公共政策大学院 鈴木一人 kazutos@eis.hokudai.ac.jp 第10回 各国比較:アメリカ 公共政策大学院 鈴木一人 kazutos@eis.hokudai.ac.jp
国家体制の成立過程 建国の理念 南北戦争から第二次大戦へ 冷戦と冷戦崩壊 イギリスからの独立→共和制(民主政とは若干異なる) 三権分立、州政府の連合、市民的自由 連邦か連合か→中央政府の強さを巡る理念的争い 南北戦争から第二次大戦へ 南部連合対北部連邦→北部の勝利で連邦制強化 大恐慌から第二次大戦で大統領権限が強化 冷戦と冷戦崩壊 準戦時体制としての冷戦→覇権国としてのアメリカ 冷戦崩壊で唯一の超大国→過大な負担
制度比較 選挙制度 行政制度 大統領選→小選挙区制:二大政党制 議会選挙 大統領制→閣僚・行政府職員の罷免権、WHの権限強い 予備選挙と代議員→政党は「私的組織」で自由に改変 本選挙と選挙人→州ごとに勝者総取り 議会選挙 下院:定数435、二年ごとに全議席が改選→再選議員が強い ゲリマンダー:多数党が有利になるような選挙区割り 上院:定数100(各州から2名)、2年ごとに3分の1改選 行政制度 大統領制→閣僚・行政府職員の罷免権、WHの権限強い 巨大な官僚機構と猟官制(政治的任命) 立法・予算:議会の決定権と大統領の拒否権 内政におけるチェックアンドバランス、外交における専権事項
選挙人制度 アメリカの選挙人→538人(270人で過半数) NY CA TX FL
2012年大統領選挙
2016年大統領選挙
政治文化・規範 建国の理念に基づく国家作り 覇権国家としての政治文化 アメリカ例外主義 トランプのアメリカ 歴史や神話ではなく、合理的に作られた国家 それを補うための様々な儀式:国旗への忠誠など 個人の自由を最大化した国家 憲法修正第二条→革命権が転じて銃の所持の自由に 開拓者の精神→リスクを取る、国家の拡大(明白な運命) 覇権国家としての政治文化 世界に対する責任と世界に対する無関心 自らの規範が世界のスタンダード アメリカ例外主義 特別な使命を持った国家 トランプのアメリカ 国際秩序維持、特別な使命は拒否するが特別な国家であり続ける
政策比較 アメリカは福祉国家なのか? グローバルパワーとしてのアメリカ 分権的な制度 他に類を見ない国家:比較の対象にするのは困難 国民皆保険制度→個人の自由を侵害する問題 建国理念から導かれる「小さな政府」の希求 グローバルパワーとしてのアメリカ 基軸通貨→緩慢な財政 圧倒的な軍事力による国際問題の解決 開放的な市場とイノベーション 分権的な制度 州の権限が大きく連邦に制限→教育、税制、交通など 他に類を見ない国家:比較の対象にするのは困難