制約条件の確率的選択に基づく 資源追加削減法の改良 三木 光範(同志社大工) 廣安 知之(同志社大工) ○小林 繁(同志社大院)

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制約条件の確率的選択に基づく 資源追加削減法の改良 三木 光範(同志社大工) 廣安 知之(同志社大工) ○小林 繁(同志社大院)

はじめに 最適化問題の大規模複雑化 並列処理に適した最適化手法の開発 資源追加削減法(DORAR法) -研究目的- 局所解からの脱出のためのアルゴリズムの改良 -研究目的- 最適化問題の大規模複雑化 資源追加削減法(DORAR法) 並列処理に適した最適化手法の開発 Distributed Optimization by Resource Addition and Reduction method

DORAR法の概略 対象とする問題 設計変数が連続である離散要素から成るシステム 目的:システム全体における資源の和の最小化 :資源 :局所制約条件 :全体制約条件 :要素数 ) ,....., 1 ( ,..... ; m j G n k N i g ik = £

DORAR法のアルゴリズム アルゴリズム 資源余裕の評価 資源削減処理 資源追加処理 要素2の資源 可能領域 全体制約条件 ① R2 ③ (①から②へ移動) 資源追加処理 (②から③へ移動) 全体制約条件 要素1の資源R1 Opt 目的関数(R1+R2) ① ② ③ 可能領域 R2 要素2の資源 の等高線 要素1における資源余裕 要素2における資源余裕

多峰性関数に対する局所解からの脱出 資源削減処理 Rj 複数の制約条件の中で最も厳しいもの(最小値)を選択 可能領域 局所解に陥る アルゴリズムの改良の提案 Ri Rj 制約条件 可能領域 Opt

改良アルゴリズムの提案 基準とする制約条件を確率的に選択する アルゴリズム 評 価 ランダムな区間(30~60ステップ)挙動 評 価 ランダムな区間(30~60ステップ)挙動 選択されなかった制約条件との距離を記憶 確率的に制約条件を選択する 改良 改悪

評価方法 電気回路最適化問題, トラス構造物最適化問題 適用問題 Rj Ri 制約条件 改良 改悪 距離が減少 距離が増加

適用問題(1) 電気回路最適化問題 複数の制約条件のもとで,最小体積の電気回路を設計 導体の体積=資源 全体制約条件 I=10A 1 2 3 4 5 (1)[1.0] (2)[5.0] (3)[2.0] (4)[9.0] (5)[3.0] (6)[3.1] (7)[1.0] (8)[2.0] i:node index (i):member index [i]:member length 全体制約条件 節点1と5の間の電位差5.0V以下 局所制約条件 1.0[A/cm2]以下 導体の電流密度 導体の体積=資源

適用結果(1) 提案手法 初期値 従来法 6 3 3および6の導体の断面積が減少 総資源量の履歴

適用問題(2) トラス構造物最適化問題 ある節点に負荷を加えて複数の制約条件を与えたとき最小体積のトラス構造物を設計 部材の体積=資源 i:node index (i):member index 0.3m 0.4m 1 2 3 4 5 6 7 8 1kN (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) 全体制約条件 節点8の変位 0.01m以下 局所制約条件 部材の引張応力 座屈強度 部材の体積=資源

適用結果(2) 3,7および12の部材の断面積が減少 初期値 提案手法 従来法 12 7 3 総資源量の履歴

資源余裕の変化(7番部材) 拡大

資源余裕の変化(11番部材)

結 論 制約条件を確率的に選択することを基本とする新しいアルゴリズムを提案 電気回路およびトラス構造物最適化問題に適用 結  論 制約条件を確率的に選択することを基本とする新しいアルゴリズムを提案 電気回路およびトラス構造物最適化問題に適用 良好な解に収束し,局所解からの脱出が可能

電気回路への適用結果 繰り返し数と解との関係 1 2 3 4 5

トラス構造物への適用結果 5 1 2 3 4 繰り返し数と解との関係

他の電気回路への適用 10試行における良好な解が得られた回数 従来法 提案手法 28要素の回路

他のトラス構造物への適用 10試行における良好な解が得られた回数 39要素の回路 従来法 提案手法

資源余裕の変化(1番導体)

構造物の幾何学的変形に伴う座屈強度に関する制約の収束解への影響 変位制約:0.001m 変位制約:0.005m 変位制約:0.01m 小 大 変形