FOREST 搭載 IF 広帯域化100GHz 帯 SIS ミクサの開発 2 講演 No. V 109b FOREST 搭載 IF 広帯域化100GHz 帯 SIS ミクサの開発 2 大阪府立大学 上月 雄人 石田裕之、長谷川豊、黒岩宏一、木村公洋、 村岡和幸、前澤裕之、大西利和、小川英夫 ( 大阪府大 ) 中島拓、 加藤智隼、 藤井由美、山本宏昭 ( 名大 ) 浅山信一郎、南谷哲宏、小嶋崇文、藤井泰範、野口卓 ( NAOJ )
現在の FOREST 受信機 ・ IF Freq = 8-12 GHz で雑音温度が増大 → SIS-Mixer の IF 出力部分に問題あり? FOREST での Trx 測定結果一覧
開発進捗 2014年 11,12月 OKY100_14A,B,Cマスク製作 2015年 1月 OKY100_14B素子製作 (9種類、54本) 1,2,3月 ATC評価系準備 2,3月 14B素子1種類4本測定完了 (ATC, 名大、府大) →現FOREST素子の性能を再現 3月現在 次期素子「OKY_15D」計画中 開発の進捗状況ですが、昨年末に現行素子の設計を基にした改良素子OKY100_14A,B,C素子のマスクを製作し、今年1月に最初の素子が製作されました。 この時製作されたのは、14A,B,Cの3種類のうちのひとつである14B素子の、そのまた一部になります。 今年の1月からは、本改良素子のための100G帯評価系の構築と素子評価がATC,名大,府大で行われています。 製作された9種類54本の素子のうち、現在1種類4本の測定が完了しており、今後も順次評価を進めていく予定です。 現在測定されたミクサは、現行素子に最も近い設計のミクサであり、測定結果でも現行素子の性能が再現されていることが確認できました。 今後、設計モデルを基にパラメータの最適化を行い、最適な回路を探索する予定です。 また、これらとは平行に、RF帯,IF帯のさらなる広帯域化を目指した新たな素子の開発を検討しております。 本講演では、この新素子について紹介したいと思います。
OKY100_15D 設計中 更なる広帯域化に向けて・・・ さらなる広帯域化を目指す新素子、 かつミクサに付属する導波管回路も再設計することを検討しています。 チップ上の回路の設計の最適化は、 これらをミクサとして完成させる以前に、 テストピースで要素ごとに測定・評価することを検討しています。 特に回路要素として重要と思われる プローブアンテナとチョークフィルタについてご紹介いたします。
Center of radial-probe Radial probe-antenna Center of radial-probe Feed-Point 70 GHz 120 GHz 30Ωで規格化 まず最初に、RF帯の広帯域化に向けてプローブアンテナの変更を検討しております。 この”Radial probe-antenna”と呼ばれる扇型のアンテナは、リデュースドハイトの導波管と組み合わせることで、 70-120GHzのRF帯に渡ってインピーダンスを約30Ωに設計することが可能であることが解析でわかりました。 この低インピーダンスを実現する際、扇型の中心が図のようにキャパシティブになってしまいます。 そこで図のようにコプレーナのインダクタを設けることで、フィードポイントのインピーダンスを実軸上に調整しています。 テストピースの測定によって、扇型の半径・中心角・コプレーナインダクタの長さを最適化し、設計通りのインピーダンスを持つフィードポイントを設計します。 30Ωで規格化 70 GHz 120 GHz
Hammer choke-filter Stepped Impedance choke-filter (Present) GND simulated S-Parameters of hammer-filter (5cells) Ins. loss Ret. loss IF band RF band Signal-line GND Capacitor 50 um Stepped Impedance choke-filter (Present) 1mm IF帯域の広帯域化に向けては、SIS接合からSMAコネクタまでのIF伝送線路を成すチョークフィルタのリアクタンスの除去を目指します。 これはすなわち、冷却IF系の特性インピーダンス50Ωに対する、チョークフィルタのIF帯域での反射損失低減を意味しますが、従来チョークフィルタとして用いられてきた”Stepped Impedance low-pass filter”はミクサチップ上の面積のほとんどを占め、チップサイズ内ではRF帯とIF帯の双方で良好な特性を実現することは困難でした。 対して、このハンマ−フィルタはずっと小さな面積で、RF帯とIF帯で良好な特性を実現でき、フィルタのスケールが小さいおかげでSISの整合回路内に組み込まれたIF信号の読み出し線路上のフィルタとして利用できます。 このフィルタ特性の再現にもテストピースの測定を利用し、ハンマー部分の形状とハンマーの間隔を最適化します。
まとめ 今後 FOREST ミクサを基にした OKY100_14A,B,C 素子の うち、14B 素子の一部の製作が行われた。 製作された未測定 OKY100_14B 素子の評価と 回路パラメータの最適化を行い、現行設計での 性能の上限を探る。 さらなる広帯域化を目指した新素子 OKY_15D の 設計・マスク化を4月中に完了する。 今後