身体障害者支援について 自立訓練(機能訓練) 補装具費支給制度

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身体障害者支援について 自立訓練(機能訓練) 補装具費支給制度

専門コース別研修実施のポイント 身体障害者に対して提供される「自立訓練(機能訓練)」を理解する。 身体障害のある方に対する支援は、従前は「身体障害者更生援護施設」において、障害者自立支援法施行後は主に「機能訓練事業所」において、医学的リハから社会リハに至る「総合的リハビリテーション」を実施してきた。 身体障害のある方の主体性を引き出し、自分らしく生きるためには、社会生活力の向上を視野に入れた適切なリハビリテーションが提供されることが求められる。 身体障害者に対して提供される「自立訓練(機能訓練)」を理解する。 身体障害者の損なわれた身体機能を補完・代替する用具である「補装具」等の福祉用具について理解する。 身体障害者が社会参加するための連携の必要性を理解する。 2

自立訓練(機能訓練) ○ 対象者 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ○ 報酬単価(平成27年4月~) 地域生活を営む上で、身体機能・生活能力の維持・向上等のため、一定期間の訓練が必要な身体障害者又は難病等対象者 (具体的には次のような例)  ① 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行等を図る上で、身体的リハビリテーションの継続や身体機能の維持・回復    などを目的とした訓練が必要な者  ② 特別支援学校を卒業した者であって、地域生活を営む上で、身体機能の維持・回復などを目的とした訓練が必要な者 等 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ■ 理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション、生活等に関す   る相談及び助言その他の必要な支援を実施 ■ 事業所に通う以外に、居宅を訪問し、運動機能や日常生活動作能力   の維持・向上を目的とした訓練等を実施 ■ 標準利用期間(18ヶ月、頸髄損傷による四肢麻痺等の場合は36ヶ   月)内で、自立した日常生活又は社会生活を営めるよう支援を実施 ■ サービス管理責任者 ■ 看護師 ■ 理学療法士又は作業療法士  6:1以上 ■ 生活支援員 ○ 報酬単価(平成27年4月~) ■ 基本報酬 通所による訓練 →利用定員数に応じた単位(定員20人以下) 604単位~787単位 訪問による訓練  245単位 (1時間未満の場合)  564単位 (1時間以上の場合)  ※ 訪問のうち、視覚障害者に対する専門訓練 724単位 ■ 主な加算 リハビリテーション加算(20単位) →利用者それぞれにリハビリテーション実施計画を作成し、個別のリハビリテーションを行った場合 ○ 事業所数  171(国保連平成28年12月実績) ○ 利用者数  2,204(国保連平成28年12月実績)

自立訓練(機能訓練)の標準的な支援内容(例) 通所前期(基礎訓練期) 通所後期(日常生活訓練期) 訪問期 期 間 6ヶ月間  6ヶ月間 日中通所 ○※ △ 訪 問 ×~△ ○ ADL(日常生活動作)、IADL(日常生活関連動作)の向上 ○ 施設内等での基礎的訓練(理学療法、作業療法、言語療法の個別的指導による心身機能の向上) → 医療機関におけるリハビリテー  ションのフォローアップ (専門職配置がない場合) ○ 地域において安定的な日常生活を営むための訓練(理学療法、作業療法、言語療法のグループ指導、自助具・装具適応及び改良、白杖等による歩行訓練、日常生活関連動作の習熟) ○ 社会経済活動への参加のための訓練(書字・読字・手話等のコミュニケーション訓練、作業訓練、公共交通機関を利用した外出訓練等) 社会活動参加 ○ 本人、相談支援事業者等関係機関との調整 ○ 地域の社会資源に関する情報提供 ○ 就労、職業訓練等他のサービス提供体制との調整 ○ 住環境の調整(住居の確保、住宅改修等の助言及び調整) ○ ボランティア等地域の社会資源との調整 ○ パソコン等情報機器の利用 ○ その他スポーツ、レクリエーション等 健康管理 ○ 健康維持のための指導・助言(血圧・脈拍、自覚症状等のチェック、血糖値の測定等) ○ 二次障害予防を含む具体的な看護計画(疲労、転倒、疼痛等への配慮、運動許容量の検討、事故防止)の作成 ○ 症状や障害の経過観察(褥瘡、インスリン注射、カテーテルの留置・管理、浣腸、摘便等の処置及び介護に係る具体的な指示) ○ 服薬管理 その他 ○ 施設内での入浴、排泄介助、身辺介助等 ○ 地域生活における身辺、食事、排泄等の自立へ向けての対応 ○ 家族への助言 ○ 移行プログラムへの同意(目標設定)と動機付け ○ 今後の生活設計を構築する上での相談・援助 ○ 地域生活・就労移行支援等他のサービス利用に向けた安定的な生活のための相談・援助 差し替え ※ 地域の社会資源の状況から通所することが困難であるなど、一定の条件に該当する場合、施設入所も可能。 ※ 頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者にあっては、標準利用期間は3年間。

 【標準利用期間等について】  ○ 自立訓練及び就労移行支援については、地域生活や一般就労への移行など、明確な目的意識を持って一定期間で効果的・効率的に訓練を行い、サービスの長期化を回避するため、標準利用期間を設定している。  [標準利用期間] 法令上定められているサービスの利用期間(障害者総合支援法施行規則第6条の6)     ①自立訓練(機能訓練) 1年6ヶ月間(頸髄損傷による四肢麻痺等の場合は3年間)       ②自立訓練(生活訓練) 2年間(長期間入院又は入所していた者については、3年間)      ③就労移行支援      2年間            (* あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師の資格取得を目的とする養成施設を利用する場合は、3年間又は5年間)  ○ また、支給決定期間を1年間まで(上記③*の場合は3年間又は5年間)とし、引き続きサービスを提供することによる改善効果が具体的に見込まれる場合には、各サービスごとに定められた標準利用期間の範囲内で、1年ごとの支給決定期間の更新が可能である。   ○ なお、標準利用期間を超えて、さらにサービスの利用が必要な場合については、市町村審査会の個別   審査を経て、必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新が可能としている。(原則1回)。  ○ 宿泊型自立訓練は、標準利用期間を原則2年間とし、市町村は、利用開始から1年ごとに利用継続の必要性について確認し、支給決定の更新を行うこととしている。なお、サービスの利用開始から2年を超える支給決定の更新を行おうとする場合には、市町村審査会の意見を聴くこととしている。 差し替え

差し替え リハビリテーション加算の取扱い リハビリテーション加算 20単位/日 リハビリテーション加算  20単位/日 リハビリテーション加算については、利用者ごとに個別のリハビリテーションを行った場合に算定するものであるが、原則として利用者全員に対して実施するべきものであり、具体的には次のとおり実施すること。 ア 利用開始時に利用者に対するリハビリテーションの実施に必要な情報を収集しておき、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の職種の者(関連スタッフ)が暫定的に、リハビリテーションに関する解決すべき課題の把握(アセスメント)とそれに基づく評価を行い、その後、多職種協働により会議を行ってリハビリテーション実施計画の原案を作成する。また、作成した原案については、利用者又はその家族に説明し、同意を得ること。 イ 原案に基づいたリハビリテーションやケアを実施しながら、概ね2週間以内及び概ね3ヶ月ごとに関連スタッフがアセスメントとそれに基づく評価を行い、その後、多職種協働により、会議を行って、リハビリテーション実施計画を作成すること。また、作成した計画については、利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。また、会議の結果、必要と判断された場合は、関係する指定特定相談支援事業所の相談支援専門員や他の障害福祉サービス事業所等に対してリハビリテーションに関する情報伝達(日常生活上の留意点、サービスの工夫等)や連携を図ること。 ウ 利用を終了する前に、関連スタッフによる会議を行うこと。その際、終了後に利用予定の指定特定相談支援事業所の相談支援専門員や他の障害福祉サービス事業所のサービス管理責任者等の参加を求めること。 エ 利用終了時には指定特定相談支援事業所の相談支援専門員や利用者の主治の医師に対してリハビリテーションに必要な情報提供を行うこと。 差し替え

「居宅を訪問して自立訓練(機能訓練)を提供した場合」 差し替え  1時間未満:245単位  1時間以上:564単位 具体的には次のとおりであること。 ア 運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う各種訓練等及びこれらに関する相談援助 イ 食事、入浴、健康管理等居宅における生活に関する訓練及び相談援助 ウ 住宅改修に関する相談援助 エ その他必要な支援

差し替え 「視覚障害者に対する専門的訓練」 724単位 視覚障害者である利用者に対し、以下の研修等を受講した者が行う、歩行訓練や日常生活訓練等をいうものである。 ア 国立障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害学科(平成10年度までの間実施していた視覚障害生活訓練専門職員養成課程を含む。) イ 「視覚障害生活訓練指導員研修事業について」(平成13年3月30日障発第141号)に基づき、社会福祉法人日本ライトハウスが受託して実施している視覚障害生活訓練指導員研修 ウ 廃止前の「視覚障害生活訓練指導員研修事業について」(平成6年7月27日社援更第192号)に基づき、社会福祉法人日本ライトハウスが受託して実施していた視覚障害生活訓練指導員研修 エ 廃止前の「盲人歩行訓練指導員研修事業について」(昭和47年7月6日社更第107号)に基づき、社会福祉法人日本ライトハウスが受託して実施していた盲人歩行訓練指導員研修 オ その他、上記に準じて実施される、視覚障害者に対する歩行訓練及び生活訓練を行う者を養成する研修

補装具費支給制度の概要 1.制度の概要 2.対象者 補装具を必要とする障害者、障害児、難病患者等 3.実施主体 市町村 4.申請方法等  障害者が日常生活を送る上で必要な移動等の確保や、就労場面における効率の向上を図ること及び障害児が将来、社会人として独立自活するための素地を育成助長することを目的として、身体機能を補完又は代替し、かつ、長期間にわたり継続して使用される用具(別紙「補装具種目一覧」を参照)について、同一の月に購入又は修理に要した費用の額(基準額)を合計した額から、当該補装具費支給対象者等の家計の負担能力その他の事情をしん酌して政令で定める額(政令で定める額が基準額を合計した額の百分の十を超えるときは、基準額に百分の十を乗じた額)を控除して得た額(補装具費)を支給する。   ※政令で定める額…市町村民税世帯非課税者以外の者:37,200円、市町村民税世帯非課税者:0円 2.対象者     補装具を必要とする障害者、障害児、難病患者等           ※ 難病患者等については、特殊の疾病告示に定める疾病に限る 3.実施主体     市町村 4.申請方法等  障害者(障害児の場合は扶養義務者)が市町村長に申請し、身体障害者更生相談所等の判定又は意見に基づく市町村長の決定により、補装具費の支給を受ける。 補装具費支給制度の概要について説明します。 この制度は、障害のある方が日常生活を送る上で必要な移動等の確保や、就労場面における効率の向上を図ること、障害のあるお子さんが将来、社会人として独立自活するための素地を育成助長することを目的として、定められた用具を購入・修理する費用の一部を支給する制度です。障害者総合支援法で定める自立支援給付として位置付けられており、補装具を必要とする障害者、障害児、難病患者等を対象としています。障害児については、心身の発育過程の特殊性を十分考慮することとしています。実施主体は市町村で、申請者は市町村に医師意見書等の必要書類を添えて申請し、専門家の判定等を経て支給決定を受けることになります。

5.費用負担  ⑴公費負担    補装具の購入又は修理に要した費用の額(基準額)から利用者負担額(原則1割)を除した額を補装具費とし、この補装具費について以下の割合により負担。     負担割合 (国:50/100、 都道府県:25/100、 市町村:25/100)  ⑵利用者負担    所得に応じ、以下の負担上限月額を設定。   〈所得区分及び負担上限月額〉  ただし、障害者本人又は世帯員のいずれかが一定所得以上の場合(本人又は世帯員のうち市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の場合)には補装具費の支給対象外とする。  生活保護への移行防止措置あり 参  考 1.補装具の種目  [身体障害者・身体障害児共通] 義肢 装具 座位保持装置 盲人安全つえ 義眼眼鏡 補聴器 車椅子 電動車椅子 歩行器 歩行補助つえ(T字状・棒状のものを除く)重度障害者用意思伝達装置  [身体障害児のみ]     座位保持椅子 起立保持具 頭部保持具 排便補助具 2.創設年度 平成18年10月施行  ※ 障害者自立支援法施行に伴い、身体障害者福祉法及び児童福祉法に基づく補装具給付制度を一元化し、補装具費支給制度としたもの。      [身体障害者福祉法] 昭和25年度   [児童福祉法] 昭和26年度  ・ 支給根拠     障害者総合支援法 第76条第1項  ・ 国の負担根拠  障害者総合支援法 第95条第1項第2号 生活保護 生活保護世帯に属する者 0円 低所得 市町村民税非課税世帯 一  般 市町村民税課税世帯 37,200円 購入や修理に要した費用は、障害福祉サービス同様、公費負担だけでなく、利用者に一部費用負担をしていただくこととなっています。利用者負担は原則1割となっていますが、所得に応じて負担上限月額が定められています。一般の方の負担上限月額は37200円となっています。また、生活保護世帯や市町村民税非課税世帯の方の自己負担を0にする等、負担軽減措置が図られています。

補装具とは  障害者総合支援法(2005年法律第123号)第5条第23項に規定する補装具とは、「障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間に渡り継続して使用されるものその他の厚生労働省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車いすその他の 厚生労働大臣が定めるもの」であり、具体的には厚生労働省告示第528号で定めている。  ○厚生労働省令(第6条の20)で定める基準とは:  次の各号のいずれにも該当することとする。 一 障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつその身体への適合を図るように製作されたものであること。 二 障害者等の身体に装着することにより、その日常生活において又は就労若しくは就学のために、   同一の製品につき長期間に渡り継続して使用されるものであること。 三 医師等による専門的な知識に基づく意見又は診断に基づき使用されることが必要とされるものであること。 ○厚生労働大臣が定めるものとは:  具体的には厚生労働省告示第528号「補装具の種目、購入又は修理に要する費用の額の算定等に関する基準」で補装具の種目、名称、型式、基本構造、上限額等を定めている。  この制度で対象となっている補装具は、「障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間に渡り継続して使用されるもの」とされており、具体的には厚生労働省告示で定めています。その基準は、 一 障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつその身体への適合を図るように製作されたものであること。 二 障害者等の身体に装着することにより、その日常生活において又は就労若しくは就学のために、同一の製品につき長期間に渡り継続して使用されるものであること。 三 医師等による専門的な知識に基づく意見又は診断に基づき使用されることが必要とされるものであること。 と定められており、義肢 装具 座位保持装置、車椅子、電動車椅子といった種目と、名称、型式、基本構造、上限額等を定めています。

補装具種目と所有状況 種目 身体障害者 身体障害児 ・義肢 ・装具 ・座位保持装置 ・盲人安全つえ ・義眼 ・眼鏡 ・補聴器 ・車いす ・電動車いす ・歩行器 ・歩行補助つえ 8.1万人 27.3万人 1.6万人 5.8万人 1.2万人 3.5万人 16.5万人 25.3万人 4.0万人 3.4万人 29.0万人 0.1万人 2.7千人 1.5万人 0.2万人 0.4万人 1.7万人 1.0万人 ※出典:平成18年身体障害者・児実態調査結果

補装具費支給の判定について 〔身体障害者〕 〔身体障害児〕 〔難病患者等〕 身体障害者更生相談所の判定により 市町村が決定 医師の意見書に より市町村が決定 更生相談所に来所(巡回相談等含む)判定 医師の意見書等により更生相談所が判定 ・義眼 ・眼鏡(矯正眼鏡・遮光眼鏡・コンタクトレンズ・弱視眼鏡) ・車椅子(レディメイド) ・歩行器 ・盲人安全つえ ・歩行補助つえ ・義肢 ・装具 ・座位保持装置 ・電動車椅子       の新規購入 ・特例補装具 ・補聴器 ・車椅子(オーダーメイド) ・重度障害者用意思伝達装置 上記に係るものであって、補装具費支給申請書、医師意見書等により判断できる場合及び再支給、修理の場合。 身体障害者手帳で必要性が判断できる場合は、医師の意見書を省略させることができる。 更生相談所は、新規申請者に係る判定を行うときは、できる限り切断その他の医療措置を行った医師と緊密な連絡を取り判定に慎重を期すること。 支給の判定については、身体障害者更生相談所の直接判定または書類判定を要するものと、医師意見書により市町村が決定するものがあります。 申請者の身体状況や生活環境等を総合的に判断することとしており、特に専門的な判定を要する義肢、装具、座位保持装置、電動車椅子の判定については、身体障害者更生相談所の直接判定が必要となっています。また、身体障害者・児の障害の現症、生活環境その他真にやむを得ない事情により、告示に定められた補装具の種目に該当するものであって、別表に定める名称、型式、基本構造等によることができない補装具は、特例補装具として支給対象となる場合があり、その場合も身体障害者更生相談所が直接判定を行った上で、市町村が決定することとしています。 補聴器、オーダーメイドの車椅子、重度障害者用意思伝達装置の新規購入については、医師の意見書等により身体障害者更生相談所が判定し市町村が決定することとしています。 その他の補装具については、医師意見書等により市町村が決定することとしています。 身体障害児については、医師意見書により市町村が判断することとしていますが、必要があれば身体障害者更生相談所に助言を求めることにしています。 また、障害者総合支援法に定める他の障害福祉サービス同様、別に定める難病患者等もこの制度の対象となっていますが、原則として身体障害者・児の手続きに準ずるものとしています。 〔身体障害児〕 〔難病患者等〕  市町村は、指定自立医療機関又は保健所の医師が作成した意見書により判断する。医師の意見書は、身体障害者手帳で必要性が判断できる場合は、省略させることができる。  また、市町村における支給の決定に際し、補装具の構造、機能等に関することで技術的助言を必要とする場合には、更生相談所に助言を求めること。  原則、身体障害者・児の手続きに準ずるものとするが、補装具費の支給申請を受け付けるにあたり、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律施行令に規定する疾患に該当するか否かについては、医師の診断書等の提出により確認するものとする。

日常生活用具とは  日常生活用具給付等事業は、障害者総合支援法(2005年法律第123号)第77条第1項第6号の規定に基づき、市町村が「日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与」を行う事業である。 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法) (平成十七年十一月七日法律第百二十三号) (市町村の地域生活支援事業) 第七十七条  市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、地域生活支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。 (略) 六  聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、意思疎通支援(手話その他厚生労働省令で定める方法により当該障害者等とその他の者の意思疎通を支援することをいう。以下同じ。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業   障害のある人に対する福祉用具の制度としては、もう一つ、日常生活用具給付等事業があります。 日常生活用具は、「日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるもの」とされています。 地域生活支援事業のうち、市町村が必ず行わなければならない事業と位置付けられています。

日常生活用具の対象種目 (平成18年9月29日厚生労働省告示第529号)  障害者総合支援法(平成十七年法律第百二十三号)第七十七条第一項第六号に規定する障害者又は障害児(以下「障害者等」という。)の日常生活上の便宜を図るための用具は、第一号に掲げる用具の要件をすべて満たすものであって、第二号に掲げる用具の用途及び形状のいずれかに該当するものとする。 【用具の要件(第一号)】  1 障害者等が安全かつ容易に使用できるもので、実用性が認められるもの  2 障害者等の日常生活上の困難を改善し、自立を支援し、かつ社会参加を促進すると認められるもの  3 用具の製作、改良又は開発にあたって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活品として一般に普及していないもの 【用具の用途及び形状(第二号)】 介護・訓練支援用具 特殊寝台、特殊マット等その他の障害者等の身体介護を支援する用具並びに障害児が訓練に用いるいす等のうち、障害者等及び介助者が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの 自立生活支援用具 入浴補助用具、聴覚障害者用屋内信号装置その他の障害者等の入浴、食事、移動等の自立生活を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの 在宅療養等支援用具 電気式たん吸引器、盲人用体温計その他の障害者等の在宅療養等を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの 情報・意思疎通支援用具 点字器、人工喉頭その他の障害者等の情報収集、情報伝達、意思疎通等を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの 排泄管理支援用具 ストーマ装具その他の障害者等の排泄管理を支援する用具及び衛生用品のうち、障害者等が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの 居宅生活動作補助用具 障害者等の居宅生活動作等を円滑にする用具であって、設置に小規模な住宅改修を伴うもの。 日常生活用具の対象種目については、用具の要件、用途、形状を厚生労働省告示で定めています。 実用性があり、障害者の日常生活上の困難を改善し社会参加を促進するものであり、製作開発に専門的知識や技術を要し一般に普及していないものが要件となります。 用具の用途及び形状については、6種類を規定しています。 介護・訓練支援用具は、特殊寝台等の障害者等の身体介護を支援する用具並びに障害児が訓練に用いるいす等があります。 自立生活支援用具は、入浴補助用具や聴覚障害者用屋内信号装置のように、入浴、食事、移動等の自立生活を支援する用具です。 在宅療養等支援用具は、電気式たん吸引器、盲人用体温計等の在宅療養を支援する用具です。 情報・意思疎通支援用具は、点字器や人工喉頭などの、障害者の情報収集、意思伝達、意思疎通などを支援する用具です。 排泄管理支援用具は、ストーマ装具等の排泄管理を支援する用具です。 居宅生活動作補助用具は、居宅生活動作を円滑にする用具で設置に小規模な住宅改修を伴うものです。 告示では、こういった6種類の用途を指定しており、具体的な製品等は市町村が定めています。

リハビリテーション 自立生活 (社会参加) 医学リハ 教育リハ 社会リハ リハビリテーションと機能訓練・補装具等 ゴール 発症 【職業リハ) 生活スタイルの 再構築 ・定着 機能・生活スタイル の維持 日常生活能力の獲得 機能訓練によるリハビリテーション 補装具の装用等による社会参加

職業リハ 主体性を引き出すことが重要 相談支援専門員の関わりが有効 医学リハ 教育リハ 社会リハ 自立生活 (社会参加) 適切な機能訓練 適切な補装具の装用 相談支援専門員の関わりが有効 (介護保険サービスの利用)

「社会生活力」を身に付ける必要性 自立訓練は有期限のサービスであり、地域移行後の社会生活力を意識した支援が重要。 利用者自身が地域移行後の生活をマネジメントできる力を高めることと地域の関係機関による継続支援を図るための連携が重要である。 機能訓練事業所の対応 社会生活力をつける  訓練終了後の地域生活をイメージできるよう、地域で暮らしている人たちと話したり、社会生活力プログラムを実施するなど、早期に地域での生活や社会参加をイメージして自立訓練等に参加するなどし、先を意識しながら力を養う必要もある。 地域移行後のステップアップ視野にいれる  地域生活移行後に、機能低下や意欲低下を引き起こさないために、社会参加の継続・ステップアップを図るための支援を家族・関係機関と共有し、利用者意識の向上を図る。 ※社会生活力・・・RI社会委員会の定義(1986年)。社会リハビリテーションとは、社会生活力を身につけることを目的としたプロセス である。 社会生活力 (social functioning ability:SFA)とは、さまざまな社会的な状況のなかで、自分のニーズを満たし、最も豊か な社会参加を実現する権利を行使する力(ちから)を意味する。 社会生活力とは「自分の障害を的確かつ前向きに認識し、自分に自信をもち、社会の中で活用できる諸サービス(社会資源)を自ら活用して、社会参加していくための力を高めること」

障害によって自立生活が困難となっている状況 自立生活に向けた支援 その人にあった社会参加の具体化 人による援助 どこまでできる どう補う  (物・環境・人) 関係機関との連携 制度やサービスの活用 環境の整備 物(福祉用具など)の活用 治療・訓練 障害によって自立生活が困難となっている状況

相談支援専門員と自立訓練(機能訓練)等との連携 ゴールは社会参加の継続 機能訓練事業における支援は生活の再構築の支援であり、そのゴールは社会参加が達成でき、維持されることにある。 本人・家族・支援者の障害の受容・理解は、生活の再構築に大きな影響を及ぼす。そのため利用者ニーズに基づく多面的な評価と合意が大切となる。 社会参加を実現するためには、多様な有り様を理解しなくてはならず、その支援は一律ではない。プランを立案し実行するには、個々の力量だけではなく、関係者や地域と連携した支援を実践しなくてはならない。 社会参加に向けた支援は、本人への支援のみならず、受け入れ社会(環境)への働きかけも重要になる。 相談支援専門員と自立訓練(機能訓練)等との連携 自立訓練(機能訓練)の利用開始前から相談支援専門員との連携が重要。 (必要な支援が受けられないまま、介護施設に入所する等の事例がある) サービス等利用計画で、利用者の基本情報や意向、大きな方向性を整理する。 自立訓練(機能訓練)は、有期限のサービス。終了後の地域移行を円滑に進めるために相談支援専門員との連携が必要。 相談支援専門員が、利用者が地域で安心して生活するために必要な舗装具等に関して情報収集を行い、必要に応じて利用者に情報提供を行うことが有効。

サービス等利用計画と個別支援計画の関係 指定特定相談支援事業者(計画作成担当) アセスメント サービス事業者 サービス事業者 個別支援計画 ○ サービス等利用計画については、相談支援専門員が、総合的な援助方針や解決すべき課題を踏まえ、最も適切なサービスの組み合わせ等について検討し、作成。 ○ 個別支援計画については、サービス管理責任者が、サービス等利用計画における総合的な援助方針等を踏まえ、当該事業所が提供するサービスの適切な支援内容等について検討し、作成。 指定特定相談支援事業者(計画作成担当)  障害福祉サービスに加え、保健医療サービス、その他の福祉サービスや地域住民の自発的活動なども計画に位置づけるよう努める。  ・障害者の心身の状況  ・その置かれている環境  ・日常生活の状況  ・現に受けているサービス  ・サービス利用の意向  ・支援する上で解決すべき課題  ・その他 アセスメント サービス等利用計画  ・生活に対する意向  ・総合的な援助の方針  ・解決すべき課題  ・サービスの目的(長期・短期)  ・その達成時期  ・サービスの種類・内容・量  ・サービス提供の留意事項  複数サービスに共通の支援目標、複数サービスの役割分担、利用者の環境調整等、総合的な支援計画を作る。 サービス事業者 サービス事業者 個別支援計画 アセスメント  ・置かれている環境  ・日常生活の状況  ・利用者の希望する生活  ・課題  ・その他  サービス等利用計画を受けて、自らの障害福祉サービス事業所の中での取組について具体的に掘り下げて計画を作成するよう努める。

指定特定相談支援事業者(計画作成担当)と障害福祉サービス事業者の関係 サービス等利用計画の変更 相談支援事業者 サービス等利用計画案 継続サービス利用支援 (モニタリング) サービス等利用計画 アセスメント  サ ー ビ ス 担 当 者 会 議 サ ー ビ ス 担 当 者 会 議 支給決定(市町村) 二次アセスメント 資源アセスメント 支援会議 利用契約(利用開始) 個別支援計画の原案  個別支援計画 個別支援計画の実施 (サービスの提供) モニタリング 個別支援計画の変更 アセスメント  サービス事業者 ※点線枠部分は、必要により実施

自立訓練(機能訓練)事業所におけるサービス提供 相談支援専門員との連携イメージ 病院等での医療的リハ終了等 自立訓練(機能訓練)事業所におけるサービス提供 サービス管理責任者によるプロセス管理 初期個別支援計画   指定特定相談支援事業者(計画作成担当) 情報 提供 地域移行  地域の福祉サービスや社会資源の情報に基づき、相談支援専門員とともに地域移行後の生活を組み立て。 サービス等利用計画案 関係機関との連携 利用相談 市町村による支給決定(暫定支給決定含む) 終了時評価(アセスメント) 初期評価(アセスメント) 支 援 会 議 中期個別支援計画 終期個別支援計画 中期評価(アセスメント) 情報共有 利用者から市町村へ利用申請 市町村へ利用申請 アセスメント サービス担当者会議 モニタリング 市町村による支給決定 相談支援との連携 サービス等利用計画 (適宜) サ ー ビ ス 担 当 者 会 議 利用契約(利用開始) 会議への参加 地域定着 ※指定一般相談支援事業者 (地域移行・定着担当) ※ 上記のように、病院等でのリハ終了後、機能訓練事業者へ直接利用相談があった場合、サービス管理責任者は利用契約前の段階であっても指定特定相談事業者と情報共有し、サービス担当者会議に参加する等、緊密な連携を保ちつつ、適切な地域移行へつなげる。 ※ 地域移行後については、相談支援専門員は別途サービス担当者会議を開催し、サービス等利用計画を作成する必要がある。サービス管理責任者は、地域移行後もサービス担当者会議に積極的に参加する等の支援を行うよう留意すること。 ※ 必要に応じて指定一般相談支援事業者が行う「地域移行支援・地域定着支援」の活用を図る。