2010-06-17 駒澤大学 経営学部 経営学科 MG8100 卜部友子 欧州と日本の サッカークラブ経営 2010-06-17 駒澤大学 経営学部 経営学科 MG8100 卜部友子 今月11日からW杯が開催されました。これをきっかけに、今回欧州と日本のサッカークラブの経営状況について、例をあげて説明します。
目次 サッカークラブの収支費目 日本のサッカークラブ経営 欧州のサッカークラブ経営 収入の比較 おわりに FIFA.com まずはじめに、サッカークラブの収入・費用にはどのようなものがあるか J1の浦和レッズを例に日本のクラブ経営について、 イングランド、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドを例に欧州のクラブ経営について 収支の数値を示しながら説明したいと思います。 そしてこの2つのチームの過去5年の収入をグラフ化し、比較しました。 FIFA.com
サッカークラブの収支費目 営業収入 ・入場料 ・キャラクター商品 ・テレビ放映権 ・スポンサー (・Jリーグ分配金) ・入場料 ・キャラクター商品 ・テレビ放映権 ・スポンサー (・Jリーグ分配金) 日本ではJリーグから各クラブへの分配金があります。 浦和レッズダイヤモンズ公式サイト
サッカークラブの収支費目 営業費用 ・事業運営費 ・選手、監督、コーチ報酬 ・一般管理費 ・事業運営費 ・選手、監督、コーチ報酬 ・一般管理費 Official Site of the Premier League
日本のサッカークラブ経営 浦和レッズダイヤモンズの例 ・入場料収入 24億6000万円 ・広告料収入 27億3500万円 ・グッズ収入 24億6000万円 ・広告料収入 27億3500万円 ・グッズ収入 6億1600万円 ・Jリーグ分配金 3億1600万円 ・その他 3億300万円 まず、日本のサッカークラブ経営の例として、浦和レッズの経営状況についてみてみたいと思います。 浦和レッズの2009年の営業収入は64億3200万円で、内訳をみると入場料収入は24億6000万円で38%、 広告料収入は27億3500万円で43%、グッズ収入は6億1600万円で10%、Jリーグからの分配金が3億1600万円、 その他の収入が3億300万円でともに約5%になっています。
日本のサッカークラブ経営 浦和レッズダイヤモンズの例 ・事業運営費 26億5500万円 ・チーム運営費 30億8200万円 ・一般管理費 26億5500万円 ・チーム運営費 30億8200万円 ・一般管理費 6億2000万円 また営業費用は63億5800万円でした。内訳は事業運営費が26億5500万円で42%、 選手や監督、コーチへの報酬も含まれるチーム運営費が30億8200万円で48%、 一般管理費が6億2000万円で10%になっています。
欧州のサッカークラブ経営 マンチェスター・ユナイテッドFCの例 ・入場料 153億2400万円 ・放映権 141億2400万円 ・商業 153億2400万円 ・放映権 141億2400万円 ・商業 98億6400万円 つぎに、欧州のサッカークラブ経営の例としてマンチェスター・ユナイテッドの経営状況についてみます。 営業費用についての数値データが得られなかったので、ここでは収入についてのみお話したいと思います。 マンチェスター・ユナイテッドの2008年9月時点での営業収入は393億1200万円でした。 内訳は、入場料収入が153億2400万円で34%、放映権が141億2400万円で36%、 スポンサーからの収入やキャラクター商品の販売による総売上高が98億6400万円で25%です。 欧州のクラブ収入はこの3つの収入がほぼ3分されていることが特徴です。
収入の比較 いま例に挙げました、日本で1番の収益を上げている浦和レッズと 世界第2位のクラブ収入を誇るマンチェスター・ユナイテッドの過去5年の収入をみてみると、 約6~8倍の差があることがわかりました。
おわりに 欧州と日本のクラブチームの収入の差の要因 欧州リーグでの放映権の高騰 各クラブが衛星チャンネルと個別に契約 欧州リーグでの放映権の高騰 各クラブが衛星チャンネルと個別に契約 (日本)Jリーグが一括して管理 近年欧州でのサッカー放映権の高騰につられて、選手の移籍金や年棒も急騰したことが挙げられます。 イギリス、イタリア、スペインでは・・・契約しているため、この影響がより反映されたといえます。 しかし日本では・・・管理しているため、急な価格高騰の可能性はなく、Jリーグの組織構造が変わらない限り、欧州と日本のクラブ収入の在り方に変化が起こることはないでしょう。
参考文献 「浦和レッズダイヤモンズ公式サイト」 http://www.urawa-reds.co.jp/ http://www.urawa-reds.co.jp/ 「FIELDS OF ANFIELD ROAD」 http://gerrard.blog.shinobi.jp/Entry/2974/ 「新訂版 サッカー-コーチングとチームマネジメント-」 マルコム・クック、訳五島祐次郎・松本光弘、 晃洋書房、2001年 「サッカーで燃える国 野球で儲ける国」 ステファン・シマンスキー、アンドリュー・ジンバリスト、 訳田村勝省、ダイヤモンド社、2006年
おわり