2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化-雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価

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2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化-雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価 共生課題2 2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化-雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価   久芳奈遠美 KUBA Naomi

目次 1.共生研究における物理・化学過程のモデリングについて 2.NICAM 開発状況 3.NHM、NICAM への雲微物理モデルの導入

目次 1.共生研究における物理・化学過程のモデリングについて 2.NICAM 開発状況 3.NHM、NICAM への雲微物理モデルの導入

1)スケジュール   ・8月までに論文の種をまいて、IPCCに向けて組織的な    対応をする。   ・9月までに統合モデルに全過程の取り込みができることが    望ましい。 2)実験メニュー   現状は全昇温がわかっていて、それに合わせて感度を調整   している。   昇温の起因の配分の議論ができるような実験を考える。

3)問題点 ・産業革命以前と現在とのエアロゾル数密度の変化(増加の割合)が不確かである。 ・現在で非常に清浄な大気(自由大気、南大洋など)では、エアロゾルデータ  が不確かなため雲粒有効半径の見積もりが難しい。 ・衛星観測データとの比較: 陸域での低層雲有効粒子半径が小さすぎる。 ・砂漠化の取り込み ・将来、温暖化で地表面反射率の分布が変わると、エアロゾルの直接放射強制力が  正になる可能性もある。 ・土壌粒子の SSA ( single scattering albedo ) が大気汚染で小さくなる可能性。 ・気体 (CHASER) + 粒子(SPRINTAERS) の長期ラン で何がわかるか? ・雲水相関数(現状のGCMで使われている雲水を液体と固体に振り分ける  ための関数)の不確かさ。 ⇒ 共生課題1  雲氷も予報変数にしたい  ⇒ 共生課題2

3)問題点 (続き) ・雲-降水 :  Na – Nc パラメタリゼーションの検討  aut-conversion のパラメタリゼーションの検討  過冷却雲水の割合の検討  観測データの解析(中国での地上観測では雲量、日射量ともに減少しているが、              衛星観測では雲量増加)  氷雲予報の必要性  地上エアロゾルの直接効果での降水の変化、間接効果での降水の変化

目次 1.共生研究における物理・化学過程のモデリングについて 2.NICAM 開発状況 3.NHM、NICAM への雲微物理モデルの導入

NICAM 開発状況 ○放射過程:MSTRANX 実装中(3月中予定) ○陸面過程: MATSIRO実装中 (3月~4月予定) ○雲微物理過程:実装済み   バルク法 warm cloud : Kessler (1969), Klemp & Wilhelmson (1978) cold cloud : Grabowski (1998), Lin et al. (1983) (Bin 法    基底関数法導入予定) ○地表面フラックス過程:実装済み  Louis (1979), Uno et al. (1995) ○乱流過程:実装済み          Mellor & Yamada level 2, 2.5 ○1日分の計算(3.5 km 格子、50 層 ) が2~3 時間かかる見込み   全球一様では試行錯誤は無理なので、開発段階では、一部集中格子の使用   や地球のを半径小さくすることを検討。 ○熱帯スコールラインのシミュレーション:  20km 格子(一部集中格子1.2 km)で再現に成功

○見積もり  全球 14 km 格子 dt = 100 sec  80 ノード使って一日積分に6分30秒かかる 半径15度の範囲に集中格子 ( 1.4 km 格子) ⇒雲モデルが使える                                dt = 5 sec  320ノード使えば1ヶ月積分は32時間 ○課題  ・全球で気候感度実験ができないか?  ・雲水と雲氷の割合を出す実験はできないか?

目次 1.共生研究における物理・化学過程のモデリングについて 2.NICAM 開発状況 3.NHM、NICAM への雲微物理モデルの導入

NHMへの雲微物理モデルの導入 ○ビン法モデル:1 moment Bott (1989) 2 moment Chen & Lamb (1994) ○雲粒数密度パラメタリゼーション  Kuba et al. (2003) , Kuba & Iwabuchi (2003) ○初期雲粒粒径分布:ガンマ分布で表現  Kuba (2003) ○東北大学「雲解像モデル開発」との共同研究 NICAMへの雲微物理モデルの導入 ○基底関数法の開発(CCSR)

雲粒数密度のパラメタリゼーション Nd = A Nc(S%) / (Nc(S%) + B ) V < 0.2 m s -1             S = 0.2 A = 4710 V 1.19                          B = 1090 V + 33.2                               0.2 < V < 0.5 m s -1    S = 0.4 A = 11700 V - 1690                               B = 10600 V - 1480                              0.5 < V < 1.0 m s -1   S = 0.5   A = 4300 V 1.05                                B = 2760 V 0.755                              1.0 < V < 3.0 m s -1    S = 1.0 A = 7730 - 15800 exp(-1.08 V)                               B = 6030 - 24100 exp(-1.87 V)                              3.0 < V < 10.0 m s -1  S = 2.0 A = 1140 V -741                              B = 909 V - 56.2

A = Nd ( 4p(b+3)(b+2)(b+1)Nd / 3Q ) (b+1)/3 / b! 雲粒粒径分布の形のパラメタリゼーション Gamma distribution. n( r ) = A rb exp(-Br) dr A = Nd ( 4p(b+3)(b+2)(b+1)Nd / 3Q ) (b+1)/3 / b! B = ( 4p(b+3)(b+2)(b+1)Nd / 3Q )1/3 n( r ) : Number density ( cm-4 ) Nd : Number of cloud droplets ( cm-3 ) Q : Cloud water ( g cm-3 ) Qadjust > Qcrit

Number concentration of cloud droplets ( cm-3 ) 25 min. CCN-1 parcel Altitude ( km ) Parameterization X ( km )

Number concentration of cloud droplets ( cm-3 ) 25 min. CCN-10 parcel Altitude ( km ) Parameterization X ( km )

Size distribution of cloud droplets on Bin model at (4.5 km,1.9 km) CCN-1 6 min. parcel 10 6 Gamma (b=2) 10 4 Gamma (b=4) dN / dr ( cm -4) 10 2 10 0 0    20      40 60 80 100 Radius of cloud droplets ( mm )

Size distribution of cloud droplets on Bin model at (4.5 km,2.2 km) CCN-1 13 min. parcel 10 6 Gamma (b=2) 10 4 Gamma (b=4) dN / dr ( cm -4) 10 2 10 0 0    20      40 60 80 100 Radius of cloud droplets ( mm )

Size distribution of cloud droplets on Bin model at (4.5 km,2.5 km) CCN-1 18 min. parcel 10 6 Gamma (b=2) 10 4 Gamma (b=4) dN / dr ( cm -4) 10 2 10 0 0    20      40 60 80 100 Radius of cloud droplets ( mm )

Size distribution of cloud droplets on Bin model at (4.5 km,1.9 km) CCN-10 6 min. parcel 10 6 Gamma (b=2) 10 4 Gamma (b=4) dN / dr ( cm -4) 10 2 10 0 0    20      40 60 80 100 Radius of cloud droplets ( mm )

Size distribution of cloud droplets on Bin model at (4.5 km,2.2 km) CCN-10 13 min. parcel 10 6 Gamma (b=2) 10 4 Gamma (b=4) dN / dr ( cm -4) 10 2 10 0 0    20      40 60 80 100 Radius of cloud droplets ( mm )

Size distribution of cloud droplets on Bin model at (4.5 km,2.5 km) CCN-10 18 min. parcel 10 6 Gamma (b=2) 10 4 Gamma (b=4) dN / dr ( cm -4) 10 2 10 0 0    20      40 60 80 100 Radius of cloud droplets ( mm )

CCN-1 50 min. Accumulated Rainfall ( mm ) 10 Mean (mm) parcel 1.60 8 Gamma (b=2) 1.70 Gamma (b=4) 6 1.68 Accumulated Rainfall ( mm ) 4 2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 X ( km )

CCN-10 50 min. Accumulated Rainfall ( mm ) 10 Mean (mm) parcel 0.635 8 Gamma (b=2) 0.717 Gamma (b=4) 6 0.688 Accumulated Rainfall ( mm ) 4 2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 X ( km )

Mixing ratio of rain water 25 min. CCN-1 parcel Altitude ( km ) Parameterization X ( km )

Mixing ratio of rain water 40 min. CCN-1 parcel Altitude ( km ) Parameterization X ( km )

NHMへの雲微物理モデルの導入 ○ビン法モデル:1 moment Bott (1989) 2 moment Chen & Lamb (1994) ○雲粒数密度パラメタリゼーション  Kuba et al. (2003) , Kuba & Iwabuchi (2003) ○初期雲粒粒径分布:ガンマ分布で表現  Kuba (2003) ○東北大学「雲解像モデル開発」との共同研究 NICAMへの雲微物理モデルの導入 ○基底関数法の開発(CCSR)