フラフープの力学 Mechanics of Hula hoop 鳥越 昂平,木下 徹規とチャレンジゼミナールメンバー TORIGOE Kohei, KINOSHITA Tetsunori and colleagues in the Challenge Seminar 津山高専3年 NIT, Tsuyama College
回転運動解析の基本 ~コマの歳差運動について~ 回転運動解析の基本 ~コマの歳差運動について~ 回転軸が傾いて回転 するコマは重力によ るトルクで角運動量L の向きが変化し,軸 が歳差運動をする. 歳差運動の回転周期 は角運動量の大きさ に比例し、重力のト ルクに反比例する。
フラフープ ~力学モデル~ 人間の胴体を円柱に近似 フープの重心は半径をrと する円運動を行うと仮定 する. フラフープ ~力学モデル~ G 胴体 フープ a 人間の胴体を円柱に近似 フープの重心は半径をrと する円運動を行うと仮定 する. 人間の胴体も円運動をし, それ自体は回転しない.
フラフープ ~力学モデル~ G 胴体 フープ a 2𝜋𝐿 sin 𝜃−𝜑 𝑅 cos 𝜃𝑓−𝑅 sin 𝜃𝑁 = 2𝜋 Ω
フラフープ ~ 測定方法 ~ 重心の回転半径rは右図の ようにフラフープを演じ ている状態を真上から撮 影し,動画をコマ送りし ながらフープの重心をプ ロットして求めた. 回転速度と傾斜角の計測 はビデオ解析から演者を 真横から撮影し,フープ が左右の端で直線状に見 えるフレームで確認した. 2R=85cm r=35cm フープ重心 の軌跡 a=20cm Dt = 1/29 fps×8 flames =0.28s Flame No.635 Flame No.643
フラフープ ~ 測定結果 ~ 右のグラフは計算結果 (実線)と計測結果 (点)を表している. フラフープ ~ 測定結果 ~ 右のグラフは計算結果 (実線)と計測結果 (点)を表している. 計算結果は計測結果の 特徴を良く再現できて いる. ⇒ 水平からの傾き q [degree] 角速度 Ω [RPS] モデル計算値 計測値 a = 20 cm r = 35 cm フラフープは回転体寸法も質量も大きく,摩擦などの影響を受けにくいためと推測.
まとめ フラフープの回転運動をコマの歳差運動とみなして力学 モデルを作り,定常回転している状態での回転速度と傾 斜角の関係を理論的に求めることができた. 計算値とビデオ解析から得た値とを比較した結果,良い 一致が得られた. 回転体の力学モデルを明確にすることができた.
考察・感想 今回の解析を通じて,昨年度の先行研究である円柱や円板の 回転運動解析の計算と実測にみられた不一致は,モデルが不 完全であったことや対象が小さいために,攪乱要因の影響が 相対的に大きく表れたためではないかと推測している. ・・・ 加速や摩擦を考慮した回転運動の解析を行い,演技のコツを 明確にし,それを基にフラフープロボットを製作したい. この推測を確認するため,均質な材料,正確な形状の試料を準備し,今回 明確にした力学モデルの関係式を基に再計算・再計測にチャレンジしたい.
ご清聴ありがとうございました