医療法人社団 谷掛整形外科診療所 院 長 谷 掛 駿 介 S E 前 田 順 一 郎 介護保険の電子化について 医療法人社団 谷掛整形外科診療所 院 長 谷 掛 駿 介 S E 前 田 順 一 郎 介護保険の電子化について、一部の作業にアナログが残っている為に、 電子化の推進を著しく妨げているのではないかとの考えで、奈良市での 介護保険制度の現況を他の市町村の制度と比較して考察を加えました。 今回は認定調査を中心に報告します。 Owner@tanikake.com www.tanikake.com
電子化の導入により期待されること 経費の削減 共有化できるデータベースの作成 個人レベルのデータ管理 作業の迅速化 作業の自動化 Etc・・・・・ 2000年4月に施行された介護保険で帳票類の電子化が導入されました。 請求もインターネット回線を通じて伝送請求を行うとの画期的なシステムであり、 ここに挙げたいくつかのメリットが得られるはずだったのですが、 実際はどうなったのでしょうか?
電子化は単方向では機能しない原則を忘れている 「電子化は単方向では機能しない」の意味とは?? アナログデータで作成された情報は電子データに変換しなくては共有、応用できない。 一方が情報のやり取りを紙媒体で行っている以上、電子化された事業所が アナログデータを度々人件費、機材等にコストをかけて電子化しなければいけない。 これは行政→事業所の構図を表しているのでは??
「電子化は単方向では機能しない」の意味とは?? 電子化を推進することでペーパーレスどころか、 余計に書類が増える矛盾。 電子メールで送られてきた書類を印刷してFAX,郵送で返信しなければいけないジレンマ。 市販のマニュアルを購入する分だけ紙が増える?単方向になれてしまうことで電子化の利便性が 隠れてしまい、導入の必要性を感じなくなってしまう。
双方向で初めてペーパーレスを実現する ことが出来る 電子化は双方向でなくては機能しない原則 電子化は単方向では業務が増えるだけ (アナログ→電子化の変換作業) 双方向で初めてペーパーレスを実現する ことが出来る
単方向のポッケトベル 双方向の携帯電話 双方向の代表格である携帯電話を例にとっても単方向の機能と、双方向の機能とでは、その利便性は一目瞭然です。 アナログデータ(ポケットベル)を人間の手により、デジタルライン(公衆電話)に乗せてやり取りをする工程は単方向そのものです。携帯電話が爆発的に普及した今、 双方向ITの代表格が携帯電話ですが、単方向の代表といえばポケットベルでしょう。ポケベルで呼ばれ、公衆電話でかけなおす。一昔前であればよく見受けられた光景ですが、双方向の代表格である携帯電話が普及すると・・・・ その利便性から爆発的に普及!!!高齢者も子供も世代を問わず普及した。何故か??? 便利であり双方向だからです。
認 定 調 査 票 現在奈良市で行っている認定調査について説明します。 この用紙がOCRで処理できない部分です。 認 定 調 査 票 現在奈良市で行っている認定調査について説明します。 この用紙がOCRで処理できない部分です。 向かって左側の一番下の部分と、右側の特記事項の部分は手書き、自筆を強制されています。 奈良市の認定審査会ではこの用紙をコピーし、審査資料として使用しています。この用紙をコピーし、 ホッチキスで止め、製本しているのですが、まったくご苦労様としかいいようがありません。
認 定 調 査 票 この85項目のこれらの用紙をOCR処理し、一次判定を行っています。 おそらく数秒で一次審査ができるものと思われます。
その象徴が認定調査表の手書き、自筆 チェックの欄はOCRを導入しているのに、何故特記事項 は電子文章ではいけないのか? 二次判定の際は審査会が特記事項を考慮する。 審査会で使用するデータはOCRで作成された物と、医師意見書、ケアマネの 特記事項をコピーして使用しています。この部分でパソコンでの作成が禁止 されているのはなぜでしょうか? ケアマネージャーの特記事項のみ(それも一部の保険者のみ)
記入方法 認定調査票(概況調査)への記入は、インク又はボールペンを使用する。(ワープロ、ゴム印を使用することは差し支えない。) 奈良市と国の通達の相違点 記入方法 認定調査票(概況調査)への記入は、インク又はボールペンを使用する。(ワープロ、ゴム印を使用することは差し支えない。) 文字の修正、削除等の際には、修正液等を使用せず、必要な部分に線を引き、修正又は削除を行う。 しかし、奈良市では手書き、自筆のみ。 国の通知では認定調査票の記入は通知に見られるようにワープロゴム印を使用することは 差し支えないとなっています。奈良県でも同様ですが奈良市では、手書き自筆を強制されています。
アナログネットワークの介護保険 サービス利用まで 85項目の質問を行い、特記事項を手書き入力し郵送、持参で市町村に提出。85項目はOCRに、特記事項はコピーされ認定審査会の資料に。 その結果、奈良市の介護支援専門員は85項目の質問を行い特記事項を手書き自筆で入力し奈良市に提出しています。 85項目はOCRに掛けられ、特記事項はコピーされ介護認定審査会に提出されます。要介護認定の審査が行われ認定されると利用者に通知され介護支援サービス業者に属する介護支援専門員によりケアプランが作成されます。そこで出来上がったサービス提供表、別表、サービス計画書をサービス提供業者に郵便で送付され、今度は実績が記入され介護支援事業者に返郵便で返送されます。 サービス提供票、別表、サービス計画書をFAX又は、郵便で送付。実績を記入し、支援事業者に返送
認定審査会のパソコンシステム導入について 審査会資料をコピーで処理する場合 1回40件分で審査員1人分が120枚、 1チーム5人と事務局2人分で 840枚/回。 現在の介護認定審査会での資料はコピーで作成される場合、1回40件分を行うとすると、1件に3枚(主治医意見書、概況所、特記事項)で審査員1人が120枚医チーム5人の審査員と2人の事務漢文で1階840枚の用紙が必要となります。
18回/月の審査会開催で、1ヶ月では1万5千枚。 (500頁のコピー用紙で30冊) 全申請者4600件を1件3枚では、13800枚をチームと 事務局分で、11万枚余り。 ①月18回の審査会で1ヶ月では1万5千枚となります。(500ページのコピー用紙で30冊) 全身性社46件を1件3枚では138001チ無5人と事務局分で11万枚余りとなります。
1年間で発生する書類の量は22万枚!!22m!! 年間22万枚の 用紙をコピーし、 保管していると 一年後には・・・ 一体それを事務局はどうやってコピーを作り整理されるのでしょう。渡された審査員もコピーの整理が大変。認定されれば、それを3-6ヶ月ごとに繰り返すと、少なく見積もっても1年間で22万枚?程度となる。1人の審査員は1ヶ月に360枚のコピーをもらって事前に1件5-3分かけて目を通すと月間30-18時間、1回の審査のために7時間前後の事前準備が必要。1年間に4300枚余りを手にすることとなる。)
デジタルネットワークの介護保険サービス利用まで 85項目はOCRで取り込み、特記事項はテキストデータとして活用。介護支援専門員別等で書類の 管理が容易になる。 デジタルネットワークの介護保険サービス利用まで 85項目はOCRで取り込み、特記事項はテキストデータとして活用。 介護支援専門員別等で書類の管理が容易になる。 サービス提供票、別表は伝送で、共通フォーマットを使用している場合は実績を 直接入力して返信。レセプト業務の簡略化にもなりペーパーレス、人件費の節減が可能。 サービス提供票、別表は伝送で、共通フォーマットを使用している場合は実績を直接入力して返信。レセプト業務の簡略化にもなりペーパーレス、人件費の節減が可能。
OCR対応への改善(1) 奈良市では専用用紙以外での提出を禁じられているので、市販ソフトを一部改良し、直接印刷を試みましたが 却下されました。見やすく、読みやすく、管理しやすいこの方式に何の問題があるのでしょう??
OCR対応への改善(2) 特記事項の部分を野記入です。
主治医意見書作成ソフトの場合 当初から、決められたソフトウェア等を配布し、多くのケアマネが一斉に使用を開始すれば、混乱は起きない(主治医意見書ソフトと同様の原理)
PDA(携帯型電子端末)を使用した調査 更に進化した市町村たとえば、兵庫県の加古川市などでは利用者の調査先でコンピュータ入力により伝送で直接審査会あてに認定調査の結果を送り電子化を図っている。
もっと進むと調査辞の状況を画像でも送るようになるであろう。