47070 オブジェクト指向モデリング [1] 2001年10月2日
講師 児玉公信 技術士(情報工学部門) (株)エヌ・ケー・エクサ 技術部 東京都立大学人文学部(認知心理学) 著書・訳書 オブジェクト指向モデリング 講師 児玉公信 技術士(情報工学部門) (株)エヌ・ケー・エクサ 技術部 オブジェクト指向技術の社内・社外のコンサルテーション ファンクションポイント法の導入コンサルテーション SPBOM(生産管理システム)の事業化 東京都立大学人文学部(認知心理学) 著書・訳書 「実践ファンクションポイント法」,日本能率協会マネジメントセンター,1999 Date著 「データベースシステム概論」,丸善,1997 Fowler著 「アナリシスパターン」,アジソンウェスレイジャパン,1998 Ricketts著 「ソフトウエア開発のプロジェクトマネジメント入門」,日刊工業,1999 Fowler著 「リファクタリング」,ピアソンエデュケーション,2000 Marshal著 「Enterprise Modeling with UML」,ピアソンエデュケーション,2001 Erikkson & Penker著 「Business Modeling with UML」,ソフトバンク,2001 Garmus & Herron著 「Function Point Analysis」,ピアソンエデュケーション,2001
テキスト Perdita Stevens with Rob Pooley オブジェクト指向モデリング テキスト Perdita Stevens with Rob Pooley Using UML: Software Engineering with Objects and Components 児玉監訳, 「オブジェクト指向とコンポーネントによるソフトウェア工学-UMLを使って-」,ピアソンエデュケーション,2000, ISBN4-89471-263-6
この科目の主題と目標 概念レベルのモデリング 良いモデル モデルの書き方 ビジネス要求の本質を理解し,当事者間で共有する活動 オブジェクト指向モデリング この科目の主題と目標 概念レベルのモデリング ビジネス要求の本質を理解し,当事者間で共有する活動 効果的な情報システムの構築 成長し続ける情報システム 良いモデル ビジネス構造やビジネスルールを的確に記述 モデルの書き方 要求記述,対象領域の概念構造の記述,ビジネスルールの記述,業務フローの記述およびオブジェクトどうしの対話の記述 事例を取り上げて実際にモデリングを行い,モデリングプロセスを体験しつつ,良いモデルを追及
シラバス 授業計画 オブジェクト指向モデリング 回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 試験 内容 オリエンテーション:モデルとは何か。 良い情報システムとはどんなものか。結合度,凝集度。 UMLの導入 モデルの事例:図書館システム 静的モデル1:概念と集合,型と多重度 静的モデル2:関連,関連型,ロール,サブタイプ,知識レベル,インスタンス図 動的モデル1:ユースケース記述,シナリオ,システム境界 動的モデル2:コラボレーション図,シーケンス図,状態図,アクティビティ図 モデリング1:事例のモデル図を見て理解する モデリング2:モデル図を書く。モデルの評価 静的モデル3:再帰関連,関連の構造,ロールと属性 静的モデル4:よいモデル(アナリシスパターンなど)の理解 モデリング3:ユースケース記述とモデル図の作成 UMLの基礎知識,インスタンス図,良いモデルの基準,モデリングそのもの 月日 10月 2日 10月 9日 10月16日 10月23日 10月30日 11月 6日 11月13日 11月27日 12月 4日 12月11日 12月18日 1月 8日 1月15日 1月29日
第1回 モデルとは何か 1.1 ソフトウェアと情報システム 1.2 情報システムとモデル 1.3 モデル 1.4 概念モデル オブジェクト指向モデリング 第1回 モデルとは何か 1.1 ソフトウェアと情報システム 1.2 情報システムとモデル 1.3 モデル 1.4 概念モデル 1.5 認識主体
1.1 ソフトウェアと情報システム ソフトウェア工学 情報システム学 ものづくり(良い品質,速く,安く,安全に) システムづくり 1.モデルとは何か 1.1 ソフトウェアと情報システム ソフトウェア工学 ものづくり(良い品質,速く,安く,安全に) 情報システム学 システムづくり 創発特性 人間活動システム 人間が目的を持って行う活動 相互連関しあう活動の集合 付随する社会システム accommodation 「ソフト」な問題状況を扱う マネジメントの複雑性 問題解決(のための変換) 自然システム 人工システム 人間活動システム 社会・文化システム (Wilson, B., 根来監訳:「システム仕様 の分析学」,共立出版,1996)
1.2 情報システムとモデル 情報システムのモデル 情報システムの構築 概念モデル Universe of Discourse 理解の共有 1.モデルとは何か 1.2 情報システムとモデル 情報システムのモデル 概念モデル Universe of Discourse 関心領域の認識 認識の構成要素 人間活動システムに「存在するものの見方」 システム定義に対応する活動の集まり 理解の共有 情報システムの構築 概念モデル→仕様モデル→実装モデル 過不足なく
1.3 モデル モデルとは, モデルの分類 ある人にとっての,ある状況あるいは状況の概念の明示的な解釈 アイコン型モデル 類比型モデル 1.モデルとは何か 1.3 モデル モデルとは, ある人にとっての,ある状況あるいは状況の概念の明示的な解釈 モデルの分類 アイコン型モデル ミニチュア模型(or拡大模型) 類比型モデル 実物の代わり 分析型モデル 数式表現 概念モデル
1.4 概念モデル 概念モデル メンタルモデル 認識の共有 関心領域についての考察を助ける 概念を図式化する 構造と論理を定義する 1.モデルとは何か 1.4 概念モデル 概念モデル 関心領域についての考察を助ける 概念を図式化する 構造と論理を定義する 設計の前提とする メンタルモデル Johnson-Lairdなど 思考操作のための概念構造の表現 捨象,単純化 構造の理解→シミュレーション,予測 ミシンの上糸と下糸 認識の共有 モデリング言語
1.5 認識主体(1) モデルで表現されるべきもの 人間活動システムの… CATWOE 1.モデルとは何か 基本定義(Root Definition) システムのインスタンスしか定義できない 目的 変換(Transformation) 受益者(Customer) 組織(Actors) 世界観(Weltanschauung) 環境(Environment) システムの所有者/観測者(Owner) プロセス 概念 CATWOE
1.5 認識主体(2) モデルの認識主体 モデリングする人(modeler) システムのOwner/Observerの視点 良いモデル 1.モデルとは何か 1.5 認識主体(2) モデルの認識主体 システムのOwner/Observerの視点 階層性 要求 アクタと役割(Role) 視点が異なるモデルは単純に接続できない 意味/世界観のギャップ 認識主体はモデルには現れない モデリングする人(modeler) 理解→設計→実装 良いモデル 本質性 最小かつ完備 文脈依存