Presented by keisuke Seo ノーベル賞にみる 近代物理学100年の軌跡 1901年~1903年篇 Presented by keisuke Seo
Wilhelm Conrad Röntgen 1901年(第1回) Wilhelm Conrad Röntgen X線を発見
略歴 1845年 ドイツのレンネップに生まれる 1865年 チューリッヒ工科大学・機械工学科へ進学 1869年 『種々の気体の熱的性質に関する研究』で博 士号を取得 1888年 マクスウェルの電磁理論を実験的に証明 レントゲン電流と呼ばれる現象を発見 1895年 X線を発見 1901年 最初のノーベル物理学賞受賞 1923年 癌のため死去
X線とは何か? X線 波長 発生方法 用途 電磁波の1種 「X」は数学の未知数を表す「X」に由来 1pm~10nm 電子の励起準差によるもの → X線管、クルックス管 熱によるもの → 高温のプラズマ、ブラックホールに落下し加熱されたガス 用途 医学分野でのX線写真・CT 材料の内部の傷等の探索(非破壊検査) 物性物理学分野では結晶構造解析の手段(X線回折)として利用される
史上初めての医学用のレントゲン写真
Hendrik Antoon Lorentz 1902年(第2回) Hendrik Antoon Lorentz Pieter Zeeman ゼーマン効果を発見
略歴(ローレンツ) 1853年 オランダのヘルダーラント州に生まれる 1870年 ライデン大学に進学 1875年 学位論文『光の反射と屈折の理論について』 で博士号を取得 1896年 ゼーマンのゼーマン効果の発見に対してその 現象の理論的解釈を提供 1902年 上の功績によりノーベル物理学賞受賞 1904年 ローレンツ変換を発見 →アインシュタインの特殊相対性理論へ 1928年 死去
略歴(ゼーマン) 1865年 オランダにある町ゾンネメレに生まれる 1885年 ライデン大学に進学 1875年 極カー効果に関する学位論文で博士号を取得 1896年 上司の命令に背いて、強い磁場をかけたとき のスペクトル線の分裂を測定 →ゼーマン効果の発見 1902年 上の功績によりノーベル物理学賞受賞 1943年 死去
ゼーマン効果の利用 NMR(核磁気共鳴) →有機化合物の構造決定などに利用 MRI(核磁気共鳴画像法) →生体内の内部の情報を画像化
Antoine Henri Becquerel 1903年(第3回) Antoine Henri Becquerel Pierre Curie Marie Curie 放射能を発見
略歴(ベクレル) 1852年 フランスのパリに生まれる 1872年 エコール・ポリテクニーク(理工科学校)に 進学 1875年 学位論文『光の反射と屈折の理論について』 で博士号を取得 1896年 ウラン塩の蛍光を研究中に偶然放射線を発見 1903年 上の功績によりノーベル物理学賞受賞 1908年 死去(享年55)
略歴(ピエール・キュリー) 1859年 フランスのパリに生まれる 1877年 パリ大学に進学 1880年 兄ジャックとともに水晶などの結晶に圧力を かけると電圧が生じる圧電効果を発見 1894年 「キュリーの原理」を発表 1895年 マリー・キュリーと結婚 1898年 ラジウム・ポロニウムを妻と共に発見 1903年 放射線の研究によりノーベル物理学賞受賞 1906年 死去
略歴(マリー・キュリー) 1852年 ワルシャワに生まれる 1883年 ギムナジウムを卒業 1891年 パリへ移住し、パリ大学に進学 1893年 物理学の学士資格を獲得 1895年 ピエール・キュリーと結婚 1898年 ラジウム・ポロニウムを夫と共に発見 1902年 「ラジウムの青い光」を観測 1903年 ノーベル物理学賞受賞 1911年 ノーベル化学賞受賞 1934年 死去
放射線とは何か? 放射線 α線 β線 γ線 放射性元素が崩壊する時に放出される粒子線・電磁波のこと α線、β線、γ線の3種類がある 高い運動エネルギーを持つヘリウム4の原子核の流れのこと 電離作用が強いので透過力は小さいが、被爆には要注意 アーネスト・ラザフォードが発見 β線 原子核がβ崩壊する時に放出される電子の流れのこと γ線 波長がおよそ 10pmよりも短い電磁波のこと ポール・ヴィラールが発見
放射線に関する単位 放射線の利用 ベクレル(Bq)―ある物体が1秒間に放射線を出す回数 グレイ(Gy)―吸収した放射線のエネルギーの総量(吸収 線量)を表す シーベルト(Sv)―人体が吸収した放射線の影響度を数値 化した単位 放射線の利用 放射線療法 輸血用血液―放射線を照射して悪性のリンパ球を破壊 医療衛生器具の殺菌・滅菌 食品加工―γ線を照射することでジャガイモの芽止めなど の処理を行う 煙感知器―Am241のα線を利用
参考資料 ノーベル物理学賞ホームページ http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/ Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/ エルねっと http://www.lnet.info/index.html 大阪大学蛋白質研究所NMR施設 http://www.protein.osaka-u.ac.jp/biophys/sentan_kyoyo/shisetu.html