Probabilistic Method 6-3,4

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Time Reversal E-Text: pp.80-83(PDF: pp.49-50) FM08002 太神 諭
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Probabilistic Method 6-3,4

前回の内容[FGK不等式(Th.6.2.1)] L:有限分配束 μ:L→R+ log-supermodular関数              と表せば、

前回の内容[FGK不等式(Th.6.2.1)] また、 f,gがともに減少関数でも、 が成り立つ、一方が増加関数、 もう一方が減少関数であれば、 が成り立つ。

6.3 Monotone Properties の部分集合の族 Aが monotone decreasing              の部分集合の族 Aが monotone decreasing Aが monotone increasing 確率空間としてP(N){Nのすべての部分集合}を考え、 Aの確率を            と定義する。

Proposition6.3.1 A,B :monotone increasing なNの部分集合の族 C,D : monotone decreasing なNの部分集合の族 確率で表現 要素数で表現

Proposition6.3.1の証明 以下のようにA,Bの特性関数 を定める。 f,gは仮定からともに増加関数である。 FGK不等式を適用して、   とすれば 他の式も同様にして導く。

より一般の確率空間へ 実ベクトル に対して、以下のような確率空間を考える。 に対して、 に対して、この確率空間での確率を、 と表す。      に対して、        に対して、この確率空間での確率を、      と表す。 ここで、           として、 と定める。

であることからμはlog-supermodular関数で あり、FGK不等式を用いて、Prop.6.3.1の 一般形Th.6.3.2を得る。

Theorem 6.3.2 A,B :monotone increasing なNの部分集合の族 C,D : monotone decreasing なNの部分集合の族 このとき、                   に対して、

グラフに適用すると m頂点の完全グラフにある 本の枝を集合Nの要素として 見ると、関係式をランダムグラフに適用できる。 G=(V,E):V上のランダムグラフ、頂点間に確率pで枝をはる。 グラフの特性(property)Q Qが monotone decreasing    GがQを持ち、HがGに枝を足すことでえられるならば、    HもQを持つ。 Qが monotone increasing    GがQを持ち、HがGから枝をとるころでえられるならば、 例 ハミルトン閉路を持つ 例 平面グラフである

Theorem 6.3.3 :monotone increasing な graph property      :monotone decreasing な graph property G=(V,E):V上のランダムグラフ (確率pで独立にそれぞれの枝を取ることで得る)

6.4 Linear Extensions of Partially Ordered Sets 順番を保存する全単射写像 を線形拡張(Linear Extension)という。 つまり、     かつ     ならば、          である全単射写像。 Pのすべての線形拡張を確率空間と考えること で、Pでの事象の確率空間を考えられる。

Theorem 6.3.4 P:          を要素とする順序集合 この時、

Theorem 6.3.4 の証明 m:大きな整数(あとで無限大にもっていく) L:順序n組 すべての集合。  すべての集合。 L上の順序関係を以下のように定める。                      に対して、

証明の流れ Lが分配束であることを示す。 Pの測度関数μを定義し、これがlog-supermodularで あることを示す。 特性関数f,gを定義し、これらが増加関数であることを 示す。 以上が示されるとFGK不等式が適用できる。

Lは分配束か?      のi番要素を とし、      のi番要素を とすると、Lは束である。

Lは分配束か? 示したいこと 左辺右辺それぞれのi要素を見ると、

Lは分配束か? 3つの整数abcに対して、 が成り立つことを使うと、 が示され、Lは分配束である。

log-supermodular関数μ 以下のようにPの特性関数μを定める。 に対して、            に対して、 μがlog-supermodularであることを示すには、         の時、             であることを 見ればよい。

log-supermodular関数μ つまり、      であり、        についても同様に見れる。 以上からμはlog-supermodularである。

増加関数f,g 事象         に関する特性関数f,gを 以下のように定める。 この2つの関数は増加関数である。 実際以下の関係が成り立つ。

FGK不等式を適用 このままではLでのn組はdistinctな整数の組で はないためにPの線形拡張に対応しないが、 mを無限大へ近づけると    に対して      となる確率が0へ近づく。 以上からFGK不等式を適用でき、定理を得る。