鳥井 久行 東京大学原子核科学研究センター(CNS) 2011/05/01 高エネルギー重イオン分科会 Draft v2.0

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鳥井 久行 東京大学原子核科学研究センター(CNS) 2011/05/01 高エネルギー重イオン分科会 Draft v2.0 高密度QCDの研究へ向けて 鳥井 久行 東京大学原子核科学研究センター(CNS) 2011/05/01 高エネルギー重イオン分科会 Draft v2.0

宇宙における 物質(クォーク多体系) の進化 クォーク・グルーオン・ プラズマ (QGP) 高エネルギー 原子核衝突実験 (RHIC@BNL, LHC@CERN) ビッグバン (初期宇宙) 温度 宇宙における 物質(クォーク多体系) の進化 膨張による冷却 相転移 高インテンシティー 原子核衝突実験 (FAIR@GSI,NICA@Dubna,J-PARC,RHIC@BNL) 新領域:高密度状態 ハドロン物理 (J-PARC, RCNP-LEPS, Jefferson Lab. CERN, GSI, …) ハドロン バリオン(重粒子) メソン(中間子) ? ? 超伝導状態 元素合成 不安定核物理 (RIファクトリー@理研,…) 精密核物理 (RCNPサイクロ,…) ? 恒星 中性子星 クォーク星? ストレンジネス核物理(J-PARC) 重力圧縮 相転移 通常の原子核 H, He→ Fe 高密度核物質 重力圧縮 クォーク物質 u, dクォークのみ 密度 sクォーク出現 超新星爆発  Fe→ U 田村さんスライド(日本学術会議素核研分科会2009)を勝手に修正

宇宙における 物質(クォーク多体系) の進化 クォーク・グルーオン・ プラズマ (QGP) 高エネルギー 原子核衝突実験 (RHIC@Brookhaven, LHC@CERN) ビッグバン (初期宇宙) 温度 宇宙における 物質(クォーク多体系) の進化 膨張による冷却 相転移 オリジナルには高密度QCD領域は無い! 新領域を載せてください!! ハドロン物理 (J-PARC, RCNP-LEPS, Jefferson Lab. CERN, GSI, …) ハドロン バリオン(重粒子) メソン(中間子) “気体” -> 流体的 “液体(液滴)” ? 超伝導状態 元素合成 不安定核物理 (RIファクトリー@理研,…) 精密核物理 (RCNPサイクロ,…) ? 恒星 中性子星 クォーク星? ストレンジネス核物理(J-PARC) 重力圧縮 相転移 通常の原子核 H, He→ Fe 高密度核物質 重力圧縮 クォーク物質 u, dクォークのみ 密度 sクォーク出現 超新星爆発  Fe→ U 田村さんスライド(日本学術会議素核研分科会2009)のオリジナル

新領域(高密度QCD相)における 物理テーマ 宇宙における物質の起源と進化 ~Big Bangから星形成へ~ 閉じ込め相の構造、機構の解明 QCD臨界点の存在? 我々の質量はどこから? ~質量起源の解明~ カイラル対称相の構造

高密度QCD物質研究の性格 高温QCD相転移 高密度QCD相構造 Lattice-QCDが灯台としての役割 臨界温度(エネルギー密度)Tc~200MeVを目指せ! いわゆる“Standard Model”に似ている 予想される臨界(点)=Higgs粒子の探索 高密度QCD相構造 多様な相構造の可能性 いわゆる“Beyond the Standard Model”に似ている 理論は(現状では)“可能性”のサポートに過ぎない 実験への期待 – “あるべき”物理の検証ではなく、”あるかどうか分からない“物理からの発見 福嶋さんスライドより

様々な可能性 確立された予言は皆無 高密度QCDには我々の知らない何かがもっと沢山あるのではないか?  未知の沃野の開拓 福嶋さんスライドより

10-50GeV/cのビーム(sqrt(s)=2-10GeV) 研究を進めるために何が必要か? FAIR Physics Book Phys. Rev. C77(2008)024903 NA49 確かに何かが起きている STAR, arXiv:0808.2041 10-50GeV/cのビーム(sqrt(s)=2-10GeV) 高密度への道。

重イオン加速器の世代 第一世代 第二世代 第三世代(将来計画) 稼働:1960年代から インテンシティーフロンティア 高密度QCD: “Beyond the SM” 第一世代 稼働:1960年代から Fixed target at SIS-AGS-SPS Lattice-QCD=灯台に照らされて 第二世代 提案:1980年台以降 稼働:1990年以降 高エネルギー=コライダーへ RHIC-LHC “Standard Model”=QGPの探索の終結、そして物性研究へ。 第三世代(将来計画) 提案:2000年台 稼働:2020年頃以降 高インテンシティー 高密度を狙う。10-50GeV/cビーム。 Low energy collider : NICA, RHIC Fixed targetへ回帰: SIS, JPARC “Beyond the SM”を目指して エネルギーフロンティア 高温度QCD 将来計画 low-x:”Beyond the Saturation Model” 鳥井作成(参考文献はBackup slideに)

B-physics: Beyond the SM 高エネルギー業界では ルミノシティーフロンティア B-physics: Beyond the SM エネルギーフロンティア Beyond the SM SuperKEKB100億(最先端研究基盤事業)、J-PARC-HIに10億ぐらい貰いたい、、

AGSの結果は全てハドロン相互作用で説明できる 実験で何を観測すれば良いのか? AGSの結果は全てハドロン相互作用で説明できる

レア粒子測定 From strangeness to charm

レアイベント 様々な検出可能性が提案“可能性”でありどれが”The probe”か? 高インテンシティービームを用いたRare event探し。 SUSY探しに似ている。 AGS-SPS の繰り返しではない。新たな視点。 重イオン (fixed target で 12-20 A GeV程度) では、5-10 r0 程度までいける。 J-PARCのp+A で達成できるのは、通常の原子核密度が限界。 High Intensity is essential Physics of Heavy-Ion Collisions at JHF, A. Ohnishi (第2回JHFでの原子核物理に関する理論研究会, 2002) http://nuclth.kek.jp/jhf02/ohnishi.pdf 初田さんのスライド http://tkynt2.phys.s.u-tokyo.ac.jp/21coe/presentation/hatsuda.pdf 様々な検出可能性が提案“可能性”でありどれが”The probe”か? 可能性(=レアイベント)毎or全てに対応した検出器+トリガーづくりが必要。 特にトリガーへの厳しい要求。今後の課題。 理論側と実験側が密接に調べていく体制づくりが必要。 SUSY探しに似ている。

実現可能性 新分野の物理テーマを実現するために 観光地図を片手に 山に登る カイラル対称性 Heavy Quark (charm)物理 ストレンジネス物理(次ページ) 山に登る QCD相構造の解明

“Sクォーク/反クォーク“ファクトリー としての重イオン衝突実験 Fragment + Coalescenceで理解可能 Sクォークファクトリー 重イオン衝突(高密度QCD) 反ヘリウム arXiv:1103.3312v2 STAR 反クォークファクトリー 重イオン衝突 (高エネルギーQCD) K中間子(Kaon)ファクトリー J-PARC RIビームファクトリー RIBF@RIKEN 共通:破砕片(fragment)を利用した工場 鳥井作成。

sクォークファクトリーのこころ s-quarkとu,d-quarkが熱平衡 PLB697(2011)203 A.Andronic and P.Braun-Munzinger et.al. Thermal Statistical Model + Coalescence Model J-PARC: 50GeV/c Au:20.1GeV/c:sqrt(sNN)=4.5GeV s-quarkとu,d-quarkが熱平衡 鳥井作成。

重イオン実験検出器を 高速ビーム取り出しに K中間子 in “sクォークファクトリー” 共存?K中間子生成を重イオンでやれば? K中間子生成量?(二次粒子生成標的は何?) proton(50GeV/c) + target  K + X Au(20GeV/c) + target  K + X Kaon Yield(PbPb)はpPbの100倍強? J-PARCのデザイン 50GeV/c proton 3.3x10^14 MRにAu(20GeV/c)が3.3x10^12以上回れば、今のハドロンホールにおけるルミノシティーアップグレードになる? J.Phys G37(2010)094003 NA49 50GeV/c陽子 20GeV/c鉛? 重イオン実験検出器を最下流に? 重イオン実験検出器を 高速ビーム取り出しに 岩崎さんスライドより(ECT Trento, 12-16 Oct. 2009) 鳥井作成。

ハイパー核 in “sクォークファクトリー” PLB697(2011)203 A.Andronic and P.Braun-Munzinger et.al. J-PARC(50GeV/c): sqrt(sNN)=4.5GeV FAIR(30GeV/c) 生成確率が最大 鳥井作成。

ハイパー核の物理 in “sクォークファクトリー” Mesonic Decay of single lambda hyper Lambda  p + pi- / n + pi0 (Ct = 7.89cm , t=260psec) Paul blocking  deformed mass Shorter decay time ( about 2/3 at high N) Physics: Wavefunction of Lambda in nucleus. (Ex. KEK-PS E307) Displaced vertex (decay width). even possible in RHIC/LHC. 精密測定が期待される Non-mesonic decay of single lambda hyper Lambda + N  N + N Including one or two neutron (neutron-TOF or Hcal is required) Physics: “Strangeness weak coupling in nuclei” (E22 J-PARC) “deltaI=1/2” problem  n/ p measurement Measurement of ratio of p+n v.s. n+n, 統計次第+検出器? Double strangeness hyper (2-lambda or cascade) Discovery is the first step. この10年のJ-PARC/FAIR次第? Hyper nucleus beam Silicon検出器dE/dxトリガー+アクティブターゲット? Interesting for J-PARC HI upgrade!!! 統計見積もり要 Let’s talk about HI upgrade for “s-quark factory” at J-PARC!!!! PRC71(2005)025203 KEK-PS-E307 EPJA16(2003)549 Science328(2010)58 by STAR 鳥井作成。他にまだあれば教えてください。

検出器側への要求 Global detectors to characterize an event : 各々の物理テーマに適した検出器 Centrality, reaction plane, etc. 各々の物理テーマに適した検出器 カイラル対称性 Lepton pair measurement (tracking + RICH or muID + EMCAL) ストレンジネス物理 Ex. Silicon for displaced vertex + nucleus PID (dE/dx) Heavy Quark物理 Lepton ID, silicon QCD層構造の解明 Large rapidity coverage for event-by-event fluctuations with hadron PID 一番大切なのは“High intensity machine” Fast detector with trigger, which is sensitive to rare events. “QCD層構造の解明”のためには理論が提案する全ての“可能性”を網羅。“可能性”が予言する特徴的なイベントをトリガー 例:Trigger for critical phenomena event-by-event fluctuation with high multiplicity trigger 理論と実験の共同作業が必要。

高密度QCDへの道 もっと別のアイディアは? 3方向以上の原子核衝突は実現可能? より高密度物質生成が可能か? いかに温度を上げずに密度を上昇させるにはどうしたらよいか? 低エネルギー重イオン衝突(liquid phase transition)から高密度領域への道は?

WGとしての将来計画案 現在~10年後 RHICにおけるエネルギースキャン:Coolingの可能性について探る。 FAIRへの参画: 検出器開発:EMCALやRICH J-PARCでの重イオン加速の可能性 現イオン源+3GeVシンクロトロンの代わりに、FFAGイオン源やタンデム+ブースターの可能性について探る。まずは研究会開催に向けて画策中。 10年~20年後 RHICにおける高ルミノシティーエネルギースキャン FAIR-SIS100を用いたデータ解析。 J-PARCでの加速器ならびに検出器建設 20年後以降 FAIR-SIS300に向けた検出器開発&実験開始。主に臨界点探索をめざす。 J-PARCでの加速重イオンを用いた実験開始。

最後に:今の子供達が大人になるまで謎を解決! KEKのキッズサイエンティストより(http://www.kek.jp/kids/class/nucleus/class03-06.html)  一方、もう少し低いエネルギー(核子当たり50 GeV)で原子核を衝突させると、お互いの原子核どうしがぶつかり合って核子が圧縮された状態が生成され、通常の原子核密度の数倍から十倍近い高密度状態が生成されると期待されています。このような高密度状態は、宇宙の中性子星と呼ばれる星において実際に実現されていると考えられていますが、その詳細な性質についてはまだ謎が多いのです。

Backup

AGS-SPSエネルギーで臨界点探査

J-PARC 大強度陽子加速器施設 500m 原子核・素粒子実験施設(ハドロン実験施設) 物質・生命科学実験施設 50GeVシンクロトロン (0.75MW) ニュートリノ実験施設 (神岡検出器へ) 500m 核変換実験施設 (第II期計画) 3GeVシンクロトロン (25Hz,1MW) リニアック (330m) リニアック、3 GeV シンクロトロン、主リングシンクロトロン (50 GeV) 2

Big Bangから星形成へ Big Bang

宇宙における 物質(クォーク多体系) の進化 クォーク・グルーオン・ プラズマ (QGP) 高エネルギー 原子核衝突実験 (RHIC@Brookhaven, LHC@CERN) ビッグバン (初期宇宙) 温度 宇宙における 物質(クォーク多体系) の進化 膨張による冷却 相転移 ハドロン物理 (J-PARC, RCNP-LEPS, Jefferson Lab. CERN, GSI, …) ハドロン バリオン(重粒子) メソン(中間子) “気体” -> 流体的 “液体(液滴)” ? 超伝導状態 元素合成 不安定核物理 (RIファクトリー@理研,…) 精密核物理 (RCNPサイクロ,…) ? 恒星 中性子星 アニメーションになっています。 This slide shows the evolution of matter in cosmos. [Click] Various forms of matter exist in this phase diagram with the density axis and the temperature axis. Just after the big bang, quarks and gluons exist in a gas phase called quark-gluon-plasma. After the universe expands and cools down, quarks and gluons are combined together to form hadrons, namely, baryons and mesons, through a phase transition. Then they form nucleus mostly inside stars. Here, various elements are synthesized. When supernova explosion takes place, the center of the star is compressed and a high-density nuclear matter is produced in a neutron star. It is expected that in some cases of much higher density, a new form of matter called quark matter may be produced. The whole story is controlled by QCD. [Click] But calculation from QCD is possible only for high temperature phenomena such as QGP. [Click] QCD calculations of low temperature phenomena such as hadrons, nuclei, and these high-density matters, shown in this red square, are extremely difficult. So we have not yet understand well why these variety forms of matter exist in nature. Our project tries to solve this important problem. We try to build a new picture to understand hadrons, nuclei, and high-density nuclear matter and to bridge them to each other in terms of quarks and gluons. In addition, we need to understand the way various nuclei are synthesized in the universe. クォーク星? ストレンジネス核物理(J-PARC) 重力圧縮 相転移 通常の原子核 H, He→ Fe 高密度核物質 重力圧縮 クォーク物質 u, dクォークのみ 密度 sクォーク出現 超新星爆発  Fe→ U

Big Bangから星形成へ

研究の学術的背景 QGP存在は1980年代から示唆。 過去30年に渡り加速器実験により存在が確証 2010年5月刊行 「サイエンスマップ2008」抜粋 QGP存在は1980年代から示唆。 QCD物質の極限状態! Big Bang直後(10-10秒後)の宇宙初期の状態 過去30年に渡り加速器実験により存在が確証 特にRHICにおける、ハドロン生成の強い抑制や熱平衡状態の観測、さらに流体力学的振る舞いが強い証拠と成っている。探索に一応のピリオドが打たれた。 QGP探索からQGP物性研究へ新たなフェーズに移りつつある。 2008年 「強く相互作用する量子他体系」

The Luminosity Frontier The Energy Frontier クォーク閉じ込め機構 LHC RHIC クォーク多体系相図 質量の起源 反物質 J-PARC スピン起源 物質の創成と進化の解明 核物質状態方程式 (ストレンジネス核物理) 超新星・中性子星の 生成・構造の解明 RCNP 元素合成の解明 安定超重元素 (安定の島) RIBF カラー超伝導状態 LEPS ELPH 時間反転対称性破れ (二重ベータ崩壊) The Luminosity Frontier The Cosmic Frontier

Reference LHC Design Report RHIC Design Manual http://lhc.web.cern.ch/lhc/LHC-DesignReport.html RHIC Design Manual http://www.agsrhichome.bnl.gov/NT-share/rhicdm/ RIBF User Guide -> Accelerator http://www.rarf.riken.go.jp/UsersGuide/accelerator/tecinfo.html FAIR Baseline Technical Report (March 2006), U+28 and U+92 http://www.nipne.ro/international/cooperations/fair/Executive_Summary.pdf NICA Conceptual Design Report, U32+ case http://nica.jinr.ru/files/2009FebConcptShort_fnl.pdf SIS N.P.A478(1988)847, “Physics and Present Status of the GSI-SIS/ESR Project”, U+78 case was chosen. SPS “The CERN Heavy Ion Accelerating Facility” at Particle Accelerator Conference 1995 http://ieeexplore.ieee.org/xpls/abs_all.jsp?arnumber=504675&tag=1 http://cdsweb.cern.ch/record/284271 AGS “The BNL AGS Accelerator Complex Status And Future Plans”, Proceedings at 6th conference on the intersections of particle & nuclear physics, Montana May 27-June 2, 1997, CONF-970564, BNL-64042 “AGS heavy ion operation with the new booster” By T.Roser, BNL-49700, CONF-940618-43, EPAC94 http://www.osti.gov/bridge/product.biblio.jsp?osti_id=10174276 J-PARC Main Ring Parameter http://j-parc.jp/Acc/ja/50GeVpara.html 3.3x10^14 proton per pulse(0.3Hz) at J-PARC Since the number of proton per pulse at J-PARC is 10 times larger than SIS300 at FAIR, the number of ion per pulse at J-PARC is estimated temporary to be 10 times larger than SIS300 as well.

Bigger and Bigger 1st  2nd Generation (SIS, AGS, SPS, RHIC) Several specialized experimental apparatus. 2nd  3rd Generation (LHC,SIS100/300, NICA) Only one dedicated experiment ALICE(A Large Ion Collider Experiment) at LHC CBM(Condensed Baryonic Matter) at SIS100/300 MPD(Multi Purpose Detector) at NICA Total understanding of all probes is critical Collaboration size is getting bigger and bigger More international (because of budget..) How about J-PARC?

理論的困難 福嶋さんスライドより

Access to high density Lepton & Photon Rare Events / fluctuations Formed medium has a trajectory on a QCD phase. Lepton & Photon Rare Events / fluctuations High Intensity is essential 2008/9/1 J-PARC WS@RIKEN

QCD相図の多様性に迫る! 高温領域 (RHIC, LHC) では: 低温・高密度領域では: deconfinement, カイラル対称性の回復. 低温・高密度領域では:  Color superconductivity、QCD物質の豊かな相構造を探る。 Di-quark condensate chiral symmetry at high density regime (chiral symmetry restored but confined?) Di-quark excitations at finite temperature. これ自体がユニークかつ物理的に重要。しかも日本の国内施設で展開できるメリットがある

高密度からアプローチするQCD相図の多様性 T. Hatsuda, K. Fukushima, arXiv:1005.4814v2

QCD Critical Point (QCP) One of the possible observables: PRC71:044904,2005, arXiv:0803.2449 Relativistic Dynamical Model (3D Hydro + UrQMD) Focusing effect near the QCD coital point in isentropic trajectories on the T-mB plane. Emission time dependence. High pT particles emit at earlier time. PRC71:044904,2005, arXiv:0803.2449 - Relativistic Dynamical Model o 3D Hydro + UrQMD Model - Focusing effect near the QCD coital point in isentropic trajectories on the T-mu_B plane. - Emission time dependence o High pT particles emit at earlier time. From C. Nonaka (JPS2008 fall) A proposed observable: pbar/p vs. pT. (or Tinv for p and pbar)

(3) どのように実現可能か? まずこの様な多様な QCD phase に重イオン衝突でアクセスできる、という理論的裏付けが不可欠に! また重イオン核種とエネルギーを柔軟に変えられるマシンが必要。 J-PARC = High intensity マシン  AGS, SPS では無理だったレアプローブへアクセス可能に。 high pT 、レプトンペアなどを。 3方向以上の原子核衝突は10年後に実現可能? より高密度物質生成が可能か? いかに温度を上げずに密度を上昇させるにはどうしたらよいか? liquid phase transition (低エネルギー重イオン衝突) から、高密度領域に迫れるか? http://www.kek.jp/newskek/2005/marapr/J-PARC3.html

(4) 観測量 How to measure chiral symmetry 事象選別(重要) 中心衝突度、反応平面、粒子多重度など How to measure Di-quarks? e.g.) Di-lepton production (Kitazawa-san) How to measure chiral symmetry Di-leptons (e+e-, m+m-) 12-20 A GeV A+A collisions: Max. baryon stopping regime. Hadronic probes as baseline measurements. Need hadron PID (mesons, baryons, strangeness) to measure mB & ms, Tch, Tfo. v1, v2 (sign change). Source size: HBT measurements. Hard probes (high pT particle, jets & photons) Fluctuations, pbar/p vs. pT, be ready for Critical point. Detail study of hadronic gas.

W. Cassing, E. Bratkovskaya, A. Sibirtsev, Nucl. Phys. A 691 (2001) 74 Charm production 2008/9/1 J-PARC WS@RIKEN

FAIR physics book Fig.4.1

到達可能性 PRC73(2006)044904

Quark Star

Slide by Denis Just at Arizona Univ.