the most difficult legal problems. Law and Set theory in order to resolve the most difficult legal problems. 1st April, 2015 KAGAYAMA Shigeru (1948-) Professor of Law of Meiji Gakuin University ★これから「法と集合論」というテーマで「法解釈の方法」に関する講義をします。 第1に,なぜ ,「法解釈」なのかというと,法がどのような事実について,どのような効果を有するのかは,最終的には,「法の解釈」によって決定されるからです。 ★第2に,なぜ 法の解釈に「集合論」が必要なのかというと,「集合論」は,法の論理をわかりやすく図式化できるからであり,「集合論」を使うと,初心者でも,法解釈の最も難しい問題を解けるようになるからです。 確かに,法律というと,六法全書とか,難解な法律用語とか,複雑な文章とかを思い出して,「難しいから遠慮します」という人が多いのですが,これからする話を聞くと,法律の解釈とはどういうものか,そして,法律の解釈が難しいといわれてきた原因は何か,どうすれば法律の解釈方法をマスターできるのかについて理解が深まると思います。
Table of contents I. Introduction of Law and Set theory 1. What is law? 2. What is the function of law? 3. What is the process of resolving disputes by law? 4. Meaning of understanding of provisions of law II. Legal way of thinking 1. What is IRAC? – Legal way of thinking 2. An example of dispute 3. Toulmin Diagram of Art. 709, 720 Civ. Code of Japan 4. Legal report of the accident by IRAC III. Representation of System of law by electric circuit 1. System of torts law (1/3) (2/3) (3/3) 2. Common structure of provisions of law IV. The elements of set theory Logic and set theory (1/5) (2/5) (3/5) (4/5) (5/5) V. True requirements and apparent requirements in provisions of law 1. Arte. 770 Civ. Code of Japan (Judicial Divorce) 2. Difference between true and apparent requirements VI. The most difficult legal interpretation problems in Japan 1. An example of the most difficult problems 2. Art. 612 Civ. Code of Japan 3. Toulmin diagram of Art. 612 Civ. Code of Japan 4. An judgment of Art. 612 Civ. Code of Japan 5. A proposal of amendment of Art. 612 Civ. Code of Japan Reference (1/3) (2/3) (3/3) 講義の目次です。この講義は,6章で構成されています。 ■第1章は,「法と集合論の序論」です。以下の4つの項目について論じます。 1. 法とは何か?/ 2. 法の機能は何か?/ 3. 法による解決プロセスとはどのようなものか?/ 4. 法律の条文を理解することの意味は何か? ■第2章は,「法律家の思考方法」です。以下の4つの項目について論じます。 1. アイラックとは何か?/ 2. 紛争事例(交通事故)による説明/ 3. トゥールミンによる議論の図式化/ 4. アイラックによる報告書の書き方 ■第3章は,「法体系の表現例としての『電気回路』」です。以下の2つの項目について,説明します。 1. 不法行為法の体系的表現 (1) 全体像 (2) 権利発生,発生障害要件 (3) 権利消滅要件/ 2. 法の論理式による表現 ■第4章は,「集合論の基礎」です。法解釈の方法論に必要な論理記号について,説明します。 論理と集合論(1) ∧,∨,¬ (2) ⇒ (3) ⊂ (4) ¬A⇒¬B (5) A⇔B ■第5章は,「真の法律要件」と「見せかけの法律要件の区別」です。以下の2つの項目について論じます。 1. 民法770条(裁判上の離婚)における「真の法律要件」と「見せかけの法律要件」との区別/ 2. 「真の法律要件」と「見せかけの法律要件」との区別の集合論による図式化 ■第6章は,「最も解釈がむつかしい条文とその解釈とその立法論」です。これが,この講義の最終章であり,以下の5つの項目について論じます。 1. 民法612条が問題となる事例/2. 民法612条/ 3. トゥールミンの議論の図式による当事者の言い分の分析/ 4. 最高裁判決(最高裁昭和41年1月27日 最高裁判所民事判例集20巻1号136頁)/ 5. 判例法理を取り込んだ民法612条の改正私案■以上が,これから始める講義の概要です。それでは,本論を始めることにしましょう。
Table of exercises Exercise1: What is law? Exercise2: Legal way of thinking Exercise3: Legal system and individual provisions of law Exercise4: Elements of set theory Exerces5: Distinction between true requirements and apparent requirements Exercise6: The most difficult provision for interpretation Exercise7: Comprehensive problems 練習問題の索引です。各章の終わりごとに,3~4問の練習問題を置いています。各章がおわるごとに,これらの練習問題を解いてみて,理解ができているかどうか,チェックしてください。すぐに答えられない場合には,もう一度,振り返って復習をしてください。解答は載せていませんが,付録としての「補遺」にヒントを挙げておきましたので,参照してください。 練習問題1は,「 法とは何か?」についての復習です。 練習問題2は,「法律家の思考方法」についての復習です。 練習問題3は,「法の体系的表現」の復習です。 練習問題4は,「集合論の基礎」の復習です。 練習問題5は,「真の法律要件と見せかけの法律要件との区別」の復習です。 練習問題6は,「解釈が最も困難な条文と困難の克服」についての復習です。 練習問題7は,「総合問題」です。この講義の復習と発展の問題です。
I. Introduction of Law & Set theory 1. What is the law? 2. What is the function of law? 3. What is the role of legal professionals? 第1章は,「法と集合論に関する序論」です。 法解釈の方法論を説明するに先立って,★法とは何か? ★法の機能とは何か? ★法律の専門家はどのような思考方法によって,社会的な役割を果たしているのか? について説明します。
What is law? Human beings are the social animal and can not live alone. The social life requires rules under which good work for others should be rewarded and bad work against others (torts/crime) should be punished. Through this process a trust relationship will be built among all members of the society. Therefore, law is the social rule to maintain the peace and order (in which rights and dignity of individuals are protected). Aristotle 法とは何でしょうか? ★人間は社会的動物だといわれています(アリストテレス)。そして,人間は一人では生きていけません。生まれてすぐに自立できる動物とは異なり,人間は,生まれてすぐに放置されると確実に死にます。したがって,人間は,生きていくために,家族や集団などの社会を形成します。 ★しかし,社会を平和に保つには,個人の尊厳を認めた上で,信賞必罰(良いこと(do for others)は報われ,悪いこと(約束違反,犯罪など)は,ばっせられる)というルールが必要です。 ★このルールのもとでこそ,人間は,安心してお互いの信頼関係を築き上げることができるのです。 ★つまり,法とは,社会の平和と秩序(個人の尊厳と個人の権利の尊重)を維持するための社会的なルールなのです。
What is the function of law? The law has two functions. 1. The first is to resolve the dispute reasonably and peacefully. Jhering wrote in “The struggle for law” (1915), “The end of the law is peace. The means to that end is war.” I think, however, “the means is not war but argument”. 2. The second is to prevent the dispute, by exposing all the process to the public how to resolve disputes by law. Rudolph von Jhering 法はどのような機能を有しているのでしょうか? 法が社会の秩序を維持するためのルールだとして,私たちは,法を使って,どのようなことができるのでしょうか?■ ★法には,平和を実現するための二つの機能があるとされています。 ★一つは,紛争の解決機能です。もうひとつは,紛争の予防機能です。 ★第1の機能(紛争を合理的かつ平和的に解決する機能)について,イエーリングは,その名著『権利のための闘争』(1915年)において,以下のように述べています。 ★「法の目標は平和である。★だが,その目標に至る手段は戦争である。」 ★しかしながら,私としては,「法の目標は平和であり,それに至る手段は,戦争ではなくて,「議論」である」と考えています。 ★第2の機能である紛争を未然に防止するためには,法による紛争解決のプロセスをすべて公開することが必要です。すべてを公開し,透明化することによって,人々が紛争解決の筋道を予見できるようになるからこそ,紛争の未然防止が実現できるのです。
What is the process of resolving disputes by law? The judge finds facts, by listening to the assertions of both the plaintiff and the defendant (cf. a pair of balances), without prejudice (cf. bandage). The judge discovers the most appropriate law and applies it to the facts. The judge holds the judgment according to the law and it will be enforced by authority (cf. sword). 法による紛争解決は,どのようなプロセスを経て実現されるのでしょうか?■ ★裁判官の象徴である法の女神(テミス)の像を見ながら,そのプロセスを見てみましょう。 ★第1に,裁判官は,原告と被告の双方の「主張(言い分)」を良く聞いて,その言い分の重さを「衡平」を意味する「天秤」で量ります。テミスが目隠しをしているのは,顔や身なりで判断するという偏見を避けるためだけではありません。「下を向いて書面を読むのではなく,相手の顔を見て弁論をしなさい,弁論に裏付けられていない書面は採用しませんよ」というテミスの方針(弁論主義)を示しています。 ★第2に,裁判官は,原告が主張した事実に適合した法律の条文を探し出し,それを事実に適用することによって,仮の結論を導きます。次に,被告が主張した事実に適合した法律の条文を発見し,それを事実に適用することによって,もうひとつの仮の結論を導きます。これらのふたつの結論を比較検討しながら,具体的に妥当な結論は何かを検討します。 ★第3に,裁判官は,発見した事実に最も適合するルールを適用して,判決を下します。この判決に当事者が従わないときは,司法権力が,判決を強制的に執行します。
Meaning of understanding of articles or provisions of law In Japan, the final means of settlement of disputes is a judgment made by the judge. According to the Art. 76 paragraph 2 of Constitution of Japan, the judge should be settled the dispute in accordance with the constitution and laws. When we are familiar with the same way of thinking as judges (it is called as IRAC), it is possible to predict the judgment of resolution of the dispute. Therefore, we become able to propose the most appropriate solution like a judge and to resolve the dispute with a consent of every one. A compendium of the constitution and laws (863/1935 laws) 法律専門家だけでなく,一般市民が法律の条文(六法)を理解することには,どのような意味があるのでしょうか?■ ★わが国では,ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手段)など,さまざまな紛争解決方法があるものの,最終的な紛争解決は,裁判所の判断によって行われます。 ★わが国の憲法76条2項は,「すべて裁判官は、その良心に従い,独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。」と規定しています(法律の解釈には六法が何よりも大切です)。つまり,裁判官は,争いが生じている事実に最も適合する法律を発見し,事実にその法律の条文を適用して,原告に有利に,または,被告有利に,判決を下すのです。 ★もしも,私たちが,裁判官と同じ思考方法である「アイラック(IRAC)」を身につけるならば,紛争がどのように解決されるかを予測することができるようになります。 ★つまり,私たちが,裁判官の思考方法をマスターするならば,私たちは,誰もが納得できる紛争の解決案を提案することができるようになるのです。
Exercise 1: What is law? →ex.2 1. Recollect the image of the statue of Themis who is a goddess of the law. And examine what is the symbolic meaning of her scales, her bandage and her sword. And then, explain what is the law. 2. How many statutory laws are in Japan? How many government ordinance, ministerial ordinance and regulations are there in Japan? And examine how many laws are recorded in you compendium of laws? 3. Explain the reason for necessity of interpretation of the law, in spite of lots of laws, ordinance and regulations which are provided in detail, mentioning one provision of law as an example. 第1章「法とは何か?」が終わりましたので,練習問題1を解いてみましょう。■ ★1. 法の女神とされるテミスの像を見ながら,その持ち物である天秤,目隠し,剣が,それぞれ何を意味するかに焦点を当てて,法とは何か説明しなさい。 ★2. 日本には,いくつの法律があるか,いくつの政令・省令・規則があるのか。あなたの持っている六法には,いくつの法律が収録されているのか調べなさい。 ★3. それだけの数の法律や政省令・規則があるにもかかわらず,法の解釈が必要な理由を,憲法の条文と一つの法律の条文を例に挙げて説明しなさい。
II. Legal way of thinking What is IRAC? An example of dispute Toulmin Diagram Legal report by IRAC 第2章は,「法的思考方法」です。 ★第1節は,「アイラックとは何か?」です。 ★第2節は,「紛争の一事例」です。交通事故を取り上げます。 ★第3節は,「トゥールミンの議論の図式」です。議論の一般的な方法について考えます。 第4節は,「アイラックによる報告書」の作成です。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion 法律専門家(裁判官,検事,弁護士ら)の思考方法とされるアイラックとは,どのような思考方法なのでしょうか?■ ★アイラックというのは,以下に示すように,紛争事件を解決するための思考方法とその順序(事案の分析,仮説と仮の結論,反対説との間の議論,結論)を示すものです。 I(Issue)とは,争点,すなわち,争いになっている事実関係は何かを明らかにする作業です。 R(Rule)は,争いとなっている事実に適用すべきルールを発見する作業です。ただし,発見した事実によって適用すべきルールが発見される,逆に,発見されたルールから見ると,重要な事実が再発見されるというように,IとRとは,相互に密接な関係にあります。 A(Application/Argument)とは,原告が主張する事実と被告が主張する事実に相違があるのが普通であり,したがって,それぞれの事実に適用すべきルールも異なることになるため,法の適用の結果は,分裂することになります。そこで,事実と適用すべきルールの適切性について,議論をすることになります。そのような議論を通じて,「真実」と「正しい法」の適用に接近する道が開かれることになります。 C(Conclusion)とは,このような厳しい議論を通じて得られる結論,すなわち,判決です。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion 復習をして見ましょう。アイラックとは何か,それぞれについて,答えてみましょう。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion I(Issue)とは,争点,すなわち,争いになっている事実関係は何か?を明らかにする作業です。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion R(Rule)は,争いとなっている事実に適用すべきルールを発見する作業です。ただし,発見した事実によって適用すべきルールが発見される,逆に,発見されたルールから見ると,重要な事実が再発見されるというように,IとRとは,相互に密接な関係にあります。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion A(Application)とは,発見された事実に対して,適切な法を適用して,法的結論を導き出すことです。ただし,真実が何か? 適切な法が何か? については,原告と被告とで争いがあるので,それについて議論をすることが大切です。したがって,ここで得られた結論は,あくまで,暫定的な結論です。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion A(Argument)とは,原告が主張する事実と被告が主張する事実に相違があるのが普通であり,したがって,それぞれの事実に適用すべきルールも異なることになるため,法の適用の結果は,分裂することになります。そこで,事実と適用すべきルールの適切性について,議論をすることになります。そのような議論を通じて,真実と正しい法の適用に接近する道が開かれることになります。
Legal professionals’ way of thinking We call it as “IRAC” IRAC indicate us to analyze, argue and draw a conclusion Analysis I Issue Finding data & facts R Rules Finding Rules applicable to facts A Application Application of Rules, Drawing a tentative conclusions Argument Argument against / for tentative conclusions C Conclusion Finding final conclusion C(Conclusion)とは,このような厳しい議論を通じて得られる結論,すなわち,判決です。
An Example of dispute The defendant is liable for damage caused to the plaintiff? Missingi B The defendant turned his steering quickly in order to escape oncoming vehicle which headed beyond the lane. As a result the defendant collided with plaintiff as an emergency evacuation. 裁判官は,アイラックを使って,どのように紛争解決をするのでしょうか? ■ 以下のような具体的な例に基づいて,紛争が法によって解決されるプロセスを説明します。 取り上げるのは,以下のような交通事故が発生した場合に,「被害者である原告は,加害者である被告に対して,損害賠償を請求できるか?」という問題です。 ★被告は,自己が所有する車を運転するに際して,脇見運転という過失によって,自転車で走行していた原告に衝突し,原告に全治3か月の大怪我をさせるという損害を生じさせました。 ★そこで,原告は,民法709条に基づいて,被告は,原告に生じた損害を賠償する責任を負うと主張しました。 ★これに対して,被告は,被告が原告に衝突したのは,対向車が車線を越えて向かってきたため,緊急避難としてとっさにハンドルを切ったためである。 ★したがって被告は,民法720条2項によって責任を免れると反論しました。
Toulmin Diagram of Art. 709, 720 The system of torts law The defendant collided with plaintiff by negligence of inattentive driving and caused damage to plaintiff. The defendant is liable for damage caused to the plaintiff. probably error Data Probability Probability Claim Art. 709 Civil Code of Japan: A person who has intentionally or negligently infringed any right of others, shall be liable to compensate any damages resulting in consequence. Warrant Rebuttal The defendant collided with plaintiff as an emergency evacuation. Therefore the defendant is not liable against the plaintiff according to Art. 720 Civ. Code. Baking アイラック(IRAC)のうち,議論はどのようにして行われるのでしょうか?■ 法律の議論は,原告の主張に対して,被告が反論するという形式をとります。この法律の議論を参考にして,議論の構造を図式化したものが,トゥールミンの図式です。 ここでは,それをさらに法律の議論に特化した議論の図式によって先の事件についての議論を構造的に分析します。 ★(Data:データ)被告は,自己が所有する車を運転するに際して,脇見運転という過失によって,自転車で走行中の原告に衝突し,原告に全治3か月のおお怪我をさせるという損害を生じさせた。 ★(Claim: 主張)■被告は,原告に生じた損害を賠償する責任を負う。★ ★(Warrant: 論拠)■民法709条:故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 ★(Rebuttal: 反論)■被告が原告に衝突したのは,対向車が車線を越えて向かってきたため,緊急避難としてとっさにハンドルを切ったためである。したがって被告は,民法720条2項によって責任を免れる。 ★(Backing: 裏づけ)■民法の不法行為の体系 The system of torts law
Legal report of the accident by IRAC The defendant collided with plaintiff by negligence of inattentive driving and caused damage (serious injury of complete recovery three months) to plaintiff. R A person who has intentionally or negligently infringed any right of others, or legally protected interest of others, shall be liable to compensate any damages resulting in consequence (Art. 709 Civ. Code of Japan). A The defendant turned his steering wheel quickly to left in order to escape oncoming vehicle which headed beyond the lane. As a result the defendant collided with plaintiff as an emergency evacuation. Therefore Art. 720 of Civ. Code of Japan should be applied. C Even if the article 709 (a principle) is applicable, the defendant is not liable against the plaintiff according to the article 720 of the Civil Code (an exception). アイラックを使って,具体例の解決案をまとめるとどうなるでしょうか?■ 実際の判決では,先に判決の結論を示し(主文),争点を明らかにし(争点),事実への法の適用を述べます(判決理由)。★しかし,普通の報告書であれば,以下のように書くのがわかりやすいでしょう。 ★I:被告は,自己が所有する車を運転するに際して,脇見運転という過失によって,自転車で走行中の原告に衝突し,原告に全治3か月のおお怪我をさせるという損害を生じさせた。 ★R:民法709条:故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 ★A:被告が原告に衝突したのは,対向車が車線を越えて向かってきたため,被告は緊急避難としてとっさにハンドルを切ったためである。したがって被告は,民法720条2項によって責任を免れる。 ★C:民法709条(原則)が適用される条件が満たされている場合であっても,民法720条(例外としての免責事由:正当防衛・緊急避難)の条件が満たされている場合には,被告は原告に対して責任を負わない。
Exercise 2: Legal way of thinking →ex.3 1. What is IRAC? Explain the difference between IRAC method and the problem solving method which was generally performed in conventional legal education. 2. Explain the difference between IRAC and traditional composition style of "Introduction, development, turn and conclusion". 3. Read literatures about the Toulmin's diagram and explain the difference between Warrant and Backing giving an example. 第2章が終わったので,練習問題2「法律家の思考方法」について,復習をしましょう。■ ★1. アイラックとは何か? 具体例を挙げて,従来の法学教育において一般に行われてきた問題解決の方法との違いを説明しなさい。 ★2. 文章の作法として,従来から「起承転結」という方法が挙げられてきた。起承転結とは何か? アイラックとどの点が異なるのか説明しなさい。 ★3.トゥールミンの議論の図式についての文献を読んで,論拠(Warrant)と裏づけ(Backing)の違いについて,具体例を挙げてアイラックで説明しなさい。
III. Legal system and individual provisions of law System of tort law System of general tort law Requirements of formation and its hindrance of general tort law Requirements of distinction of general tort law Common structure of provisions of law 第3章は,「法体系と個々の条文との関係」について考察します。■ ★第1節は,「一般不法行為の体系」です。以下の2点について図で説明します。 ★一般不法行為の発生要件と ★発生障害要件 ★一般不法行為の消滅要件 ★第2節は,「法律の条文の一般構造」です。論理式の表現について説明します。
System of torts law (1/3) Illustration of the burden of proof Intention or negligence Causation Damage Incapability Switch for plaintiff to be proved Excuse Switch for defendant to be proved Comparative negligence 20 years from the accident 3 years from awareness of tortfeasor Claim for Damages 不法行為の条文の中で一番適用頻度の高いのは,民法709条ですが,その適用の条件がすべて満たされているのに,加害者が被害者に損害賠償責任を負わない場合を紹介しました。その理由はなぜでしょうか?■ ★その理由は,不法行為の体系が,第1に,損害賠償責任を成立させる要件(図の上の部分),★第2に,成立を妨げる要件(図の右の部分),★第3に,いったん成立した責任を減少させたり,消滅させたりする要件(図のし下の部分)とから成り立っており,民法709条は,第1の要件を規定しているに過ぎないからです。 たとえ,第1の要件(民法709条)をすべて原告が証明しても,第2の成立障害要件(例えば,民法720条の正当防衛・緊急避難)が被告によって証明されると,損害賠償責任は成立しません。 また,損害賠償責任が成立しても,被告が原告の過失を証明すると,損害賠償額が減額されたり(民法722条2項の過失そうさい),被告が消滅時効の要件を証明すると,損害賠償請求権が消滅したりします(民法724条の消滅時効)。 このように,紛争を法律によって解決するためには,その分野に関する法律効果の発生要件,発生障害要件,消滅要件のすべてについて理解することが必要です。 このような全体の構造を知るためには,電気回路とかプロセスの流れ図等を作成して,全体を鳥瞰できる工夫をするのが便利です。 Extinctive prescription
Intention or negligence Comparative negligence System of torts law (2/3) Intention or negligence Causation Damage Incapability Article 709(Damages in Torts) A person who has intentionally or negligently infringed any right of others, or legally protected interest of others, shall be liable to compensate any damages resulting in consequence. Excuse Article 720 (1) (Self-Defense) A person who, in response to the tortious act of another, unavoidably commits a harmful act to protect oneself, the rights of a third party, shall not be liable for damages; The victim shall not be precluded from claiming damages against the person who committed the tortious act. Comparative negligence 先に挙げた具体例で,原告が被告に対して損害賠償責任を免れる理由を,不法行為の体系(全体図)の中で示すとどのようになるでしょうか?■ ★具体例の場合,責任の成立要件,すなわち,民法709条の要件はすべて原告が証明しています。 ★しかし,責任の成立を妨げる要件,すなわち,被告の行為が民法720条の正当防衛・緊急避難の要件を被告が証明しているので,被告は責任を免るのです。■ ★第720条(正当防衛及び緊急避難)の条文の内容は,以下の通りです。 ①他人の不法行為に対し,自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため,やむを得ず加害行為をした者は,損害賠償の責任を負わない。ただし,被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。 ②前項の規定は,他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。 Damages
Intention or negligence Comparative negligence System of torts law (3/3) Intention or negligence Causation Damage Incapacity Excuse Article 724 (Period of time) The right to demand compensation for damages in tort shall be extinguished by the operation of prescription if it is not exercised by the victim within 3 years from the time when he/she comes to know of the damages and the identity of the perpetrator. The same shall apply when 20 years have elapsed from the time of the tortious act. Comparative negligence 3 years 20 years Damages 具体例では出てきませんが,もしも,加害者である被告の行為が民法709条の成立要件を満たしており,責任成立の障害要件(民法720条など)も存在しない場合であっても,被告が責任を負わない場合を説明しておきましょう。■ ★被害者である原告が,★加害者を知ってから3年間,または,★事故が発生してから20年間,訴えを提起しないと,★損害賠償請求権は,時効によって消滅します。 ★第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)■ 不法行為による損害賠償の請求権は,被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは,時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも,同様とする。 Extinctive prescription
Common structure of provisions of law All provisions of laws have a common structure. Fact ⇒ Result ( fact1 ∩ fact2 ∩ … factn ) ⇒ Result Art. 709 of civ. code of Japan, for example: If there is the “fault (intention or negligence) of the tortfeasor” (fact1 ) and “damage of the victim” (fact2 ) and “causation between the fault and the damage ” (fact3 ) then, the victim can “claim for damages” against the tortfeasor (Result). Art. 709 of civ. code of japan can be formulated as follows: ( fault ∩ causation ∩ damage ) ⇒ claim for damages / or more accurate ( fault ∩ causation ∩ damage) ⌐(excuses ∪ prescription ) ⇒ claim for damages 不法行為の場合には,その体系を電気回路によって視覚的に示すことができました。それでは,民法のすべての体系を電気回路によって示すことはできるでしょうか?■ 民法の体系を電気回路によって示すことは不可能ではありませんが,ビルの配線図のように複雑になりすぎて,むしろ,わかりにくくなってしまいます。 ★しかし,民法のすべての条文は,★(法律要件 ならば 法律効果)★または,(法律要件要素1 かつ 法律要件要素2 かつ …法律要件要素n ならば 法律効果)という論理で書かれています。したがって,論理式を操れるようになると,個々の条文の解釈が正確にできるようになります。その上,論理式に慣れると,それをヴェン図として視覚的に表現できるので便利です。 ★例えば,民法709条は,論理式では,以下のように表現できます。 ★(故意または過失)かつ ★因果関係 かつ ★損害 ならば 損害賠償責任■ ★ もっとも,不法行為の全体像を加味すると,以下のように表現できます。 ★(故意または過失)かつ 因果関係 かつ 損害 ノット(免責事由)かつ ノット(消滅時効)ならば 損害賠償責任■
Exercise 3: Legal system and individual provisions of law →ex.4 1. Why is systematic knowledge required in interpreting each article? Explain the reason giving an example. 2. If we want to draw the electric circuit for the special torts system like a employer's liability, instead of a general tort, what kind of switches should be added to the electric circuit showing the system of general tort? 3. What kind of presentation is suitable for expressing the global image of contract law instead of torts law. If you have an idea, draw a global image of a contract law by your method. 4. Express the global image of the law of property law and family law, using tree genealogy. 第3章が終わったので,練習問題3「法体系と個々の条文との関係」を解いてみましょう。ここでは,復習だけでなく,発展問題も入っています。ヒントを「補遺」に載せておきましたので,参考にしてください。■ ★1.個々の条文を解釈する上で,体系的な知識が必要な理由を具体例を挙げて説明しなさい。 ★2. 不法行為の体系を示す電気回路図において,民法709条の一般不法行為ではなく,民法715条の使用者責任などの特別不法行為を表現するには,図に何を追加すればよいか,考えなさい。 ★3. 不法行為ではなく,契約法の全体像を表現するのに適した図式にどのようなものがあるかを検討し,実際に契約法の全体像を示しなさい。 ★4. 民法の財産法と家族法のそれぞれの全体像を樹系図を使って表現しなさい。
IV. The elements of set theory Logic and Set theory ¬ (A ∩𝐁) ≡¬ A∪¬ B ¬ (A ∪𝐁) ≡¬ A∩¬ B A ⇒ B, ¬A ⇒ ¬B 第4章は,「集合論の基礎」です。■ 法律の解釈が難しいのは,一つには,ある条文から導かれる結論が,他の条文によって否定される可能性があるからです。つまり,法律の解釈は,その分野について,すべての条文を理解していないと,正しい結論を導くことができないのです。 すべての条文を知るには,その分野の体系を知ることが大切です。電気回路図や流れ図が法律の全体像を示すのに適しているので,そのような図を各自で作成して,全体像を把握するのに努めましょう。 法律の解釈が難しい,もうひとつの原因は,個々の条文の要件が真の要件ではなく,見せかけの要件に過ぎないことがある点にあります。 個々の条文に書かれている要件が,真の要件なのか,それともみせかけの要件なのかを区別し,それをわかりやすく表現する方法があるでしょうか? ★それを実現するのが,★集合論に基づく,★ヴェン図です。 ★そこで,論理式とヴェン図の関係を理解することから始めることにしましょう。
Logic and set theory (1/5) What is ( A ∩𝑩, A ∪𝐁, ¬ (A ∩𝐁) , ¬ (A ∪𝐁) )? A ∩ B A ∩𝑩 A ∪𝐁 ¬ (A ∩𝐁) ≡¬ A∪¬ B ¬ (A ∪𝐁) ≡¬ A∩¬ B A B A∪B A∪B A B 論理記号と集合論とは,どのような関係にあるのでしょうか? ■ ★A∩Bとは何か? AかつBと読み,集合Aと集合Bとの共通部分です。 論理演算における,論理積(AかつB)と同じです。 ★A∪Bとは何か? AまたはBと読み,集合Aと集合Bの和の部分です。 論理演算における,論理和(AまたはB) と同じです。 (ノットA),(ノットB)はなにでしょうか? 集合A,集合Bの補集合です。 論理演算における,否定(ノットA),(ノットB)と同じです。 ド・モルガンの法則は,集合論で考えるとわかりやすいでしょう。 ★AかつBを否定すると,ノットA または ノットBとなり, ★AまたはBを否定すると,ノットA かつ ノットBとなります。 記号が逆になるので,注意が必要です。 法律学では,これを応用する条文が多いのです。 例えば,「善意かつ無過失」の否定は,「悪意または有過失」となります。 では,質問をしましょう。 「故意または過失がある」を否定するとどうなるでしょうか?
Logic and set theory (2/5) What is ( A ⇒ B )? facts Result facts⇒Result : If facts then Result. ¬(facts∧¬ Result) : It is impossible that there are facts and no Result. ¬ facts∨Result : There are no facts or there is Result. 法律の条文は,そのほとんどが(要件 → 効果) の形式で書かれています。それでは,要件 ⇒ 効果は,集合論的にはどのような意味を持つのでしょうか?■ ★「雨が降ったときは,傘を持参しなければならない」というルールがあったとします。 ①■雨が降ったので,傘を持参した,とします。これは,正しいでしょうか? ②■雨が降ったが,傘を持参しなかった,とします。これは,正しいでしょうか? ③■雨が降らなかったので,傘を持参しなかった,とします。これは,正しいでしょうか? ④■雨が降らなかったが,傘を持参した,とします。これは正しいでしょうか? 誤りは,②だけで,その他はすべて正しいのです。 ★これが,「雨が降る ならば 傘を持参する」の意味です。 ★つまり,AならばBは,ノット(A かつ ノットB),すなわち,「AであってBでないということはない」を意味します。 ★これをド・モルガンの公式によって展開すると, ノットA または B(Aでないか,Bである)となります。 上の図がそのことを示しています。直感的にはわかりにくいのですが,正しい結果です。初心者には理解できないかもしれませんね。どうでしょうか?
Logic and set theory (3/5) Ultimate facts ⇒ Result 論理学では,ヴェン図を用いますが,集合論では,オイラーの部分集合の記述方法をよく用います。この2つをどのように使い分けるべきでしょうか? ■ ★法律要件の間の関係を示す場合,特に,一般的要件と特別の要件の関係を説明する場合には便利です。 ★法律学の A⇒Bを上図のように書くことがあります。 ★しかし,部分集合(⊂)と論理式(⇒)とは必ずしも一致しないので,論理演算をする場合には部分集合の図は使用しません。ヴェン図だけを用いることにします。 Ultimate facts ⊂ Result
Logic and set theory (4/5) What is ( ¬ A ⇒ ¬ B )? Result facts ¬facts⇒¬Result : If there are no facts then there is no Result. ¬(¬facts∧Result) : It is impossible that there are no facts but Result. facts∨¬Result : There are facts or there is no Result. 法律学の「A ならば B」は,ときとして,むしろ,しばしば,「Aならば,かつ,そのときに限り B」を意味することがあります。このような場合には,「ノットA ならば ノットB」が成り立ちます。これを「反対解釈」と言います。■ ★注意をしなければならないのは,「要件 ならば 効果」という式は,必ずしも,「要件 ならば,かつ,そのときに限り 効果」というわけではありません。 ★したがって,反対解釈をする場合には,よほど慎重でなければなりません。法律家が解釈論で誤りに陥るのは,そのほとんどが,「誤った反対解釈」をすることに起因しています。 ★例えば,因果関係を判断するものとして,「あれなければ,これなし」というルールがあります。これは,「ノット原因 ならば ノット結果」(あれなければ,これなし)によって,「原因 ならば 結果」(あれあれば,これあり)を導こうとするものです。 ★具体的にいえば,「Aという薬品の販売・使用を禁止した ならば 以後,Bという病気が発症しない」ということから,「Aという薬品の使用が,Bという病気の原因である」という反対解釈が行われています。しかし,このようなことが成り立つのは,原因がAだけの場合限定されのであって,そのほかに,原因が存在する場合には,誤りが生じます。 ★つまり,反対解釈が有効である場合は,次のような同値の場合に限定されます。 「婚姻関係を継続しがたい重大な事由がある ならば 裁判上の離婚事由となる」は, 「婚姻関係を継続しがたい重大な事由がない ならば 裁判上の離婚はできない。」と同じです。 ★しかし,同値でない次の場合には注意が必要です。 「不貞行為がある ⇒ 裁判上の離婚原因がある」というルールの場合, 「不貞行為がない ⇒ 裁判上の離婚原因はない」といえるでしょうか?
Logic and set theory (5/5) What is ( A ⇔ B )? facts Result If there are facts and only then there is Result. facts ⇔ Result 法律は,条文の集合として構成されています。したがって,一つの条文が全体を表現することは,ごくまれです。■ ★先にあげた,「婚姻を継続しがたい重大な事由⇒裁判上の離婚」という条文(民法770条1項5号)は,まれに見る,完全な条文です。したがって,この場合には,★反対解釈(婚姻を継続しがたい重大な事由がない ならば 裁判上の離婚はできない)が成り立ちます。 ★いずれにせよ,反対解釈は,通常の場合には,範囲を限定した場合にのみ成り立つということを忘れてはなりません。 ★次の反対解釈がなぜ誤りなのか,その理由を指摘してみましょう。 「法律行為の要素に錯誤がある ならば 意思表示は無効」(民法95条)です。 このとき,「法律行為の要素に錯誤がない ならば 意思表示は有効」といえるでしょうか?
Exercise 4: Elements of set theory →ex.5 1. What is negation of "bad faith or negligence"? What is the negation of "be known or should be known"? 2. Suppose that the proposition of "Bring an umbrella when it rains" is right. Are the following actions right or wrong? A. Since it rained, I brought the umbrella. B. Although it rained, I did not bring an umbrella. C. Although it did not rain, I brought the umbrella. D. Since it did not rain, I did not bring an umbrella. 3. Medicine "A" and medicine "B" were suspected as a cause which causes a certain disease. Then, it was proved that the disease did not originate, after the sale of A medicine had be forbidden. May medicine "A" consider the cause of making the symptoms of that illness? Show your answer, using Venn diagram. 第4章が終わったので,練習問題4「集合論の基礎」を解いてみましょう。■ ★1. 「悪意または有過失」の否定は何か。「あることを知っていたか,または,知らないことに過失がある」の否定形は何か。 ★2. 「雨が降ったときは,傘を持参する」という命題が正しいときに,以下の行動は,正しいか,それとも,誤りか。 ★A. 雨が降ったので,傘を持参した。 ★B. 雨が降ったが,傘を持参しなかった。 ★C. 雨が降らなかったが,傘を持参した。 ★D. 雨が降らなかったので,傘を持参しなかった。 ★3. ある病気を引き起こす原因として,A薬品とB薬品とが原因物質として疑われていた。その後,A薬品の販売が禁止されたところ,その病気は一例も発祥しないことが証明された。この事例において,A薬品がその病気を発症させる原因と考えてよいか。ヴェン図を使って説明しなさい。
V. Apparent or True requirements ? Apparent requirements No. 1-4 of 1st clause of Art. 770 of Civ. Code True requirement No. 5 of 1st clause of Art. 770 of Civ. Code 第5章は,「見かけの法律要件と真の法律要件との区別」です。■ ★第1節は,「民法770条1項1号~4号の見かけの法律要件」について,考察します。 ★第2節は,「民法770条1項5号の真の法律要件」について,考察します。
An Expression of Legal Rules for analyzing the articles True ultimate facts of the article (Principle) with legal effects Apparent ultimate facts of the article (Legal estimation of true ultimate facts) Legal effects Legal effects No legal effects ★何が真の法律要件で,★何が見せかけの法律要件★(真の法律要件の法律上の推定規定)なのでしょうか?■ ★このような「違いを見抜く力」こそが,★法律の解釈をマスターするために重要となります。
Distinction between true requirements and apparent requirements Article 770(Judicial Divorce) (1) Only in the cases stated in the following items may either husband or wife file a suit for divorce: (i) if a spouse has committed an act of unchastity (infidelity); (ii) if abandoned by a spouse in bad faith; (iii) if it is not clear whether a spouse is dead or alive for not less than three years; (iv) if a spouse is suffering from severe mental illness and there is no prospect of recovery; or (v) if there is any other grave cause making it difficult to continue the marriage. (2) A court may dismiss a suit for divorce if it finds continuing the marriage reasonable taking into account all circumstances, even in the case where there is a cause listed in items (i) to (iv) inclusive of the preceding paragraph. 民法770条(裁判上の離婚)は,以下のように規定しています。 ★① 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 ★一 配偶者に不貞な行為があったとき。 ★二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 ★三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 ★四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 ★五 その他 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 ★② 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
Difference between true requirement and apparent requirement in Art ●Grave cause making it difficult to continue the marriage ●Unchaste act ●Mala fide Abandonment ●Missing less than 3 years ●Severe mental illness Cause of divorce Cause of divorce Not cause of divorce 法律の解釈で最も困難な場合と言うのは,条文に書かれた要件が正確でない場合です。■ ★例えば,先に見たように,民法770条1項の要件のうち,1号から4号までの要件は,5号の要件を推定する要件に過ぎません。 ★したがって,1号から4号までの要件が証明されたとしても, ★2項によって,それが,「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると認められない場合には, ★離婚が認められないのです。
Exercise 5: Distinction between true requirements and apparent requirements→ex.6 1. Investigate the reason why a husband and a wife came to expect divorce, by the statistics (judicial statistics) about divorce. And examine whether there is any problem in regulation of the judicial cause of divorce of present Article 770 of Civil Code. 2. Compare the cause of divorce from the Article 770 1st clause No. 1 to No. 4 of Civil Code with the cause of divorce of No. 5. Explain the reason why the former is the apparent cause of divorce and the latter is the true cause of divorce. 3. Supposing the cause of divorce from the Article 770 1st clause No. 1 to No. 4 of Civil Code is not a true cause of divorce, where is the meaning of the Article 770 1st clause No. 1 to No. 4 of Civil Code? 4. Draft the bill of amendment which corrects regulation of the judicial cause of divorce of Article 770 of Civil Code so that modern society may be suited, and which the meaning of apparent requirements may moreover turn out to be correct. 第5章が終わったので,練習問題5「真の法律要件」と「見せかけの法律要件との区別」を解いてみましょう。民法770条は,とても重要な条文なので,現実の問題とギャップがないか,統計資料で調べてみましょう。 ★1. 離婚に関する統計(司法統計)を調べて,夫および妻が離婚を望むに至った理由を調べてみよう。その上で,現在の民法770条の裁判上の離婚原因の規定に問題がないか検討してみよう。 ★2. 民法770条1項1号から4号までの離婚原因と5号の離婚原因とを比較して,前者が「見かけ上の離婚原因」であり,後者が「真の離婚原因」であるとされるのはなぜかを説明しなさい。 ★3. 民法770条1項1号から4号までの離婚原因が真の離婚原因でないとしたら,それをわざわざ規定している意味はどこにあるのか。 ★4. 民法770条の裁判上の離婚原因の規定を,現代社会に適合するように,しかも,「真の法律要件」と「見せかけの法律要件」の意味がわかるように修正する改正案を起草してみなさい。
VI. The most difficult legal interpretation problems in Japan A case of Art. 612 of Civ. Code Toulmin Diagram of Art. 612 Set theory analysis of Art. 612 Supreme Court Decision of Art. 612 of Civ. Code A proposal of amendment of Art. 612 of Civ. Code 第5章は,「解釈が最も難しい条文としての民法612条」です。■ ★法律の解釈で最も難しい問題の一つとして,★民法612条の解釈に挑戦します。 ★この条文の解釈がなぜ難しいかというと,学説および最高裁の判例が,条文に書いていることと反対の結論を導いているからです。 ★なぜそんな解釈が可能なのでしょうか? ■ ★それがここでの問題です。
An Example of the most difficult problems in civil cases Lessor Lessee Lease contract Sub-lease contract without approval Terminate the contract (Art. 612 para. 2 of Civ. Code Japan) Claim for the removal of the building and the surrender of the land 民法612条に関する事例を紹介します。■ ★夫は宅地を賃借し妻はその地上に建物を所有して同居生活をしていました。 ★しかし,その夫婦は離婚することになり,★夫が妻へ借地権を貸主に無断で譲渡しました。 ★このため,貸主が民法612条2項に基づいて,賃貸借契約の解除と, ★妻に対して,建物収去・土地明渡を求めました。 ★裁判所は,賃貸人は右同居生活および妻の建物所有を知って夫に宅地を賃貸したものであるなどの事情があるときは,借地権の譲渡につき賃貸人の承諾がなくても,賃貸人に対する背信行為とは認められない特別の事情があるというべきであるとして,賃貸人の訴えを棄却しました。 Sub-lessee lessee’s wife
An article whose interpretation is most difficult Example of an article Article 612 (1) A lessee may not assign the lessee's rights or sublease a leased thing without obtaining the approval of the lessor. (2)If the lessee allows any third party to make use of or take the profits of a leased thing in violation of the provisions of the preceding paragraph, the lessor may terminate the contract. 賃貸人が賃貸借契約の解除と建物収去・土地明渡を求める根拠となった条文は,以下のように規定しています。■ ★第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限) ★①賃借人は,賃貸人の承諾を得なければ,その賃借権を譲り渡し,又は賃借物を転貸することができない。 ★②賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは,賃貸人は,契約の解除をすることができる。
Toulmin Diagram of Art. 612 Data Probability Probability Claim Warrant A lessee subleased a leased thing without obtaining the approval of the lessor. The lessor may terminate the contract. probably error Data Probability Probability Claim Warrant Rebuttal There is a reason that can not be recognized as destroyed the trust relationship. Art.612 Civil Code of Japan Baking Principle: If one party destroy the trust relationship, the other party, may cancel the contract. Estimation: If the lessee has made unauthorized sublease, the destruction of the trust relationship is estimated. Exception: If there is a reason that can not be recognized as destroyed the trust relationship, the contract can not be terminated. 裁判での議論をトゥールミンの議論の図式で表現すると図のようになります。■ ★(データ)■賃借人は,賃貸人に無断で賃借目的物を第三者に転貸した。 ★(主張)■賃貸人は賃貸借契約を解除する。転借人は,建物を収去して土地を明け渡せ。 ★(論拠)■民法612条2項は,賃借人が賃貸人に無断で賃貸目的物を譲渡したり,転貸した場合には,賃貸人は賃貸借契約を解除できると規定している。 ★(反論)■賃貸人は,賃貸人と転借人とが夫婦であり,転借人が建物を所有していることを知りながら賃貸借契約を締結した。たとえ賃貸人の同意を得ていないとしても,離婚に際して,夫が財産分与として,妻に賃借権を譲渡したり転貸したりすることは,背信行為と認めるに足りない特段の事由がある。 ★(裏づけ)■①原則:賃借人との間の信頼関係が破壊されるに至ったときは,賃貸人は,契約の解除をすることができる。 ★②法律上の推定:賃借人が,賃貸人の承諾を得ないで,その賃借権を譲り渡し,又は賃借物を転貸したときは,信頼関係が破壊されたものと推定する。 ★③例外:賃借人の行為が,賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があることを賃借人が証明したときは,賃貸人は,契約の解除をすることができない。
Set theory Analysis of Art. 612 (Venn Diagram) True cause of termination True cause of termination Estimation of the destroy of trust Sublease without permission of lessor (Art. 612) Destruction of Trust relationship (Principle) The lessor may not terminate the contract. Supreme Court Decision, 27 Jan. 1966, 20 Civ. Cases Rep. Vol. 1, p. 136. Even if the lessee of the land has subleased the leased property to the other without obtaining the approval of the lessor, but when there was a special circumstances that the act of lessee was not enough to admit the perfidy against lessor, the lessor could not exercise the right, which was provided by the paragraph 2 of article 612 of Civil Code of Japan, to terminate the contract. 最高裁判所第一法廷 昭和41年1月27日判決 最高裁民事判例集20巻1号136頁の要旨です。■ ★土地の賃借人が賃貸人の承諾を得ることなく,★その賃借地を他に転貸した場合においても, ★賃借人の右行為を ★賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは, ★賃貸人は民法612条2項による解除権を行使し得ない。
Set theory Analysis of Art. 612 (Venn Diagram) True cause of termination True cause of termination Estimation of the destroy of trust Sublease without permission of lessor (Art. 612) Destruction of Trust relationship (Principle) The lessor may not terminate the contract. Article 612 (A proposal of amendment of Civil Code of Japan by KAGAYAMA Shigeru) (1) If a lessee in violation of the purpose of the contract, destroys the trust relationship between the lessor and lessee, the lessor is able to terminate the contract. (2) If the lessee, without obtaining the lessor's approval, transfers the right of lease or subleases the leased thing to the other person, it is estimated that the trust relationship between the lessor and the lessee has been destroyed. (3) If the lessee proves, however, that there is a special circumstance that is not enough to admit the perfidy against the lessor, the lessor is not able to terminate the contract. 契約当事者間の信頼関係が破壊されないような特別の場合には,条文の文言にもかかわらず,判例は,賃貸借契約を解除することはできないと判断しています。 ★このことを条文にも反映させるため,民法612条の改正案を作成してみましょう。■ ★第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)(民法改正私案) ★①賃借人が契約の目的に違反して使用又は収益をしたため,★賃貸人と賃借人との間の信頼関係が破壊されるに至ったときは,★賃貸人は,契約の解除をすることができる。 ★②賃借人が,賃貸人の承諾を得ないで,その賃借権を譲り渡し,又は賃借物を転貸したときは,信頼関係が破壊されたものと推定し,賃貸人は,契約の解除をすることができる。 ★ただし,賃借人の行為が,賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があることを賃借人が証明したときは,賃貸人は,契約の解除をすることができない。
Exercise 6: The most difficult provision for interpretation →ex.7 1. Compare Article 770 with Article 612 of Civil Code, and explain the reason why the latter is more difficult than the former. 2. Why did the true requirement of article 612 Civil Code change from "without obtaining the approval of the lessor" to "destruction of the trust relationship"? Inquire that reason in comparing with "grave cause making it difficult to continue the marriage" of Article 770 of Civil Code. 3. Inquire and discover a unique cause of termination of contract, in considering articles 541 -- 543 and article 570 of Civil Code. 第6章が終了したので,練習問題6「解釈が最も困難な条文と困難の克服」を解いてみましょう。■ ★1. 民法770条と民法612条とを比較して,民法612条の解釈が難しいとされる理由を説明しなさい。 ★2. 民法612条の解除理由が「信頼関係の破壊」とされるに至ったのはなぜか。民法770条の「婚姻を継続しがたい事由」と比較して検討しなさい ★3. 通常の解除原因について,民法541条~543条,民法570条を連続的に考察して,解除原因の統一的な法律要件が発見できるかどうか検討しなさい。
Exercise 7: Comprehensive problems →Table of exercises 1. Generally speaking, the interpretation of a legal provisions is difficult. What is the reason? After examining various causes, make clear the true cause from the following viewpoint. A. Restrictions on legal system B. Restrictions on legislation C. Restrictions on management of law 2. What kind of effort for individual to be able to interpret law correctly? 3. Suppose that you can apply 3 hours per day to study. Form the plan for mastering the methodology of legal interpretation in one year. If it is impossible in one year, change the plan to master it in two or three years. If they are all useless, draw up a plan to master it for ten years. この講義の終わりに,これまでの復習と発展を兼ねて,練習問題7「総合練習問題」を解いてみましょう。これは,いわば,卒業試験問題です。卒業は,新しいスタートの第一歩ですから,今後の計画を立てて,学習に励みましょう。今後のご検討を祈ります。■ ★1. 一般に,法律の条文の解釈が難しいと考えられている原因は何か? さまざまな原因を検討した後,真の原因を法制度上の制約,立法上の制約,法の運営上の制約等の観点からまとめてみよう。 ★2. 正しい法の解釈できるようになるためには,個々人がどのような努力をする必要があるか。必要な努力を3点にまとめてみよう。 ★3. 専門家になるためには,学習時間が1万時間必要だとされています。1日3時間を当てるとして,法解釈の方法を1年間でマスターするための計画を立ててみよう。1年で無理なら,2年,2年で無理なら3年,それも困難なら10年計画を作成してみよう。
Reference (1/3) Approaching to human being How to debate NHK Special crew, “ Human -- Why do Homo sapiens become to humans? -- ”, Kadokawa Shoten ( 2012). TAIRA Mitsuo, “Talks of morality which children lean out and listen”, ChiChi Publishing, (2014). How to debate Aristotle (translated by Totsuka Shichiro), “ Public speaking” Iwanami (1992). FUKUZAWA Kazuyoshi, “ Lessons of discussion " NHK life who Shinsho (2002). IWATA Muneyuki, “ Rule book of discussion”, Shincho Shinsho (2007) 206 pp. Stephen Toulmin (translated by Todayama Kazuhisa , Kazuyoshi translation Fukuzawa ), “A technique of discussion, ”Tokyo Shoseki ( 2011). Stephen Toulmin, “ The Uses of Argument”, (1958, 2003) 参照文献(1/3)です。 ★1.人間の本質に迫る ・NHKスペシャル取材班『ヒューマン-なぜヒトは人間になれたのか-』角川書店(2012) ・平光雄『子供たちが身を乗り出して聞く道徳の話』致知出版(2014/10/25) ★2.議論の方法 ・アリストテレス(戸塚七郎訳)『弁論術』岩波文庫(1992) ・福澤一吉『議論のレッスン』NHK生活人新書(2002) ・岩田宗之『議論のルールブック』新潮新書(2007)206頁 ・スティーヴン・トゥールミン(戸田山和久,福澤一吉訳)『議論の技法(The Uses of Argument(1958, 2003))』東京図書(2011)
Reference (2/3) Legal way of thinking Rudolf Von Jhering (translated by Kosuke Kobayashi and Hirosawa ) “ Struggle for right ” , (original 1872) Nippon Hyoronsha (1978). Chaïm Perelman (translated by Eguchi Misumi) “ Logic of lawyer - - new rhetoric-- ”, Bokutaku-sha (1986). KAGAYAMA Shigeru, “Modern Civil Code of Japan -- Introduction and learning method of Civil law of Japnan -- ”, Shinyama-sha ( 2007). Introduction to business administration P.F. Drucker (translated by Ueda Atsushi), “Managing the nonprofit organization”, Diamond (2007). ITAMI Hiroyuki and KAGONO Tadao, “ Seminar of introduction to business administration” [ Third Edition ], Nihon Keizai Shimbun (1989,2003). TOBE Ryoichi and others, “ Essence of failure -- Research on the Japanese military organization theory” Chuko paperback ( 1991 ) ( published by Diamond. 1984). 参照条文(2/3)です。 ★3.法律家の思考方法 ・イェーリング(小林孝輔=広沢民生 訳)『権利のための闘争]』(原著1872年)日本評論社(1978) ・カイム・ペレルマン(江口三角 訳) 『法律家の論理―新しいレトリック』木鐸社(1986) ・加賀山茂『現代民法 学習法入門』信山社(2007) ★4.経営学入門 ・P.F.ドラッカー(上田惇生訳)『非営利組の経営』ダイヤモンド社(2007) ・伊丹敬之=加護野忠男『ゼミナール経営学入門』〔第3版〕日本経済新聞社(1989,2003) ・戸部良一他『失敗の本質-日本軍の組織論的研究』1 中公文庫(1991)(1984ダイヤモンド社刊)
Reference (3/3) Analysis of current situation “Do for others” Al Gore (translated EDAHIRO Junko and NAKAKOUJI Kayoko) , “ The future - six factors that move the world ” KADOKAWA (2014/10/26). SHIGENOBU Mei, “Debunk Spring of Arab”, KADOKAWA Publishing (2012) Robert. D. Kaburan (translated by SAKURAI Yuko) “ The revenge of geography”, Asahi Shimbun Publishing ( 2014/12/30). “Do for others” OKABE Mitsuaki, “’Do for Others’ (contribution to others) : the genealogy and mental structure of golden rule and altruism“, Meiji Gakuin University International Studies, No. 46 ( 2014/10/31 ) pp. 19-49. (http: / /hdl.handle.net/10723/2143). ABE Kei, “I am a concierge -- A profession not saying ‘NO’ --”, Kodansha paperback (2010). 参考文献(3/3)です。 ★5.現状分析 ・アル・ゴア『未来を語る-世界を動かす6つの要因』KADOKAWA(2014/10/26) ・重信メイ『「アラブの春」の正体』角川書店(2012/10/10) ・ロバート・D・カブラン『地政学の逆襲』朝日新聞出版(2014/12/30) ★6.Do for others ・岡部光明「Do for Others(他者への貢献):黄金律および利他主義の系譜と精神構造について」明治学院大学国際学研究,46号(2014/10/31)19-49頁(http://hdl.handle.net/10723/2143) ・阿部佳『わたくしはコンシェルジュ けっしてNOとはいえない職業』講談社文庫(2010)
Appendix System of law An Illustration of system of special torts Public law and Private law Civil law and Criminal law Frequency order of application of provisions of civil law in Japan An Illustration of system of special torts Illustration of system of contract law Flow chart of contact Tree structure of various types of contracts 補遺(練習問題を解くためのヒント)の目次です。 ★法の体系 ★公法と司法との関係 ★刑法(公法)と民法(民法)との違い ★民法の適用条文ベスト20,ベスト30 ★特別不法行為の電気回路による表現 ★契約法の体系的表現 ★契約法の流れ図 ★契約類型の体系図
Public law and private law State Public law Public law Private law Citizen Citizen Legal fabric is woven with warp and weft Public law controls relationship between State and people (vertical relationship). Private law controls relationship between people (horizontal relationship). ★公法と私法との関係です。■ ★法の網の目は,縦糸と横糸でつむがれています。 ★公法は,国家と市民との間の関係(縦の関係)をコントロールしています。 ★私法は,市民と市民との間の関係(横の関係)をコントロールしています。
Difference between Criminal law and Civil law Criminal law (Legality principle) Civil law (Remedy) Type of Crime: Assault Type of torts: Assault Not guilty The other type Punishment The other type Remedy General principle Type of Crime: Battery Type of torts: Battery ★刑法は,国家権力による不当な干渉を予防するため,罪刑法定主義を採用しています。 ★したがって,刑法の条文にない行為は,犯罪を構成せず,罰せられることはありません。 ★民法は,市民の権利の尊重と権利が侵害された被害者の救済を主要な役割としています。 ★したがって,条文に規定されていない行為であっても,被害者を救済するために,個別法ではなく,一般法が適用されます。 Typology General principle
Best 20 of Civil Code of Japan from the view point of frequency of application(1945-2013) 民法の適用頻度 ベスト20です。
Best 30 Articles of Civil Code of Japan from the view point of frequency of application(1945-2013) No. Articles 1 General tort law 11 Unjust Enrichment 21 Liability of land 2 Compensation 12 Termination 22 Prescription of tort 3 Comparative Negligence 13 Mistake 23 Duty of Care of Mandatary 4 Employers’ liability 14 Lease 24 Sale 5 Non Performance of contract 15 Apparent Agency 25 Loan for use 6 General Principles 16 Next kin’s right for compensation 26 Division of Inherited Property 7 Joint tortfeasor 17 Scope of Damages 27 Action Paulienne 8 Pubic policy 18 Defamation 28 Acquisitive prescription 9 Transfer real estate and registration 19 Quasi-Mandate 29 Free of contract 10 Restriction of sublease 20 Judicial Divorce 30 Action oblique 民法の適用頻度ベスト30です。
Structure of Art. 714(Liability of a supervisor of an incompetent) 特別不法行為法の電気回路図の一例です。
Flow of Contract Start No(not concluded) Unjust enrichment Formation Yes No(invalid/avoidable) Validity (Continued) Yes No Effective Condition No Damages No(non performance) No Performance Excuse Termination ★契約法のフローチャートの一例です。 Yes Specific performance End
Type of Contracts Contracts Transfer Ownership No need to return gratis 1. Gift onerous Paying Money 2. Sale Exchange goods 3. Exchange Need to return 4. Loan for Consumption No transfer ownership Use and return 5. Loan for use 6. Lease Supply Service Time limited work 7. Employment Independent work Completion of work 8. Work Office work 9. Mandate Deposition of things 10. Bailment Enterprise Organization 11. Association Annuity 12. Life Annuity Resolution of dispute 13. Compromise Type of Contracts ★契約法各論(典型契約)の系統図の一例です。 ★これで,「法と集合論」の講義を終了します。