異なる戦略の群知能を組み合わせた クラウドファイルシステムの実装 200902815 石田 克憲
背景 近年、データをインターネット上に預け、それを扱うことが多くなった。 そのデータは、大量になり、管理は重要性を増してきた。 ファイルや情報の、「人間の扱い方」注目。 従来は、ファイル名、キーワードなどのファイルからのデータのみであった。 情報漏えい、アクセス制限などがあり扱いが不便。 クラウド
目的 クラウドファイルシステム 「人間のふるまい」 その中で、私は情報やファイルのより扱いやすい管理体制を確立するために、 その中で、私は情報やファイルのより扱いやすい管理体制を確立するために、 「人間のふるまい」 に着目したシステムを作り、実装を目的とする。それを クラウドファイルシステム と呼ぶ。 このようなふるまいが集まると、他者との連携により人間の創発的活動(学術的活動・ビジネス・地域ボランティアなど)を刺激・支援するシステムを作ることが可能になる。 ふるまい 着目
ふるまいとは 人間と情報リソースの関係性であり、ここでは その関係は人間とファイルとしている。 ふるまいの一例 PC 機器間でのファイルの移動履歴 フォルダの移動履歴 端末 アクセス端末の種類 PC ファイルのアクセス数、日時、アクセス人数 サーバー
「クラウド」と「ふるまいが集まる」仕組み (1)インターネットの情報リソースの総合的にアクセス可能とする。それがクラウドであるとみなす (2)我々はクラウドの中の”人の名前”と"情報リソースの名前"を記述するアクセス行列を分析するツールでとする 端末2 端末1 端末 ファイルや情報 サーバー 時間 場所 1 端末1 2 サーバー 3 端末2 サーバー クラウド (3)アクセス行列の中の “ふるまい”に着目する (4)ポイントは“ふるまいが集まること”である (新!) 端末2 端末1 (新!) サーバー ふるまい
クラウドファイルシステムの構想 エージェント 動き 家族的類似 要素 群を守るモデル。 セキュリティ面から群から離れないような仕組みを作る 小泉 Boid(群知能)を使った集まるという仕組みの最適化を図る 道下 エージェント 管理 ・フレンドシップモデル 動き (ベクトル) ・クラスメートモデル ・Ant Colony Optimization 家族的類似 重要度の選択やフィルタをかけることにより、目的のファイルを探し出す ・ファイルのタグ、色 任意のファイル 要素 任意のファイル (スカラ) ・群集合(ふるまいの履歴) 鈴木 任意のファイル ・リンゴ ・赤色 ・甘くて、美味しいです。 アクセスの順番、ふるまいの履歴などファイルの持つ”形”から情報をセパレートする 「動き」と「要素」の橋渡しとして 家族的類似(パラメータ)が 用いられる。 任意のファイル 安竹 クラウドファイルシステムの様々な仕組みを統括しての、総合的な実装を目的とする キーワードやファイルの中身から、含用率から重要度や群の中心を判断する 竹村 石田
ふるまいの群に着目した クラウドファイルシステム 多様で不確実なクラウド内のファイルを一種の群れとして扱う。 Boid :ファイルの群れの基本的な動きの記述。 ACO :ACOの中のフェロモンを使い、類似的なファイルを群の中心の方へ 集める。 PSO :群が出来上がった時点で、より集中した群を形成するために PSOの評価関数の概念を使用する。 群(群れる)の基礎はBoid 類似ファイルを中心の方へ集め、関連が多い重要なファイルが中心となる。[フェロモン] ある程度の群が構築された上で、より集中した質の良い群を形成する。[評価関数] 200902815 石田克憲
群知能 Boid Boidは1987年、鳥の群をモデルにアメリカで考案されたを人工生命プログラムである。Separation、Alignment、Cohesionの三要素で構成される。 Separation・・・近くにいる仲間と衝突しないようにする Alignment・・・近くの仲間と速度を一致させようとする Cohesion・・・近くにいる仲間に周りを囲まれた状態になろうとする
Ant Colony Optimization アリの摂食行動から着想を得たアリゴリズム。 フェロモンという揮発性物質を模したパラメータを最適化する。 今回提案するモデルでは、このACOのフェロモンを活用し、中心ほど重要なエージェント集める。
Particle Swarm Optimization 魚や鳥や昆虫などの生物の検索行動に着目して考案されたアルゴリズムである。 今回提案するモデルでは最適化を求める過程での群れる性質を使用し、重要なファイルを中心を集合し、質の良い群を作るのに応用する。
Boidシミュレーション android 端末に組み込む前に、java. Applet を使ってBoid をシミュレートする。各エージェントの加速度、速度、座標を他のエージェントと照らし合わせながら、 Boid の3 要素(Separation、Alignment、Cohesion)を計算し続け、その度に座標上に描写する。 速度制限が無い限りエージェント及び群の速度は増加し続けるので、速度のリミッターも用いて速度制限も行う。
Local Spaceの侵入度(Percent)の計算 i番目エージェントのj番目エージェントに対する計算 Local Spaceの侵入度(Percent)の計算 ※近いほどPercentの数値は低くなる Threshold1 >Percent Threshold2 >Percent Separationの 加速度の処理 Alignmentの 加速度の処理 Cohesionの 加速度の処理 速度に加速度を加算 加速度のリセット 座標値に速度を加算
Separation Alignment Cohesion 𝐴𝑐 𝑖 =−𝐹𝑠 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝐴𝑐 𝑖 =−𝐹𝑠 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝐴𝑐 𝑖 =𝐹𝑠 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝐹𝑠=1− 𝑃𝑒𝑟𝑐𝑒𝑛𝑡 𝑇ℎ𝑟𝑒𝑠ℎ𝑜𝑙𝑑1 𝐴𝑐 𝑖 …𝑖番目のエージェントの加速度 𝑃𝑠 𝑖 …𝑖番目のエージェントの座標値 𝑉𝑙 𝑖 …𝑖番目のエージェントの速度 𝑃𝑒𝑟𝑐𝑒𝑛𝑡 …侵入度 𝑇ℎ𝑟𝑒𝑠ℎ𝑜𝑙𝑑…閾値1 𝑇ℎ𝑟𝑒𝑠ℎ𝑜𝑙𝑑…閾値2 𝐹𝑠,𝐹𝑎,𝐹𝑐…𝑆𝑒𝑝𝑎𝑟𝑎𝑡𝑖𝑜𝑛,𝐴𝑙𝑖𝑔𝑛𝑚𝑒𝑛𝑡, 𝐶𝑜ℎ𝑒𝑠𝑖𝑜𝑛のスカラ関数 𝐼…𝑖と𝑗の理想の距離感 𝑇…二次関数関数の定数 Alignment 𝐴𝑐 𝑖 =𝐹𝑎 𝑉𝑙 𝑗 𝑉𝑙 𝑗 𝐴𝑐 𝑗 =𝐹𝑎 𝑉𝑙 𝑖 𝑉𝑙 𝑖 𝐹𝑎=−𝑇 𝑃𝑒𝑟𝑐𝑒𝑛𝑡−𝐼 2 +1 Cohesion 𝐴𝑐 𝑖 =𝐹𝑐 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝐴𝑐 𝑗 =−𝐹𝑐 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝑃𝑠 𝑗 − 𝑃𝑠 𝑖 𝐹𝑐= 𝑃𝑒𝑟𝑐𝑒𝑛𝑡−𝑇ℎ𝑟𝑒𝑠ℎ𝑜𝑙𝑑2 1−𝑇ℎ𝑟𝑒𝑠ℎ𝑜𝑙𝑑2
Java.Appletを使用して実装 実際にシミュレーションでは群が複数作られた。 群の中では、等距離間( Separation、Alignment)で同じ速度で進むのを確認できた。 また、エージェントどうしも近づくと互いに引かれあい(Cohesion)、後に同じ動きをするのを確認することができた。 今回同じ距離間で進むことを確認できたことで,どううれしいの?
まとめ 今回の研究は「人の創発的活動・使用」するような新しいシステムを提案した。 ファイル(エージェント)が自立して集まることを目標として、群知能のシステムを組み込んで開発を行った。 実際にjava.Applet でBoid のシミュレーションを行い、エージェントの群れる基本構造であるBoid のSeparation、Alignment、Cohesionを組み込むことができた。
今後の課題 ・今回作ったBoid に、ACO のフェロモンの概念を取り込む →複数の種類の群を作り出して重要なファイルを中心に置く。 ・PSO の評価関数の概念を取り込み群そのものの質をあげることを加える。