バルサルタン臨床試験をめぐる毎日新聞の報道

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演題名: ●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 所属 1 . ○○ 大学△△△△, 2 . □□ 大学附属病院, 3 . ▲▲ 大学大学院 ■■■■ 名前 ○○○○1 , □□□□2 ,△△△△ 1,2 , ▲▲▲▲3 , ■■■■1,3 本演題に関連して,筆頭著者に開示すべき利益相反はありません。
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利益相反とは何か なぜ問題なのか エドガー大学教授 森のくま・さんでる.
○○○○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・の比較
○○○○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・の比較
演題:○○○○の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・薬物動態の比較
○○○○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・の比較
医療事故 2002.6.7.
定型調査 結果報告書 児童虐待防止啓発新聞広告 (近畿6府県4政令指定都市実施)
耳鼻咽喉科専門医制度委員会 (文責奥野妙子)
発表者・研究責任者の利益相反開示事項 発表者氏名 所属/身分 金額(年間) 該当なし 該当有りの場合:企業又は団体名 企業等の役員・顧問職
琉球大学 研究企画室 & 研究費公正執行教育・研究倫理教育に係る教材WG 作成
~第7章輪読課題~ ヒルズ.
日本老年医学会 CO I 開示 発表者名:老年太郎、東京次郎、◎京都三郎(◎代表者)
健康・医療の知識とメディア                  林 剛生.
課題 1.オープン化に対して、政府が抱きうる懸念を考えて下さい。基本的なリストは次ページ以降に示します。 ほかに主要なものに何があるかを、考えて下さい。 2.データの公開を断念したり、利用条件を厳しく制限せざるを得ない、「本質的な懸念」と、オープン化を制限する理由にならない「本質的でない懸念」と、2種類とに分けてください。(次ページ以降の懸念リストにあるものも含めて)
わが国の産婦人科医の現状 平成26年医師歯科医師薬剤師調査の結果を踏まえて
発表者・研究責任者の利益相反開示事項 研究費の財源 □受託 □寄付 □科学研究費 □その他( ) 財源の供給元 発表者氏名 所属/身分
日本臨床微生物学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
様式1-A 申告すべきCOI状態がない時 演題名: 所属: 名前: 筆頭発表者のCO I 開示 筆頭発表者:○○○○
日本臨床精神神経薬理学会 筆頭著者のCO I 開示
様式1-B  学術大会口頭発表時、申告すべきCOI状態(過去3年間)がある時、
第6章:食品、医薬品での釣り A班 加藤 後藤 橘 銭貫 石井 岩屋.
010_ /7/2018 4:28:52 AM × MedPeer朝日ニュース 媒体資料 2018年4月.
○○○○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・の比較
日本呼吸器学会 CO I 開示 発表者名: 東京一郎 京都二郎 ○大阪三郎(筆頭者)
日本熱帯医学会 CO I 開示 発表者名:東京一郎、京都二郎、大阪三郎、◎福岡四郎(◎代表者)
発表者・研究責任者の利益相反開示事項 研究費の財源 □受託 □寄付 □科学研究費 □その他( ) 財源の供給元 発表者氏名 所属/身分
第28回日本臨床精神神経薬理学会・第48回日本神経精神薬理学会 合同年会筆頭発表者のCOI開示
日本消化器病学会 CO I 開示 発表者名(全員記載):○○ ○○ 、 ○○ ○○ 、・・・ (◎発表責任者)
昭和21年 実地修練制度 (いわゆる卒後1年間のインターン制度)
第38回日本生物学的精神医学会・第59回日本神経化学会大会 合同年会
日本口腔科学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
利益相反提示方法 口演発表は演題名の次のスライドで開示 ポスター発表はポスターの最下部に開示.
日本禁煙学会 COI開示スライド例 平成29年11月4日より開始 スライド2は 開示すべきCOIがない場合
発表者・研究責任者の利益相反開示事項 研究費の財源 □受託 □寄付 □科学研究費 □その他( ) 財源の供給元 発表者氏名 所属/身分
2010年1月31日現在 喜ぶのはまだ早すぎる 日本産科婦人科学会 新規専攻者の推移 日本産科婦人科学会医療改革委員会 委員長 海野信也.
日本耳鼻咽喉科学会 利益相反(CO I) 開示 筆頭演者名: ○○ ○○
利益相反提示方法 口演発表は演題名の次のスライドで開示 ポスター発表はポスターの最下部に開示.
日本呼吸器学会 CO I 開示 発表者名: 東京一郎 京都二郎 ○大阪三郎(○筆頭者)
日本組織適合性学会 CO I 開示 発表者名:組織太郎、東京次郎、◎京都三郎(◎代表者)
利益相反に関する申告書 発表者 所属 氏名 条件 金額(年間) 該当 申告事項 ※該当有りの場合 役員・顧問職 1つの企業等からの報酬
○○○○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・の比較
Situation of Japan’s corruption and Anti-Corruption Measures
日本ミトコンドリア学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本口腔科学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本消化器病学会 CO I 開示 発表者名(全員記載):○○ ○○ 、 ○○ ○○ 、・・・ (◎発表責任者)
日本家庭医療学会の具体的戦略 法人化による組織強化 研修機能の強化 研究活動の支援 海外交流 国内学会、団体との協調
看護職の臨床研究に関する 検討 研究者のCO I 開示 演題発表に関連し、研究者らに 開示すべきCO I関係にある 企業などはありません。
日本小児血液・がん学会 COI 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本呼吸器学会・日本結核病学会 CO I 開示 発表者名: 東京一郎 京都二郎 ○大阪三郎(○筆頭者)
日本呼吸器学会 CO I 開示 発表者名: 東京一郎 京都二郎 ○大阪三郎(筆頭者)
CO I 開示 発表者名: 東京一郎、京都次郎、大阪三郎、◎福岡史郎(◎代表者)
日本消化器病学会 CO I 開示 発表者名(全員記載):○○ ○○ 、 ○○ ○○ 、・・・ (◎発表責任者)
日本神経 学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本内分泌学会 COI開示例 平成29年4月1日より改訂 改訂後 現在 発表者のすべて 筆頭発表者 発表代表者に◎印
日本臨床工学会 CO I 開示 筆頭発表者名:〇〇〇〇
日本呼吸器学会・日本結核病学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
【指定演題】 スライド (開示すべき情報がない場合)
第48回日本臨床分子形態学会総会・学術集会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本平滑筋学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本頭頸部外科学会 利益相反(CO I) 開示 筆頭演者名: ○○ ○○
日本内分泌学会 COI開示例 平成29年4月1日より改訂 改訂後 改訂前 発表者のすべて 筆頭発表者 発表代表者に◎印
演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある
日本内分泌学会 COI開示例 平成29年4月1日より改訂 改訂後 現在 発表者のすべて 筆頭発表者 発表代表者に◎印
日本てんかん 学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
演題:○○○○の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安全性リスクの比較
日本気管食道科学会 利益相反(CO I) 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
演題名:□□□□□□□□□□□□□□□□ ○筆頭著者 共著者名 所属名
日本国際保健医療学会 第36回西日本地方会 CO I 開示 発表者名:愛知一郎、京都二郎、大阪三郎、◎福岡四郎(◎代表者)
日本消化器病学会 CO I 開示 発表者名(全員記載):○○ ○○ 、 ○○ ○○ 、・・・ (◎発表責任者)
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バルサルタン臨床試験をめぐる毎日新聞の報道 2013年 10月 22日 毎日新聞社 東京科学環境部

(1)はじまり ・昨年4月、ランセットに京大病院の由井芳樹医師が慈恵医大、京都府立医大などバルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験について「懸念」を表明 ・今年2月、欧州心臓病学会誌が、京都府立医大の本論文を撤回(毎日新聞13年2月6日) ・試験責任者が辞職へ(毎日新聞  13年2月28日)

(2)疑惑浮上 撤回された京都府立医大の本論文 ①京都府立医大で、臨床試験にノバルティス社の社員が統計解析に関与。論文では社名を明らかにせず  撤回された京都府立医大の本論文 ①京都府立医大で、臨床試験にノバルティス社の社員が統計解析に関与。論文では社名を明らかにせず ②ノバルティス社が4年間で1億円を超える奨学寄付金を府立医大の研究室に提供 (毎日新聞13年3月28日)

(3)広がる疑惑 慈恵医大のバルサルタンの臨床試験で、ノバルティス社の社員が関与。大学が調査へ(毎日新聞4月23日) ノバルティスのスイス本社が京都府立医大の臨床試験を調査へ(毎日新聞4月24日) 滋賀医、千葉、名古屋の3大学の臨床試験でも、ノバルティス社の社員が関与(毎日新聞5月2日)

(4)専門家集団 ・日本医学会が、バルサルタンの臨床試験問題に対し「信頼が失墜した」と批判。各大学に調査を要請 (5月25日) ・日本医学会が、バルサルタンの臨床試験問題に対し「信頼が失墜した」と批判。各大学に調査を要請 (5月25日) ・日本医師会が、ノバルティス社に対し、説明責任を果たすよう求める(5月30日)

(5)問題の追及 京都府立医大のバルサルタン臨床試験で、大学予備調査に元研究仲間が参加(毎日新聞6月2日) バルサルタンの臨床試験チームにノバルティス社の社員が参加できたのは、同僚の紹介があった(毎日新聞6月11日)

(5)問題の追及  バルサルタン臨床試験の問題点を3回にわたって連載(毎日新聞6月21~23日)

(6)データ操作発覚 ・京都府立医大と慈恵医大が、試験データが操作されていたと発表。(毎日新聞7月12日、同31日) ・ノバルティス社がバルサルタンの宣伝根拠に使ってきた慈恵医大の論文も撤回

(7) 国の対応 ・ノバルティス社が計11億円もの奨学寄付金を提供したと公表 ・厚労省、誇大広告の疑いでノバルティス社を調査。 (7) 国の対応 ・ノバルティス社が計11億円もの奨学寄付金を提供したと公表 ・厚労省、誇大広告の疑いでノバルティス社を調査。 ・有識者検討委が保険財政への影響評価を中医協の要請

(8)まとめ ・研究者と製薬会社等のもたれあいの構図 (試験の統計解析、多額の奨学寄付金など) ・臨床試験に対する緩い不正防止対策  (試験の統計解析、多額の奨学寄付金など) ・臨床試験に対する緩い不正防止対策  (今後、国が規制の必要性を検討) ・いまだ真相究明ならず  (データ操作は研究者か、製薬元社員か? 今後の国の対応に注目)

ご静聴ありがとうございました。