動画像ストリーミングサービスのための プロキシキャッシングシステムの 設計と実装および評価

Slides:



Advertisements
Similar presentations
VoIP アプリケーションの特性解 析 05id018 岡田享介 指導教員:冬爪成人. 背景 通常の電話回線より安価で会話が出来る 通信手段としてインターネット電話とい うものがある. インターネット電話では VoIP が使用され、 音声信号を符号化し、パケット化させる 機能を持つ. しかし、 VoIP.
Advertisements

ストリーミング配信 惑星物理学研究室 修士2年 土屋 貴志.
Webプロキシサーバにおける 動的資源管理方式の提案と実装
動画像品質調整機能を組み込んだ プロキシキャッシングシステムの 実装と評価
動画像品質調整可能なプロキシキャッシュのためのキャッシングメカニズム
最新ファイルの提供を保証する代理FTPサーバの開発
TCPコネクションの分割 によるスループットの向上
不特定多数の発信者を考慮した ストリーミングシステムの実現
IPv6 エニーキャスト ルーティングプロトコル PIA-SM の設計および実装
モバイルP2Pを用いた携帯電話 動画配信手法の提案 第5回
スケールフリーネットワークにおける 経路制御のためのフラッディング手法の提案と評価
RTミドルウェアによるシステムの構築 現在,RTミドルウェアの利用が進んでいる ⇒機能要素のRTコンポーネント化を行うことで
分散環境におけるフィードバックを用いたオーケストラ演奏機構の構築
インターネットにおける オーケストラ演奏同期機構の 設計と実装
物理網構成を考慮したハイブリッド型 P2P 動画像ストリーミング配信機構の提案と評価
神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
ネットワーク構成法 スケール 第6回 11月19日.
HTTP proxy サーバにおける 動的コネクション管理方式
文部科学省 科学技術振興調整費 「先導的研究等の推進」プロジェクト 「モバイル環境向 P2P型情報共有基盤の確立」
IAA情報登録クライアント for Windows
TCPデータ通信との公平性を考慮した 輻輳適応能力を有する MPEG動画像通信のための品質調整機構
センサノード 時刻同期と位置測定 浅川 和久 2008/11/16 センサノード 時刻同期と位置測定.
輪講: 詳解TCP/IP ACE B3 suzuk.
物理網構成を考慮したハイブリッド型 P2P 動画像ストリーミング配信機構の評価
ユビキタス環境における コミュニケーション・ツール選択支援機構の提案
バックボーンルータにおける REDの動的閾値制御方式
PlanetLab における 効率的な近隣サーバ選択法
実時間動画像マルチキャストのための フィルタリング手法の実装と評価
コンテンツ配信 エンコード (符号化) CBR (Constant Bit Rate) VBR (Variable Bit Rate)
予備親探索機能を有した アプリケーションレベルマルチキャスト
帯域外リモート管理の継続を 実現可能なVMマイグレーション手法
プロキシ協調型動画像配信システムの検討 大阪大学 若宮 直紀.
伝送特性に応じた 適応型映像・音声配信機構の構築
Peer to Peer(P2P)の概要と 研究の進捗
B4向け研究紹介 MTAにおけるspamメール判別方法
サーバ負荷分散におけるOpenFlowを用いた省電力法
山本 貴之 大阪大学 大学院基礎工学研究科 情報数理系専攻 村田研究室 博士前期課程
Copyright Yumiko OHTAKE
動画像品質調整機能を組み込んだ プロキシキャッシングシステムの 実装と評価
大阪大学 大学院情報科学研究科 博士前期課程2年 宮原研究室 土居 聡
オブジェクト指向プログラムのための 動的結合メトリクスの評価
2009年度卒業論文発表 CDNコンテンツサーバの動的負荷分散
コンポーネント連携によるサービスを オーバレイネットワーク上で 実現するためのサービス設計技法の提案
コマンドパイプラインによる マルチメディアストリーム処理
マルチホーミングを利用した Proxy Mobile IPv6の ハンドオーバー
各種ルータに対応する P2P通信環境に関する研究
TIME SIGNAL: 集合知を利用した赤信号点灯時間の取得手法
オープンソース開発支援のための ソースコード及びメールの履歴対応表示システム
東京工業大学 情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 千葉研究室 栗田 亮
端末およびサービス透過的な 情報閲覧支援システムの構築
IP over DVB-RCSの設計と実装
GoNET-MIS のご紹介 2015年04月 アイビーソリューション株式会社 Ver 2.1.
2003年6月17日 早稲田大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 修士2年 水野 宏樹
片方向通信路を含む ネットワークアーキテクチャに於ける 動的な仮想リンク制御機構の設計と実装
映像による 複数人のコミュニケーション向けの アプリケーションレベルマルチキャストEmmaの性能評価
P2P ネットワーク上で 実時間ストリーミングを実現するための 分散制御プロトコルの提案
福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 種田研究室 于 聡
画像情報特論 (1) - インターネット電話とインターネット放送 はじめに 情報ネットワーク専攻 甲藤二郎
GbEにおける TCP/IP の研究について
クラスタリングを用いた ベイズ学習モデルを動的に更新する ソフトウェア障害検知手法
EMONシステム: コマンドパイプラインによる マルチメディアストリーム処理
Amicus: A Group Abstraction for Mobile Group Communications
2007 D0活動予定 D0 kazuhisa.
複雑度メトリクスを用いた JAVAプログラム品質特性の実験的評価
特定ユーザーのみが利用可能な仮想プライベート・ネットワーク
黒宮 佑介(学籍番号: ) 政策・メディア研究科 修士課程2年 主査:村井 純、副査:斉藤 賢爾・中村 修・江崎 浩
インセンティブにより自律ユーザに 高品質なオーバーレイマルチキャスト木を 構築させるプロトコルの提案
ソケットの拡張によるJava用分散ミドルウエアの高信頼化
黒宮 佑介(学籍番号: ) 政策・メディア研究科 修士課程2年 主査:村井 純、副査:斉藤 賢爾・中村 修・江崎 浩
Presentation transcript:

動画像ストリーミングサービスのための プロキシキャッシングシステムの 設計と実装および評価 Design, Implementation, and Evaluation of Proxy Caching Mechanisms for Video Streaming Services 動画像ストリーミングサービスのための プロキシキャッシングシステムの 設計と実装および評価 谷口 義明 大阪大学 大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 村田研究室 博士前期課程 E-mail: y-tanigu@ist.osaka-u.ac.jp 修士論文発表会用資料 日時:2/13 14:00-14:15 場所:待兼山会館2階会議室. 発表:発表9分(最大10分)+質疑5分.10分を越えると打ち切り.

動画像ストリーミングサービス 定常的に大量のトラヒックが発生 さまざまな利用者環境 プロキシ技術による負荷,配送遅延の軽減 ネットワーク,サーバの負荷の増大 データ配送遅延の増大 さまざまな利用者環境 ネットワークへの接続形態(FTTH,ADSL,Mobile) システム性能(PC,PDA,PocketPC) プロキシ技術による負荷,配送遅延の軽減 利用者環境に合わせた動画像品質調整 Feb 20th, 2004 修士論文発表会

動画像品質調整機能を有する プロキシキャッシングシステム Proxy Video Server Client 広帯域 蓄積 高品質 転送(高品質) プロキシ間で蓄積データ共有 転送(低品質) 低品質 狭帯域 Client 動画像 品質調整 キャッシュバッファ Feb 20th, 2004 修士論文発表会

修士論文の構成 過去の提案 提案に基づくプロキシキャッシングシステムの設計,実装および評価 プロキシキャッシングメカニズム [8] プロキシ協調型キャッシングメカニズム [9] 提案に基づくプロキシキャッシングシステムの設計,実装および評価 既存のMPEG-4動画像配信サービスを対象 市販のサーバ,クライアントアプリケーションを利用 (Darwin,RealOne,QuickTime) [8] Masahiro Sasabe, Yoshiaki Taniguchi, Naoki Wakamiya, Masayuki Murata, Hideo Miyahara, ``Proxy Caching mechanisms with quality adjustment for video streaming services’’, IEICE Transactions on Communications Special Issue on Content Delivery Networks, vol.E86-B, pp.1849-1858, June 2003 [9] Naoki Wakamiya, Masayuki Murata, and Hideo Miyahara, ``Video Streaming Systems with Cooperative Caching Mechanisms’’, in Proceedings of SPIE International Symposium ITCom 2002, pp.305-314, July 2002. Feb 20th, 2004 修士論文発表会

基本動作 Server or Neighboring Proxy Proxy Client Play-out Signal 動画像ストリームを一定 時間ごとのブロックに 分割し,管理,取得, 蓄積の単位とする 蓄積ブロックを提供 ブロック読み出し 品質調整,転送 ブロックを取得し提供 取得先サーバを選択 ブロック取得,蓄積 品質調整,転送 Server or Neighboring Proxy Request 各ブロックを 適切な方法で提供 Proxy Request 1 2 3 動画像配信の設定 Client  Play-out Delay 1 2 3 動画像フォーマット MPEG-4 Play-out 動画像配信制御 RTSP/TCP 動画像転送 RTP/UDP Signal Video Data Feb 20th, 2004 修士論文発表会

プロキシ間協調のための情報取得 近隣プロキシが持つブロックの情報が必要 伝播遅延,帯域の推定が必要 RTSP メッセージを用いて問い合わせる RTCP セッションより得られるフィードバック情報を利用する TFRC を利用して利用可能な帯域を推定する Feb 20th, 2004 修士論文発表会

市販アプリケーションを用いる ことによる問題点 サーバは符号化レートで動画像を送信するため帯域を有効に利用できない サーバ/プロキシ間の動画像セッションをクライアント毎に張る クライアントは許容可能な動画像品質を通知しない プロキシは再生に間に合うもののうち最も高い品質のブロックを提供する Feb 20th, 2004 修士論文発表会

実装システムの概要 Proxy Video Server Proxy Proxy Client Client 設定 動画像フォーマット Table Cache Signal Darwin Table Cache Video Data Cooperation Process Proxy 設定 動画像フォーマット MPEG-4 Proxy Process Proxy Process Table Cache 動画像配信制御 RTSP/TCP 動画像転送 RTP/UDP フィードバック情報収集 RTCP/UDP 帯域の推定方法 TFRC 動画像品質調整手法 フレーム棄却 Client Client Feb 20th, 2004 修士論文発表会 RealOne

実験システムの構成 評価指標 プロキシ2と クライアントの 受信レート サーバ プロキシ1 プロキシ2 クライアント1 クライアント2 レート:平均 1Mbps 長さ :200 秒 (30fps) ブロック数:20 評価指標 プロキシ2と クライアントの 受信レート サーバ 1 Mbps 100 ms 1 Mbps 100 ms プロキシ1 プロキシ2 キャッシュ内ブロック キャッシュ内ブロック 2 Mbps 50 ms ブロック レート b1~b20 1Mbps ブロック レート b1~b6 1 Mbps b7~b20 0 kbps 時刻 260 秒 700kbps に変化 時刻 200 秒までに全てのブロックが蓄積 1.5 Mbps 10 ms 1.5 Mbps 10 ms 時刻 200 秒 サービスに参加 時刻 0 秒 サービスに参加 クライアント1 クライアント2 Feb 20th, 2004 修士論文発表会

プロキシ2の受信レート プロキシ1からブロックを取得 2500 from proxy1 S from server P1 P2 2000 1Mbps 1Mbps b7 b8 b9 P1 P2 2000 2Mbps 700kbps サーバから ブロックを取得 reception rate [kbps] 1500 C1 C2 b10 b11 b12 b13 b14 b15 b16 b17 b18 b19 1000 b20 再生に間に合うよう,プロキシ1から品質調整されたブロックを取得 自身の持つ ブロックを配信 500 時刻260秒 帯域の変化 200 250 300 350 400 time [sec] Feb 20th, 2004 修士論文発表会

全ての動画像ブロックが再生に間に合うタイミングで到着 クライアント2の受信レート 2000 b1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 b8 b9 b10 1500 b11 b12 b13 b14 b15 b16 b17 b18 b19 1000 b20 reception rate [kbps] 全ての動画像ブロックが再生に間に合うタイミングで到着 500 200 250 300 350 400 time [sec] ブロック到着間隔の様子 Play-out Play-out delay Feb 20th, 2004 修士論文発表会

まとめと今後の課題 まとめ 今後の課題 提案手法にもとづいたプロキシキャッシング システムの設計,実装 有効性,実用性の検証 MPEG-4動画像配信サービスを対象 市販のサーバ,クライアントアプリケーションを利用 有効性,実用性の検証 今後の課題 大規模なネットワークでの実証実験 適切なプロキシの配置 Feb 20th, 2004 修士論文発表会