在宅の障害者の生活がどのように組み立てられているのか 福祉ゼミ 特別講義 in 駿河台大学経済学部(2002.5.17) 重度頚髄損傷者自立リアルティ・モデル・ルーム マウンテン・ペンギン 内山 幸久
今日の講義の流れ 障害者の分類 自立の形態 自立生活プログラム 介助者に求められるモノ 福祉制度の利用 先天性と中途障害 在宅と施設 家族のいる障害者 一人暮らしの障害者 外出先の援助技術(VTR) 福祉制度の利用
障害者の分類 どんな障害者を知っていますか? 先天性障害 脳性麻痺 ドゥシャンヌ型(筋ジス) Etc 中途障害 脊髄損傷者(頚損) ALS(筋萎縮性束索硬化症) 筋ジス・亜種 脳血管障害 膠原病・関節リウマチ 学生に質問(答えた学生は1ポイントGet!) Q1 知っている障害の種類を挙げて貰う Q2 家族や親戚、友達に障害者がいるか Q3 障害者の介助をしたことがあるか
在宅と施設 比べるとこんなに違う 施設 (生活の場) 在宅 (リハビリの場) ○立伊東重度障害者センター ○○療護園 (生活の場) ○○療護園 ケアプラ○富ヶ谷(労災) 身体障害者療護施設 ○ーサ・ミナノ グループ・ホーム 在宅 青芝の会 自立生活センター(JIL) 介護保障協会 大田区の実例
http://www.ito-nrh.go.jp/ 国立伊東重度障害者センター
施設の目的 当センターは、重度の肢体不自由者に対し、医学的管理のもとに、日常生活に必要な機能回復訓練や職能訓練など、自立に結びつくリハビリテーションを行うことを目的として設置されています
昭和56年7月1日 東京都によって開設されました。 平成11年4月1日からは委託を受けて、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営しています。 http://www.jigyodan.org/hino/hino-shoukai.htm (日野療護園の正門から見た生活棟) 1 開 設 昭和56年7月1日 東京都によって開設されました。 平成11年4月1日からは委託を受けて、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営しています。
2 基本方針 常時介護が必要な重度の身体障害者の方々(利用者)の生活の場です。 一人ひとりの人権と生活を尊重していくことを基本に、介助等のサービスを提供しています。 また、利用者のプライバシーに配慮しながら、より開かれた施設づくりを目指しています。 3 定 員 50名 (ほかショートステイ定員2名) 4 主なサービス内容 当園では、居室の完全個室化をはかり、冷暖房設備を備え、PHSによるナースコールシステムを導入するなどして、入所者の方々が快適に日常生活を送ることができるように努力をしています。 また、併せて、地域で在宅生活をしている障害者の方を対象にした『地域サービス』をも行っています。
宮城労災特別介護施設(ケアプラザ富谷) http://www.thr.mlit.go.jp/tohokunet/seibi/shisetsu/rousai.html 施設の概要 所 在 地 : 宮城県黒川郡富谷町明石台4丁目8-1 建物の構造 : 鉄筋耐火構造3階建(全館冷暖房) 敷地 面積 : 20,685 建物延面積 : 11,633 居住棟の主な設備 個室は84室で30 の広さがあり、ベッド、バス(一部シャワー)、トイレ、洗面所、簡易なユニットキッチン、ナースコール(通報装置)等が設置してあります。 ・特別介護室(4人部屋)は4室、特に重篤で常に介護を要する場合の入居室として設置してあります。 管理・厚生棟の主な設備 事務室、会議室、食堂、介護浴室、介助浴室、健康管理室、トレーニングルーム(多目的ホール)、クラブ室、カラオケルーム、家族宿泊室、売店、理容室、洗濯室等を備えております。
身体障害者療護施設 カーサ・ミナノ 入所の動機 http://members.jcom.home.ne.jp/fzw/jisaku-1.htm 身体障害者療護施設 カーサ・ミナノ 入所の動機 私にとってこの8年間の病院生活が、介助の頼み方、タイミング、受ける姿勢など「介助を受ける難しさ」に挫折感を持った時期でもありました。日替わりのように介助者が変わり、一から十まで私の口だけで説明し、それをまた次の介助者に同じことを説明する。そのことが、動けない身体よりも苦痛に感じ、いろいろな制限がありながらも介助者の安定した「身体障害者療護施設」の入所を決めた一つでもありました。 (麩沢 孝)
身体障害者療護施設 カーサ・ミナノ 退所の動機 http://www.asahi-net.or.jp/~sq6h-mkib/pcc22b.htm 身体障害者療護施設 カーサ・ミナノ 退所の動機 東京・大阪に続き、埼玉でも全身性障害者介助人派遣事業が始まりました。しかし施設入所中の障害者でも、外出の際は施設の介助保障が得られませんし、カーサ・ミナノの場合ですと単独の外出は、場所的に難しいのです。施設入所中ですと、特別障害者手当にしても自動車事故対策センターの手当にしても適用がないのですが、最近、在宅障害者と施設障害者の線が、一層濃くなった気がします。(麩沢 孝)
身体障害者グループホーム ~リハビリ施設~ (足立区・千住福祉事務所内) 身体障害者の自立援護施設(入所7~8名) 身体障害者の自立援護施設(入所7~8名) 体の不自由な方が、社会参加のために必要な知識・技能を得るための施設です。肢体不自由者援護施設。視覚障害者援護施設、聴覚・言語障害者援護施設、内部障害者援護施設などがあります。また、常時介護が必要な方のために、身体障害者療護施設があります。入所、通所どちらも可能です。ご相談は、福祉事務所へ
身体障害者グループホーム 制度化された意味 現在の福祉制度の流れは、自立と在宅がキーワード。 しかし、地域でいきなり自立生活を試みることは、ハードルが高すぎる。 そこで、病院ではなく、療護施設の増設が望まれるが、新しく設立するための資金も土地もない。 そうして、グループホームという第3の制度が創造された。 現在、グループホームにはA型とB型がある。 A型は、療護園と在宅の中間的位置づけ(訓練施設)。 B型は、療護園が小型化したイメージである(住居) C型は、第3の制度が誕生する可能性あり(長屋風)
在宅と自立生活 運動の流れ① 青芝の会 1960年代頃からあった自立生活運動 この頃まだ障害者の人権や自立生活という言葉すらなかった。 1960年代頃からあった自立生活運動 この頃まだ障害者の人権や自立生活という言葉すらなかった。 運動の起源 国や都が、老朽化した施設を取り壊すため、利用者を強制的に地方に移転させようとしたが拒否された。 利用者は、慣れ親しんだ地域で生活することを要求し、かなり過激な手段で訴えた。
在宅と自立生活 運動の流れ② 自立生活センター(JIL) 日本における初期の自立生活運動は啓蒙には至らなかった。 日本における初期の自立生活運動は啓蒙には至らなかった。 しかし、80年代初頭アメリカ、カリフォルニアバークレイ(CIL)の運動が、日本にも影響を与え、JILという名を得て自立生活運動が全国展開することになった。
在宅と自立生活 運動の流れ③ 全国介護保障協会 三多摩地区にある複数の自立生活センターが重度障害者の24時間介護保障を受ける制度を全国に広めるために設立された。 最近の動向としては、当事者団体が法人格を持ち、市町村からヘルパー派遣事業を受託し、利用者は自分が所属する法人からヘルパーを派遣し、自分にヘルパーを派遣できるようシステム作りを推奨している。
在宅と自立生活 運動の流れ④ 大田区の実例 20~24時間のヘルパー派遣の利用 複数の制度の利用 大田区身体障害者ヘルパー派遣事業 20~24時間のヘルパー派遣の利用 複数の制度の利用 大田区身体障害者ヘルパー派遣事業 東京都全身性障害者介護人派遣事業 生活保護(他人介護料) その他の福祉制度を組み合わせて利用
自立生活の要素 内山の場合 都営住宅 24時間介護派遣(大田区のヘルプと都全身) 補装具(電動車椅子など) 住宅設備改善(屋内移動設備) 日常生活用具(シャワーチェアなど) その他の福祉用具 ネットワーク
ネットワーク重視の自立生活① ヘルパーのシェア(大田区型) 第1期 頸損二人暮し 第2期 二人暮しからの独立 第1期 頸損二人暮し 自薦登録ヘルパー方式 第2期 二人暮しからの独立 第3期 地方障害者の受入とヘルパー共有化 三つ巴または四つ巴の情報交換と交流 第4期 ヘルパー派遣団体として法人化 第5期 事務局化(なぁなぁ~雇用契約へ)
ネットワーク重視の自立生活② 大田区型ネットワーク 大田障害者連絡会 集積型工業地域(京浜工業地帯) もともと系列ではない横並びの技術者 彼らは、ひとりではひとつの仕事しかこなせないが、独自の判断で次の職人へ仕事を引き継ぎ、最終的に製造依頼者のイメージする製品を作り上げることが可能だ。 大田障害者連絡会 大田区内の障害者団体が集まってできた団体。 互いに情報交換や交流を行うことにより、行政に対して交渉の場を要求することに成功した。