公益財団法人 海洋生物環境研究所 研究参与 原 猛也 講義7. 海外の対策技術の紹介 公益財団法人 海洋生物環境研究所 研究参与 原 猛也
目 次 スクリーンブロッケージ対策 付着状況のモニタリング 薬物による付着防止技術の動向
国内では主に「クラゲ対策」? スクリーンブロッケージ対策(まとめ) クラゲだけが問題? 海藻の漂着予測:イギリスで開発(今??) Impingement(スクリーン衝突)回避 → EPA316(b) FAWLEY水圏研究所(イギリス):光と超音波の組み合わせ技術で魚類迷入防止 フィシュリターンシステム:国内では、クラゲ帰還路 Entrainment(生物連行)軽減 → EPA316(a) ファインメッシュスクリーン:幼稚魚の迷入防止 ← 塩注が前提???
バイオボックス(Bio-box) 付着状況のモニタリング 発電所海水設備の汚損対策ハンドブック(p.326-331)には、「付着生物調査装置」、「蛍光 顕微鏡によるフジツボの種判別」、「付着生物幼生検出キット」(いずれも中国電力(株)) 種見の技術(カキの幼生の出現状況) 最初に見たのは、FAWLY(イギリス)で・・・
塩素処理の海外事情 薬物による付着防止技術の動向 フランス、アイルランド、イギリス、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペインで、薬液 注入及び海水電解の連続注入や間欠注入 0.8mg/L程度の注入、復水器で0.3mg/L程度、放水口で0.1mg/L程度 世界銀行「発電所建設に関する排水についてのガイドライン」:残留塩素濃度0.2mg/L フランス電力の調査によれば、0.8mg/Lの海水への塩素注入で生成されるCBPの84%は揮発 性のブロモホルムで24μg/L、10%はジブロモアセトニトリル OECDの動向について「厳しくなっても緩和されることはないだろう」フランス規制庁
二酸化塩素、アミン系薬剤 薬物による付着防止技術の動向 二酸化塩素は塩素に比べ有機ハロゲン化合物の生成が少ない イタリアやドイツでは使用されている 注入有効濃度は0.1~0.5mg/Lで、塩素の2.5倍のコスト ヨーロッパやアメリカでは、塩素の代わりにアミン系(Mexel)の薬剤の注入 フランスのある火力発電所での注入濃度は3~5mg/L、1日に30分間の間欠注入 「塩素を注入していたときは、釣り人もいなかった」 アミン系薬剤の分子がスケールやバクテリア、汚泥等を包み込み、流動化および分散化 配管表面等に付着しコーティングして、付着しにくい表面を形成