イーサネットについて 飯塚務
イーサネットとは Xerox社とDEC社(現在はHewlett Packard社の一部門)が考案したLAN規格。 Ethernetの接続形態には、1本の回線を複数の機器で共有するバス型と、集線装置(ハブ)を介して各機器を接続するスター型の2種類がある。
バス型について コンピュータ内部で各回路がデータをやり取りするための伝送路 CPU内部の回路間を結ぶ内部バス CPUとRAMなどの周辺回路を結ぶ外部バス、 拡張スロットに接続された拡張カードとコンピュータ本体を結ぶ拡張バスの3種類がある。
スター型について 中心となる通信機器を介して端末を相互に接続する方式。 バス型LANに比べ、配線の自由度が高いのが特長。Ethernetの10BASE-Tなどがこの方式である。
各種配線規格 10BASE-2 10BASE-5 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T
過去問1 イーサネットを構成するケーブルにおいて, 単一のケーブル長(セグメント長)を最も長くできる ものはどれか。 (初級シスアド 平成11年度 春期 午前 問49) ア 10BASE-2 イ 10BASE-5 ウ 10BASE-T エ 100BASE-TX
過去問解説1 問1 イ 10BASE5ケーブルの最大セグメント長は500m です。
過去問2 10BASE-T(IEEE802.3)のLANに関する記述のうち,適切なものはどれか。 (初級シスアド 平成13年度 春期 問15) ア アクセス方式はCSMA/CDである。 イ 伝送速度は特に決められていない。 ウ 同軸ケーブルで端末を連結する。 エ 配線形態はバス型である。
解説2 問2 ア イ では伝送速度は特に決められていないと書かれて いるが10BASE-Tの10は, 問2 ア イ では伝送速度は特に決められていないと書かれて いるが10BASE-Tの10は, 最大伝送速度が10Mbpsであることを示しています。 ウ はツイストペアケーブルで端末を連結されている。 エ これはバス型ではなくハブを介したスター型です。
過去問3 10BASE-Tに用いられるケーブルはどれか。(初級シスアド 平成14年度 秋期 問4) ア 簡易同軸ケーブル ア 簡易同軸ケーブル イ ツイストペアケーブル ウ 同軸ケーブル エ 光ファイバケーブル
解説3 問3 イ 10BASE-TのTは,ケーブル仕様としてツイストペアケーブル を意味しています。
補足 EthernetはIEEE(電気電子学会) 802.3委員会によって標準化された。 アクセス制御にはCSMA/CDを採用している。 現在、特殊な用途を除いて、ほとんどのLANはEthernetである。 また、最大伝送距離や通信速度などによってもいくつかの種類に分かれる。 10BASE-2はケーブルに細い同軸ケーブル(Thin coax)を利用した、 通信速度10Mbps、最大伝送距離185m、最大接続機器数30台のバス型LAN。 10BASE-5は太い同軸ケーブル(Thick coax)を利用した、 通信速度10Mbps(1Mbpsあたり約125メガバイト)、最大伝送距離500m、 最大接続機器数100台のバス型LAN。 最も広く利用されている10BASE-Tは、ツイストペアケーブルを利用し、 (電線を2本づつ撚り合わせて対にした通信用ケーブル。平行型の電線に比べて ノイズの影響を抑えることができる。雑音を遮断するシールド加工を施したものを 「STP(shielded twisted pair)」ケーブル、 シールドしていないものを「UTP(unshielded twisted pair)」ケーブルという。) 非シールドより対線(UTP)を利用した通信速度10Mbps、最大伝送距離100mまでの スター型LAN。 ハブの多段接続は3段階までである。
補足(バス型) コンピュータ内部で各回路がデータをやり取りするための伝送路。 複数の信号線で同時に複数のビットを転送する パラレル転送方式でデータを伝送しており、 1回の転送で同時に送れるデータの量を「バス幅」と呼ぶ。 CPUの処理速度は内部バスのバス幅に大きく左右されるため、 8ビット、16ビットなど、バス幅がCPUの性能指標として よく使われる。 拡張バスにはNECのPC-9800シリーズで使われているCバス、 PC/AT互換機で使われるISAバスやPCIバスなどがあり、 それぞれに対応した拡張スロットの規格がある。
補足1,5 最近では100BASE-TXなどの通信速度100Mbpsの Fast Ethernetの普及が進んでおり、 1Gbps(約125メガバイト)の通信を可能にする Gigabit Ethernetについても、100BASE-TXと物理層の 互換性が高い1000BASE-Tを中心に 普及が始まっている。 なお、「Ethernet」という表現は元々10Mbpsタイプの LAN規格の名称だったが、 現在はFast Ethernet/Gigabit Ethernetを含んだ 総称としての意味合いが強まっている。
補足2 Mbps (通信速度の単位の一つで、1秒間に何百万ビットのデータを 送れるかを表す値。 1kbps(1キロbps)は1000bps、1Mbps(1メガbps)は 1000kbps(100万bps)である。 1Mbpsは100万bps(=1000kbps)で、1秒間に100万(=10の6乗) ビットのデータを送れることを表す。 8ビットで1バイトなので、1Mbpsは125kbytes/s(キロバイト/秒) に相当する。 1Mbpsを2の20乗倍の約105万bpsとする場合もあるが、 大抵の場合は100万bpsの意味である。)