14・文化の偏差と変化 2009.10.6. 青山・文化人類学.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
携帯電話・PHSのリサイクルに関する アンケート調査結果 添付資料1 電気通信事業者協会 情報通信ネットワーク産業協会 調査協力会社:株式会社マクロ ミル.
Advertisements

2.一極集中と多極分散. 連携の在り方 都市の発生 分業の発生規模の経済 ・地域特化の経済 ・都市化の経済 集積 大都市の形成.
進学率と就職率から見るフリーター を生む社会構造の問題点について 発表者 中田 憲裕 炭山 元希.
平成 15 年度エネルギー教育調査普及事業 研究活動報告 名古屋工業大学エネルギー教育研究会 高校生のエネルギー・環境についての 意識に関するアンケート調査 高校生のエネルギー・環境についての意識に関するアンケート調査.
教育格差 福嶋 敬識 参考
シャルソンとは、ソーシャルマラソンの略です。 東京マラソンが当たらなかったことがきっかけで世田谷 区経堂にあるパクチーハウスのオーナー佐谷恭氏が作っ た。参加者が同じ T シャツを着て街を走るイベントであ る。 参加者は【楽しい体験】を探し、 Facebook や Twitter な どの SNS.
SNS によるストレスの研 究 鴫原 康太. 本研究の目的 今回私がこの研究を行おうと思ったきっかけは、 SNS によるストレスを自分も少なからず感じるこ とがしばしばあったということが今回の研究を 行ったきっかけである。 「既読無視」「バカッター」など SNS のあり方、 使い方を誤って使ったり、
08ba036z 入江 洋志. (1) 銀行の収益性の国際比較 資産収益率( ROA )、資本収益率( ROE )の両面において、 主要国平均を大きく下回る。 基礎的な収益力の弱さ.
プレゼンテーション ソフト(Power Point 2002 )で 作成していますので、 授業の内容にあわせ て作り直すことがで きます。 ノートには参考資料とし て、発問や指導のポイン トを 示しています。
1.欧州. 特許会社  特許会社とは …. 経営権が国に保留されている事業の、 一部または全部の経営権を、法律などに より付与された会社。  世界で最初の特許会社 モスクワ会 社.
シンポジウム:人口減少下の日本社会 3. 高年齢者層を中心として シンポジウム:人口減少下の日本社会 3. 高年齢者層を中心として 第 58 回日本人口学会 慶応義塾大学 三田キャンパス 原 俊彦(札幌市立大学)
「ベースボール統一球は変わったのか」を検証,予測する。
少子高齢化 高橋香央里 加藤裕子 松本結 海老澤優.
二、高度経済成長期 神武景気 年代後半の民間設備投資 岩戸景気 2 2 国民所得倍増計画 オリンピック景気 いざなぎ 景気.
札幌市の少子化  その特徴と背景 札幌市立大学 デザイン学部 教授  原俊彦.
検定 P.137.
森町まち・ひと・しごと 人口ビジョン概要 15/08/31【資料1】 森町人口ビジョン(抜粋) 総合戦略へ向けた、現状・課題の整理(案)
新潟県 25年後の医療 2035年の日本医療を考える ワーキンググループ.
※ 上記質問に対し、協議会委員として以下のとおり回答
23A[再]・クリスマス  青山・文化人類学.
第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀
後期高齢者医療制度では、生活を支える医療を目指します。
これは今の日本の地図です。この線は何だと思いますか。
新学期にあたって 作花 一志.
歴史、喫煙率の推移、世界での喫煙状況など
[ パパは何でも知っている (FATHER KNOWS BEST)] NTV 1958年8月~1964年3月
歯の健康と歯科健診の受診について 〈6月4日は「虫歯予防デー」です〉 2012年6月 出光興産健康保険組合.
他地域と比較してみよう! 2005年 年少人口 割合(%) 生産年齢 人口割合(%) 老年人口 割合(%) 仙北市
国際経済の基礎4 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007年10月25日
5・文化は変化する  成蹊・文化人類学Ⅱ.
自然災害と気象情報 自然がおこす災害には、どんなものがあるだろうか? 台風 こう水 大雪 かみなり つ波 たつまき 地震
環境の世紀17  第13回 駒場の電気を考える.
平成28年度農作業安全総合対策推進事業 一般社団法人全国農業改良普及支援協会 一般社団法人日本農業機械化協会.
食糧自給率低下によって 日本が抱える危機とその対策
国際経済学10 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2010年1月18日
変化の中の雇用システム                    仁田道夫著 東京大学出版会2003年                                 E040064植田慎司.
災害時に強い分散型エネルギー マイコンメーターで安全を点検し、夕方にはお風呂に入ったLPガス世帯も多い。 実質2週間で点検を完了
遺伝子とデフコミュニティ.
Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 【 社会科 】 小中一貫教育系統図 地理的分野 歴史的分野 公民的分野 13 【小学3年】 【小学4年】 【小学5年】
60歳台になった団塊世代の経済行動 長谷川 正 学籍番号 
私たちの暮らしとエネルギー ー現在、過去、未来ー
平成15年度総合がん対策推進モニタリング調査
平成28年度農作業安全総合対策推進事業 一般社団法人全国農業改良普及支援協会 一般社団法人日本農業機械化協会.
オープンデータ取組済自治体マップ 都道府県
新潟県の 歯科疾患の現状.
4章 都心と地方の賃金格差 非正規雇用者に対する最低賃金を比較すると地方になるにつれて賃金 は低くなる
~平成30年環境調査~ 集計結果報告.
コンピューターの歴史 発表者 髙橋 一希 竹原 仰 山崎 翼 芳賀沼 舜 1E17M E17M E17M073ー8
2001年参院選挙新潟選挙区における真島氏の当選理由の解明
「選挙の大切さについて」 資料モデル 1 選挙制度の意義や目的について、選挙の歴史や制度の特徴 などを踏まえてわかりやすく説明する。
結論 菅久・笠原・新実・伊藤・藤矢 2018/1/10.
疫学初級者研修  ~2×2表~ 平成12年2月14日(月) 13:00~ 岡山理科大学情報処理センター.
オープンデータ取組済自治体マップ 都道府県
労働経済学 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法
© Yukiko Abe 2015 All rights reserved
「アルゴリズムとプログラム」 結果を統計的に正しく判断 三学期 第7回 袖高の生徒ってどうよ調査(3)
楽しいときってどんなとき? 皆さんの楽しくって、時間が早く過ぎていくと感じるときはどんなときか、思い浮かべてください。
図表で見る環境・社会 ナレッジ ボックス 第2部 環境編 2015年4月 .
かけ算九九は 言えるようになったかな? じゃ、 かけ算ビンゴを やってみよう。.
「水俣市の取り組み」に対する意見発表 ○鈴木慎也 構成 〒 福岡市城南区七隈 福岡大学工学部社会デザイン工学科
女性班発表.
農業グループ 2年 吉田 圭斗 奴田原 広樹 藤村 雄輝 これから農業グルーブの発表を始めます。 リーダーの吉田 圭斗です。
新潟県 25年後の医療 2035年の日本医療を考える ワーキンググループ.
オープンデータ取組済自治体マップ 都道府県
イノベーションと 異文化マネジメント 法学部国際ビジネス法学科          08ed037m 佐藤 雅史.
厚生白書 人口減少社会の到来と少子化への対応 971221 波多野宏美.
2018年7月西日本豪雨広島県呉市の1時間降水量と降り始めからの積算降水量
オープンデータ取組済自治体マップ 都道府県
衛生委員会用 がんの健康講話用スライド.
駒澤大学 経営学部経営学科 MG8007 市川綾由美 出生率と少子化 駒澤大学 経営学部経営学科 MG8007 市川綾由美.
Presentation transcript:

14・文化の偏差と変化 2009.10.6. 青山・文化人類学

14・文化の変化と偏差 農業従事者の割合(1930年-1955年)

14・文化の変化と偏差 農業従事者の割合(1955-1980年)

14・文化の変化と偏差 農業従事者の割合(1955-1980年・改)

14・文化の変化と偏差 農業従事者の割合(1980-2005年)

産業従事者の年齢構成(全産業-農業) 1955年までは、農業従事者の年齢構成は、全産業従事者 の年齢構成と大きな違いはない 14・文化の変化と偏差 産業従事者の年齢構成(全産業-農業) 全産業 農業 10~30代 65歳以上 1930年 64.37 3.90 55.79 5.83 1955年 61.62 4.34 52.50 7.91 1980年 50.42 5.30 18.96 17.81 2005年 40.49 8.81 8.58 51.46 1955年までは、農業従事者の年齢構成は、全産業従事者 の年齢構成と大きな違いはない ところが1980年・2005年はきわめていびつな年齢構成 を示している おそらく1955年の「10~30代」がそのままスライドして、 1980年の「40~65歳」・2005年の「65歳以上」に移行してい るように推測される……新しい若い世代が「入ってこない」

14・文化の変化と偏差 「農業」という産業の変化 1930年当時、産業従事者のほぼ半分(47.74%)を占め ていた農業は、いわば「日本人の普通の生活」の最たる ものであった 戦争をはさんで1955年になっても、実はこの点は大きく は変わらない ほぼ全国的に、1930年と比べて10ポイント程度低下しているが、 それでも全体の1/3を超えるひとびとが「農業」によって暮らし ていた ところが1980年になると「農業」をめぐる状況は激変し ていた 全国でようやく10%に届くかどうか、東北と九州の一部が20%を 超えるものの、大都市圏は5%かそれ以下に 2005年現在ではさらに状況は悪化、平均で5%を下回る

14・文化の変化と偏差 それが何を意味するのか? 戦前(おそらくそれ以前も)~戦後のある時期まで日本 人の暮らし・文化の「普通」であったものが、この50年 間(とりわけ60年代を中心とする四半世紀)に完全に崩 れ去った、ということになる では、今の「普通」は、なんだろう? 当時の「普通」は、「普通」と自覚されていたのだろうか? そもそも「みんな同じ農業・農民」という考え方でいいのだろう か? 資料映像2(新潟の農村映像)からわかることは、 もちろん東京(都市)との間に大きな地域的偏差があ ったこと そして「新潟の農村の暮らし」といっても決して一様 ではないこと……cf. 春学期の内容「ラベル貼りとくくり」