ヒトとは何か/どこからヒトか われわれはどこからきたのか       われわれは何なのか      われわれはどこへ行くのか                        Gauguin 1848-1903.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
アメフラシ属 Aplysia Aplysia californica アメフラシ(雨降らし、雨虎、雨降)は、腹足綱後鰓類の無楯類 (Anapsidea, Aplysiomorpha) に属する軟体動物の総称。 より.
Advertisements

第 14 章 競争を生き抜く 生物多様性の創造における進化と絶 滅 ガラパゴス諸島の異なる島々から得られたフィ ンチ.ダーウィンによるオリジナルの挿絵.
日本近海におけるホシササノハベラの 遺伝的分化の解析 保全生態学研究室 川瀬 渡 2006 年 2 月 21 日 -日本沿岸域の環境保全のために-
配偶者選択による グッピー (Poecilia reticulata) の カラーパターンの進化 :野外集団を用いた研究 生物多様性進化分野 A1BM3035 吉田 卓司.
1.異種移植の推進になぜ遺伝子改変が必要か. 2.マウスでの遺伝子改変 (gene targeting) 法. 3.ミニブタでの遺伝子改変 (gene targeting) 法. -マウスと異種移植用動物での gene targeting 法の違い- 4.異種移植用遺伝子改変ミニブタ開発における現在の問題点と解決の方.
生物学基礎 第2回 生物の多様性と進化      細胞の発見へ 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
生物学 第12回 ヒトの発生について 和田 勝.
細胞の構造について復習しよう 植物細胞と動物細胞を見てみよう どんなちがいがあるかな? すべての生き物の身体は
背景と目的 結論と展望 材料と方法 結果と考察
人類進化 担当 近藤修(人類科学大講座) 1月8日「人類進化 1 ― ヒトの特殊性と普遍性」 1月22日 古生物(大路先生)
細胞性粘菌は遺伝子機能解析リソースの 優れもの!
2012年度 総合華頂探求(生命情報科学実習) 華頂女子中学高等学校 2年 医療・理系コース 小倉、北川、木村、久留野、田中、野村、山下
RNA i (RNA interference).
4 繁殖生理と     交配・分べん (1 乳牛の繁殖生理)      繁殖の重要性.
1 生命倫理学とは何か 倫理学Ethicsは哲学の1部門 善、道徳を追求する学問 規範倫理学normative ethicsとメタ倫理学
特論B 細胞の生物学 第2回 転写 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
生物統計学・第3回 全体を眺める(2) 主成分分析
絶滅危惧植物シラタマホシクサの 保全に関する研究 岩井貴彦 システムマネジメント工学科 UCコース
第19課 人の寿命と病気 背景知識.
沈黙の文化について 201100661 김 오윤.
新学期にあたって 作花 一志.
生物学 第3回 生物は進化した 和田 勝.
狂犬病 忘れ去られている恐ろしい病気.
All Rights Reserved, Copyright © 2008, Takashi Kobayashi
分子医学の急進展:発生分化を中心として 受精、発生がわかってくると すぐ生殖医療が始まった
世界に広がるフランス語: 5大陸で話されるフランス語ーその経緯と現実
 五感を使って  8awk1124  四阿 菜々子.
現代マス・メディア、マス・コミュニケーションの成立の歴史をたどる 参考文献
寿命の問題を考える 寿命はなぜ決まっているのか 老化、加齢の問題とは何か.
  世界の地域           05210163.
内胚葉(間葉)から血液と血管系が作られる
パワーポイントをホームページよりダウンロード可能予定
カラーユニバーサルデザイン支援ツール 色弱模擬フィルタ「バリアントール」
8章 食と健康 今日のポイント 1.食べるとは 何のために食べるのか? 食べたものはどうなるのか? 2.消化と吸収 3.代謝の基本経路
6・原始人イメージとヤノマミ  青山・文化人類学.
黄熱(yellow fever)の要点 WHO Fact sheet December 2009
Homo属の起源 240万年前ごろ.
道徳・特別活動 差別について.
日本の東西での違い 経営学部経営学科 MG4410 野上 翔太
1.受精・妊娠・出産 2.妊娠・出産期の健康のために
To know is to love 富山県立大門高等学校 Toyama Prefectural Daimon High School
生き物・・動物、植物、び生物などを命あるものすべて
人類学を中学校・高等学校の 授業にどういかすか
現代マス・メディア、マス・コミュニケーションの成立の歴史をたどる 参考文献
第9回(第12回) 女性・中高年・障害者とスポーツ
花王メリットの経済的影響
1 科学とは何か.
オオカミ復活計画 10班 森部 安川 吉村.
現生人類単一起源説と 言語の系統について 弘前大学人文学部教授 山本秀樹.
生物統計学・第2回 全体を眺める(1) 各種グラフ、ヒストグラム、分布
第19課 人の寿命と病気 背景知識.
PTLV-1の起源と進化 ~ニホンザルに感染してるSTLV-1の系統学的位置の解明 ~
コンゴー赤染色 (Congo red stain) アミロイド染色
HP動物生態学資料のサイトは です。 テキストは,
意外と知らない植物の違い 後期 月曜3コース 2班 和泉健太 井野崎恵理      植田小晴 上西塔子.
プレゼン資料で画像を効果的に見せるコツ.
植物系統分類学・第15回 比較ゲノミクスの基礎と実践
ゲノム科学概論 ~ゲノム科学における統計学の役割~ (遺伝統計学)
イントロ DNA配列 意味. イントロ DNA配列 意味 3 DNA配列は化学的配列空間 を占める 4.
Central Dogma Epigenetics
何が遺伝子か ● ウイルスの構成要素: タンパク質と核酸だけ; どちらが遺伝子か?
1 科学とは何か.
飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を補助します
短い部分文字列の ミスマッチトレランスを 高速計算するアルゴリズム
村石悠介・橋口岳史 農学部資源生物科学科1回生
生物学 第18回 どうして地球上には多様な生物が 生息しているのか 和田 勝.
超長寿齧歯類ハダカデバネズミの 老化耐性・がん化耐性を制御する分子機構
2013/5/25 3.人による自然の利用(世界).
11月21日 クローン 母性遺伝.
バイオインフォマティクスII 遺伝子発現データの AdaBoostによる判別
Presentation transcript:

ヒトとは何か/どこからヒトか われわれはどこからきたのか       われわれは何なのか      われわれはどこへ行くのか                        Gauguin 1848-1903

ヒトの生物分類学上の位置 ユーカリア(真核生物)領域(細胞に核がある) 動物界 後生動物亜界(多細胞) 動物界 後生動物亜界(多細胞) 脊索動物門(中枢神経)脊椎動物亜門(内骨格を持つ) 哺乳動物綱(乳腺・胎生・温血・異歯性)有胎盤亜綱 霊長目(サル目ともいうprimate)(掴む手、手が長い、鎖骨の発達、爪)霊長亜目(尾長猿を含む)

ヒトの生物分類学上の位置(続) ヒト上科(類人猿) ヒト科(オランウータン、チンパ、ゴリラ、ヒト) ヒト亜科(チンパ、ゴリラ、ヒト) ヒト属(猿人、原人、旧人、新人;人類hominidともいう) ヒト種(旧人、新人;例ネアンデルタール、ここからヒトsapiens) ヒト亜種Homo sapiens sapiens(新人)

ヒトへの進化 1 下等なほ乳類のうち食虫類が祖先 下等霊長類の発生は6500万年前のツパイ 6000万年前 原猿類 目が前面へ ヒトへの進化 1 下等なほ乳類のうち食虫類が祖先 下等霊長類の発生は6500万年前のツパイ 6000万年前 原猿類 目が前面へ 4000万年前 新世界猿 3000万年前 旧世界猿 新猿類を経て古類人猿ドリオピテクスなど 1800万年前 プロコンスル

ヒト化homonization 二足歩行:森林が消えサバンナ(草原)がひろがった。 歩くことが手を自由にし脳を刺激、歯並びも変えた 脳の発達や火、石器の使用は原人から 二足歩行が発声を可能にし、言語が発達 こうして人間性、社会性が成立した

猿人 サルでなくヒト おおよそ500万年前から130万年前まで、アフリカ大陸に生息 何属か知られているが、アウストラロピテクス属(南の猿人の意)から現代人につながる種が分かれたとされている

旧人 代表はネアンデルタール人 旧石器時代 埋葬 宗教の始まり? 環境破壊が知られている 新人と重なっているが混血していない

原人 230-50万年前に生息 アフリカから出てヨーロッパ、アジア、大洋州に広がった ヨーロッパ アジア 北京原人、ジャワ原人:ジャワには150万年前に到達

新人 われわれは皆 新人である 3万5000年前 クロマニヨン人から 後期旧石器時代を以降

チンパンジーとの遺伝子の比較 全体では1.23%の違い(3700万塩基対)、ヒトの個人間では0.1% チンパンジーの第22番染色体とこれに対応するヒトの第21番染色体の間では1.44%。たんぱく質レベルでは231種類のたんぱく質のうち83% チンパンジーのY染色体1200万塩基対のうち、ヒトにも対応する1100万塩基対弱の領域では1.78% 第8染色体ではその一方の端近い領域で差が大きく平均2.1%、部分的には3.2%も違う。この領域には脳の大きさに関連する遺伝子や、免疫に関連する遺伝子が含まれている。

ヒトへの進化のまとめ 常習的な二足歩行 手を自由にし、手を使い道具を作る 脳を刺激し、脳が発達 大きな脳とそれに依存した生活

  ヒト チンパンジー ゲノム 1.23パーセントの違い、ダーウィンは正しかった 直立二足歩行 できる。手が自由、目の位置が高く 常習的には出来ない 体毛 ない 汗腺が発達 赤子はしがみつけない 食性 肉を多く食べる(30%以上) 菜食中心、肉は3%程度 脳 進化とともに大きくなり1400g(体重の2%) 子はまず脳を作り、体はあとから 380g程度(体重の約1%) 発情期 ない

  ヒト チンパンジー 出産 一匹ずつ 妊娠期間 270日 出産時の脳は大人の25% 230日 出産時の脳は大人の36% 離乳 2.8年(近代社会は異常) 4.5年 子育て期間 20年 離乳は独立を意味しない 4,5年 離乳=成人(成猿) 寿命 100年くらい メスの繁殖期間はチンパジーより短い 老人はヒトに固有 5-60年 メスの繁殖は45年くらいなので、ほぼ繁殖期間と同じ 共同作業 言語、知識を共有し、共同作業ができる めったに共同しない  

性差 生物における性による違い ヒトでは脳に差がある 脳の解剖学的に性差が存在 男性の平均寿命が短いのは性差か?

人種と民族 世界中のヒトはすべて同じ種 人種は遺伝的なわずかな違い 習慣で皮膚の色で分類することが多い   習慣で皮膚の色で分類することが多い   白人 黒人 黄色人種 マレー(褐色) 赤色 民族は同じ言語、風俗習慣、同族意識を持つ集団

日本人の起原:縄文人 1万2000年前、新石器時代、農耕をしていた低身長の人種

文明 原人時代の総人口は12万 1万年前、新石器時代から文明 このころの総人口は100~500万人 紀元前500年、ギリシャ文明の時代の総人口は2億5000万 1650年 やっと5億 1800年(産業革命) 10億 1930年 20億 1975年 40億、 1997年 60億、 2007年 67億人うち日本は1.3億人