円)、 ④(必要に応じて)買取決定以降の運転資金保証(割引手形を含まず)を実施。 ・金融機関等は、金融支援(実質的な債権放棄〈約48億円〉を実施予定。 ・機構初の中小企業案件かつ中小企業再生支援協議会との調整案件。 ・私的整理手続きにより再生支援。 ・新会社を設立し、全事業を継承(第二会社方式)。
論点 第三セクターの支援について