安全管理体制とリスクマネージメント 高齢者介護施設における感染対策

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きらきら新聞 12 月 号 みなさま、こんにちは!! だんだんと寒さが厳しくなってきましたね。早いも のでもうすぐ今年も終わりです。仕事納めや大掃除 などで何かと忙しい師走ですが、しっかり休養とバ ランスの良い食事を心掛けて元気に新しい年を迎え ましょう! 今月の特集 ・インフルエンザ対策!! ・あったかお風呂入浴法.
第 2 章 子どもの成長・発達と看護 3. 幼児期の子どもの成長・発達と看護( 2 ) 学習目標 1 .幼児の睡眠と規則正しい生活の必要性を理解する. 2 .幼児の健康維持に対する取り組みとしての清潔行動確 立に向けた援助を理解する. 3 .幼児にとっての遊びの意義と発達を促すために必要な 遊びへの援助を理解する.
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第8回細胞治療セミナ-.
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利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 : 提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生のプレゼンテーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成するため」などを想定しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に対して、無償で貢献するために使用すること」が大前提です。
作業員のための感染症 教育資料 提供:産業医科大学
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喀痰を生じる疾患や病態.
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目視で確認!鮮度を徹底!加熱・冷凍で予防!
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趣旨  平成22年4月1日厚生労働省(医政発0401第17号) 各都道府県知事にあて発令された文章を受けて 県内各施設における医療的ケアを実践的に 指導できる看護職員を養成することを目的
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ノロウイルスについて H28.11.14.
会員各位  世田谷区医師会のご協力を得て病院玄関等に掲示するためのポスターサンプルを作成いたしましたので、ご活用下さい。  なお、保健所名・電話番号は別添資料をご確認の上、適宜ご記入のうえ、掲示して下さい。   ①ポスター   ②都内発熱相談センター電話番号一覧  病院によっては、患者さんが持ち帰ることができるよう、管轄保健所および東京都の発熱相談センターの電話番号をA5~A6サイズの紙に印刷して入り口付近に置いている病院もあるとのことです。ご参考までにお知らせいたします。
~ 獣医師の皆さん、抗菌剤の慎重使用等対策を進め、
~感染性胃腸炎(ノロウイルス)編~ 施設内感染症対策マニュアル -見本- 施設名 ◆お問い合わせ先◆ 旭川市保健所 健康推進課 保健予防係
新興感染症の病原体 再興感染症の病原体 病原体の種類 病原体名 ウイルス ロタウイルス、エボラウイルス、T細胞性白血病ウイルス
~ 生産者の皆さん、抗菌剤の慎重使用等対策を進め、
× 農作業の安全のために 危険を予知しよう 服装を正しくしよう 安全カバーをはずさない 正しい服装で作業しましょう
「リステリア」による食中毒を 防ぐために衛生管理を徹底しましょう
疫学概論 疫学研究の目的 Lesson 1. 疫学研究 §A. 疫学研究の目的 S.Harano,Md.PhD,MPH.
2014年 テーマ 「AIDS NOT OVER ~まだ終わっていない」
目 次 第1章 大阪府保健医療計画について 1.医療計画とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
衛生委員会用 がんの健康講話用スライド.
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安全管理体制とリスクマネージメント 高齢者介護施設における感染対策 安全管理体制とリスクマネージメント 高齢者介護施設における感染対策             田中 輝子

          高齢者介護施設は ・感染症に対する抵抗力が低い高齢者が、  集団で生活する場である        ↓   感染が広がりやすい状況 ・どうすればよいか   ・感染症を予防する体制を整備   ・平常時から対策を実施する   ・感染症発生時には迅速で適切な対応

(1)感染対策の基本 ①感染源の排除 ②感染経路の遮断 ③宿主(人間)の抵抗力の向上     (1)感染対策の基本 ①感染源の排除 ②感染経路の遮断 ③宿主(人間)の抵抗力の向上

 (a)感染源 ①排泄物(嘔吐物・便・尿など) ②血液・体液・分泌物(喀痰・膿みなど) ③使用した器具・器材(刺入・挿入したもの) ④上記に触れた手指で取り扱った食品など ・①②③は必ず手袋を着用して取り扱いましょう

(b)感染経路の遮断 感染経路には  ①空気感染    (結核菌・麻疹ウイルスなど)  ②飛沫感染   (インフルエンザ・風疹ウイルスなど)  ③接触感染、針刺し事故などによる血液媒介    感染

感染経路の遮断とは  ①感染源(病原体)を持ち込まないこと  ②感染源(病原体)を広げないこと  ③感染源(病原体)を持ち出さないこと そのためには  ・手洗いの励行  ・うがいの励行  ・環境の清掃  ・血液・体液・分泌物・排泄物などを扱うときは   手袋を着用

(2)高齢者介護施設における感染    管理体制   施設内でまったく新規に発生することはまれ   である   持ち込まない    ・新規の入所者への対策    ・職員、委託業者、面会者、などに対する   対策

(3)平常時の衛生管理 ① 施設内の衛生管理 (a)環境の整備 (b)排泄物の処理 (c)血液・体液の処理

  ② 介護・看護ケアと感染対策 (a)標準的な予防策  ・1ケア1手洗いの徹底  ・ケア前後の手洗い  ・血液・体液・排泄物などを扱うときは手袋、   マスク、エプロン、ゴーグルなどの着用   

 (b)手洗いの方法 ・基本的な手洗いは、流水と石鹸    (石鹸は液体が望ましい) ・手を洗うときは、時計や指輪をはずす ・爪は短く切っておく ・手洗いが雑になりやすい部位は、意識して   洗う ・ぺーパータオルが望ましい   (濡れたタオルで拭くことはやめましょう)   

  (C)うがい のどには細菌が多く付着しているので、咳やくしゃみにより外部に放出され、周囲の人に感染したりします  うがいの方法 ①口腔内のブクブクうがい ②咽頭部までのガラガラうがい ③①と②を繰り返し行う  

感染予防 利用者 職員 標準予防策の徹底 感染させない(手洗い,うがい) 感染しない(手袋・ガウン・マスク) 健康管理 予防接種 十分な食事 十分な睡眠・休養 予防接種 感染しない(手袋・ガウン・マスク)