GEOSSデータ統合・解析システム」第1回フォーラム

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過去 100 年に観測された 夏季日本の気候変動 気象研究所 遠藤洋和 第 10 回ヤマセ研究会.
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なぜ貧しい国はなくならないのか 第4章 飢餓は是が非でも避けた い 堀佑太. 第1節 経済発展と農業問題 第一の農業問題 食糧不足 人口増加により未開の耕地が減少、また畑の休閑 期間が短くなり、土地の肥沃度が減少する にもかかわらず、生産性を上げる技術が開発され ないと食糧不足が起こる.
③新たな作目や品種の特徴を活かした需要拡大
JRA-55再解析データの 領域ダウンスケーリングの取り組み
連作障害について 発表者:原理紗(のが).
食料自給率の「なぜ?」             著者 末松広行 稲葉ゼミ  06a2139z 半田哲也.
穀物はなぜいつも店先にあるのか? ~主要穀物の生産、流通、管理~ 第6班.
アンサンブルハインドキャスト実験結果を用いたイネ葉いもち病の発生確率予報の精度検証
ジャストインタイム農業がもたらす農業イノベーション
2週目の気温予測を用いた東北地方の稲作への影響予測
4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培
ラオス・ビエンチャン平野における稲作の環境対応事例
Building Research Institute
東北地域のヤマセと冬季モンスーンの 先進的ダウンスケール研究 1.気候研究 地球温暖化時代の東北の気候
第6回ヤマセ研究会 2012年9月24~25日 2011年と2012年のヤマセが 水稲に及ぼした影響 宮城県古川農業試験場 菅野博英.
第7章 途上国が「豊か」になるためにすべきこと
DIASできり拓く ジャストインタイム農業
安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発
2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。
第1問 Q.大豆を食べると、どんな良いことがある? ①体を作る ②ガンになりにくい ③血行促進につながる ④美容にいい.
トウモロコシの動向 2班.
新たな気候情報を利用した、異常気象に負けない農業技術開発
⑦ 農事組合法人 中園営農組合 法人の概要 法人設立の経緯 リーダーの確保 合意形成のポイント
気温の予想を用いた 栽培管理指導に向けた水稲の生育量予測
安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発
いまさら何ができるのか?何をやらねばならないのか?
ジャストインタイム農業がもたらす農業イノベーション
第8回ヤマセ研究会 宮城県古川農業試験場 日平均気温を用いた小麦の開花期予測.
食糧自給率低下によって 日本が抱える危機とその対策
平成16年度はこれまで最多の10個の台風が上陸するなど、豪雨災害が頻発
      飼料用米について 九州大学農学部 生物資源環境学科 農政経済学分野 農政学研究室 案浦 拓也 Takuya Annoura 2011年4月27日.
10分で防災 -大雨-.
2013年7月のヤマセについて 仙台管区気象台 須田卓夫 昨年のまとめ(赤字は研究会後の調査)
菅野洋光 (農研機構中央農業総合研究センター) 山崎 剛 (東北大学) 大久保さゆり・紺野祥平 (農研機構東北農業研究センター)
気象変動の影響による 雪氷環境の変化に関する研究
アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価 PI:松本 淳 CI:荻野慎也・森 修一・遠藤伸彦・久保田尚之・徐 健青
東北地域のヤマセと冬季モンスーンの 先進的ダウンスケール研究
イネ 大野 翔 佐藤 博一 佐野 太郎.
(新)ふくしまアグリイノベーション実証事業【水田メガファームモデル事業】
※今後、気象台や測候所が発表する最新の防災気象情報に留意してください。
気象予測値を用いた カンシャコバネナガカメムシの 防除適期予測の精度検証 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課
気候予測情報を活用した 農業技術情報⾼度化に関する 研究成果概要 中三川 浩 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 第12回やませ研究会
「食料自給率」について知ろう 食料自給率って、 聞いたことある? 出典(データは次の資料を参考にしました)
堆肥を使用する際にはご留意ください! 〇 耕種農家・育苗業者の皆様へ 〇 輸入飼料を給与した牛に由来する 被害を未然に防止するために
堆肥を販売・譲渡・施用する際にはご留意ください!
堆肥を使用する際にはご留意ください! 〇 耕種農家・育苗業者の皆様へ 〇 輸入飼料を給与した家畜に由来する 被害を未然に防止するために
一貫 体系 対象分野: キーワード: 整理番号:事務局が記入 提案者名:○○農場 代表 ○○○○
日本のゴルフ場の環境破壊 中神 徹.
環境情報学部2年 中本裕之 総合政策学部2年 千代倉永英
ジャストインタイム農業システム (JITAS; Just In Time Agriculture System)
住宅まちづくり部の施策概要と30年度の主な取組み 減災に繋げる災害に強い住まいと都市の形成
「スマート農業加速化実証プロジェクト」に係る技術・体系提案会 資料(一貫技術体系)
2週目の気温予測情報の 農業情報への翻訳 農業分野において利用しやすい情報作成のために
(ほ場整備を契機に設立、WCS用稲作付けに特化した法人運営)
平成21年度北海道地域マッチングフォーラム 「ジャガイモシストセンチュウ拡大防止に 向けた新しい検診法と防除技術」 参加費無料
農業分野における気候変動への適用に関する 政策から求める海洋地球観測探査システムのあり方
DR-Info 防災 減災 少子 高齢 産業 創出 DR-Info 誕生の キッカケ DR-Info でこう 変わった!
BASUMO大作戦 D班:斎藤、下村、御簾納、山崎.
代表:鈴木実樹 副代表:浜中元嗣 田邉圭紘 守屋亮平 聞博
農業分野における気候変動への適用に関する 政策から求める海洋地球観測探査システムのあり方
水田立地とコメ品質の関係 東京大学 山路永司 2019/5/1.
事業名:スマートかき養殖IoTプラットフォーム事業 (代表者: 国立大学法人 東京大学) (1/4)
②生産履歴の明確化や減農薬栽培等による付加価値向上
仙台管区気象台 気象防災部 地球環境・海洋課 渕上 隆雄
安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発
TPP 日本の米が生き残るには c 小松拓司 c 仲野謙心.
安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発
中山間地域等直接支払交付金(拡充) 地域の活性化及び生活の安全・安心の確保のための対策強化 中山間地域等における多面的機能の維持・増進
堆肥を販売・譲渡・施用する際にはご留意ください!
エネルギー基本計画 5 災害時対応 LPガスの位置付け LPガスは、PM(粒子状物質)の排出が ない等、環境負荷が相対的に小さく、天
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GEOSSデータ統合・解析システム」第1回フォーラム データ統合・解析システムへの期待 農林水産省農林水産技術会議事務局 中谷 誠

日本農業の課題 変動する環境下での安定的生産 高品質で低コスト・高収益 低環境負荷と安全安心 多面的機能の発揮 品種改良や適地適作による食料安定供給 高品質で低コスト・高収益 企業的経営による高収益,国際的競争力 自給率向上,輸出促進 低環境負荷と安全安心 農薬の適正使用,適切なリスクマネージメント 多面的機能の発揮 ダム機能,気候緩和機能

例えば以下のデータが統合され解析が可能になると 気象観測値,短期気象予報値,長期気象予報値,気候変動予測,土地利用図,地形データ,土壌図,土壌水分マップ,各種作物データ,短期的降水量,河川流水量予測値 例えば以下が実現し多くの課題が解決する 冷害などの気象災害の予測と対策の提示(安定生産) 病害・虫害の発生予測と適切な防除支援(安定生産,低コスト,低環境負荷) 効率的な農産物に品質管理(高品質化・高収益) 小麦など収穫適期判定による高品質化と収益性向上(高品質化・高収益) 都市・農村の総合的水管理(安定生産,多面的機能,低コスト) 水田などの被害率推定(低コスト) 農業の気候緩和機能の評価(多面的機能評価) 中山間地の土砂災害予測(安定生産) 長期的農業施策の決定(安定生産)

水稲の冷害早期警戒システム 多様な情報を統合化して冷害の程度と可能性を予報 冷害の危険度を図示 農家は早めの対策で被害を最小化 気象観測値,短期気象予報値 長期季節予報 やませ情報 現地作柄情報,生育予測情報 農家は早めの対策で被害を最小化 5(596, 4.8) 2(580, 14.6) 3(545, 6.8) 7(495, 15.2) 4(488, 28.1) 1(450, 16.6) 8(394, 38.1) 6(383, 29.6) 収量(kg),変動係数(%) 冷害の危険度を図示 やませが襲来した水田

水稲イモチ病の発生を予報 多様な情報を統合化して病害発生の可能性を予報 農家は的確な防除で被害を最小化 気象観測値,短期気象予報値 現地作柄情報,生育予測情報 農家は的確な防除で被害を最小化 ピンポイント防除で農薬代の節約と低環境負荷 イモチ病が発生した水田 イモチ病の発生可能性を表示

イネウンカ類 大陸からのイネ害虫飛来を予測 ウンカ類 ウンカ類による被害 日本では越冬できない 梅雨期に長距離移動で侵入 4 mm 3 mg ウンカ類 飛来ルート ウンカ類による被害 日本では越冬できない 梅雨期に長距離移動で侵入 下層ジェットで運ばれる

データ統合により飛来を予測 発生源となる水田の特定(衛星画像) 害虫の成育予測(発生源の地上気温等) 飛来ルートの予測(天気予報と生物行動を考慮した粒子拡散モデル) 飛来害虫のサンプリングと逆軌道解析で発生源をある程度特定 農薬の的確な散布による生産力・品質の確保 ピンポイント防除による低環境負荷,低コスト化 減農薬による消費者の安心

気候変動下で栽培に最適な作物・品種を見つけ出す YR錦秋 10月1日定植 気温,地形,土性,土壌水分データの統合 平年値 現在の作付け可能性 長期予報値 未来の作付け可能性

ダム(ため池)管理は農業でも重要 都市・農村の総合的水管理システム ・渇水への備え ・集中豪雨時の対処 DIASは、農業分野においても水管理の面でメリットがあります。 日本国内のため池の総数は、約21万個。近畿地方,降雨量の少ない瀬戸内地方,九州地方に多い。 古い時代に築造されたものが多く,ため池の約75%が100年以上を経過している。 農村地域では都市化が進展し、ため池周辺にも宅地が広がってきている。 そのため、ため池の安全性を確保することが重要 。 DIASには、きめ細かなため池管理の情報を提供する基盤になることが期待される。 ダム(ため池)管理は農業でも重要 ・渇水への備え ・集中豪雨時の対処 農林水産省パンフレット 「共に生きる都市と農村」~豊かな食と美しい農村をめざして~ (2006)

データ統合・解析システムは水産業にも貢献 リアルタイム海況情報システム 衛星画像(海表面水温,海色,海面高度)と船舶情報(海中水温)等を統合 海中水温図や魚群情報の提供など漁業者の操業を支援

ありがとうございました