標準貨物自動車運送約款等の改正について ~平成29年11月4日よりトラック運送の運賃・料金の収受ルールが変わります~ 東北運輸局秋田運輸支局.

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標準貨物自動車運送約款等の改正について ~平成29年11月4日よりトラック運送の運賃・料金の収受ルールが変わります~ 東北運輸局秋田運輸支局

標準貨物自動車運送約款等の改正について トラック運送の運賃・料金の見直しの経緯

「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」委員 ○国土交通省自動車局において、トラック運送事業者の取引環境の改善及び長時間労働の  抑制に取り組むため、平成27年度、厚生労働省と共同で、荷主も構成員に含めた「トラック  輸送における取引環境・労働時間改善協議会」を設置。 ○同協議会における取引環境改善に向けた議論に先立ち、適正運賃・料金収受に関する議論の論点整理や方向性に関する助言を行うための場として、平成28年7月に「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」を設置。  検討会を4回開催し、適正な運賃・料金収受に向けた方策を取りまとめ、協議会へ報告。 「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」委員 委員 【学識経験者】 ・藤井 聡  京都大学工学部工学研究科教授(座長) ・野尻 俊明 流通経済大学学長 ・柳澤 宏輝 弁護士(長島・大野・常松法律事務所)  【行政】 ・平嶋 隆司 国土交通省自動車局貨物課長 ・川上 泰司 国土交通省総合政策局参事官(物流産業) ・藤枝 茂  厚生労働省労働基準局労働条件政策課長 ・伊奈 友子 経済産業省商務・サービスグループ物流企画室長   オブザーバー              【荷主】 ・上田 正尚  (一社)日本経済団体連合会産業政策本部長 ・栗原 博   日本商工会議所流通・地域振興部長 ・黒川 毅   日本機械輸出組合国際貿易円滑化委員会委員長 【トラック運送業】 ・坂本 克己 (公社)全日本トラック協会会長 ・馬渡 雅敏 (公社)全日本トラック協会副会長   ○労働基準法の一部改正案が閣議決定され、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が本来50%となっているところ、中小企業については現在適用が猶予されており割増賃金率が25%に抑えられているが、平成31年度より中小企業についても50%が適用される予定。 ○中小企業において特に長時間労働者比率が高い業種を中心に、関係行政機関や業界団体等との連携の下、長時間労働の抑制に向けた環境整備を進める必要があり、トラック運送事業者の取引環境の改善及び長時間労働の抑制に取り組むため、平成27年度に厚生労働省と共同で、荷主も構成員に含めた「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」を設置。 ○同協議会のテーマの1つともなっている取引環境改善に向けた議論を行うため、適正な運賃・料金収受の方策を議論することを目的に平成28年7月に「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」を設置し、本年4月までの間に計4回開催。 ○検討会のオブザーバーとしては、トラック事業者側として全日本トラック協会が、荷主側として経団連、日本商工会議所、日本機械輸出組合が参加。

運賃・料金に関しトラック事業者からよく聞かれる意見 ➀目安となる運賃を定めて欲しい  ■荷主等との運賃交渉の目安となる「標準運賃」「最低運賃」等を国から示して欲しい。  ■原価割れで運送を引き受ける事業者が存在する限り、①の目安があっても無意味。  ■①の目安運賃があると、高値で取れている運賃がそこに張り付き、企業努力が無意味となる。  ■各事業者における原価計算の実施と、それに基づく受注を徹底するべき。  ■待機料金、附帯作業費、高速料金等を、運賃とは別途の料金として、適切に荷主等に負担してもらえるような仕組みが必要。 ➁原価計算に基づく受注を徹底すべき ➂運送以外のコストを適切に収受できるようにして欲しい ○検討会を行うにあたり、運賃・料金に関しトラック事業者からよく聞かれる意見として以下の3点が挙げられている。   ①標準運賃、最低運賃等、目安となる運賃を国が定めるべき   ②トラック事業者がしっかり原価計算を行い、利潤が得られる契約を締結する    よう徹底するべき   ③附帯業務料や高速代等の料金を運賃とは別建てで収受できるようにする    べき ○検討会を進めるにあたって、実態を含めて幅広い声を把握する必要があるため、アンケート調査を実施することとした。  (アンケート調査結果は次ページ以降)

「十分な運賃・料金の収受」のために効果的な方法 トラック運送業における運賃料金に関する実態アンケート調査(平成28年12月) 全国のトラック運送事業者 1,776者に実施(回答545者) 問:「十分な運賃・料金の収受」のために、次の方法はどれくらい効果的だと思いますか。(単回答) 【アンケート調査結果】   全国1,776事業者を対象 545事業者より回収(回収率30.7%)  実施期間:平成28年12月末~平成29年1月末 ○十分な運賃・料金収受のために効果的な方策を聞いたところ、赤く囲ってある4つが効果的であるとの回答が多かった。 ・下限運賃・変更命令審査  国が下限運賃を定めて遵守していない事業者に対して変更命令審査をかけるというもの。 ・附帯作業・高速代別建て  これまで附帯業務料や高速代は運賃に含まれる形で収受しており、様々な附帯業務を実質サービスで行っていたところ、運賃とは別に収受できるような制度にするべきというもの。 ・法令遵守できない業者への取締り等強化  社会保険未加入など必要なコストを負担しない事業者が荷主から安い運賃で仕事を請け負っているという声があり、そういった事業者を排除することでダンピングを抑制するべきというもの。 ・過剰に安く請け負う業者がいなくなる  (同上)

アンケート調査の結果及び検討会委員の意見を踏まえ、特に効果的であるという回答が多かった「運賃と料金の別建て収受」に係る方策を検討し、 「十分な運賃・料金の収受」のために特に支障がある方法 問:特に支障がある方法を2つまでご回答ください。(複数回答) ○先ほどとは逆に、十分な運賃・料金を収受するにあたり支障があると思われる方策を聞いたところ。 ○効果的であるという意見が多かった標準運賃・下限運賃の設定については、支障があるという意見も一定数あった。 (○支障がある理由として考えられることは、現在ある程度の運賃を収受できている事業者にとっては、国が目安となる運賃を定めることで下振れしてしまうという懸念があるのではないか。) ○アンケート調査の結果、委員のご意見を踏まえ、今般の検討会においては、特に効果的であるという回答が多かった運賃と料金の別建て収受に係る方策を検討することとした。 アンケート調査の結果及び検討会委員の意見を踏まえ、特に効果的であるという回答が多かった「運賃と料金の別建て収受」に係る方策を検討し、 関係制度を見直しすることとしました。

トラック運送の運賃・料金の新しいルールについて 標準貨物自動車運送約款等の改正について トラック運送の運賃・料金の新しいルールについて

トラック運送の運賃・料金の新しいルールについて(平成29年11月4日から実施) 貨物自動車運送事業の適正な運賃・料金収受に向けて、関係制度を改正します。 〇 「運賃」と「料金」の区別を明確化・・・運送の対価である「運賃」と、運送以外の役務を「料金」として区別します。 ○ 標準貨物自動車運送約款の運賃及び料金に関する規定を改正します。   【主な改正点】①荷送人が運送依頼をする際の運送状等の記載事項に、 「待機時間料」、 「積込料」、 「取卸料」             等の料金の具体例を規定します。            ②荷待ちに対する対価を「待機時間料」とし、 発地又は着地における荷主の依頼に基づく積込み             又は取卸しに対する対価を「積込料」及び「取卸料」とそれぞれ規定します。 (※)            ③附帯業務の内容に「横持ち」、「縦持ち」、「棚入れ」、「ラベル貼り」及び「はい作業」 を追加します。 改正前 発地 着地 出庫仕分け 検収・検品 <運送> 検収・検品 入庫仕分け 棚入れ ラ ベル貼り等 はい作業 縦横持持ちち 横縦持持ちち はい作業 荷造り 荷待ち 荷待ち 積込み 車両による 発地→着地の 荷物の移動 取卸し 運賃 改正前 附帯業務料 附帯業務料 〇トラック運送事業者の取引環境の改善及び長時間労働の抑制に取り組むため、平成27年度、厚生労働省と共同で、荷主も構成員に含めた「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」を設置、方策を検討してきたところ。 ○検討会における議論を踏まえ、運送の対価である「運賃」と運送以外の役務等の対価である「料金」の範囲を明確化し、別建てで収受できる環境を整備するため、国交大臣告示で定められている標準貨物自動車運送約款及び標準貨物軽自動車運送約款を改正することとした。  公布:平成29年8月4日   施行平成29年11月4日 ○約款改正内容:具体的には   ①運送状に記載することとなっている料金について、待機時間料、積込料、    取卸料等の具体例を記載するよう規定   ②荷主都合による荷待ちへの対価を「待機時間料」と規定   ③発地又は着地における積込み又は取卸し作業の対価を「積込料」及び    「取卸料」と規定(従前の約款では「貨物の積込み又は取卸しは、当店の    責任においてこれを行います」とされており、料金についての規定はされて    いなかった。)   ④その他、附帯業務の具体例として、頻繁に発生するとされている「横持ち」    「縦持ち」「棚入れ」「ラベル貼り」及び「はい作業」を追加     ※横持ち:発地又は着地において、車両から倉庫、店舗等の間を手又は            フォークリフト等により移動させること。     ※棚入れ:店舗の商品棚や倉庫内の棚等への陳列作業     ※はい作業:倉庫等において袋や箱を一定の方法で規則正しく積み上げたり、             積み上げられた荷を崩す作業 車両留置料 車両留置料 料金 運賃 料金 改正後 待機時間料 待機時間料 附帯業務料 運賃 附帯業務料 附帯業務の内容(種類)を明確化 積込料 取卸料 附帯業務の内容(種類)を明確化 (※)はい作業:倉庫等において袋や箱を一定の方法で規則正しく積み上げたり、積み上げられた荷をくずしたりする作業

トラック運送の運賃・料金の区別の明確化 運賃とは 運賃 料金とは 料金 料金 発地 着地 荷待ち 運 送 荷待ち はい作業 荷造り 仕分け 検収・ 検品 横持ち 縦持ち 積込み 取卸し 横持ち 縦持ち 検収・ 検品 仕分け はい作業 ラベル貼り等 棚入れ 運賃 附帯業務料 待機 時間料 積込料 待機 時間料 取卸料 附帯業務料 料金 料金  貨物の場所の移動に対する対価のこと。  (貨物運送事業者が備え付けている積付用品(シート、ロープ等)による積付け作業も含む。) 運賃とは  (1)運送以外の役務に対する対価   ①積込料又は取卸料:発地又は着地において、荷主の依頼に基づき、運送事業者が行う    車両への貨物の積込み又は車両からの取卸しに対する対価。(運賃に該当する積付け     作業を除く)   ②待機時間料:発地又は着地に到着後、荷主の責任で運送事業者が待機した時間に対する    対価(荷主が貨物の積込み、取卸し又は附帯業務を行う場合に待機した時間も含む。)   ③附帯業務料:荷主の依頼に基づき、運送事業者が行う品代金の取り立て、荷掛金の立替    え、貨物の荷造り、仕分、保管、検収及び検品、横持ち及び縦持ち、棚入れ、ラベル貼り、    はい作業その他運送事業に附帯して一定の時間、技能、機器等を要する業務に対する対価。  (2)深夜・早朝配送等の特別な費用が発生する輸送により増加する費用を賄うため収受するも    の。 料金とは ○標準運送約款等の改正に併せて、トラック運送の運賃・料金の区別を明確化する通達を発出。

トラック運送の運賃・料金の区別の明確化 改正後の標準運送約款における例 発地 着地 荷待ち 運 送 荷待ち はい作業 荷造り 仕分け 検収・ 検品 横持ち 縦持ち 積込み 取卸し 横持ち 縦持ち 検収・ 検品 仕分け はい作業 ラベル貼り等 棚入れ 運賃 附帯業務料 待機 時間料 積込料 待機 時間料 取卸料 附帯業務料 料金 料金 運送事業者に積込み又は取卸しを委託したときには「積込料」、「取卸料」が生じます。 運賃 附帯業務料 待機 時間料 待機 時間料 附帯業務料 料金 料金 荷主が積込み又は取卸しを行う場合、その間運送事業者が待機した時間も含めて「待機時間料」が生じます。 ※「待機時間料」・「積込料」・「取卸料」の料金については、これまでの「車両留置料」と同様に上限・下限を定めてその範囲内で収受することとなります。

「運賃」「料金」の明確化に合わせ、標準貨物運送約款の関係規定を改正 標準貨物運送約款の改正 運送約款とは:多数の取引相手に対し、迅速・安定的な取引を行うために、予め定型化した運送契約 を定めたもののことであり、貨物の「引受け」、「運賃及び料金」、「責任」などを規定するものである。 ※運送事業者は「運送約款」を定めた場合は、国土交通大臣の認可を受けなければならない。標準 貨物運送約款を適用する場合には認可を受ける必要はない。 「運賃」「料金」の明確化に合わせ、標準貨物運送約款の関係規定を改正 標準貨物運送約款の改正により、この約款を適用する運送事業者に運送を委託する場合には・・・・ 貨物の積込み又は取卸しは、荷主が委託し、運送事業者が引き受けた場合に運送事業者が行うこととなります。この場合、「積込料・取卸料」の料金が生じます。 運送状等に、「運賃」とは別に「待機時間料」、「積込料」、「取卸料」等を記載する必要があります。 (参考例は別添) 附帯業務の具体例に「横持ち及び縦持ち」、「棚入れ」、「ラベル貼り」、「はい作業」が加わり、これらを運送事業者に委託した場合に規定の料金が生じることとなります。 〇標準運送約款等を適用する運送事業者と荷主として取引を行う場合には、以下の点がこれまでと変わることとなります。 ・貨物の「積込み」、「取卸し」は運送事業者が当然行うものではなく、荷主が委託し運送事業者が引き受けた場合に運送事業者が行うものであること。運送状等に積込み、取卸しを委託する旨を記載すること。 ・運賃とは別に「待機時間料」等の料金を記載する必要がある。 ・附帯業務の内容が追加されたことにより、これらを委託した場合に料金が生じること。 ○標準運送約款等の改正に併せて、「トラック運送業における書面化推進ガイドライン」等も改訂。 荷主が積込み又は取卸しを行い、その間運送事業者が待機した場合は「待機時間料」が生じます。 【各種ガイドライン】トラック運送業における書面化推進ガイドラインhttp://www.mlit.go.jp/common/001195720.pdf     トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドラインhttp://www.mlit.go.jp/common/001197192.pdf

(参考)運送状の記載例

標準貨物自動車運送約款等の改正に伴いトラック事業者に行っていただくこと 標準貨物運送約款を使用している事業者の場合 ①改正告示後の新標準約款を営業所に掲示する ②運賃及び料金の変更届出を行う 新標準約款を使用する 「待機時間料」、「積込料・取卸料」を設定する 新標準約款を使用しない場合 旧標準約款を引き続き使用する場合 (運賃・料金の設定を変更しない場合) ①旧標準約款を使用することについて認可申請を行う(※11月4日までに申請を行う) ②認可後、旧標準約款を営業所に掲示する ①独自に定めた運送約款を使用することについて認可申請を行う ②認可された運送約款を営業所に掲示する ③運賃及び料金の変更届出を行う 旧標準約款を使用せず、新たに独自に定めた約款を使用する場合  ○改正後の新標準運送約款が適用される11月4日以降に、トラック事業   者に行っていただく手続きは2つ。    ①新標準運送約款を営業所に掲示     →約款を営業所に掲示すること    ②運賃・料金の変更届出     →今般の改正で新たに追加された待機時間料、積込料及び取卸料を      収受するためには、現在届出ている運賃料金の変更を行う必要が      ある。  ○現行の標準約款を引き続き使用する場合においては変更認可手続きが   必要となる。  ○運賃・料金の変更届出の様式例については別添参照。 運賃・料金を標準約款とは別の内容で設定する場合 (その他:従前から独自の約款を使用している場合) ○独自の約款を引き続き使用する場合については手続きは不要 ○独自の約款の変更を行う場合については①認可申請、②運賃及び料金の届出、 ③約款の掲示が必要 ※新標準約款:平成29年11月4日に施行される標準貨物自動車運送約款及び標準貨物軽自動車運送約款 ※旧標準約款:平成29年11月3日以前に適用されていた標準貨物自動車運送約款及び標準貨物軽自動車運送約款

標準貨物自動車運送約款等の改正リーフレット

標準貨物自動車運送約款の改正に関するQ&A