生物多様性の危機 「精神のモノカルチャー」の説明 経済開発が削減した知識体系・ローカルな知識: 生態系と共同体との間の体系 経済開発が削減した知識体系・ローカルな知識: 生態系と共同体との間の体系 1.伝統的な知恵・「サステーナビリティ」の知識 2.ジェンダー関係の中の特殊がある社会基盤 3.内部から発展されて来た体系(内発的な開発や決定) 4.少数(アグリビジネスの者)の利益のためではなく、 共同体全体の利益のための体系 5.環境システムと社会システムの間の分権化(分離)が ない体系
「精神のモノカルチャー」:シヴァの説明 筆者のシヴァ氏は科学者の立場から科学を批判する 「失われた知識体系」と欧米による「科学」という知識体系 科学や科学方法論はその方法論自体が社会や価値観、 偏見の媒介なしに、観察対象である世界の現実を表すはず。 近代の知識体系は特別な地域、社会層、性別に起源を持つから、中立的ではないし、普遍的でもない。
「精神のモノカルチャー」:シヴァの説明 筆者のシヴァ氏は科学者の立場から科学を批判する 「失われた知識体系」と欧米による「科学」という知識体系 科学も、ある地域や社会の価値観に根付いた体系である。 近代知識や科学体系が支持する「力」は、自然にある自給持続的な資源物を売買対象にし、製造の「原料」にする。 その、先進国の経済的な力に仕える原料を「改善する」ために化学物質などの発明品をつくる。 その体系が体系自体の力や権力を維持することに努める。
多様性の危機 I: 開発のための森林伐採の結果 地球の森林伐採による熱帯湿潤林の急速な減少による → (世界の)水源が急速に減少 生物多様性の危機: 第三世界の視点 多様性の危機 I: 開発のための森林伐採の結果 地球の森林伐採による熱帯湿潤林の急速な減少による → (世界の)水源が急速に減少 (左)20年前まで肥沃な土地であった、(右)タイ北部森林伐採で砂漠化して来たチェンマイ地方 2004 乾期
生物多様性の危機: 第三世界の視点 多様性の危機 II: 大規模ダム建設 ・主要な諸原因 大規模ダムによる水没。例: インドのナルマダダム タイのパク・ムンダム ブラジルのアマゾン河 2.モノカルチャーによる生物多様性の駆逐。 均質された品種は途上国の貧困層の緑肥、 飼料、肥料、食料、燃料を失くす。
生物多様性の危機: 第三世界の視点 多様性の危機 III:食料安全の削減 ・生物多様性の浸食の原因 ・改良品種に基づいているモノカルチャーによる生態学的弱性: ・HYV(高収量品種)とその生態系への悪影響。 ・土壌の瘠せ ・環境の悪化 ・(人間の)健康の悪化 ・モノカルチャーの均質なシステムの社会的な脆弱性。
生物多様性の危機: 第三世界の視点 以前の伝統社会にあった分権化された農作業、責任、そして決定力を、中央化して行く。 多様性の危機 IV:伝統社会の自然の多様性への脅威 モノカルチャーの影響で、 以前の伝統社会にあった分権化された農作業、責任、そして決定力を、中央化して行く。 ローカルな地域にある耕作の知識や村人の持続的なあり方と価値観を抑える。
生物多様性の危機 南北対立と第一世界の「生物帝国主義」 ・「国際」農業研究所は誰に帰属する、誰に管理されるべき? 米国が創立した、 メキシコ、フィリピンに設置した国際農業研究・国際イネ研究所 ・「国際」農業研究所は誰に帰属する、誰に管理されるべき? 国際農業研究諮問グループは、国際トウモロコシ・コムギ 改良センターや国際イネ研究所(IRRI) と、植物遺伝資源 の帰属性・所有権問題を研究者のものにした。その結果: ・製薬会社が発展途上国の薬用植物を「強奪」する ・先進国の「生物帝国主義」が進めて行く
生物多様性の危機 「生物多様性条約」に対する「支配的アプローチ」 ・地球の生態系を破壊する主要な諸原因を無視するし、 その問題をおこした国やプロセスを無視している。 ・途上国の植物を、途上国への償いを検討せずに、 製薬業に使う
生物多様性の危機 生物多様性を誰が生産する、誰が消費するのか? 問題1:商品化された環境保全=「経済主義」。 「経済主義」のために、「保全」するのか。 問題2:自然である客体に「市場価値」(金銭的だけの価値)をつける。天然資源物を金銭的に評価する。 「還元主義的アプローチ」=商品価値をつけるアプローチ。 市場化するために、生態系にある多様性を均質化する。 そうした生態系を、商品として販売・消費の対象となる。
生物多様性の危険 「生物帝国主義」から生物民主主義へ 筆者が投げかける疑問 ・エコロジー、衡平、効力 ・エコロジー、衡平、効力 「生態系の多様性を支える価値」…とは何だろうか? ・誰が生物多様性をコントロールするべきか? 参加型開発が必要 意思決定が必要
アジアの「米かご」であった東南アジアにある以前の田圃。