計算機システム ハードウェア編(第3回) ~ ノイマン型コンピュータ ~.

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計算機システム ハードウェア編(第3回) ~ ノイマン型コンピュータ ~

ノイマン型コンピュータ 「コンピュータの父」とも呼ばれるアメリカの数学者、 ジョン・フォン・ノイマン(John von Neumann)氏 によって1946年に提案された方式で、世界最初の ノイマン型コンピュータは1949年にイギリスで開発 された「EDSAC」である。  1942年にアメリカで世界最初の(電気式)コンピ ュータであるABCが開発されたが、当時のコンピュ ータは真空管の配列や配線が計算内容をそのまま 反映したものになっており、別の計算を行なうため には配線をすべてやり直さなければならず、汎用性 が著しく乏しかった。

ノイマン型コンピュータ  ノイマンは、プログラムをハードウェアから独立さ せてデータとして外部から与え、汎用のハードウェ アでこれを実行させる方式を発表した。これがノイ マン型コンピュータである。ソフトウェア(プログラム) という概念の誕生もこのときであった。  ノイマンは自身もノイマン型コンピュータ「EDVAC」 の開発に関わっていたが、チーム内のいざこざが 原因で開発が遅れ、世界初のノイマン型コンピュー タの座は、イギリスのケンブリッジ大学でモーリス・ ウィルクス(Maulice Wilkes)らが開発した「EDSAC」 に奪われてしまった。

ノイマン型コンピュータとは? ストアドプログラム方式(プログラム蓄積方式) その2大特徴は 命令(プログラム)をデータとして記憶装置に 格納 命令を順番に読み込んで実行

その他の特徴 単一メモリ方式   プログラムとデータを同じメモリに記憶 線形メモリを有する

その他の特徴 PC(プログラムカウンタ)で実行する命令を 指す ALU(算術論理演算器)などの演算器を有 する

その他の特徴 アキムレータやレジスタなどの少量の高速 な記憶装置を有する メモリとレジスタ間のデータ転送を命令で明 示的に行う

ノイマン型コンピュータの構成 CPU メモリ I/O

ノイマン型コンピュータの構成 CPU メモリ I/O

CPUの位置

CPU(中央処理装置)

CPUの進化

組み込みシステム vs. パソコン

CPUの位置

CPUの構成 演算装置(データパス) データの加工、計算、判断、記憶、転送など 制御装置(コントロールパス) 命令処理の順番、各演算器などの制御

データパス 

データパス

データパス

コントロールパス

命令の処理手順

処理の流れ

処理の流れ

次回・・・           命令とは・・・

命令とは CPUが理解できる言語 → 機械語 メモリ内に蓄えられたプログラムのなかの 一部

命令の構成

命令の構成 オペレーションコード(OPコード)  命令の種類を示す オペランド  命令の対象を示す

OP(オペレーション)コード 命令の種類  データ転送命令  演算命令  制御命令  その他   (I/O、割り込み、疑似、マクロ)

オペランド

ノイマン型コンピュータ裏話  つづき  実は、ノイマンはEDVAC開発計画には途中から参加しており 、プログラム内蔵方式という基本設計はプロジェクト当初から関 わっていたジョン・エッカート(John Presper Eckert)とジョン・ モークリー(John William Mauchly)によって考案されたと言 われている。  EDVACは軍が資金援助しており、軍事機密として開発されて いたため、2人をはじめとする開発メンバーは特許や論文を通じ て詳細を発表することはなかった。ところが、ノイマンはメンバー に相談もなくEDVACの論理的側面をまとめた論文を自身の名 前で発表してしまったため、世間的にはこの方式はノイマンの着 想によると認識されるようになった。開発チームの内紛はこの事 件が原因といわれている。