In situ cosmogenic seminar 1. 宇宙線の照射と核種の生成 Outline 1. 一次宇宙線と二次宇宙線 2. 核種の生成(‘meteoric’ と ‘in situ’) Goal 核種の生成に関わる背景を理解する. 松四 雄騎: matsushi@n.t.u-tokyo.ac.jp
1. 一次宇宙線と二次宇宙線
銀河宇宙線(GCR: galactic cosmic radiation)の起源と組成 星間にはあらゆるベクトルの 超新星起源粒子が飛んでいる. 超新星爆発(左: SN1604; 右: SN1987A)の例 Photo: http://www.nasa.gov/
太陽風が作り出す電場によって,低エネルギーの粒子は入ってこられない. 太陽圏(Heliosphere)による遮蔽 太陽風が作り出す電場によって,低エネルギーの粒子は入ってこられない. ヘリオポーズ ヘリオスフィア 星間ガス 太陽系
一次宇宙線のエネルギー 地球に入射する宇宙線: ●銀河宇宙線 > 109 eV (GeV) Max: ~1020 eV (銀河外起源?) ●太陽起源 < 108 eV (~数百MeV) 一次宇宙線のエネルギースペクトル data from Sanuki et al. (2000)
地磁気による偏向 宇宙線フラックスは極地方で 最大となる. N F B E S 磁場中の荷電粒子の運動 ↓ ローレンツ力による偏向 西村ほか 宇宙放射線 原図 Earth image from: http://www.fourmilab.ch/earthview/
地球大気との相互作用 一次宇宙線: 大気元素と連鎖的な 核反応を起こす. Ar (0.9%) 99.9% O2 (21%) 80% ヘリオスフェアを横切ってきた 高エネルギーのプロトン 大気元素と連鎖的な 核反応を起こす. N2 (78%) O2 (21%) Ar (0.9%) 大気の質量% 99.9% 80% http://www.fourmilab.ch/earthview/ 57.8% http://www.srh.noaa.gov/srh/jetstream/atmos/layers.htm
エアシャワー 1 TeV (1012 eV) のプロトンが対流圏(~20 km)に突入したら? AIRES (AIR shower Extended Simulations) Downloaded from COSMUS: http://astro.uchicago.edu/cosmus/index.html
二次宇宙線 中性子,ミューオンなど. エアシャワーによる粒子群.
2. 核種の生成(‘meteoric’ と ‘in situ’)
Meteoric nuclides 大気元素(N,O,Ar)との相互作用 Secondly cosmic ray 3n neutron proton Secondly cosmic ray 連鎖反応 3n 16O (8p, 8n) 10Be (4p, 6n) 4p 拡散・循環 16O(n, 4p 3n)10Be 14N(n, p)14C Meteoric nuclides 40Ar(p, n a)36Cl
地表物質(Si, O, Ca, K, Mg, Fe)との相互作用 Secondly cosmic ray neutron muon Land surface Terrestrial material
地表物質(Si, O, Ca, K, Mg, Fe)との相互作用 Secondly cosmic ray 直接,その場で生成 In situ nuclides neutron muon Land surface Terrestrial material
10Be と26Al の生成 石英のアドバンテージ ⇒寄与率の異なる3つの反応により, 地表近傍に生成 ⇒地表石英中の生成率は, 16O→10Be(~5 atom/yr at SLHL), 28Si→26Al(~30 atom/yr at SLHL). 石英のアドバンテージ (1) 単純なターゲット元素組成(SiO2). (2) ユビキタスに存在する. (3) 結晶構造が風化作用に強い. (4) meteoric 10Be の除去が容易. (5) 安定27Alの含有量が少ない.
In situ-produced 10Be and 26Al in quartz 地上を構成している物質そのものが測定試料 微量元素定量方法(AMS)の発達 地表面露出年代 (Exposure age) or (rarely both) 地表の侵食速度(Erosion rate)