株式会社 ジェイ・エム・ティー 代表取締役 石井 健夫 ライン改善事例 株式会社 ジェイ・エム・ティー 代表取締役 石井 健夫
ロボドリルライン ドリルマシーン ロボット ワーク 置き場 溶接及び スパッタ除去 ワーク搬送
目標:生産性50%UP 現状:1830セット/3.5人・月 BRKTラインの生産性改善活動 期間:2008年1月~6月(半年間) 活動推進形態:プロジェクトチーム(メンバー2名) スケジュール ・1~2月:ロボドリルラインの改善 ・3~4月:溶接ライン改善 ・5~6月:梱包ライン改善及びまとめ
Ⅰ.ロボドリルラインの改善 問題点 ・切削条件の最適化がなされていない。(回転数、送り速度、ステッピング、刃物の適切な選定) ・切削条件の最適化がなされていない。(回転数、送り速度、ステッピング、刃物の適切な選定) ・ティーチング条件が適切ではない。 ・チョコ停が頻発する。(ワークを掴めないで機械停止) ・連続無人運転時間が短い ・背板の供給量L/R各20枚、80分の連続運転時間 ・アームの供給量L/R各10本、20分の連続運転時間 ・ザグリ面のビビリ不良発生 ・ザグリ穴が歪むー穴の真円度不良(刃物寿命が短い)
ロボドリルラインの原因と対策 原因 対策 1)切削条件 2)ロボットのティーチング 3)チョコ停 ・ハンドの残留磁気の為、ワーク未解除 ・切粉がワーク上に残り、マグネットで保持できない ・切粉がロケートピン穴内に入り、ワーク が外れない 4)連続運転時間が短い ・背板の供給量不足及びアームの供給 量不足 5)ザグリ面のビビリ不良 ・クランプ力が弱い 6)ザグリ穴径の真円度不良 ・ワークセット時のロケーションのガタ大 対策 1)実験計画法で最適解を得た。 2)各種条件でトライし、最適値を確保 3)下記のように対策を実施 ・マグネットの交換(キッカー附き) ・エアー吹きつけによる切粉除去装置を設置。(上面及び側面より) ・切粉の侵入防止カバーを取り付け 上記は、ワーク取り付けジグに実施 4)背板、アームの供給マガジンを改良 ・L/R各45枚、アームの供給機90本× 1セット(連続3時間稼働) 5)クランプ位置をザグリ穴近くに移動し、 モーメントが小さくなるように設置。 6)ロケートピンの直径を大きくし、ガタを 小さくし、ザグリ時の振動を押さえた。
ロボドリルライン改善に関する外部流出費用 チョコ停対策費用 1)ワーク保持力強化、マグネット買換え 28,520円 2)エアー吹き装置の設置 55,388円 連続運転時間延長 1)背板のマガジンの改良 11,900円 合計 95,808円
ロボドリルライン改善の効果 ロボドリルの連続運転が3時間可能となり、このために、ロボドリルラインと溶接加工ラインの縦持ちが可能となり作業者が1人で済むようになった。削減費用 420万円/年(保険料込み) 外注の内作化 従来、マシン能力をオーバーしたものは、外注に出していたが、改善による能力アップですべて内作で行うことが出来た。 ザグリ費用44円/台、タップ費用24円/台(500セット内作化) 削減費用 81.6万円/年 トランスファー装置の内作化 ロボドリルラインと溶接ラインのワーク移送にトランスファー装置を250万円で導入予定であったが、内作化で249.5万円の節減が出来た。(内作費用5千円)
消耗工具の費用算出 ザグリ用エンドミル 購入費:@10,420円 525台加工可 再研磨費:@1,600円 100台ごとに 購入費:@10,420円 525台加工可 再研磨費:@1,600円 100台ごとに 再研磨して使用できる回数50回、従って 5,525台毎に、工具費90,420円が発生。 1台当たりでは、16.37円の費用増になる。 年間では、16.37×43920=718,970円 43,920台=1830セット×2台×12ヶ月
Ⅱ.溶接ラインの改善 問題点 アーク溶接後のスパッターが多く、現在、溶接作業者1人に対して、スパッタ除去作業者が1.5人を要していた。 アーク溶接後のスパッターが多く、現在、溶接作業者1人に対して、スパッタ除去作業者が1.5人を要していた。 溶接作業時間の平均値=1分/台
溶接ラインの原因と対策 原因 1)溶接時に溶接条件が不適切な為、過大なスパッタが発生している。 平均スパッタ数=32個/台 平均スパッタ数=32個/台 サンプル数n=30台 対策 1)溶接条件を各種取り、実験計画法により最適条件を次のように設定した。 ・R部・・・280A、26V ・その他全周・・・260A,25V ・穴埋め・・・250A,24V 2)確認 ・平均スパッタ数 3個/本 ・強度試験の結果強度は従前 通りを維持
溶接ライン改善の効果 スパッタ数の激減により、スパッタの除去時間が減少したため、溶接作業者がスパッタ除去作業を兼務できるようになった。 労務費のコストダウン:1.5人×420万円/年 =630万円/年
Ⅲ.梱包ラインの改善 梱包作業ラインの構築 現状調査 ・セル方式のレイアウトとし、人員数は1人とする。 作業方法 ・一人作業で平均84セット梱 包/日、約3時間(余裕率1 5%含む)。半日パート作業 者を募集して作業を行う。 現状調査 ・梱包作業はすべて外注化。 外注費が170円/1梱包と割 高のために、内作化してコス トダウン出来ないかを検討。 梱包の実施状況の把握 ・製品別月当たり受注実績の調査 ・外注先の梱包作業分析 平均 110.7秒/1梱包 ・梱包使用品の調査 品名、発注数量、発注先、 納入までのリードタイム、荷姿
梱包作業ライン改善効果 パート採用、時給800円 外注加工費170円/1梱包 パートをセルラインで動かすと24.60円/1梱包で済み、差し引き145.4円/1梱包コストダウンとなる。1日当たり12、213円、月当たり268,699円、年間3,224,390円のコストダウン額になる。
総合効果 BRKTラインの生産性改善活動の効果は次の通りになる。 ロボドリル少人化ー 420万円/年、 ロボドリル少人化ー 420万円/年、 ロボドリル外注の内作化ー 81.6万円/年 ロボドリル自動運搬装置の内作化ー 249.5万円 溶接ラインの少人化ー 630万円/年 梱包ラインの改善、内作化ー 322.4万円 消耗工具費 ▲ 71.9万円 合計 1631.6万円/年