霞ヶ浦湖内水質モデルを活用した 水質長期変動の解明と未来可能性 平成23年10月13日 福島FS「下流汚染蓄積型湖沼の水環境問題と未来可能性に関する研究」勉強会 霞ヶ浦湖内水質モデルを活用した 水質長期変動の解明と未来可能性 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 小松 英司
Research Key Points 霞ヶ浦などの湖沼の将来の水環境を考えるために 流入河川負荷の湖内水質への影響 長期間の底質の水平・垂直分布の変化の再現 長期間の水質と底質の再現と相互作用メカニズムの解明 湖内レジームシフトの解明 湖内水質・生態系の将来長期予測 ~未来予見性はあるか 霞ヶ浦(西浦・北浦)
湖沼における栄養塩の蓄積と水質(年代比較) A B 湖心 霞ヶ浦(西浦) りんに着目する必要がある。 引用:国立環境研究所 霞ヶ浦データベース
霞ヶ浦(北浦湖心)におけるりんの挙動 流入TPは横ばいであるが、湖内TPと底質TPは増加傾向を示しており、逆相関になっている 湖心
霞ヶ浦(西浦湖心)におけるりんの挙動 西浦の方が北浦よりも湖内TPと底質TPの逆相関が強くなっている。 これまでの水質解析 ではこのメカニズムは 解明できていない 底質モデルの精緻化が必要
これまでの湖沼水質モデル 原単位法・LQ式 分布型流出モデル 3次元レイヤーモデル (メッシュ:300m) 霞ヶ浦環境研究センター
湖沼水質モデルの詳細
構築してきた湖沼水質モデルの予測精度 これまで構築してきたモデルでは、短期(5年程度)では Monthly data Annual average 代かきなどの 異常な流出の影響 琵琶湖の場合 これまで構築してきたモデルでは、短期(5年程度)では は精度良く再現できるが、長期間の底質の挙動を再現する ことができないため(遅いシステム) 、湖沼で行っている 長期的な現象を解明することができない。
水―底質相互作用モデルの精緻化 Mass Balance Equation Dissolved Matters Dissolved Matters Particulate Matters ※R is non equilibrium biochemical reaction
Non equilibrium biochemical reaction 底質モデルで考慮する地・生化学反応系 ORP (Eh) + P1:Aerobic degradation (Kdeg O2) P2:Denirification (Kdeg NO3) P3:Mn reduction (Kdeg Mn) P4:Fe reduction (Kdeg Fe) P5:Sulfate reduction P6:Methanogenesis (Kdeg CH4) -
霞ヶ浦モデルの空間分解能
本研究によって明らかにしたいこと 陸域 湖沼 霞ヶ浦湖内水質モデル 水環境の未来予見性 社会 今までの湖沼水質モデル 未来可能性 (水質・底質) 社会 出水パターン 負荷量の変化 土地改変 漁獲 上水利用 栄養塩利用 蓄積型湖沼ゆえの密接な関係 その他の変動要因 ○流域社会の変化 ○地球温暖化 ○陸・水域生態系の変化 ・ 今までの湖沼水質モデル 数カ年 霞ヶ浦湖内水質モデル 長期間再現 未来可能性 湖沼との関わり 近未来 50, 100年後の未来 水環境の未来予見性
補足:Detail of biochemical reaction Primary reactions Secondary reactions