自閉症スペクトラム障害児と定型発達児の識別に関する音響特徴量選択の検討 1-Q-8d 自閉症スペクトラム障害児と定型発達児の識別に関する音響特徴量選択の検討 ☆石井 良,高島 遼一,滝口 哲也,有木 康雄(神戸大), 中井 靖(川崎医療短期大),高田 哲(神戸大) 研究背景・目的 自閉症 自閉症患者は全国に約36万人以上 福祉分野における情報技術の発展の重要性 早期発見、早期治療が重要 自閉症児の早期鑑別が実現 自閉症とは 先天性の脳機能障害 社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる発達障害の一種 主な症状や特徴 対人相互反応の質的障害 意思伝達の著しい異常またはその発達の障害 活動と興味の範囲の著しい限局性 早期治療により自閉症患者の 社会的自立へつながる 提案手法 MKL-SVM 通常のSVMは、一つのベクトルに対して1種類のカーネル関数が割り当てられる システムの流れ MKL-SVMの応用による次元重みの学習 自閉症児と定型発達児の識別に有効な特徴量 を特定したい 従来の単一カーネルSVM 次元ごとに重みを学習 MKL (Multiple Kernel Learning) ・複数のサブカーネルの線形結合により新たな カーネルを作成する手法 ・重みβは,SVM (Support Vector Machine)に よって自動で学習される ・MKLは本来,識別に有効なカーネルを重み付 けで評価する手法 ・カーネル関数を次元ごとに定義すると,識別 に有効な次元を評価することができる openEAR MKL-SVMは、一つのベクトルに対して、複数のカーネル関数が割り当てられる 従来は感情音声認識に用いられていたToolkit 音声データから484次元の特徴量を抽出 MFCC lspFreq voiceProb _max _min _mean 通常のMKL-SVM × = 484dim ・・・ ・・・ 評価実験 実験データ 提案手法では、ベクトルの次元毎に、1種類のカーネル関数が割り当てられる 実験データ 日常会話単語 被験者(学習) 自閉症児15名(1089単語),定型発達児16名(1046単語) 被験者(テスト) 自閉症児5名(471単語),定型発達児5名(480単語) 提案手法におけるMKL-SVM 特徴量 openEARによって抽出 次元ごとの重み 識別結果 83.0 各サブカーネルの重みβは、SVMの枠組み(マージン最大化)によって 識別境界と一緒に学習される。 59.2 MKL-SVM 通常のSVM まとめと今後の課題 比較対象であるForward selectionに比べ結果が大きく改善された(23.8%) lspFreq (線スペクトル周波数)が自閉症児の識別に有効 線スペクトル周波数による識別に対する影響の究明 多量のデータを用いて実験を行う